ハーフデッドリフト(トップサイド)の効果と正しいやり方!

監修者

仙福 太郎

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

分厚い背中を作るには必須の種目! ハーフデッドリフトの効果と注意点をプロのトレーナーが徹底解説! デッドリフトのプログラムの組みかた、バリエーションなどの紹介もします

まずは背中の構造を知ろう!

背中の筋トレと言えばデッドリフトというイメージですが、デッドリフトって何がそんなにすごいんでしょうか?

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

デッドリフトは「筋トレBIG3」の1つであり、残りのベンチプレスやスクワットと比較すると目立たないですが、その効果は絶大ですよ。
まずはデッドリフトで鍛えられる背中の筋肉について解説します。

広背筋

腰(腰椎)から腕(上腕骨)に付着している。背中の筋肉の中で最も面積が大きい。逆三角形の身体を作るには重要。背中の中でも大きな力を出すことができるため、大きくするにはなるべく高負荷でトレーニングを行いたい部位。

僧帽筋

背中の中央部分から扇形になっている。肩甲骨を大きく動かしたり、固定することで鍛えられる。また上・中・下と分かれており肩甲骨の動きには3つのバランスが重要となる。

脊柱起立筋

腰から首まで背骨に沿って走行している。身体を反らしたり、まっすぐ保つときに鍛えられる。 姿勢の保持によく使われるため、疲労が溜まりやすい。

背中の一番表にある筋肉がこの3つで、これらを鍛えることで分厚い背中を手に入れることができます。そしてトップサイドデッドリフトは3つの筋肉に強い刺激を与えることができます!この他にも大円筋や菱形筋、三角筋後部なども背中のシルエットをよくするには重要ですが、今回は大きな筋肉3つをイメージしてデッドリフトを解説していきます。

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ハーフ(トップサイド)デッドリフトのメリットは?

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

では実際にデッドリフトについて見ていきましょう。デッドリフトは初心者がいきなるやるには難しい種目です。

え!?そうなんですか?

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

はい。デッドリフトを間違ったやり方でやると腰を痛める危険があります。そのため、まずオススメしたいのは「ハーフデッドリフト」です。

デッドリフトには床からバーベルを引くフルレンジのデッドリフトと、膝あたりから引くハーフデッドリフトがあります。この二つの大きな違いは動かす範囲です。動かす範囲によって効果に違いがでてきます。
フルレンジとハーフデッドリフトの特徴の違いは以下になります。

背中を集中して鍛えられる

フルレンジのデッドリフトは床からバーベルを引き上げるために身体を深く前傾させなければなりません。このときに股関節を動かす大殿筋が主に働きます。しかしハーフデッドリフトではフルレンジと比べて股関節の動きが少なく、バーベルを保持する際に背中の筋肉(脊柱起立筋、広背筋、肩甲骨内転筋etc)を主に働かせることができます。

腰への負担

フルレンジは前述のとおり、股関節を動かす範囲が大きいため腰への負担が大きくなります。また、骨盤をうまく動かすことができないと(前傾、後傾)、身体を深く前傾させたときに腰が曲がりやすく背中がうまく刺激されず腰に負荷がかかりケガの原因となります。ハーフデッドリフトは身体を深く前傾させないぶん、腰への負担を軽減することができます。フルレンジのデッドリフトがうまくできないかたも安全に行うことができます。

高重量を扱うことができる

上記ふたつの話と繋がりますが、動かす範囲が狭い分フルレンジのデッドリフトに比べ高重量を扱うことができます。高重量を扱うことでより大きな刺激を与えることができます。種目の重量を伸ばすことは筋肉を発達させるには欠かせません。適切なフォームが維持できる範囲で重量を上げていきましょう。

ハーフ(トップサイド)デッドリフトのデメリット

背中を鍛えるにはもってこいのハーフデッドリフトですが、デメリットもあります。

握力がつぶれやすい

高重量を扱える分、バーベルを保持するためにより強い握力が必要になります。かなりの握力が必要となるため、その後の背中のトレーニングに支障をきたすことも…。

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

私はリストストラップをおすすめします。リストストラップは手首にはめて、バーベルに巻き付けることで握力のサポートをしてくれます。握力が必要とされないぶん、背中をより集中的に鍛えることが可能です。

また、リストストラップは他の背中種目にも使えるので、背中を効率よく鍛えたいトレーニー必需品です。しかし頼り過ぎると握力だけ弱いままになるので注意が必要です。バランスよく鍛えましょう。

