プランクの効果とやり方!腹筋運動との違い、どっちがおすすめ?

監修者

菅原志津穂

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

意外と知らないプランクの効果!正しく行うことで腹筋だけをするより効率的に体幹を鍛えて綺麗な腹筋を作ることが可能です。
スポーツをする方はパフォーマンスUPにも!間違えた方法で行って、姿勢が崩れていませんか?
一度、自分のやり方が正しいか見直してみましょう。

プランクトレーニングとは?腹筋運動との違い

「プランク」トレーニングとは?

プランクってどんな効果があるんですか?腹筋をしたほうが効果的な気がするんですが…

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

正しいポジションで行うことで、腹直筋や腹斜筋を適切な長さで使うことで綺麗な腹筋を作ることが出来ます。今からプランクトレーニングについて詳しく解説していきますね

プランクトレーニングはフロントブリッジと呼ばれていることもあります。
プランク(Plank:『板』の意味)と言うように、板のように体幹をまっすぐ保持するトレーニングです。
プランクは腹筋全体(腹直筋・腹横筋、内外腹斜筋)を鍛えることができます。

プランクと腹筋運動の違い

腹筋運動とどう違うんですか?

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

腹筋運動とプランクトレーニングは全然違いますよ。プランクが出来るようになることで、腰痛・肩こりの改善・パフォーマンスUPなどにもつながりますよ。また、綺麗な腹筋を腹筋を作ることもできます。詳しく解説していきますね。

◯腹筋運動の特徴
腹筋運動は単純に、腹直筋を鍛える運動です。

腹直筋というのは腹筋の中でも表層部の筋肉になります。本当に腹直筋のみを鍛えるため、意外と綺麗な腹筋にはならないんです。最終的にシックスパックにするためにはインナーマッスルも一緒に鍛える必要があります。

また、一般的にイメージされる腹筋は頭を持ち上げて体を起こしていくものがあります。これは腹直筋が短くなり、姿勢も崩れ、腰痛の原因となってしまいます。

また、腹筋の下部を鍛えようとして、下肢の上げ下ろしをする腹筋もありますが、腰が反りすぎていたり、股関節の代償が入ってうまく行えていない方が多い印象です。

やみくもに、腹筋をしても姿勢を崩して、腰痛を助長してしまうことも多々あります。

◯プランクの特徴

一方、プランクは、腹直筋や外腹斜筋などのアウターマッスルだけでなく、腹横筋・内腹斜筋などのインナーマッスルを鍛えることができます。

これらの筋肉を鍛えて正しい姿勢をとれるようになることで、綺麗な腹筋を作っていくことが可能です。

ここで正しくインナーマッスルを使えるようになることで、次にステップアップしてのトレーニングでも効率良くアウターマッスルを鍛えることが出来ます。

あなたのプランクのやり方は正しい?チェックしよう!

皆さんがパッと思い浮かぶ一般的なプランクは、前腕と肘で体を支持しているスタイルではないでしょうか?
この方法は正しい?腹筋とどう違うの?実際の効果は?について解説をしていきます。

一般的なプランクのやり方は正しいの?

正しいか間違えてるかで言うと、正しいです。
ただし!!!
本当に正しい方法で出来ていますか?
どこを意識して行うか理解していますか?
今の自分のレベルに本当にあっていますか?

実は、前腕と肘をついて行うプランクトレーニングの方法は体幹にかなりの負荷がかかります。なので、出来ているつもりでも意外と正しく出来ていない方が多いのです。

◯チェック①|肩甲骨が浮いて翼状肩甲になっていませんか?
 ①が出来ていない方は肩甲骨周りが弱く支えれていない方が多いです。

◯チェック②|腰が反りかえっていませんか?逆にお尻が上がりすぎていませんか?
 ②で腰が反りかえってしまう方は、腹圧が弱く、殿筋やハムストリングスで支えている方が多いです。

◯チェック③|頭が体幹の軸上にありますか?下がりすぎていませんか?
 ③が出来ない方は、頸椎回りが弱く頭が落ちてしまっている方が多いです。

◯チェック④|セットしている脚のポジションが体幹の軸より外に開きすぎていませんか?
 ④脚が外に開きすぎる方は、腸脛靭帯が硬く、内転筋が弱く、立位時に体重が外側に乗り重心が崩れていることが多いです。

いかがだったでしょうか?
正しく出来ていない方は、四つばいのプランクから練習していきましょう。
段階を追って、肘付きのプランクトレーニングを行うことで、効率的なトレーニングが可能になります。
後ほど正しいプランクトレーニングのやり方を解説していきますね。

