食前?食後?筋トレをするべき最適なタイミングとは

監修者

中島 健

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

たくましい肉体、引き締まった肉体を手に入れるのには、筋トレと食事の両方を重要視する必要があります。では、効果的な筋トレをするには食前と食後のどちらがベストなタイミングなのでしょうか?筋トレを行う際的なタイミングと食事について解説します。

筋トレは食前にするのが最適!その理由とは?

仕事終わりにジムに行って筋トレをする場合は食事をいつ食べればいいか分かりません。

中島 健監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

仕事終わりだと忙しく、いつ食事を摂るか迷いますよね。
「夕飯を食べずにジムに行くべきか?」そんな疑問について解説します。

食前がいい理由

食前と食後で筋トレを行うならどっちがいい?という質問を筋トレ実践者にぶつけると、ほとんどの人が「食前」と答えるでしょう。
その理由は、食後の筋トレにはデメリットがたくさん隠されているからです。食後すぐの満腹状態で運動をすると、以下のようなデメリットがあります。

・内臓に負担がかかり体調不良になりやすい
・それに食後は食べ物の消化に多くのエネルギーを使うので筋トレ時に疲れやすくなる
・炭水化物を運動の前に摂取すると、インスリンが分泌され血糖値が下がり運動のパフォーマンス低下につながる
筋トレのパフォーマンスの低下だけでなく、もっと悪いと低血糖症になる危険もあります。炭水化物を運動前に一気に摂取することは避けましょう。

食前の筋トレの注意点

それでは食前の筋トレが万能かというと、必ずしもそうとは言い切れません。

仮に完全な空腹状態で筋トレをすると、エネルギー不足で重い重量を上げられないことがあります。さらに、スクワットのように大きい筋肉を使う種目では力不足が顕著に出て、立ちくらみやめまいといった症状も出てしまいます。

そのため、「筋トレ前にちょっとした栄養補給をしておき、筋トレ後にしっかりと食事をする」という流れが、最も理にかなっていると言えます。

筋トレに最適な食事のタイミングとは?

それでは、筋トレ前に行う食事というのはいつくらいの時間帯がベストなのでしょうか。

あまり早く食べ過ぎると筋トレ時のエネルギーとして使えませんし、あまりに直前のタイミングでは結局食後の筋トレと同じになってしまいます。そのため、ベストなタイミングは「1時間半〜2時間前」に一度食事を取っておくのがいいでしょう。

この1時間半〜2時間前というのは通常の食事の話です。
食事を摂って血糖値が上がるまでのタイミングは、実は栄養素によって変わるのです。栄養素毎の血糖値が上がるタイミングは以下の図の通りです。

炭水化物(糖質)が最も早く、さらに血糖値が最も上がりやすいです。日本人の1日の平均的な食事は約60%を糖質から摂ると言われているので、食事後1時間半〜2時間は筋トレをするのを控えましょう、という理屈なのです。

【筋トレ直前】おすすめの食事

筋トレ前の食事で特におすすめは「おにぎり」「バナナ」です。

筋トレのような無酸素運動では、「糖」が主なエネルギー源となります。そして糖を吸収するには「炭水化物」を多く含む食材や料理がベストです。

特にバナナは果糖やブドウ糖など様々な糖質が含まれているためエネルギー補給に重宝されており、筋トレにもぴったりというわけです。バナナは非常に吸収効率のいい食材であるため、筋トレの30分前くらいまでに食べれば、実際の筋トレでも十分なエネルギー源として働いてくれるでしょう。

【筋トレ直後】おすすめの食事

筋トレが終わった後は本格的な食事をとると思いますが、この食事は筋肉を育てるためには最重要とも言えます。

筋トレによって、筋肉は大きなストレスを受けた状態になってしまいます。すると今度は、ものすごい勢いで筋肉の修復、そしてさらなる増強が始まります。そんな筋肉が育とうとしているタイミングにあるのが、筋トレ直後の食事というわけなのです。

このタイミングでは、なるべく「たんぱく質」を多く含む肉や魚介系の食材を摂取しましょう。

また、筋肉を育てるためには炭水化物も必要不可欠です。ダイエット中の方も、筋トレ直後の食事ではしっかりと白米などで栄養補給をした方がいいでしょう。

食後すぐの運動は血糖値を下げる?

食後すぐの筋トレはNGというのはお伝えしましたが、実は食後すぐでも行なえる運動があります。
それは「有酸素運動」です。なぜ食後すぐに有酸素運動を行うと良いのか説明していきます。

血糖値が高いとどうなる?

食事をして体内に入ったブドウ糖は、腸で吸収されて血液中に入ります。その後一時的に血糖値が上昇しますが、すい臓から分泌されたインスリンの働きによって肝臓や筋肉などの組織に取り込まれるとエネルギーとして利用されるので血糖値が下がります。

しかし、糖尿病でインスリンを作る力が弱まった場合や、インスリンの効きが悪くなった場合には、血糖値が十分に下がらずに、高い状態が続いてしまうのです。

健康な状態であれば血糖値は問題ありませんが、糖尿病などになるとこの血糖値が下がらないままの状態が続きます。血糖値が高い状態のことを「高血糖」と言いますが、高血糖が長期間続くと、全身の血管がダメージを受け続け、以下のような合併症を引き起こす原因になります。

・狭心症
・心筋梗塞
・脳梗塞
・肢閉塞性動脈硬化症

これらは血管が細くなったり狭くなったりすることで起こる症状です。このような症状になる前に高血糖を予防する必要があります。

食後の有酸素運動で血糖値を下げる

高血糖になる予防策として「食後すぐ」に軽い有酸素運動を行うと良いと言います。
有酸素運動とはウォーキングやジョギングなどの運動ですがもちろん食後すぐにジョギングをしてしまうと筋トレ同様気持ち悪くなったりしてしまうのでゆっくり歩く程度のウォーキングがおすすめです。

また、ウォーキングの時間も10分程度で効果があります。食後なるべくすぐに10分間歩くだけで健康に近づくことができます。

ライフスタイルの中で上手に筋トレを取り入れよう

通学後や運動後など筋トレを行うタイミングはそれぞれですが、最初から食事のタイミングなどを厳密に守ろうとすると、かえってモチベーションが下がってしまいます。

ある程度ゆとりを持ったスケジュールで、自分のライフスタイルにあった筋トレ・食事それぞれのタイミングを見つけてみてください。

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