筋トレ減量期(ダイエット)中の食事の仕方【プロトレーナー解説】

監修者

大小田 健介

ACSM/EP-C 加圧トレーニングインストラクター 健康運動実践指導者

ダイエットをするなら食事と運動のバランスが重要!食事のカロリーやメニュー、タイミング次第でダイエット効果は大きく変わります。
簡単なポイントを押さえて続けやすい食事コントロールの方法を身につけてみましょう。

筋トレダイエットの食事理論|カロリーと三大栄養素

筋トレしながらダイエットを始めているんですが、なかなか効果が見えづらいんですよね。

大小田 健介監修トレーナーからのアドバイス

ACSM/EP-C 加圧トレーニングインストラクター 健康運動実践指導者

ダイエットには運動と食事のバランスが重要になりますよ!食事はどのようにしていますか?

食事はカロリーが気になるのであまり食べないようにしています。食べたいけど我慢ですよね??

大小田 健介監修トレーナーからのアドバイス

ACSM/EP-C 加圧トレーニングインストラクター 健康運動実践指導者

我慢するべきものと我慢してはいけないものもありますよ!食事の仕方について解説していきましょう。

ダイエットの基本はカロリー!?

さて、ダイエットを始めた方が一番に気にするのがカロリーではないでしょうか。
現在はほとんどの商品やメニューにカロリーが表示されています。ダイエットを考えるうえで多くの方がご存知だと思う基本があります。

<ダイエットの大原則>
摂取カロリー量 < 消費カロリー量

簡単に言えば、食べたものより運動などで使ったカロリーが多ければ痩せるということになります。

これはもちろん間違っていません。
しかし単純にそれだけで痩せるのかというとそうでもないのが実情です。

例えば、クライアント様にもよくある事例ですが、ダイエットのため食べるのが怖くてあまり食事を摂らないようにしているという場合があります。
また、ご飯を食べずにカロリーが少ないからと簡単なお菓子で済ませてしまう方もいらっしゃいます。
この場合、先ほどの原則からすれば痩せるはずです。しかしこういった場合のほとんどは痩せないことが多いのです。
ですから単純に食べずにカロリーを抑えるダイエットが痩せるとは限りません。というかなにより続かないんですがね。。。

カロリーだけではない!ダイエットに必要な「三大栄養素」

食事の仕方にもいろいろあって自分にあるのがどれかということが大事なんですね。

大小田 健介監修トレーナーからのアドバイス

ACSM/EP-C 加圧トレーニングインストラクター 健康運動実践指導者

そうですね。自分にとって無理なくできることを始めることが大事になります。

先ほどお菓子とかで済ましてしまうといってたのですが、やはり食べるものも大事ですよね?

大小田 健介監修トレーナーからのアドバイス

ACSM/EP-C 加圧トレーニングインストラクター 健康運動実践指導者

そうですね。一番大事だと思います。最初は三大栄養素と言われる炭水化物・タンパク質・脂質がしっかり摂れているかですね。

私たちの身体をつくる食べ物には様々な栄養素が含まれており、それを摂取することで身体を作っています。
そんな中で最も大事な栄養素が三大栄養素と言われている「炭水化物」「タンパク質」「脂質」の3つになります。

<三大栄養素>
◯「炭水化物」
ご飯やパンといった主食に多く含まれます。

◯「タンパク質」
お肉や魚、大豆など主菜となるものに多く含まれます。

◯「脂質」
バターやラードなど動物性脂肪やオリーブオイルなどの植物性脂肪があります。

これら3つは生命維持に欠かせないエネルギーとなります。
「炭水化物」と「タンパク質」は1グラムあたり4キロカロリー、「脂質」は9キロカロリーとなり、「脂質」が一番高いため効率よくエネルギーとして使える一方、摂りすぎるとあっという間にカロリーオーバーにもなりがちです。

カロリーと三大栄養素(PFCバランス)の摂取量の計算方法

先ほどお話しした「炭水化物」「タンパク質」「脂質」のバランスのことを「PFCバランス」と呼びます。Pはタンパク質、Fは脂質、Cは炭水化物のことですね。
これらを先ほどのバランスにするにはどのように計算していくのがいいのか。筋肉をできるだけ減らさず、体脂肪を落としていくにはまず全体の摂取カロリーを把握しましょう。