プランクトレーニングの効果3つ

プランクトレーニングの効果は大きく分けて3つの効果があります。

プランクトレーニングの効果①:体幹の安定性強化・筋力UP

腹筋群および背筋群をバランス良く使うエクササイズになります。

体幹前面の腹直筋、外腹斜筋(アウターマッスル)・腹横筋・内腹斜筋(インナーマッスル)を同時に収縮させ、かつ体幹後面の筋肉である脊柱起立筋群そしてインナーマッスルである多裂筋を同時に収縮させていきます。
プランクにより体幹前面と後面の筋群を同時収縮させることで体幹の強化・筋力UPになります。

腹筋運動のようにアイソトニック(筋肉の長さを変えて収縮させる:この場合は短縮運動)で筋収縮を起こすのではなく、アイソメトリック(筋肉の長さを変えずに収縮させる)なため、腹直筋自体に筋肉痛が起こることは少ないです。

しかし、インナーマッスルや普段使っておらず、筋収縮が起きにくい筋肉は、正しい姿勢でプランクトレーニングが出来ていれば、筋肉痛は起こることもあります。

アイソメトリックの状態で筋収縮を促すことで、眠っている筋肉に刺激をいれ、筋力UPを図ることが出来ます。

綺麗に割れた腹筋を作るためにはインナーのとアウターのバランスをとってあげることも大切になります。

また、上肢をついて(on hand、on elbow)行うことで、肩甲骨周囲の安定性をUPすることができます。特に翼状肩甲にならないように意識をすることで前鋸筋や菱形筋の筋収縮が促通できます。
さらに頭部を体幹に対して一直線にすることで、頸椎周囲の筋力も強化することが可能になります。

プランクトレーニングの効果②:姿勢の改善

現代人は、全体的に不良姿勢の方が多いです。
座って作業している時、骨盤や背中を丸めていませんか?
立っているとき片脚に体重をかけて、骨盤を丸めて立っていませんか?
基本的に腹圧が抜けて、背中を丸めたような姿勢でいる方が大半です。

同一姿勢を3分間していると脳は記憶していくと言われています。不良姿勢でいる時間が長いため、気づいたら猫背になっているということになります。

プランクトレーニングでは、体幹前面と後面の筋群に同時に筋収縮を促通していきます。体幹前面と後面の筋群は拮抗筋として働くため、これらの筋群のバランスが上手に取れるようになると自然と綺麗な立ち姿勢・座り姿勢が取れるようになってきます。

そのため、正しいプランクポジションで筋収縮を促通していくことで姿勢改善につながります。

逆に間違えた姿勢でトレーニングを続けると腰痛の助長やさらに不良姿勢を助長させてしまうことになります。
特に、プランクポジションで長くキープすることに重点を置いている方は要注意です。
長くキープすることで効かないこともあります。

正しい姿勢で短い時間キープする。それを繰り返すことが効果的です。正しい姿勢でキープ出来る時間が今のあなたのベストな時間です。

姿勢を改善するためには、体幹前面と後面の筋群(アウターマッスル・インナーマッスル)の収縮を正しいポジションで促通することが大切になってきます。

プランクトレーニングの効果③:パフォーマンス向上

運動をする方は『体幹を鍛えましょう』とよく耳にしますよね。

何かの動作をするときに、必ず手足を動かします。正しい姿勢をキープ出来るようになることで、この動作時の筋力や能力の発揮が最大限出せる状態が作られるのです。
体幹の安定性がない方は、動作時に体幹がぐらつくため、正しい筋発揮が出来ず十分なパフォーマンスを発揮することが出来なくなります。

また、正しい姿勢で筋収縮が出来るようになると柔軟性もUPします。
例えば、ハムストリングスが硬い方が多いですよね。体幹が安定していないため、骨盤を安定させるためにハムストリングスに常に収縮が入って硬くなってる人も意外と多いです。身体が硬いとパフォーマンスを落ちてしまいますよね。

また、正しい姿勢で筋収縮が出来るようになることで、疼痛改善にもつながります。肩こりや腰痛改善、股関節や膝の痛みの改善も期待できます。
また、障害予防の観点からも大切になってきます。

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

これ以外にもまだまだたくさんの効果はあります。たかがプランクトレーニングと思っている方も多いと思いますが、とても大切なトレーニングになります。
正しい方法で筋トレを行う!!!そこで初めて効果が得られます。

思っていたよりプランクトレーニングって大切なんですね

プランクエクササイズの解説

プランクエクササイズってたくさんありませんか?どれが正しいんですか?

