【プロトレーナー解説】定期的にトレーニングしているけど筋肉がつかない。そのような方に原因とその対策をご紹介します。もちろん個人の体質や習慣も関係していますが、それで諦めてしまうとそれ以上の結果は出ませんし、原因を見極め、対策を行うことで状況を改善することができます。
『筋トレしても筋肉がつかない』には必ず原因がある
ジムで筋トレをしていても思うように筋肉がつかないという人って結構多いですよね?
石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧インストラクター
はい!確かにそういった悩みをお持ちの方は確かに多いです!
まずは筋肉がつかない原因をハッキリさせる
筋肉がつかない原因は様々です。もちろん個人の体質や習慣も関係しています。
しかし、体質や習慣などと諦めてしまうとそれ以上の結果は出ませんし、せっかく始めた運動を辞めるのももったいないですね。
なぜ思うように筋肉がつかないのか?
その原因を知ることで、解決する為の方法がわかります。
それは早く知りたいですね!ちなみにどんな事が原因になるんですか?
石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧インストラクター
個人差があるといっても、大まかな原因は4つくらいに絞られます!
筋肉がつかない4つの原因
①運動強度が低い
②栄養状態が悪い
③身体がトレーニングに慣れてしまっている
④重量(負荷)を上げることしか考えていない
以上の4つが筋肉が思うようにつかない方によく見られる原因です。
もちろんこれですべて解決ではありませんが、この4つを気をつけるだけで、運動の効果は格段に上がります!
それでは4つの原因について詳しく解説していきましょう。
筋肉がつかない4つの原因と対策
原因①:運動強度が低い
そもそもなぜ筋肉がつくのかというと、ストレスに対する適応が起こるからだと言われています。日常生活でかかっているよりも大きなストレスをかけることが必要になります。これがトレーニング原則にもある【過負荷の原則】です。
では大きなストレスとはどの程度なのか?
筋肉をつけるために推奨される回数は大体6回~12回程度必要になります。
ジムでトレーニングをしているお客様にが10回反復できる負荷で10回完遂した時に、『あと2~3回出来ますか?』とお聞きすると、『それくらいなら出来る』という答えが返ってくる場合があります。
この状態ですと、ご自身で考えているより強度が低い可能性があります。フォームが十分に固まってきたら設定した回数がギリギリで出来る重さに設定するようにしましょう!
また後ほど説明する身体が運動に慣れてしまっているにも共通しますが、仮に10キロの重さを10回反復するのがギリギリの方でも、トレーニングを重ねると楽に出来るようになります。
その時点でその方にとっては強度が低くなっていますので少し重さを上げたり、回数を増やしたりして運動強度を高くします。
これもトレーニング原則にある【漸進性の原則】です。
※運動強度を高くすると疲労も大きくなるので、十分な栄養と睡眠などの休息も重要です。
原因②:栄養状態が悪い
筋トレをしていて筋肉がつかないという方は栄養状態の悪いことも多い原因の1つです。
トレーニングは筋肉を付ける為のきっかけにはなりますが、トレーニングをするだけで筋肉がつくというわけではありません。
栄養状態が悪いといっても、何が問題なのか?がわからなければ解決できませんので、以下の2点をまずは見直してみましょう。
●栄養状態が悪い要素:カロリーが低すぎないか?
ダイエットにおいては、摂取カロリー<消費カロリーが基本となります。カロリーの収支でマイナスを大きくすることが必要です。
筋肉を付けたい場合はこの逆が基本となります。
人間が1日に消費するカロリーは基礎代謝(または安静時代謝)+活動代謝の合計となります。
この合計よりも少しでも多くカロリーを摂ることが必要です。
しかし、むやみやたらに食べても体脂肪が増えすぎる可能性が高くなるので、トレーニング前、最中、後の3点に栄養を集中させることから始めてみて下さい。
●栄養状態が悪い要素:タンパク質ばかり摂りすぎていないか?