①目標摂取カロリーを計算

目標摂取カロリーは以下の式で計算できます。除脂肪体重は体脂肪率と体重から計算できます。

<計算式>
目標摂取カロリー=除脂肪体重×40キロカロリー

例)体重60キロで体脂肪が20パーセントの人
60キロ×0.8=48キロとなり、48キロ×40キロカロリー=1920キロカロリーとなります。
これが1日のおおまかな摂取カロリーの目安となります。

②PFCバランスを計算

大まかに言えば、「炭水化物」50~60パーセント、「タンパク質」は15~20パーセント、「脂質」が20~30パーセントが目安と言われています。

ただダイエットを考える際は少し配分を変える必要があると思います。
筋トレをしながらダイエットをするうえで栄養補給は必須です。筋肉を付けるには「炭水化物」と「タンパク質」が大事になり先ほどのバランスから考えると「タンパク質」を20~25パーセントに上げて「炭水化物」か「脂質」の割合を少し落とすことで調整をしていきます。

このように栄養素のバランスを意識することで健康的にダイエットする基盤を作ることが大事になりますね。

◯タンパク質量(P)

<計算式>
タンパク質の目標摂取量=目標摂取カロリー × 25パーセント ÷ 4キロカロリー(タンパク質1グラムあたりのカロリー)

例)体重60キロで体脂肪が20パーセントの人
1920キロカロリー×0.25パーセント=480キロカロリー
480キロカロリー÷4キロカロリー=120グラム

1日に120グラムのタンパク質量が必要になります。

◯炭水化物量(C)

<計算式>
炭水化物の目標摂取量=目標摂取カロリー × 55パーセント ÷ 4キロカロリー(炭水化物1グラムあたりのカロリー)

例)体重60キロで体脂肪が20パーセントの人
同じように炭水化物を55パーセントの場合は1920×0.55=1056、1056÷4=264グラムの炭水化物量。
◯脂質量(F)

<計算式>
脂質の目標摂取量=目標摂取カロリー × 20パーセント ÷ 9キロカロリー(脂質1グラムあたりのカロリー)

例)体重60キロで体脂肪が20パーセントの人
脂質は20パーセントに抑えて1920×0.2=384、384÷9=43グラムの脂質量となりますね。

今回のパターンでいえばタンパク質は鳥のささみだと500グラムほど、炭水化物だとごはん1.5膳ほど、脂質はオリーブオイル大さじ3杯少しといった感じ。あくまで単品での話ですのでいろんな食品を組み合わせることを重視しましょう。

筋トレダイエット成功に最適な食事の時間や回数とは?

カロリーの次によくあるのは食事の時間や回数などを変えるダイエットですね。
夜21時以降は食べない、1日2食ダイエット、1日5食ダイエットなど方法は様々ありますよね。
では実際にどれが正解なのか。と言われるとどれも正解でどれも間違い!!

なぜなら人はそれぞれの生活パターンがあり趣味嗜好も様々。そんな人間に万能に適応する方法があれば今まで誰もダイエットに苦労はしていませんよね。ただこれを言ってしまうと話にならないのでいくつかご説明します。

食事の時間

まず食事時間について。
食事時間は生活パターンに非常に左右されてしまいますね。昼夜逆転のお仕事をしている方に早く晩御飯を食べてくださいと言っても不可能でしょうし、毎食きっちり時間通りに食べれるかというとそれも不可能です。

食事時間が大事な理由は「内臓」です。
特に消化・吸収になるので胃や腸などが主になりますが、その内臓が元気に働くために時間が重要になるのです。内臓は筋肉です。私たちの身体と同じで動きすぎれば疲労してしまいますし、使わな過ぎれば弱ってしまいます。

皆さんはお昼12時ごろになればお昼ご飯を食べるという習慣がありませんか?
これって当たり前ですがここに問題があったりします。
お腹がすいていないのに12時だからといってご飯を食べると、胃や腸はまだ仕事が終わらないうちにまた新たな仕事が山積みになってしまうのです。
自分のデスクに山積みの書類を想像するとゾッとしてこないですか??

