内腹斜筋の鍛え方と効果とは?【プロトレーナー解説】

監修者

北村 真美

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

内腹斜筋とは、腹筋を構成する筋肉の一つです。腹筋を構成する筋肉について詳しく知り、内腹斜筋のみならず腹筋群の機能を知ること、またトレーニング方法や鍛えることによるメリットを知って、生活に役立てていきましょう。

腹斜筋を構成する筋肉について

内腹斜筋ってどこにある筋肉ですか?

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

内腹斜筋は、腹筋群の一つです。腹筋を構成する筋肉について、詳しくみていきましょう。

腹斜筋を構成する筋群

1.内腹斜筋

起始:鼠径靱帯の上方1/2、腸骨稜の前面2/3、腰筋膜
停止:第8・9・10肋骨の肋軟骨と白線

主な働き:体幹の側屈、体幹の回旋(体を同側へひねる)の主働筋。体幹を固定する働きもある。

解説:外腹斜筋の深層にあり、次の外腹斜筋とは逆方向に筋線維が走行しています。

2.外腹斜筋

起始:第5~12肋骨の外側面
停止:腸骨稜の前半分、鼠径靱帯、恥骨稜、下前方では腹直筋鞘

主な働き:体幹の側屈(体を横に曲げる)、体幹の回旋(体を反対側へひねる)の主動筋。腹直筋とともに体幹の屈曲にも関与していて、体幹を固定する働きもある。

解説:側腹部の最外層(横腹の一番外側)にある筋です。文献によっては起始と停止が逆に記載されているものもあります。

内腹斜筋の機能解剖とストレッチ方法

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

腹筋を構成する筋肉の中でも、内腹斜筋について詳しくみていきましょう。

内腹斜筋

機能:両側:腰椎の屈曲、腹腔内圧(腹圧)の拡大
   右側:腰椎の右への側屈、右への回旋
   左側:腰椎の左への側屈、左への回旋

解説:日常生活では、咳やくしゃみをするときに腹圧がかかるため働きます。
   スポーツ動作では、ゴルフのスイングや野球のバッティング動作など体をひねる動作の時に働きます。

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

内腹斜筋だけをみてもわかるように、日常生活やスポーツ動作において欠かせないのが腹筋を構成している筋肉であることがわかりますね。

内腹斜筋のストレッチ

内腹斜筋は、左右別々にストレッチしていきます。

1.右側の内腹斜筋の場合
 体幹を大きく左側屈させて、同時に左回旋し、さらに体幹を伸展させる。

2.左側の内腹斜筋の場合
 体幹を大きく右側屈させて、同時に右回旋し、さらに体幹を伸展させる。

前項で述べた外腹斜筋は、内腹斜筋と逆方向に筋線維が走行しているため、上記のストレッチで反対側の外腹斜筋のトレッチも可能となります。

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

筋肉をストレッチすることにより、体幹の機能をより効率的に働かせることができます。そのため定期的にストレッチを行うことをおすすめします。

腹筋群のトレーニング方法

腹筋の鍛え方や鍛えるメリットについて教えてください。

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

腹筋を構成する筋群は、主に体幹の屈曲・側屈・回旋と、呼吸における強い呼気時に働きます。それをふまえてトレーニング方法について説明していきます。

体幹の屈曲

脊柱を曲げて、上体を前方に丸める体幹屈曲。主働筋は体幹前面にある腹直筋であり、内外腹斜筋は補助筋として働いています。
体幹屈曲の動きは、手足の動きと連動させることによってより大きなパワーを発揮することができます。

1.クランチ
仰向けの姿勢から脊柱を曲げる腹筋種目です。

1.仰向けの状態で膝を曲げ、股関節、・関節が90°となるように腰の高さまで脚を上げる。

2.両手は耳の後ろに当て、頭を浮かせた姿勢からスタート。

3.息を吐きながら、みぞおち部分を中心に背中を丸めていく。
おへそをのぞき込むように上体を丸めるのがポイント。

体幹の側屈

脊柱を側方に曲げる体幹側屈。主働筋は外腹斜筋と内腹斜筋であり、どちらも側屈する側の筋肉が働いています。

2.サイドクランチ
側臥位(横向きに寝た状態)で、脊柱を側方に曲げていく腹筋種目です。手をわき腹に当てると腹斜筋の収縮が意識しやすいです。

1.横向きに寝て両膝を曲げ、上体が倒れないように安定させる。

2.下にある手をわき腹に当て、上にある手は耳の後ろに当て、頭を浮かせた姿勢からスタート。

3.息を吐きながら、脊柱を側方に曲げて上体を持ち上げていく。
わき腹を縮めるように意識して行うのがポイント。

3.サイドベント
体幹側屈の動きでダンベルを引き上げ、腹斜筋を強化する運動です。

1.立位姿勢で片手にダンベルを持ち、反対の手は耳の後ろに当てた姿勢からスタート。

2.息を吐きながら、ダンベルを下げていき、みぞおちを中心に脊柱を横に曲げ腹斜筋を収縮させていく。骨盤は固定して、脊柱をもとの位置に戻していく。

3.息を吐きながら、脊柱を逆側へ側屈させていき、ダンベルを引き上げる。
腹斜筋に力を入れたまま伸ばしていくのがポイント。

体幹の回旋

脊柱を回転軸に上体をひねる体幹回旋。主働筋は外腹斜筋と内腹斜筋であり、体幹を右にひねる動作では、右の内腹斜筋と左の外腹斜筋が働きます。
体幹回旋運動は、体幹のパワーを手足に伝えるため、球技や格闘技で重要となります。

4.ツイストクランチ
上体をひねりながら行う腹筋種目。体幹回旋の動きで上体を起こしていきます。

1.仰向けになり両膝を曲げる、両手は耳の後ろに当て頭を浮かせた姿勢からスタート。

2.息を吐きながら、対角の肘と膝を近づけるように、上体を丸めながら体幹をひねっていく。

3.左右交互に、反対側へもひねっていく。
上半身と下半身は逆にひねるのがポイント。

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

それぞれのトレーニングにおいて、「息を吐きながら」というところもポイントになります。息を吐きながら行うことで、呼気時に働く腹横筋にも刺激が入り、腹筋のトレーニング効果が増します!

腹筋を構成する筋群を鍛えるメリット

1.腹部には骨がないため、内蔵の保護をすることができる。
2.腹直筋は六つに割れた腹筋、腹斜筋はウエストのくびれを作ることができる。
3.呼吸という無意識的な動作に対して、強制的な呼気を行うことで、深い呼吸ができるため、リラックス効果や代謝が上がる等の効果が得られる。

北村 真美監修トレーナーからのアドバイス

元理学療法士。心と体の健康を夫婦でサポートしています。

腹筋を構成する筋肉を鍛えることは、生活においてとてもメリットがあると思います。器具がなくてもトレーニングは可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。