運動後にはプロテイン、普段の食事は鶏肉や魚、牛肉などとにかくタンパク質を意識して食事をしている方が多いですが、筋肉をつけるためには炭水化物(糖質)を必要なタイミングで摂取することも大変重要です。
トレーニング後にプロテインを飲んでいる方は是非吸収の早い炭水化物(糖質)を追加してみましょう!筋肉をつけるために最も重要なホルモンは『インスリン』です。
インスリンは吸収の早い炭水化物を摂る事で分泌が活発になります。
運動の後に身体が栄養を取り込みやすくするためにはインスリンの活躍が必要不可欠になりますので、ぜひ運動後は炭水化物も摂りましょう。
おにぎりや和菓子のような脂肪の少ないものがおススメです。
現在では筋肉を付ける為の様々なサプリメントが出ていますが、上記2点のような基本を怠っているとサプリメントも十分な効果が得られません。
ますは普段口にしているものの量・内容・タイミングなどを見直してみましょう。
サプリメントの活用はそれからでも遅くはありません。
原因③:身体がトレーニングに慣れてしまっている
トレーニングを行って身体にストレスをかけると最初のうちは筋繊維に微細な損傷が起こり、筋肉痛が発生します。これでは身体が壊れてしまうので、ストレスに負けないように身体が適応します。
しかし、身体がそのストレスに慣れてくるとそれ以上の適応が起こりにくくなります。
そのため身体にかかるストレスを少しずつ変化させて身体がストレスに慣れすぎないようにしていきます。部位にもよりますが、トレーニングメニューを作っている方は2~3ヶ月でメニューを変更することをおススメします。
メニューを変更するときは以下の項目を変更してみるといいと思います。
・トレーニング種目の変更
・セット数(多すぎたら減らす)
・インターバル(セット数やレップ数によって変わる)
・動作のテンポ(例:スロートレーニング、ストップ&ゴー等)
・レップ数
・トレーニング頻度
ちなみに筋力トレーニングを始めたばかりの方は初期の段階でフォームの習得や神経系の適応による大幅な筋力UPが優先になりますので、トレーニング種目などを頻繁に変えすぎるのはお勧めできません。万が一変えるのであればメイン種目(通常1目目に行うもの)以外の種目を変更するようにしてみてください。
なるほど!トレーニングもただ決めたことをひたすらやればいいわけではないんですね。
石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧インストラクター
おっしゃる通りです!トレーニングは一生懸命頑張ることと、科学的な部分を考えて行う事のバランスが大切です!
ウエイトトレーニングは自重で行う筋トレより効果は絶大です。しかし、ハードなトレーニングである性質上、正しいメニューを組まなければ怪我やモチベーションの低下を招く恐れがあります。ウエイトトレーニングのメニューの組み方について紹介します。
原因④:重量(負荷)を上げることしか考えていない
トレーニング開始初期の段階では神経系の適応が活発に起こることから、挙上重量が大きく伸びます。男性で筋力トレーニングにハマっていく方はこの段階がとても気分がいいというのも理由の1つだと思います。
しかしながら、その著しい伸びはいつまでも続きませんし、重量ばかりを求めすぎてしまうと『対象筋に十分なストレスをかける』という事が疎かになります。
むやみやたらと反動をつけてしまったり、対象筋の筋肉にテンションがかかっている時間が短くなってしまっても十分なストレスを与えられず、筋肉をつけるという事においてマイナスが大きくなる可能性もあります。
※トレーニングへの慣れを防ぐ為に反動を利用したりする方法もあります。
筋力を上げること(挙上重量)も大変重要な要素ですが、そればかりにならないように注意してみてください。
最後にもう1つ大切なこと
石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧インストラクター
以上4点を見直してせっかくのトレーニングを効果的で充実したものにしていただければと思います。
トレーニングは千差万別。1人1人微妙に違います。そんな中で唯一共通することは『継続することが最も重要である』という事だと思います。
素晴らしいプログラムでも1回で筋肉がつくことはありませんし、多少間違った方法でも一定期間継続するとそれなりに効果があるものです。
ご自身のライフスタイルや性格、目標や身体の特徴を知って是非継続できるやり方を見つけてください。