全国で約100万人が苦しんでいると言われている「うつ病」ですが、症状やその程度は人によってさまざまです。日常の生活を送ることが困難なほどの精神的症状から、眠れない食べれないなどの身体的症状まであります。そんな辛いうつ病の症状を筋トレで解消できることが判明しました。うつ病と運動の関係について紹介します。
そもそも、うつ病の原因は何?
脳内で分泌される神経伝達物質の不足がうつ病の原因に関係していると考えられています。神経伝達物質とはドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどのことをいい、脳内で情報の伝達に大きな役割を果たしています。
セロトニンが不足してしまうと、感情が不安定になり、食欲や睡眠にも障害が出やすくなります。
ノルアドレナリンはやる気や集中力を高めると言われています。うつ病の治療に使われる薬には、これらの神経物質を増強する作用を持っているものが多くあります。うつ病の人のおよそ3割に抗うつ剤の効果が認められ、およそ3割には効果がないと言われていて、うつ病の治療は簡単ではない病気の一つとも言えるでしょう。
うつ病の人に陥りがちなネガティブ思考を筋トレで断ち切る!
神経伝達物質の不足がうつ病の発症に関わっていると考えられていて、ネガティブな思考を作り出すとされています。
一方、筋トレを行うと、それら神経伝達物質の分泌を促すことが分かっています。実際、我々の日常生活においても、運動をすることでストレスが発散されて気分が晴れたという経験をした人は多いのではないしょうか。それが、まさに神経伝達物質の分泌によるものなのです。
また、筋トレは成長ホルモンの分泌も促します。成長ホルモンとは、筋肉の成長や脂肪の燃焼などに関係する物質なのですが、筋肉や脂肪だけでなく、精神面にも作用することが分かっています。いわゆるやる気を起こさせるホルモンと言われており、うつの傾向の人に多いとされる、気分の低下を防ぐ働きがあります。
筋トレじゃないとダメなの?
実は、「うつ病には有酸素運動が効果的である」という研究発表はこれまでに多くされています。そして、新たに筋トレを含む無酸素運動と有酸素運動の効果を比べた研究発表がされました。うつ病の人が「運動をする」と「運動をしない」には症状の改善に大きな差が認められたのですが、運動の種類(有酸素運動と無酸素運動)には明らかな差がないことが判明しました。
どんな運動でもよいので、「運動をする」ということがうつの症状改善に効果をもたらすということです。
ダイエットや健康のために筋トレを行おうと思っている方も多いと思います。しかし、なかなか生活習慣にならず継続できないという悩みも多く聞きます。今回は、筋トレの目的が明確化され生活習慣として身につくよう、筋トレがストレス発散に効果があるということを解説します。
うつ病の人が筋トレを行うメリットと注意点
うつ病を発症してしまうと、外出が億劫になるというケースが多くあります。他人に会うのが苦しいということも少なくないようです。
その点、筋トレであれば、手軽に自宅でできるというメリットがあります。運動をして脳の血流をあげることが一番のポイントなので、筋トレの種類にこだわる必要はありません。スクワットでも腹筋でも腕立て伏せでも良いのです。自分が楽しくできる筋トレを行いましょう。
比較的に真面目で几帳面な人がうつ病になりやすいと言われています。筋トレのノルマを達成することに重きを置いてしまうと、逆にストレスとなり症状が悪化してしまうことも考えられます。自分に合った運動を自分に合ったペースで続けることが大切です。必要以上に負荷をかける必要もありません。
逆に、辛い筋肉痛を起してしまっては逆効果です。うつ病の症状で体が思ったように動かず辛い思いをしているところに、筋肉痛まで加わってしまうと、心身の負担が増すかもしれません。筋トレの内容は、あくまでも気持ち良いと感じる程度にとどめておきましょう。
筋トレを始める時期は?
うつ病になりやすい人の特徴の一つに、運動不足も指摘されています。うつ病の予防として筋トレをするのも効果的でしょう。もちろん、筋トレに限らず、ウォーキングをしてもいいですし、水泳でも問題ありません。自分が楽しめる運動を無理なく続けることが、うつ病の改善や予防には大切なのです。
筋トレはうつ病予防に良い
筋トレには自宅で簡単に始められるというメリットがあり、短い時間ですみます。外に出ることをためらう時期でも始めやすいのが筋トレでしょう。
学校、職場、プライベート。生活の中でストレスを感じることは誰しもありますよね。実は体と心は一心同体で、運動不足が原因でストレスを感じやすくなっている場合もあるのです。今回は運動とストレスの関係と、生活の中で感じるストレスを解消する運動方法をご伝授します。
「運動不足が心の病気を引き起こす」という事をご存知でしょうか? ダイエットや体型改善の為に運動を始める人は多くいます。しかし「心の健康を保つ」という理由ではじめる人は残念ながらほとんどいません。ここでは運動不足が心の病気を引き起こす理由と対策を紹介します。