ローテーターカフの筋トレ|筋肉の仕組みと機能も解説

肩は人体の中にある関節の中でも、特に可動域の広い部位の1つです。そんな肩の動きをサポートしてくれるのが、肩関節回りにあるインナーマッスルの「ローテーターカフ」と呼ばれる部分です。このローテーターカフがどんな役割を果たしているのか、その仕組みを解説します。

ローテーターカフの基本

ローテーターカフは、日本語で「回旋筋腱板」と書きます。漢字にある通り、肩関節を回旋させる役割を持っている筋肉の総称です。そしてローテーターカフは、以下の4つで構成されています。

・棘上筋
・棘下筋
・肩甲下筋
・小円筋

これらの筋肉は、肩甲骨から上腕骨を掴むように伸びています。腕を上下させたり回したりと、あらゆる動作に深く関係しています。

ちなみに、ローテーターカフのように肩甲骨に付いている筋肉は10種類以上もあります。それだけ肩は重要な場所なのです。

ローテーターカフの筋トレは様々なスポーツで重要

肩関節、上腕の動きを安定させてくれるローテーターカフの筋トレは、以下のようなスポーツで大きく役に立ちます。

・野球
・テニス
・バドミントン
・柔道

どのスポーツも共通しているのが、肩周辺を大きくしならせたり、あるいは大きな負荷をかけるという点です。

特に野球のピッチャーの投球フォーム、テニスのサーブなどは肩を大きく振り上げるので、その分肩への負担も強くなります。
非常に傷めやすい筋肉で、四十肩や五十肩の原因にもつながります。

そのため、筋トレやストレッチなどで補強・ケアが必要です。

ローテーターカフの筋トレ①エクスターナルローテーション

ローテーターカフを鍛える時は、トレーニング用のチューブを活用すると非常に便利です。
ダンベルとは違い動作中常に負荷をかけられ、また負荷の調整もしやすいというのが大きなメリットですね。

そんなチューブを使ったローテーターカフのトレーニングの1つが「エクスターナルローテーション」です。

このメニューでは、ポールやドアノブなどにチューブを固定し、その端を片手で持ちます。この時、チューブに対して体は真横を向き、肘は90度に曲げて上腕を脇につけてください。スタートポジションでは、体の前でチューブを持ち、手が体の内側にあるようにしてください。

この状態から、手を体の外側に開くようにして、チューブを引っ張りましょう。インナーマッスルのトレーニングは基本的に「ゆっくり行う」というのを忘れずに、丁寧な動作を心がけてください。

このメニューと次に紹介するインターナルローテーションは、ダンベルなどの重りで代用することも可能です。

ローテーターカフの筋トレ②インターナルローテーション

ローテーターカフを鍛えるトレーニングとしてもう1つ紹介したいのが「インターナルローテーション」です。

この種目はエクスターナルローテーションと非常に似た名称をしていますが、実際の動きもよく似ています。

しかし、エクスターナルローテーションがチューブを体の「外側」に引っ張る種目だったのに対して、インターナルローテーションでは前腕を外に開いた状態でチューブを持ち、それを体の「内側」に引っ張る種目です。

エクスターナルローテーションとインターナルローテーションでは扱える強度に差がある人もいます。

その場合はチューブを持つ位置などを調整しつつ、負荷を増減させましょう。

ローテーターカフのストレッチ法

筋トレ時・スポーツ時や寝る前などにローテーターカフのストレッチをすることで、ケガや四十肩・五十肩の防止に繋がります。

①肘を90度程度に曲げ、腕を上げます。ドアや柱に前腕と肘をつけ、そのまま体重を前へと伸ばしましょう。

肩前面の筋肉が伸びているのを感じつつ、そのままの姿勢をキープします。

②腰に手を当てるような姿勢をとります。そして手のひらではなく手の甲を、腰の後ろにつけてください。その状態で、残っている方の手で肘を押さえ、体の内側にねじるように引っ張ります。

肩後方がストレッチされているのを感じつつ、その姿勢をキープしてください。

ローテーターカフは筋トレ・ストレッチでケアしてあげよう

肩は、筋トレはもちろん日常生活でも非常に多くの動きに関係する大切な場所です。

その反面、とてもケガをしやすく完治もしづらい部位なので、今回紹介した筋トレやストレッチ方法を参考に、日々丁寧にケアして上げてください。

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