サプリメントに副作用はあるのか?アレルギー体質でも大丈夫?

栄養機能食品とも呼ばれるサプリメントは、手軽に栄養摂取できるため多くの利用者がいます。ただし、使い方に注意しないと腎臓などに負担をかけてしまうことがあり、健康被害を受けてしまうことがあります。サプリメントについて正しく理解し、上手に活用しましょう!

サプリメントって絶対に安全なの?副作用の危険性とは

サプリメントとは、明確な定義はありませんが「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」に該当され、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの成分が濃縮されています。

忙しい現代人や、ダイエットを楽に成功させたい!という方にとって、手軽に栄養素を摂取することができる非常に便利なものであることから、サプリメントの利用者は拡大しています。
目的は様々で、健康維持やダイエット以外にも、病気の予防や治療、疲労回復などで利用されているようです。

サプリメントは食品に分類されているため、薬のように副作用といったものはありません。
しかし、体に良いからといって誤った使い方を続けてしまうと、健康のために利用しているにも関わらず、逆に体調を崩してしまう場合もあります。

このようなサプリメントに関する健康被害は、悪質な製品の利用や、アレルギー体質の人の利用、医薬品との相互作用、効果が実感出来ないなどによる過剰摂取などによって起きています。

また、サプリメントは摂取すれば必ず健康になるとは限りません。特に輸入品などには注意が必要で、中には安全性や有効性について全く検証されていない製品もあるようです。
サプリメントを購入する際には、成分名や含有量をしっかりと確認することが大切です。成分名と含有量の確認時のポイントや注意点については以下の通りです。

成分名

原材料表示が具体的に記載しているかを確認しましょう。

原材料表示が抽象的に表記されているものは健康被害を受ける危険性があり、要注意です。
具体的に含まれている物質名が表記されていないものは、その安全性や有効性を確かめることができません。

含有量

何(成分・原材料)がどのくらい入っているのかを確認しましょう。

含有量の表示がないと、十分な効果を得られなかったり、健康被害を受けてしまう危険性があるため要注意です。

サプリメントなどの健康食品は、医薬品のように規制がしっかりされていません。そのため、購入には十分注意する必要があります。
薬のように副作用はありませんが、安全性を見極めて使用するようにしましょう。

そのサプリメント、本当に必要ですか?

サプリメントを購入する前に、本当に今の自分に必要かどうかを考えてみましょう。

健康を維持するためには、サプリメントに頼らず、食事で補っていくことです。
なぜなら、例えば、ビタミンAを補いたい場合、サプリメントではビタミンAのみの摂取となりますが、ビタミンAが豊富なレバーからは鉄分や亜鉛、葉酸など他の栄養素も同時に摂取することが出来ます。

このように、サプリメントでは特定の栄養素のみの摂取に留まってしまいますが、食物からは特定の栄養素以外にも複数の栄養素を摂取することが出来るのです。

現在の自分の栄養状態を振り返る際には、どの栄養素が足りていないかではなく、食事の全体的なバランスを見ていくことが大切です。
バランスの良い食事を摂取することができていれば、栄養不足を生じることはあまりありません。

1日の食事のバランスを振り返るためのツールとして、厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」というものがあります。
これには、何を、どれだけ食べたらよいかをわかりやすく「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」の5つのグループに分けて、1日の目安が示されています。

サプリメントを利用する前には、まずは自分の健康状態や食事摂取状況の把握が大切になります。

不必要なサプリメントの利用は、特定の栄養素の過剰摂取になりがちです。過剰摂取は副作用などの原因となります。サプリメントはあくまで補助的に利用するものだと認識し、食事など生活習慣の改善がメインであることを意識して取り入れましょう。

【参考文献】

サプリメントの副作用【アレルギーの危険性】

サプリメントにも医薬品や食物などと同様に、個々の体質によってはアレルギー反応を起こす場合があります。
サプリメントの利用においては、先程説明した安全性と有効性だけでなく、アレルギー反応が出るかどうかについても自己判断しなければなりません。