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

ベースがあってバリエーションがたくさんあるんですよ。順番に解説していきますね。

プランクの基本姿勢

実は四つばい姿勢からスタートします。

①四つばい姿勢をとります。肩の真下に手首、股関節の真下に膝、つま先は立ててセットします。荷重は手足均等にかけます。

※手首の痛い方は手の平の付け根部分にタオルを置いて高さを調節してあげて下さい。

②骨盤を前傾させ、多裂筋を効かせます。(仙骨が天井と平行になるように意識します)。
その状態で、下腹部を薄く上へ引き上げるように凹ませ、息を吐きながら肋骨を薄くし横に広げるイメージでインナーマッスルを効かせます。背骨は頸椎から腰椎までS字カーブをイメージして一直線になるようにします。

※この時、頭部の位置が下がりやすいため、頭部がしっかり頸椎のライン上に乗るように意識します。

③胸を広げてなるべく床より離し、肩がすくまないように、そして翼状肩甲骨(肩甲骨が肋骨から浮かないよう)にならないように意識をしてホールドします。肘の皮線が内側を向き肘が過伸展にならないようにします。ここまでがスタートポジションです。

※四つばいの姿勢を作ってキープしているだけでインナーマッスルが入り、かなりきついと思います。きつい方はこの姿勢のキープから始めましょう。

④スタートポジションをキープしたまま、体幹がぶれないよう片脚ずつ後ろに引きプランクの姿勢を取ります。ここで初めてプランクの姿勢になります。

10秒×5~10回繰り返しましょう。

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

ポイントとして、体幹がぶれないように後方に片脚を引く時点ですべてが決まります。このときにしっかり体幹のラインが崩れないようにしましょう。間違えた姿勢でキープをしても正しい位置で筋肉が収縮せず、姿勢が崩れ、パフォーマンスが落ちる原因になってしまいます。

⑤10秒キープが正しい姿勢で出来る方は、その状態から足を交互に軽く浮かせていきます。このとき最初に作ったラインが崩れないように意識しておきます。特に体幹の側屈の代償動作が起こりやすので気をつけて行いいます。

各脚5~10回の範囲で体幹がぶれない回数で行うようにしましょう。

プランクの応用編

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

これが一般的にプランクもしくはフロントブリッジとして知られているエクササイズだと思います。体幹にかかる負荷がこちらのほうが大きくなります。

①肩の真下に肘をついた状態でパピーポジションを取ります。

この姿勢からスタートしていきます。
 
②スタートポジションから体幹を持ち上げて肘と前腕、つま先で支えます。

③頸椎から腰椎までがS字カーブになるように意識して、一直線になるようにキープします。脚は広げ過ぎず、体幹の幅の中でキープしていきましょう。
※下腹部(腹横筋)に力を入れて、落ちないように引き上げ、背中が丸まらないように、内腹斜筋と下後鋸筋を効かせて体幹部をまっすぐキープしてあげます。

④この状態で10秒~30秒キープしていきましょう。体幹が崩れた時点で無理はしないようにしましょう。(姿勢が綺麗にキープ出来る方は1分程まで伸ばしても構いません)

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

実はこのエクササイズで多い間違いが、肩甲骨が翼状肩甲になって、腰が反っているパターンです。そのせいで腰を痛めたり、パフォーマンスが落ちてしまったりとなっているんです。

⑤キープが出来る方は、そこから片脚ずつ臀部の高さまで持ち上げていきましょう。各脚5~10回の範囲で体幹がぶれない回数で行いましょう。
※脚をあげ過ぎると腰が反ってしまい腰痛などを起こす原因にとなってしまいます。

⑥⑤が出来る方は脚のバリエーションとして、体幹をまっすぐにキープしたまま股関節・膝関節を90°の状態で横に広げていきましょう。
脚を動かしたほうの体幹の側屈が入りやすいので、純粋な股関節の動きだけで動かしていきましょう。

各脚5~10回の範囲で体幹の側屈が入らない回数で行いましょう。

菅原志津穂監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士 PHIピラティスインストラクター JCCAベーシックインストラクター 姫トレ普及員、ブライダル耳つぼジュエリー アロマタッチテクニシャン

まず、四つばいからのエクササイズで、体幹のインナーマッスルを同時収縮で上手に使う練習をしていきましょう。体幹のキープが上手に出来るようになってから、応用編へチャレンジしてみましょう。応用編の方が確実に体幹へかかる負荷があがります。腹筋をがんがんしたような筋肉痛は後日ないと思いますが、トレーニングをしている最中に地味にきつく、効いている感じがあればOKです。