糖質制限ダイエット中は甘い物は控えたいところですが、果物の甘さは大丈夫なのでしょうか?この記事では、果物の糖質やカロリーの量と、ダイエット中に気をつけるべき果物の食べ方、そしておすすめの果物について解説します。
果物は糖質制限ダイエット中でも食べてよい?
果物の糖質を比較
糖質制限ダイエット中に甘い物が食べたくなったら、お菓子よりも果物!という人も多いと思います。もちろん果物は栄養が豊富で健康と美容によい食べ物ですが、果たして糖質は少ないのでしょうか?人気の果物を調べてみました。
<果物の糖質一覧>
食材:糖質:カロリー
みかん:11.1g:45kcal
りんご:37.23g:138kcal
バナナ(1本):19.26g:77kcal
キウイ:9.57g:46kcal
グレープフルーツ:9g:38kcal
スイカ(100gあたり):9.2g:37kcal
比較してみると、りんごとバナナのカロリーや糖質量が多いことが分かりますね。逆に柑橘系のグレープフルーツや、水分の多いスイカは低糖質です。
ひとくちに果物といっても、かなりの違いがあることが分かります。
糖質制限ダイエット中に摂ってよい糖質量
・ハードな糖質制限ダイエット…1日の糖質摂取目安 30〜60g
・スタンダードな糖質制限ダイエット…1日の糖質摂取目安 80〜120g
・プチ糖質制限ダイエット…1日の糖質摂取目安 120〜170g
ハードな糖質制限ダイエットは、主に栄養士などに指導を受けておこなう肉体改造に近いダイエットのことです。
このレベルだとバナナ1本で1食分の糖質を摂ってしまうことになりますが、ここまでストイックになる必要はありません。
普通は、プチ糖質制限ダイエットから初めて、スタンダードな糖質制限ダイエットへと少しずつ移行していきます。
果物の中では糖質が多めのりんごやバナナは気をつける必要がありますが、基本的には果物の糖質にまで神経質になる必要は無さそうですね。
果物のダイエット効果とは?
果物は低GI食品
GI値とは、食事により血糖値が上昇する数値のことをいいます。
血糖値が急激に上昇すると、それを下げようとして「インシュリン」というホルモンが分泌されます。
インシュリンには脂肪を作り脂肪細胞の分解を抑制する働きがあるので、分泌されすぎると肥満の原因になってしまいます。
このGI値が低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インシュリンの分泌も抑えられるので、低GI食品は健康やダイエットに敏感な女性の間で積極的に取り入れられています。
果物の甘みは「果糖」という成分ですが、果糖は血糖値を緩やかに上げる低GIの糖です。
ちなみに、お米などの炭水化物は高GI値食品なので、ダイエット中は控えるようにして下さい。
カロリーが低い
果物は、個体によって多少の差はあっても、基本的に低カロリーです。
糖質制限ダイエット中は食品の糖質量にばかり目が行きがちですが、いくら糖質を抑えていてもカロリーオーバーでは脂肪は落ちません。
ダイエット中に必要なカロリーは成人女性で2,000kcalが理想的なので、40kcalにも満たないグレープフルーツやスイカなら安心して食べられます。
女性に嬉しい栄養素が豊富
果物には、ダイエットだけでなく女性の美しさをサポートしてくれる栄養素が豊富に含まれています。
・ビタミン
多くの果物には、ビタミンがたっぷり含まれています。特にアセロラやキウイにはビタミンCが豊富に含まれていて、100g食べれば1日に必要な分のビタミンCが摂れてしまうほどです。
ビタミンCはシミやシワを防いで肌を若返らせてくれるだけでなく、風邪予防やイライラを抑えてくれる効果もあります。
ダイエット中は食事制限などでストレスを感じることが多くなるので、ビタミン補給は大切です。
もちろんサプリメントなどでもビタミンは摂れますが、体に入ったビタミンは1度には吸収できず、余った分は尿として排出されてしまうため、数回に分けて何度も摂る必要があります。
サプリメントだけでなく、食事からもしっかりビタミンを摂るようにしましょう。
・食物繊維
便秘はお腹がぽっこりと出て、体調も悪くなるので辛いですね。
しかも食べる量が少ないと、腸の動きが悪くなり便秘になりやすくなるので、ダイエット中は便秘に悩まされる人が多いようです。
果物には食物繊維が豊富に含まれているので、便秘解消に役立ってくれます。
特にバナナやキウイ、みかんなどは食物繊維たっぷりなので、積極的に食べるようにしましょう。
・酵素
酵素は、デトックス作用があるので、美肌や血行促進に効果があります。
さらに、体内に酵素が増えると代謝が良くなり、脂肪の燃焼を促進してくれる効果もあるのです。
酵素は年齢と共に減少していくので、若い頃と同じものを食べても太りやすくなったり、体の冷えを感じやすくなったりします。
ダイエットのために酵素ジュースなどを飲んでいる女性もいますが、果物の天然酵素なら経済的で、その他の栄養素も一緒に摂ることが出来るのでおすすめです。
意外と知らない果糖の落とし穴
満腹感を感じにくい
果物に含まれる「果糖」は、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品だということはお話しましたが、実はこの果糖、ダイエットにはデメリットもあるのです。
