コレステロールを気にして、まず思い浮かぶのは卵。しかし卵のコレステロールが高いというのは間違い!?卵はどのくらい摂取していいのか?コレステロール値と身体の関係について解説します。
卵はコレステロールが高いから避けるのは間違いなのか?

しかし、現在ではコレステロールの摂取量上限はなくなりました。つまり、「卵は1日1個まで」ということはないのです。その理由は、以下の厚生労働省が発表する「食事摂取基準」にあります。
コレステロールは1日にどれくらい摂ればいいの?

2010年版では、コレステロールの目標量は、成人男性は1日750mg未満、成人女性は1日600mg未満でしたが、2015年版では、コレステロールの摂取基準がなくなりました。
その理由として、コレステロールは体内で合成できるもので、食事でコレステロールを摂取しても、身体に影響されることは少ないということが分かったため、摂取基準がなくなったとされています。
コレステロール値の多い食品は以下の通りです。
食品 | コレステロール値 |
---|---|
卵(1個) | 210mg |
卵黄 | 224mg |
豚レバー(80g) | 200mg |
すじこ(25g) | 128mg |
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日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
卵の白身にはほとんどコレステロールは含まれていません。
コレステロールは体内で合成される脂質なのでビタミンなどとは違い、基本的には体内で欠乏することがない栄養素です。
健康な身体であればそこまでコレステロール値を気にして摂取する必要はないですが、健康診断や人間ドックなどで糖尿病や高コレステロール血症と診断されている人、遺伝も関係してくるので、親が高コレステロール血症の人はコレステロール値の高い食品の摂り過ぎには注意しましょう。
コレステロール値が低くてもダメ!?

卵のコレステロールでの身体の影響
コレステロールを多く含む卵ですが、食事摂取基準からコレステロール摂取の目標値がなくなったことから、科学的根拠に基づいてコレステロール値が高い食材として敬遠されていた卵は毎日摂取しても問題ないことが明らかになりました。
脳卒中や心臓病などを心配する人にとって、高カロリーな食事はNGですが、先述の通り『たまごと各種疾患との関連は認められない』という点や、脂質やたんぱく質、カルシウム、鉄分、ビタミンB群、アミノ酸など多くの栄養素が含まれているという点から、卵は最適な食材と言えるでしょう。
コレステロール値が低くても病気のリスクがある
コレステロールが高いと動脈硬化などの健康に影響されると言われていますが、実は低すぎても病気のリスクがあるのです。
日本卵業協会の研究結果の情報によると、日本脂質介入試験の臨床試験でコレステロール値が低いとガンの死亡率は5倍になるという結果が出ています。コレステロールが低いと免疫機能が低下し、ガン発生のリスクを上げる可能性があるとされています。
ちなみに、コレステロール値の正常値は以下になります。
・LDLコレステロール値 1dl当たり140mg以内
・HDLコレステロール値 1dl当たり40mg以上
LDLコレステロールとHDLコレステロールとは?
LDLコレステロールとHDLコレステロールの違いってなんですか?
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日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
では最後にコレステロールの種類と摂取のコツについて解説します。
コレステロールの種類|善玉と悪玉

善玉コレステロールのことをHDLコレステロールと呼び、
悪玉コレステロールのことをLDLコレステロールと呼びます。
善玉と悪玉の違いを簡単に言うと、HDLコレステロールは体中の余っているコレステロールをかき集めて肝臓に回収する働きをし、LDLコレステロールは体中にコレステロールをばらまく働きをするためこう呼ばれます。さらにLDLコレステロールは、血管の内壁にくっつくことで動脈硬化の直接的な原因になってしまうのです。
しかし、HDLコレステロールは、血管の内壁についたLDLコレステロールを回収して動脈硬化を防ぎます。HDLを増やすには、中性脂肪とLDLコレステロールを減らすことでHDLコレステロールの割合を増やします。
前述したように、HDLコレステロールとLDLコレステロールはどちらかが多すぎても少なすぎてもバランスが摂れなくなってしまいます。しかし健康でいるためにはLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やすようにしましょう。
LDLコレステロールを減らす方法

・納豆、豆腐など植物性タンパク質
・海藻、きのこ、根菜などの水溶性食物繊維
・イワシ、サバ、マグロなどの魚類
高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス
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毎日の食事にこうした食品を取り入れてみましょう。LDLコレステロール値が高すぎると、糖尿病のリスクもあるので注意が必要です。
HDLコレステロールを増やす

運動をする時間がなかなか取れないという方は1日に8000〜1万歩歩くように意識してみましょう。また、アーモンドを1日10gずつ食べることでHDLコレステロールが増えるとも言われています。
どちらもバランスが大切なので摂りすぎ、摂らなすぎには注意しましょう。

ダイエット食とされる卵ですがコレステロールも高いため食べ過ぎは太るんではないかと言う意見も。今回はプロトレーナーが卵のダイエット効果とコレステロールとの関係性を徹底検証します!!