三角筋を鍛えるサイドレイズの効果とフォーム!重さの目安など徹底解説

監修者

島津 鉄平

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

肩の筋トレ種目の一つであるサイドレイズ。サイドレイズの効果とは?サイドレイズには細かい向きや姿勢があり、正しいフォームでトレーニングが出来ている人は少ないです。では実際に細かく解説していきましょう。

サイドレイズとは何か?鍛えられる筋肉の部位と効果

サイドレイズとは?サイドレイズの鍛えられる部位・効果

肩を大きくしたいのでサイドレイズをやってみました。
けど、いまいち肩のどこを使っているのか分からないですし。フォームもあっているか不安です。詳しく教えて頂けませんか?

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

はい、わかりました!解説していきましょう。

サイドレイズのトレーニングというのは肩の筋肉「三角筋」を鍛える種目です。特に「中部」という、肩の筋肉を三分割した時の真ん中をターゲットにした種目です。

三角筋には、前部中部後部の3つに分けられ、その中で三角筋の「中部」というのは肩関節の外転動作をする時に使われる筋肉です。
簡単に言うと、気を付けの姿勢から腕を横に開く動作を言います。「サイド=横」「レイズ=挙げる」腕を横に挙げることから「サイドレイズ」と言う名前がついています。

サイドレイズは三角筋中部を鍛える貴重なトレーニングメニュー

なるほど、分かりやすいです!
肩のトレーニングメニューは他にもありますが、多くの方がサイドレイズを行っているのはなぜですか?

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

いい質問です。その点も解説していきましょう

肩は他に「前部」「後部」の筋肉もあるのですが「ベンチプレス」や「ダンベルフライ」では大胸筋と一緒に「前部」も使われます。

「ベントオーバーロウ」や「ダンベルロウ」などでは広背筋や僧帽筋と一緒に「後部」も使われます。このように「前部」「後部」は他のトレーニング種目でも一緒に使われることが多いのですが「中部」はあまり使われません。
なので中部」だけをターゲットにした「サイドレイズ」をおこなうことが肩トレでは必須になってくるのです。

では、もっと詳しく解説していきます。

サイドレイズの基本的なやり方、フォーム解説

サイドレイズのやり方・フォーム

ボディメイクの為、三角筋「中部」のみに刺激を入れたい場合で話します。

①起立
②やや前傾姿勢を保つ。
③ダンベルを親指側を上にして持つ。
④斜め前30°に腕を肩の高さまで挙げていく。
 ・肘は若干曲げておく。
 ・常に前傾姿勢は保ったまま。
 ・肘が肩の高さまで挙がるようにする。
 ・頂点に達する時に小指がやや上になるように肩から腕を内側に捻る。
⑤ゆっくり戻していく。
⑥①〜⑤を繰り返す。

以上です。
では、何故このフォームでなければいけないのかを説明します。

サイドレイズのポイント①|前傾姿勢を保つ

腕を挙げる際に腰をそりながら挙げてしまうと、腰の伸展動作でダンベルを挙げることになるので、三角筋で挙げていることにはなりません。このミスアライメントは重い重量を扱う人に多く見られます。

サイドレイズのポイント②|身体の前面に向かって斜め30°

肩甲骨というのはナチュラルアライメントの時、身体に対して(前額面)約30°の向きでくっついています。実際に自分で動かすと分かるのですが、腕を真横に広げると肩甲骨は内転します。つまり真横に腕を広げるサイドレイズをおこなうと、「肩甲骨内転動作でダンベルを挙げている」ということになるので、僧帽筋中部や三角筋後部などの背中側の筋肉を使ってしまいます。純粋に三角筋「中部」だけを狙うなら、肩甲骨の内転動作が入らない「斜め前30°」に腕を挙げてくることが大切です。
一つポイントとして、ダンベルは斜め前30°なのに、肘が真横を向いてしまうと肩甲骨内転してしまうので、ダンベルではなく、肘が斜め前30°を向いているか気にしてみてください。

サイドレイズのポイント③|小指をやや上に向ける

親指を上にしたまま挙げると、三角筋中部の向きが後ろを向いてしまう為、負荷が逃げてしまいます。挙げ切る時に小指をやや上に向けることで三角筋中部が上を向き、正しく効かせることが出来ます。
注意点として、高重量を扱う際に反動を使って体を仰け反るように挙げてしまうと、腰椎伸展、肩甲骨内転努力で挙げてしまい、三角筋中部を効かせる目的からずれてしまうので反動は使わないようにしましょう。

サイドレイズで使用するダンベルの重さは何キロ?