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足のトレーニングとの兼ね合い

フルレンジのデッドリフト、トップサイドデッドリフト、そして脚を鍛えるスクワットも背中にある脊柱起立筋に大きな負荷がかかります。足のトレーニングではフルレンジのデッドリフトやスクワット、背中のトレーニングではトップサイドデッドリフトを行うと疲労によってパフォーマンスの低下やケガに繋がります。そのため、トレーニングのボリュームや頻度などのプログラムの組みかたには注意が必要です。

また構造的に弱い部分ですので、ウォーミングアップやトレーニング後のケアを入念に行いましょう。

ハーフデッドリフトのやり方・コツ

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JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

ハーフデッドリフトのセッティグから解説します。

足幅

腰~肩幅に設定します。腰幅よりも狭くなるとその分不安定になり、高重量を扱うことができなくなります。また、肩幅よりも広くなると安定感は増しますが、腰幅に比べると同じ重量でも背中への負荷は減ってしまいます。動作を行い、違和感のないスタンスで行いましょう。

バーの高さ

膝を軽く曲げて、バーが膝下にくるようにラックのセーフティーバーを設定します。高くし過ぎると動作の範囲が小さくなってしまうので注意しましょう。

手幅

基本的には肩幅で握ります。肩幅よりも広く握るパターンもあります、

グリップ

オーバーグリップ(バーを上から握る)でサムアラウンド(親指を巻き付ける)でしっかりと握ります。バーと脛が触れるくらいの位置で握りましょう。離れすぎると腰に負担がかかってしまします。手幅や足幅などは個人の体格によって動作を行いやすさが変わってきます。軽めの重量で動作を行い、自分に合ったフォームを見つけましょう。

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JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

続いて動作中のポイントを解説します。

背中は真っすぐを保つ

横から見たときに頭から骨盤にかけて一直線になっていればOKです。立位姿勢であれば腰は手のひら一枚分反っているのが正常です。しかしそのままデッドリフトを行うと腰に負担がかかりやすくなります。また丸まり過ぎも注意です。

肩甲骨は寄せすぎない

寄せすぎると広背筋への負荷が減ってしまします。逆に開きすぎると腰痛の原因になるので自然な位置を保ちましょう。

顎は軽く引く

動作中は頭の位置を一直線上にキープしましょう。顎が上がると、腰が反りやすくなります。また顎を引きすぎると身体が丸まってしまいます。

重心は踵寄り

つま先に体重がかかると腰が反りやすくなります。動作は常に重心を踵寄り(くるぶしの真下)で行いましょう。

バーを動きをコントロールする

動作に慣れるまではフォームを維持できるようスピードをコントロールして行いましょう。また下ろす際にセーフティーバーに触れるとその分負荷が逃げてしまします。セーフティーバーを膝下にセットし、バーは膝の高さまで下ろしましょう。

応用編・プログラムの組みかた

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

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最後に応用編の解説をします。

手幅

肩幅より広く握ると肩甲骨内転筋群や広背筋の外側を鍛えることができます。膝の位置まで下ろすと、通常のグリップに比べ身体の前傾が深くなるので注意しましょう。

グリップ

アンダーハンド(バーを下から握る) 大円筋(脇辺りの筋肉)に刺激が入りやすいです。大円筋は逆三角形を作るにはトレーニング必須です。

動作

バーを下す際にほんの少し背中を丸め、引き上げたときには肩甲骨を寄せて脇を締めます。こうすることで通常のデッドリフトよりも背中の筋肉が大きく動くため違った刺激を得ることができます。しかし、高重量で行うとケガにつながるため、重量設定や動作スピードには十分注意しましょう。

プログラムの組みかた

筋肉を鍛えるには高重量で筋肉や神経を刺激すること(物理的刺激)と、比較的高回数(10回~)でいわゆる効かせる(化学的刺激)両方の刺激を与えることが重要です。トップサイドデッドリフトは背中のトレーニングの中で断トツで高重量を扱うことができます。したがって物理的刺激を狙って5回限界の重量で3セット以上行いましょう。

また休息は長めに(目安は3分程度)とってオッケーです。1セットずつ集中してできる限り大きな力を出すことが大切です。トップサイドデッドリフトで背中全体を刺激した後に、背中の筋肉を大きく動かす種目で科学的刺激を狙ってターゲットの筋肉を刺激しましょう。

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

トップサイドデッドリフトは背中全体を強く刺激することができる種目! しかしその分ケガのリスクを孕んでいるため、正しいフォームで少しずつ重量を伸ばしていきましょう! 早速トレーニングに取り入れて分厚い背中を手に入れましょう!!!

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