人間は食事をした後、血糖値が上昇することで脳が満腹感を感じ、食欲が抑えられますが、低GI食品の果物を食べても脳が満腹感を感じず、食欲が抑えられません。
そのため、果糖を摂りすぎてしまい、中性脂肪が蓄積され太る原因になると言われています。
もちろん低GI食品の方がダイエットには適しているのは間違いありませんが、始めに食べる量を決めておくなどして、食べ過ぎを防ぐことが大切です。
AGEを増やす
AGE(終末糖化産物)とは、タンパク質と糖が加熱されて体内に出来る物質のことで、非常に強い毒性があり、老化の大きな原因になるといわれています。
AGEが増加することで、主にこんな症状が起こります。
・コラーゲンが破壊され、シミやしわができる
・骨密度が低下する
・白内障・アルツハイマー・腎不全などになりやすくなる
まさに、AGEは美容だけでなく健康にも大きく影響する、体にとっての悪性物質なのです。
このAGEは、果糖を大量に摂ると発生するといわれていて、さらに高温で調理することで増加します。果物を使った焼き菓子などはAGEが大量に発生するので、出来るだけ控えるようにして下さい。
果物を食べる時のポイント
生のまま食べる
果糖はAGEを増やすことは、すでにお話しましたが、実は食物繊維を一緒に摂ることで、それを防いでくれます。
多くの果物は食物繊維をたっぷり含んでいますから、そのまま食べればAGEの発生が抑えられるのです。
しかし、果物をしぼってジュースにすると、せっかくの食物繊維が無くなって、ただの果糖ジュースになってしまいます。
若い女性の間で、グレープフルーツやオレンジなどをしぼって朝食の代わりに飲むダイエット方法が流行っていますが、これは果物のよい部分を捨ててしまう非常にもったいない摂り方なのです。
また、果物を干して水分を抜いたドライフルーツも、ダイエット中の間食として人気ですが、これは糖質制限ダイエット中にはおすすめ出来ません。
果物の大半は水分で出来ていますが、ドライフルーツにして水分を抜くことで、糖質の量が増えてしまいます。
しかも生のまま食べるよりも水分が抜かれて小さくなっているので、無意識にかなりの量を食べていて糖質過多になることもあります。
もしどうしても間食として食べたい時は、砂糖が使われていないドライフルーツを選ぶようにしましょう。
いろいろな種類を食べる
朝食は果物だけを食べるとか、食事の代わりに果物を食べるなどの置き換えダイエットをする場合、栄養が偏るのを避けるために、いろいろな種類の果物を食べるようにしましょう。
例えば、少し前に流行ったバナナダイエットのように、朝食は毎日バナナだけというような食べ方は身体にとって良くありません。
果物にもビタミンが多い物からミネラルが多いもの・食物繊維が多いものまで、さまざまな栄養素の違いがあるので、いろいろな種類を組み合わせて食べたり、プレーンタイプのヨーグルトに混ぜて食べるのもいいでしょう。
また、サラダにグレープフルーツなどの果物をトッピングするフルーツサラダも、野菜と果物が同時に摂れておすすめです。
朝や運動前に食べる
果物から摂った糖質は、余った分が脂肪を作る材料となるので、エネルギーとして使ってしまえば、脂肪になりにくくなります。
朝はこれから1日のエネルギーを使う時なので、糖質で体を目覚めさせて、アクティブに動いて上手に糖質を消費しましょう。
また、運動する前にエネルギーの材料となる糖質を摂るのもおすすめです。
果物の栄養はしっかり補給して、糖はエネルギー源として使ってしまう、賢い食べ方をしましょう。
1日200グラムを目安に食べる
厚生労働省、農林水産省が作成した『食事バランスガイド』によると、1日の理想的な果物の摂取量は200グラムだとされています。
だいたいの目安としては、みかんなら2個、りんごなら1個くらいの量になります。
日本人の果物の摂取量は年々減少しているので、毎日意識して摂っていきたいところですが、果物は種類によって糖質やカロリーの多さにかなりバラつきがあるので、バナナやマンゴーなどはすこし控えめに、柑橘系の果物は多めになど、そのつど調整しながら食べるといいでしょう。
糖質制限ダイエット中におすすめの果物
イチゴには、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げる働きがあります。ビタミンが豊富で肌にも良く、低カロリーなので積極的に食べましょう。
・グレープフルーツ
グレープフルーツの香りは、通称「痩せる香り」といわれ、食欲を抑える効果があります。
柑橘系の果物はカロリー・糖質ともに少なめで、苦味成分が満腹中枢を刺激してくれるので、ダイエット中にぴったりの果物です。
・スイカ
スイカは他の果物よりも水分が多いので、少しの量で満足できます。また、新陳代謝を活発にして、脂質や糖質の分解を助けてくれる作用があるので、食事の前に食べるのもおすすめです。
・ブルーベリー
ベリー類は糖質が少なく、美容によい成分がたくさん含まれています。そのなかでも、ブルーベリーはアントシアニンという高酸化作用によりアンチエイジング効果があります。シミやしわなどの肌の老化を防ぎ、若々しさを保ってくれる女性にぴったりの果物です。
・キウイ
キウイに含まれるビタミンCの量は、果物のなかでもトップクラスです。また、摂りすぎたナトリウムの排出を助けてくれるカリウムもたっぷり含まれているので、むくみも防いでくれます。栄養価の高さから、果物の王様とも呼ばれています。