平成28年の東京都福祉保健局の調査によると、健康食品の利用によって体調不良を感じた経験がある人は約3%であり、下痢や腹痛、嘔吐、発疹などの症状が多いようです。

天然・自然由来を謳っているサプリメントだからといって、必ずしも安全とは限りません。
アレルギーの原因は人によって異なり、体質の問題となりますので、どんなものでもアレルギー反応を引き起こす危険性はあると言えます。

自分にどんなアレルギーがあるのかをしっかりと把握し、成分名や含有量の確認の際には、そのアレルギー成分が含まれていないかを確認するようにしましょう。

【参考文献】

医薬品との併用や多種類のサプリメント摂取の危険性

薬とサプリメントを併用すれば、健康になり病気が早く治るなどという誤った考え方や、何かの疾患の治療中で、医師から処方されている薬を服用しているにも関わらず、薬との併用による危険性を知らずにサプリメントを利用してしまうなど、医薬品と飲み合わせてしまう状況は様々です。

自己判断での薬との併用は、健康被害を受ける危険性が高いということを、ここでしっかりと理解しておきましょう。併用すると、サプリメントの成分と医薬品との相互作用によって、医薬品の効能が弱まってしまったり、副作用を増強させてしまうことがあります。

例えば、カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラル類と、テトラサイクリン系抗菌剤やニューキノロン系抗菌薬などの抗生物質では、薬効の減弱が生じてしまうことが想定されます。
このような相互作用は、摂取量が多い場合に起こる可能性があるようです。つまり、成分が濃縮されているサプリメントでは、相互作用が起きる危険性が高いと言えます。

自己判断での医薬品との併用は絶対にやめ、どうしても利用したいという場合には、必ず医師に相談して決めるようにしましょう。

また、健康に良さそうだからといって一度に多種類のサプリメントを摂取することも、成分同士の相互作用が起きる可能性があり、医薬品との併用のリスクと同じことが言えます。

さらに、薬とは違ってサプリメントなどの健康食品には人への作用が明らかにされていない物質が含まれていることがあるため、健康被害を受ける可能性が高く、何か身体に不調が起きた場合に有害物質である成分の特定が困難になってしまいます。

サプリメントと薬の併用については、以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

過剰摂取は腎臓障害を引き起こす?

サプリメントの過剰摂取は様々な副作用の原因になり得ます。体に良いからといって、サプリメントを過剰に摂取することは避けましょう。

例えば、プロテインやBCAAなどの、タンパク質やアミノ酸のサプリメントを過剰摂取すると、腎臓に負担がかかり、腎臓機能の低下を引き起こす危険性も指摘されています。

タンパク質は小腸で分解されアミノ酸となり、肝臓に運ばれます。運ばれたアミノ酸は、肝臓でタンパク質に合成されていきます。使いきれずに余ったアミノ酸は分解され、代謝産物として尿素窒素を出します。この尿素窒素は腎臓で濾過されて、尿中に排泄されていくのです。

しかし、タンパク質を摂りすぎると産生される尿素窒素も多くなり、多量の尿素窒素を濾過しようと腎臓に大きな負担がかかってしまうというわけです。
現在は、健康な人に関してはタンパク質の過剰摂取で腎臓の障害がおきた事例はみられていませんが、このような健康被害や副作用を避けるために、過剰摂取には注意が必要です。

サプリメントに依存せず、食生活や生活習慣を改善していくよう心掛けましょう。

【参考文献】

サプリメントを上手に活用しよう!

サプリメントは手軽に栄養摂取できる便利なものです。

食品扱いであり、副作用がないといった点では安全なものだと言えますが、医薬品と違って、今の段階ではその効果が明確にされていない部分があります。身体に良いと謳われていても、過剰摂取といったような誤った使い方をしてしまうと健康被害を受けてしまうことがあります。

サプリメントの上手な使い方としては、普段の食生活を改善していく上で、あくまでも補助的に使うということです。健康の基本は食事・運動・休息で成り立っていることを忘れないようにしましょう。

【参考文献】

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