こういった理由から食事時間はしっかり内臓が働いて休んでからまた働くというサイクルにしてあげるために重要になるのです。

食事の回数

次は食事回数。
これも生活パターンに左右されますよね。朝早くから起きて動き出す人とお昼前に起きてくる人では朝ごはんを食べるのか、朝昼兼用にするのかなど違ってきます。食事回数は先ほどの食事時間と関連してきます。そして内臓の働きという点でも関連し、内臓の強い、弱いというのも影響してきます。

よく1日5食や6食で痩せたという方がいます。これはまず大前提として1日の摂取カロリーを決めてそれを回数で割った分の食事をしているということ。たくさん回数食べれるからラッキー!ってことではありません。

このような場合は1回の食事でしっかりと摂りきれない方、内臓が弱い方や吸収の悪い方などがおすすめです。少しを回数をかけてしっかり消化・吸収することを目的とします。

ダイエット期におすすめ食材

筋トレ減量中(ダイエット)の食事の仕方についていろいろとお話してきました。

ご自身に合う方法を見つけ、食材のバランスを考えながらしっかり栄養を補給することが筋肉を落としにくく、体脂肪を落とすことに繋がります。

そこでダイエットにおすすめの食材をご紹介しておきます。

ダイエット期におすすめ食材〜タンパク質編〜

タンパク質でよく聞くのがやはりささみではないでしょうか。100グラム中23グラムほどのタンパク質を含んでいて脂質も少ないのでダイエットの定番となっています。
でもボディビルダーではないですから毎日ささみを食べるのは飽きますよね。ということでいくつかおススメ食材を紹介します。

◯牛肉(赤み肉)
赤み肉はタンパク質を多く含みL-カルニチンなどの燃焼作用のある成分も多く含むダイエット食材
◯豚肉
豚肉はビタミンB群を多く含み、タンパク質の効率を上げてくれる食材です。
◯卵
卵はゆで卵一個で約7グラムのタンパク質が摂れ、栄養バランスも高く手軽に食べられる食材でおススメ。
◯ツナ缶
マグロやカツオもタンパク質を多く含み、良質な油も含むのでダイエット中の肌荒れを予防します。
◯枝豆
お酒を飲むときの大事なパートナー。アルコールを分解するためにタンパク質が必要になるため、アルコールとセットでしっかり摂取したい食材です。

ダイエット期におすすめ食材〜炭水化物編〜

炭水化物は糖質制限の場合悪者にされがちですが、脳の栄養はブドウ糖ですし、トレーニング後にすぐに補給してほしいのもこの炭水化物なんです。
炭水化物を選ぶ場合で考えてほしいことは先ほどお話しした内臓の働きがいいか悪いかです。たとえば腸の働きが悪く便秘の方が解消したいと玄米などの繊維質をたくさん取りすぎてもより負担になることがあります。
太りにくいで考えれば玄米かもしれませんが、自分の内臓と相談して負担の少ないほうを選び、その分食べる量を調整しましょう。

◯内臓の強い方
玄米・五穀米・十六穀米、そば、全粒粉、ライ麦

◯内臓の弱い方
白米・うどん・そうめん・小麦粉

ダイエット期におすすめ食材〜脂質編〜

脂質は意識している部分としていない部分で摂取しているものがあります。揚げ物やかける油などは目に見えやすく使った気がするのですが、食材の持つ脂質はどのぐらい摂っているのかわかりにくくなりがちです。
いい食材だからといって摂りすぎになると太ることもありますので気を付けましょう。

◯エクストラバージンオイル
オレイン酸などのオメガ9と言われる脂肪燃焼しやすい油が豊富に含まれます。

◯ひまわり油
リノール酸などのオメガ6と言われる血中のコレステロールを下げる働きがあります。

◯サバ水煮缶
青魚系はオメガ3と言われる油を多く含みEPAやDHAといったものに変換されます。

◯お酢
オスも実は脂質です。酢酸という脂肪ですが、腸をアルカリ性にしてくれ腸内環境を整えてくれます。

これらのような食材を組み合わせて、バランスの良い食事を心がけ、生活習慣に合う方法で落とし込んでいくことができれば自然にダイエット効果は表れるはずです。

筋トレ減量期(ダイエット)の食事の仕方~まとめ~

食事は毎日のこと。いい日も悪い日もあっていいと思います。ただしいい日が悪い日より多くなること。悪かった次の日は良くしようとすること。そういった積み重ねが習慣を作ります。
短期的に食べないダイエットや炭水化物抜きダイエットで痩せることは可能です。せっかく筋トレをして筋肉を落とさないようにしたいのなら、食事はしっかり摂りましょう。
食べて痩せるために食事の内容、時間、回数など自分の身体と相談しながら体質と生活と思考に合うものを見つけていくことをおススメします。
何事も習慣になるまでは我慢もいるし、楽をしたいと思うものです。特に食べ物は誘惑が多いですよね。。。そんな時はいつも目標やダイエットしてどんな楽しいことや嬉しいことが待っているのか考えながら頑張ってみてください。
辛いのも最初だけ。ダイエット自体を楽しんでみてはどうでしょう。効果はそれだけで変わってくるものですよ。