糖質制限による眠気・だるさの原因と対策方法とは?

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

糖質制限をしていると眠気に襲われたり、だるさや身体が重たくなった経験がある方はいませんか?原因は糖質制限のやり方にあるかもしれません。その原因と対処法を詳しく解説していきます。

糖質制限中に眠気・だるさが出る原因は?

糖質制限を始めてから昼間に眠気がするようになりました…

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

実は糖質制限をすると眠くなるという話があるんです。その原因を紹介します。

糖質制限で眠気やだるさが出てしまう方の原因はなんなのでしょうか。

まず、糖質制限ダイエットは正しいやり方や摂取量で行えば基本的に眠気やだるさなどが起こることはほとんどありません。
人の身体に眠気が起きるのは、血糖値が高い状態から下がった時、または体温が高い状態から下がった時です。その理由とともに説明していきます。

脳の栄養不足

脳を動かすエネルギーの大半は糖が使われます。その糖を制限してしまうため、脳にまでエネルギーが行き渡らずに栄養不足の状態になってしまうのです。

そうなると頭痛・吐き気・めまい・フラフラするなどの症状を起こして、SOSの信号を発信するようになります。このような様々な症状を『低血糖』と呼びます。

糖質の過剰摂取

普段から炭水化物(糖質)の摂取量が多いと食後の血糖値は急上昇し、身体はそれを一気に下げようとします。そのような血糖値の急上昇・急降下を繰り返しているうちに元の血糖値に戻りにくくなってしまい、低血糖にもなり、眠気を催すようになってしまうのです。

カロリー不足

糖質制限をしていると自然と摂取カロリーも少なくなってしまいます。
ダイエットをしているからといって摂取カロリー量を少なくしていると、身体の中での燃焼が足りず体温が下がって眠くなり、栄養不足で疲労状態になった身体が回復しようとして眠気を引き起こすということもあります。

糖質制限の眠気の対処法

先述のように糖質制限中の不調は低血糖の時や体温が下がった時に起こります。その原因別の対処法をご紹介します。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

しっかり対策すれば眠気は解消できます!

低血糖の場合

低血糖になった場合、ほとんどが過度な糖質制限が原因です。

基本的には1日に100〜120gにすることで眠気などは起こりにくくなります。しかし、糖質制限のやり方の中には1日の摂取量を60g以下にするスーパー糖質制限があります。
このようにほとんど糖質を摂らないようになると脳がエネルギー不足になり低血糖となってしまうのです。

このような厳しい糖質制限はダイエット初心者の方や長期的に取り組みたい方にはおすすめしません。短期的に行うか、プロのトレーナーと相談しながら行うようにすると体調不良も起こしにくくなります。
低血糖がひどくなると手足が痺れてきたりなどの症状も起こるようになります。そうなってしまうと危険です。

応急処置としては飴などを舐めたり、それでも治らない場合は糖質制限を中断するようにしましょう。

低血糖症の場合

低血糖症の方は、普段から知らず知らずのうちに糖質をたくさんとっていたりして糖質依存になっている可能性があります。そのような場合はまず糖質依存から抜け出す必要があります。

方法としては以下のようなことを実践しましょう。

①高たんぱく・高脂質・低糖質の食事をする
②糖質は最後に少量だけとる
③間食をとる

まず、たんぱく質や脂質を含む肉から食べることをおすすめします。肉は糖質を含まないので血糖値が急上昇することはありません。

食事の最後に少量の糖質を食べますが、この時の糖質はパンなどの小麦類は避けるようにしましょう。食べるのであればご飯が良いでしょう。

間食を取る理由は、空腹時に一気に食べると血糖値が上がりやすくしてしまうためです。
ただし、間食といっても甘いお菓子などはNGです。おすすめなのはゆで卵。ゆで卵はカロリーもさほど多くなく、タンパク質が多く含まれているのでダイエット向きの食べ物です。

カロリー不足

ダイエット=カロリー制限のイメージもあるかと思いますが、糖質制限の場合はカロリーを抑えすぎなくてもOKです。(ただし「摂取カロリー < 消費カロリー」は守る)

カロリーを抑えすぎると、体温が下がり眠気なども起こすことがあります。またカロリーを抑えてしまうと筋肉が落ちてしまうのでより体温が上がりにくくなり冷え性にもなりやすくなります。

1日の摂取カロリーの大体の目安としては、男性で2300kcal、女性で1600kcalほどに抑えるといいでしょう。
糖質制限とカロリー制限では控えるべき食材が全く異なるため、慣れるまでは少しずつ食事を変えるように意識しましょう。

糖質制限中でも健康でいよう

糖質制限を自己流で行なったり早く痩せたいからといって無理をすると不調が出やすくなります。

1番大事なのは過度な糖質制限をしないことです。過度に糖質の摂取量を減らすと不調が出るだけではなくリバウンドもしやすくなります。慣れないうちはまずは夕食の糖質だけを抜いてみたり、少しずつ減らすようにしましょう。そうすることで身体も急にエネルギーが減ったことに気づきにくくなり、眠気やだるさの症状も出にくくなります。

また、たんぱく質をしっかり摂ることも大切になります。たんぱく質に含まれるアミノ酸の1つにトリプトファンという物質があります。トリプトファンは、ストレスに強い抵抗力を持つ脳内物質セロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンの原材料となる栄養素であるため、良質な睡眠には欠かせないものです。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

しっかりたんぱく質を摂り、普段から良質な睡眠を取ることも大切ですよ。