太ももの外側が痛くなるマラソンランナーやスポーツ選手は多いのではないでしょうか?その原因はシンプルに外側に付着している筋肉が原因かもしれません。これらの原因の対処方法を把握して、再発しないように身体のメンテナンスを意識して行いましょう。
太ももの外側が痛い!考えられる原因は?
太ももの外側が痛い原因「腸脛靭帯炎」
だからこそ、原因を探り、正しい対処方法を把握しておくことはとても重要だと思います。
最近マラソン中に太ももの外側が痛くなる時が多々ありますが、考えられる原因ってありますか?
伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス
全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー
考えられるとしたら腸脛靭帯炎と呼ばれるものかもしれませんね。ランナー膝とも言われていますが、マラソン選手に最も多い障害です。
マラソンだけでなく、バスケットボールやサッカー選手、バレエダンサー、ジャンプの繰り返しやスプリントの繰り返し、過度なランニングなどによって起こることが多い障害となっているのがこの腸脛靭帯炎という障害となります。
字の通り腸脛靭帯という靭帯が太ももの外側に付着しているのですが、この部分が炎症を起こしている状態が腸脛靭帯炎となります。
太ももの外側の痛みの原因「腸脛靭帯炎」が起こるメカニズム
マラソンランナーがよく膝の外側が痛くなるというのはこの腸脛靭帯炎という怪我の可能性があったんですね。
どのようなメカニズムで発症するのでしょうか?
伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス
全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー
主なメカニズムは簡単に言うと『使いすぎ』ではないでしょうか。
過度なランニングやトレーニングによって疲労がたまり、回復が間に合っていないのではないかと思います。
過度なランニング、トレーニングによってストレッチが怠り、筋肉の炎症が抑えられなくなることが痛みの原因でもあります。
太ももの外側の痛みを解消するストレッチメニュー
①大腿筋膜張筋のストレッチ
1. 壁などに手をつきます
2. 伸ばしたい方の足を反対側の足(支持脚)の後ろに持っていきます
3. 持っていた足側のお尻を支持脚とは反対側の方向に重心を傾けます
4. お尻の横側、大腿の外側が伸びて入れば良いです。
いかにお尻を外に運べるか、重心をいかにお尻に持っていくかが鍵となります。
とても難しいストレッチなので、どこを伸ばしたいのかをとことん意識して行ってください。
②中臀筋のストレッチ
この筋肉が硬くなり機能しなくなることで片脚時の重心保持ができなくなります。
結果として不良姿勢となることでランニング中や切り返しの局面で代償動作が働き、大腿筋膜張筋が過度に働区事で腸脛靭帯炎となる可能性があります。
1. 床に座ります
2. 伸ばしたい方の足を反対側の足より奥にクロスさせます
3. 伸ばしたい側の足を抱えて膝と胸を近づけて骨盤の前傾姿勢を作ります。
4. お尻に伸張感を感じれれば良いです
中臀筋のストレッチはまずはしっかりと骨盤の前傾姿勢を作ることが絶対条件となります。
また、大臀筋のストレッチとは違ってお尻の外側に伸張感が感じられれば理想的です。
③大臀筋のストレッチ
結果的にラテラルラインと言った外側の部分のように筋肉が硬くなり、大腿筋膜張筋や腸脛靭帯にストレスを与えるため、大臀筋のストレッチを行うことで腸脛靭帯の炎症は緩む可能性があります。
1. 床に座ります
2. 伸ばしたい側の足を反対の膝の下に乗せます
3. 膝と胸を近づけるように骨盤を前傾させます
4. お尻に伸張感を感じれれば良いです
大臀筋のストレッチも中臀筋同様骨盤の前傾姿勢でストレッチを行うことが非常に重要となります。
大臀筋と大腿筋膜張筋の筋連結により大臀筋が緩むことで大腿筋膜張筋も緩みやすくなります。
④腓腹筋のストレッチ
そのため、多くの筋肉が関わり、疲労がたまりやすい地帯となります。
腸脛靭帯炎の可能性がある場合は腓腹筋外側頭のストレッチを行うことで疼痛がなくなる可能性もあります。
1. 壁や棒などの支えを掴みます
2. 伸ばしたい側の足を後ろにします
3. 踵が浮かないように後ろ足を伸ばしていきます
4. つま先を正面に向けて伸ばします
5. ふくらはぎに身長感があれば良いです
腓腹筋も腸脛靭帯炎と大きく関与します。体にはラテラルラインという筋膜の繋がりがあります。
このラテラルラインは身体の外側の筋膜を緩めることで関与する筋肉が緩みやすくなり、結果的に疼痛を緩和させる期待ができます。
ストレッチをするときには踵が浮かないように気をつけましょう。
ストレッチの注意点
それは、『急激に伸ばさないこと』です。
急激に伸ばすことで筋肉が急激に引っ張られてしまいます。
筋肉はこれ以上伸ばすと筋繊維が切れてしまうと感知します。
これを避けるために、筋肉は急激に収縮するという性質があります。
これを”伸張反射”と呼ぶのですが、何回も繰り返すことで筋肉痛のような痛みを伴いますので、ストレッチの効果を最大限に発揮することが難しくなります。
ストレッチはどのぐらい行うべきか?
伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス
全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー
リハビリという点では、可動域制限が問題となっているため文献などによっては変わってきますが、1つの部位に120秒ほど時間をかけなければ可動域の拡大は見込めないと言われています。まず1つの目安としては120秒を目安にストレッチを行いましょう
特に、リハビリに用いるストレッチは120秒ほど時間をかけて行う必要があると言われています。
太ももの外側の痛みを解消するストレッチ以外の対処方法
◯アイシング
とにかく冷たければ良いというわけではなく、氷点下以下の温度ですと、凍傷になるおそれもあるので気をつけなければいけません。
そのため、氷が溶けるように水と上手く組み合わせて氷点下を避けるようにしましょう。
また、冷やす時間は15〜20分で行うようにしましょう。
冷やす時間が長すぎても、効果は得にくくなりますので、時間もしっかりと守って冷やすようにしましょう。
◯テーピング
外反位を防ぐために、テーピングで足関節を安定させることも重要なポイントとなります。
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