甘酒の糖質は?甘酒は血糖値を上げやすい?ダイエット効果は?

昔から栄養価が高い飲み物として親しまれてきた甘酒。最近では甘酒ダイエットなどもありますが、糖質やカロリーは低いのでしょうか?また、甘酒は甘みが強いため血糖値を上げやすいという説もありますが、本当なのでしょうか?
この記事では、甘酒の糖質とそのダイエット効果を詳しく解説します。

そもそも甘酒ってなに?

体に優しく栄養満点で、昔から日本人に親しまれて来た甘酒。
もともとは庶民が日常的に飲むものではなく、お祝いの日に神様に供えられたり、神事に使われていた貴重な飲み物だったそうです。
江戸時代になると、町中で甘酒が売られるようになり、当時珍しかった甘いものが気軽に飲めるとして、冬は温かい甘酒、夏は冷たくした甘酒を楽しんでいました。

最近では、夏でも「冷やし甘酒」というものがお店に並んでいますが、実はこれは江戸時代から飲まれていたものだったんですね。

ただ、ひとくちに甘酒といっても、実は2種類あり、材料も作り方も違うことをご存知でしたか?
まずはその2種類の違いから見ていきましょう。

・米麹の甘酒
炊いた米とに米麹(こめこうじ)を加えて、発酵させて作る自然な甘さの甘酒。
アルコールが含まれていないので、子どもや妊娠中でも安心して飲めます。
甘さは砂糖ではなく、お米のでんぷん質が発酵によりブトウ糖に変わったものです。

・酒粕の甘酒
日本酒を製造するときに出来る酒粕を湯に溶かして火にかけ、砂糖を加えたもの。
わずかにアルコール分があるので、車の運転前は念のため控えた方が無難です。

米と水だけで作られている甘酒は、パッケージに「米麹甘酒」などと記載してあることがほとんどです。酒粕の甘酒が苦手な人も、一度米麹の甘酒を飲んでみると、印象が変わるかもしれません。

甘酒は糖質が高い?糖質制限ダイエットに向いてない?

今、若い女性のあいだで美容やダイエットに効果のある飲み物として密かなブームとなっています。
トロッとしたした甘さが特徴の甘酒が本当にダイエットに良いのでしょうか?

食品名:糖質:カロリー
甘酒:17.9g:81kcal
日本酒(純米酒):3.6g:200kcal
ワイン:0.8 g:77kcal
オレンジジュース:8g:38kcal
ココア:1.8 g:271kcal

こうして見てみると、甘酒の糖質はけっして低いとはいえませんね。
日本酒よりも甘酒の方が糖質が高いのは、発酵する過程でブドウ糖が増えたり、砂糖を加えているためです。

ですが、カロリーに関してはそれほど高いわけではありません。
同じく健康に良い飲み物として人気のあるココアの3/1以下なので、ダイエット中でも飲み過ぎなければ心配ないでしょう。

甘酒は血糖値を上昇させる?

最近では、血糖値をゆるやかにする低GI食品が注目されています。
血糖値の急激な上昇は体に脂肪を蓄積させ太る原因になるので、ダイエット中は出来るだけ低GI食品を摂るようにしたいですね。

しかし、米麹から作られた甘酒は、全体の2割ほどがブドウ糖で出来ているので、血糖値の上昇はとても早くなります。
一方で、酒粕から作られた甘酒は砂糖が加えられてはいますが、血糖値の上昇を防ぐ効果のある食物繊維がたっぷり含まれているので、GI値はそれほど高くないことが分かっています。

血糖値のことだけを考えると酒粕の甘酒をおすすめしたいところですが、米麹の甘酒には発酵による酵素が豊富だというメリットもあります。

もし糖質制限ダイエット中に米麹の甘酒を飲むのなら、出来るだけ食後に飲む、そして空腹時は避けて、ゆっくり味わいながら飲むようにして下さい。

甘酒のダイエット効果とは?

ビタミンBで代謝を促進!

甘酒には、代謝ビタミンとも呼ばれるビタミンB群がたっぷり含まれています。
ビタミンB群は、糖質や脂質が体内で脂肪として蓄積する前に、代謝してくれる働きがあります。
甘酒にはビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12と、さまざまな種類のビタミンBが含まれていますが、ビタミンB群はたくさんの種類を一緒に摂ることで効果がアップするので、甘酒はまさに理想的な栄養素だといえます。

便秘解消でお腹スッキリ

甘酒にはオリゴ糖や乳酸菌、アミノ酸が豊富に含まれているので、腸内環境を整えてくれます。
腸の中の善玉菌が増えることでお通じも良くなり、便秘でお腹がぽっこりしがちな人も快適な毎日を送ることが出来ます。
また、腸内が悪玉菌で汚れていると、ニキビや肌荒れの原因になります。
ダイエットと美肌のために、いつもキレイな腸内環境をつくるようにしましょう。

コレステロールを下げる効果も

甘酒にはイノシトールという栄養素が含まれています。
イノシトールは余分な脂肪が蓄積しないようにコントロールする働きがあるのでダイエットに最適なのはもちろん、コレステロールの流れも良くするので、高血圧などの生活習慣病も予防してくれます。脂っこい食事をよく摂る人は、イノシトールを積極的に摂るようにしましょう。

ダイエット中のストレスを和らげる

甘酒に含まれるGABAやパントテン酸という栄養素は、精神を安定させる効果があり、パニック障害などにも効果があるといわれています。
ダイエット中は食事制限などでストレスがたまりやすいですが、適度に発散しないとリバウンドのもとになります。
甘酒のリラックス効果でストレスを癒して、前向きにダイエットをしていきましょう。

甘酒の飲み方とタイミング

1日1杯までにする

甘酒は栄養面では申し分ない飲み物ですが、糖質やカロリーは他の飲み物と比較しても、けっして低いほうではありません。
特に糖質制限ダイエット中は、1日に甘酒を2杯・3杯と飲んでいては、肝心の食事でほとんど糖質が摂れなくなってしまいます。
1日1杯の量を守り、ゆっくりと時間をかけて飲むようにしましょう。

朝か食後に飲む

飲むタイミングは食後や朝がベストです。血糖値の上昇を防ぐために、空腹時にいきなり糖質の高いものを胃に入れるのは避けましょう。
そして、これから活発に行動する朝に甘酒を飲めば、糖質を1日のエネルギー源として消費できるので、脂肪に変わるのを防げます。
甘酒の持つ栄養素はしっかりと吸収して、糖質は蓄積させないよう、賢い飲み方をしましょう。

ダイエット中におすすめの甘酒レシピ

豆乳甘酒

甘酒と豆乳を1:1で混ぜるだけで、ダイエット中に不足しがちなたんぱく質をおぎなえるドリンクになります。
豆乳は低カロリー・高たんぱくな飲み物なので、エクササイズの効果を高めてくれたり、髪や肌を丈夫にして、健康的に痩せるのを助けてくれます。
また、豆乳は食物繊維が豊富なので、血糖値の上昇を抑えてくれる効果もあります。
甘酒の甘さが苦手だという人も、豆乳を加えると飲みやすくなるかもしれません。

甘酒ヨーグルト

甘酒とヨーグルトで腸内環境を強化するドリンクになります。腸内の善玉菌を増やしてくれるので、便秘気味の時に飲むとスッキリできます。
また、腹もちが良くなるので朝食の代わりに置き換えても良いでしょう。
合わせるヨーグルトは砂糖や甘味料が入っていないプレーンタイプのものを選ぶようにして下さい。