肩や背中には、ボディメイクでも欠かせない筋肉が数多く存在します。そうした筋肉に隠れているインナーマッスルの1つが「菱形筋(りょうけいきん)」です。しかしこの筋肉、大きな筋肉の裏でとても大切な役割を果たしています。目立たなくとも大切な菱形筋の働きと、鍛え方をまとめて解説します。
菱形筋がある場所と働きについて
この筋肉は「大菱形筋」と「小菱形筋」の2つで構成されているのですが、いずれも胸椎から肩甲骨の内側の方へと伸びています。そしてこの2つの筋肉は、主に以下の動きで働きます。
・肩甲骨を内転させる動き
・肩甲骨を上へと持ち上げる動き
・肩甲骨を内側へと寄せる動き
主に肩甲骨を安定して動かすために働く筋肉で、前鋸筋と肩甲骨の内側で繋がっています。それぞれの動きで協力しながら、肩甲骨のバランスを保っているのです。
菱形筋を鍛えるとこんなメリットがある!
デスクワークでPC作業が多い方は、1日の大半を前かがみの状態で過ごすことになります。そうすると菱形筋を使うことがほぼなくなってしまい、肩甲骨を内側へ寄せるという動きが弱くなってしまうのです。その結果、上半身が前方に偏り気味になってしまい、肩こりや猫背へとつながってしまいます。
菱形筋を鍛えることで肩甲骨を寄せる働きを取り戻すと、自然と胸を張った美しい姿勢を作れるようになります。見た目の変化はもちろん、呼吸がしやすくなり疲労も感じにくくなるといった様々な効果へとつながるのです。
菱形筋のストレッチ方法
・体の前で両手を組み、腕を伸ばす。その時、手の平は体の前を向くようにする。
・腕を前へと伸ばしつつ、背中の上部が伸びるようにやや上半身を丸める。
・背中のストレッチを感じながら、20秒〜30秒維持する。
この方法は菱形筋だけでなく、背中上部を広くストレッチしてくれます。筋トレ前の準備運動としてはもちろんですが、仕事後や寝る前に体をほぐす目的で行うのにもオススメです。
菱形筋の鍛え方① リバース・プッシュアップ
「リバース・プッシュアップ」は、通常上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。そこにちょっとしたアレンジを加えることで、自宅でも手軽に菱形筋を鍛えることができるようになります。
まず、いつも通りベッドやベンチに両手を乗せ、体をベッドより前にします。その状態で、肘が90度になるまで体を上下に動かしましょう。ここまでの動きは同じですが、この時、両手のスタンスを肩幅よりも「広く」して行うようにしてください。
両手の幅が広がることで、肩甲骨を動かしながらトレーニングできるようになります。それにより、菱形筋への負荷も期待できるトレーニングへと変わるわけです。
腕を太くしたいと思ったとき、最初に思い浮かぶのが上腕二頭筋の筋トレです。しかし、上腕二頭筋だけトレーニングして満足してしまうのはもったいない!そこで、今回は腕周りを太くするために、上腕二頭筋とセットで鍛えたい上腕三頭筋のトレーニング『リバースプッシュアップ(ディップス)』についてご紹介します。
菱形筋の鍛え方② ワンハンドローイング
菱形筋の鍛え方としてもう1つ紹介するのが「ワンハンドローイング」です。このメニューはダンベルとベンチが必要ですが、ベンチがない場合は自宅のベッドなどでも代用できます。
まず、ベンチに片足、片手を四つん這いのようにして乗せましょう。そしてもう一方の手でダンベルを持ち、肩甲骨を寄せる動きを意識しながら体の方へと持ち上げます。ダンベルを持ち上げる時は、肘や腕の力で持ち上げないように注意してください。
ダンベルを真上へ持ち上げようとすると、腕の筋肉に意識がいってしまいます。肩甲骨を寄せる過程で、自然に肘が曲がってダンベルが上がるというイメージで行うと良いでしょう。
上半身を鍛えるうえで忘れてはいけないのが、背筋のトレーニングです。「男は背中で語るもの」なんてよく言われるように、たくましい後ろ姿を手に入れるためには必要不可欠です。そこで今回は、背筋の中でももっとも大きい広背筋を鍛える『ワンハンドローイング』について詳しく解説します。
菱形筋を鍛えて肩こり、姿勢改善してかっこいい体に!
理想的な姿勢を手に入れたい方はもちろん、日々の生活で猫背や肩こりに悩まされている方も、今回ご紹介したストレッチ法や鍛え方を取り入れて、肉体改造をしてみませんか?
<あわせて読みたい>
肩こりを改善させるためには、血行を促進させることと、筋力を増やすことが重要です。この2つの原因は筋トレを行うことによって改善することができます。ただし、一時的な疲労による肩こりなどの場合は効果がない事もあるので、注意が必要です。
「筋トレBIG3」をご存知でしょうか?筋トレの種類は数多くありますが、BIG3はその中で最も効果が高いとされる3つの種目です。筋トレBIG3だけでも絶大な効果が期待できるほどであり、初心者の方もぜひチャレンジしてください。