筋肉が発達するのに最適な重量は筋肉の種類で決まる

ダンベルを使用する際の重量ですが諸説あり、またトレーニングのセット法などでも変わる為今回は「機能解剖学」に基づいて説明させて頂きます。

平行筋と羽状筋をご存知でしょうか?

◯平行筋
平行筋とはその名の通り筋肉の起始から停止まで一直線に筋繊維が走っている筋肉のことを言います。

◯羽状筋
羽状筋とはその名の通り鳥の羽のように、また葉っぱの葉脈のように筋繊維が斜めに走っている筋肉のことを言います。

平行筋の特徴はよく伸びよく縮み、素早い動きが得意です。
逆に羽状筋の特徴はあまり伸び縮みはしないですが、強い力を発揮出来ます。

筋肥大で考えると、

<筋肥大のしやすい重量・回数>
◯平行筋
 中負荷、高回数
◯羽状筋
 高負荷、低回数

の方が発達しやすいということが言えます。

サイドレイズの重量の目安

では、本題です。
三角筋中部は羽状筋です。
つまり高負荷、低回数でトレーニングすることが望ましいのです。
目安としては6〜8回しか挙げられない重量を選択すると良いと思います。

ちなみに三角筋前部と後部は平行筋です。
参考までに。

サイドレイズは毎日トレーニングして良いか?

サイドレイズは毎日トレーニングしてよいか?

結論から申しますとNOです。

何故かと申しますと三角筋のトレーニング(オールアウトまでした場合)をした場合、超回復には48時間かかると言われています。

部位にもよりますし、栄養の摂取をきちんとおこなえばどの部位でも毎日やってもいいと考える方もいらっしゃいますが、一般的には肩の超回復には48時間必要とされている為、1日空けてトレーニングに組み込んでいった方がいいでしょう。

肩のトレーニングのしすぎは怪我の原因

また、肩にはローテーターカフという肩関節の安定性を担っている小さな筋肉があります。三角筋との筋バランスが崩れたり、無理な肩の使い方をするとローテーターカフを痛めてしまうリスクもあります。
なので、肩の筋トレは疲労が抜けきらないまま毎日続けると怪我のリスクが高まる為、やはり48時間は空けた方がいいと考えます。

サイドレイズのバリエーションを知りたい!

シーテッドサイドレイズ

座った状態で行うサイドレイズです。
座った状態で行う為、腰を反る反動が出にくいです。
腰を反る癖がある方は、シーテッドサイドレイズから初めることをオススメします。

ワンハンドサイドレイズ

片手で行うサイドレイズです。
ダンベルを持っていない方の手で柱などを掴み、ダンベルを持っている方に体を傾けます。
イメージとしては、学生の頃体育祭などでやった扇子のポーズの真ん中から二番目の人がやるポーズです。
ダンベル側に体を傾けている為、ダンベルを挙げた時の遠心力で体が持っていかれることがない為、比較的高重量が扱えるのが特徴です。

マシンラテラルレイズ

これはマシンで行うサイドレイズです。
マシンで行うトレーニングの特徴は何と言っても、軌道が確保されていることです。
トレーニング初心者は三角筋中部への効かせ方を感じることが出来ますし、トレーニングに慣れている方はトレーニング終盤、疲れてきてダンベルだとフォームが安定しなくなってきたときの最後の追い込みとして行うのもいいと思います。

ショルダープレス

ダンベルを肩の高さから上に挙げるトレーニングです。
動かし方がレイズとは少し違うため、バリエーションというより、三角筋中部に効かせる別のトレーニングとなります。
三角筋前部や後部、上腕三頭筋の筋肉も関与してくるため、比較的高重量を扱えますのでトレーニングの初めに入れるのがいいと思います。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

怪我の防止のために、正しいフォームで行うことは大切です。
しかし、三角筋中部は羽状筋のため、多少のチーティングを使って高重量を勢いよく挙げることもいいと思います。

ボディメイクの大会に出場を考えている方は必ず三角筋中部を大きくさせるように、筋トレのルーティーンに入れていきましょう。何故なら体全体をシルエットで見た時の形を、アウトラインと言います。アウトラインは大腿四頭筋の盛り上がり、広背筋の広がり、上腕二頭筋と上腕三頭筋と肩のセパレート感(それぞれの筋肉がはっきりと分かれている)が出ていることが上位に入っていくための必須条件とも言えます。