じゃがいものカロリー・糖質は?ダイエット向き?食べ過ぎると太る理由

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

じゃがいものカロリーや糖質、栄養素などに注目し、ダイエットにどのように影響するのかを解説します。ダイエットに魅力的な部分もありますが、いくつか注意点もあるので確認していきましょう。

じゃがいもとは?じゃがいもの種類

じゃがいもとは?

じゃがいもといえば、世界の家庭で最も食べられている野菜だといっても過言ではないでしょう。日本ではカレーや肉じゃがなど、家庭料理には欠かせない食材ですよね。
常に台所にストックされていますし、世界をみるとじゃがいもを主食として食べる国も多いです。じゃがいもは栄養が豊富でない土地でもよく育ち、昔から重宝されてきました。
しかし、あまりにも身近な食材なので、じゃがいもがどんなものなのか、じゃがいもにはどんな栄養や効果があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。
意外なことに、じゃがいもはナス科の植物なので、ナスの仲間なのです。日本では北海道が国産の約7割を占めており、一年中流通しますが、旬は春から初夏にかけて。
エネルギーとしてもビタミンCなどの補給にもぴったりで、フランスでは「ポム・ド・テール(大地のりんご)」と呼ばれるくらい優れた食品として人気です。

じゃがいもの種類

ひと言に「じゃがいも」といっても、実にたくさんの種類があります。日本では男爵やメークインなどが主流で、調理方法や食感の違いによって使い分けます。

じゃがいもは大きく分けると、皮や中身が黄色いものと赤や紫のものに分けられますが、見た目や大きさや味わいは様々です。

皮や中身が黄色いものは男爵やメークインをはじめ、キタアカリ・インカのめざめ・マチルダ・はるかなどがあげられます。一方の赤や紫のじゃがいもは、ノーザンルビー・レッドムーン・シャドークイーン・アンデスレッドなどです。

男爵やメークイン以外のじゃがいもを一般的なスーパーで見かけることは珍しいですが、地方の直売所などへ行くと驚くほどたくさんの種類のじゃがいもが売られていますよ。

じゃがいものカロリーはどのくらい?ダイエットに向いているのか?

じゃがいもってカロリーが高く、糖質も高そうなので、ダイエット中に食べるとまずいですよね?

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

確かにじゃがいもは糖質の多いので、ダイエットに向いている食材ではありません。しかし、決して食べてはダメということではなく、他の食事とのバランスや量を抑えれば大丈夫ですよ

じゃがいもでダイエットはできる?カロリーは低いの?

「じゃがいもは炭水化物なので、ダイエットには向いていない」「じゃがいもはカロリーが高いので、ダイエット中は食べない」という人が多いはず。たしかに、じゃがいもはでんぷんを多く含んでいることが特徴なので、炭水化物が豊富で高カロリーな食材だと思う人も多いでしょう。
イメージの通り、じゃがいもはダイエットに向いている食品ではありません。しかし、ダイエットにじゃがいもは一切NGというわけではありません。
食べ過ぎは糖質オーバーになるので避けるべきですが、健康によい一面もあるためダイエット以外では積極的に食べるべき食材なのです。

じゃがいものカロリー・糖質・脂質・タンパク質は?

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
じゃがいも(100g) 78 16.7g 0.1g 1.6g
じゃがいも(1個135g) 103 22g 0.14g 2.16g
こちらがじゃがいもの栄養成分表です。たしかにカロリーが高く感じるかもしれませんね。
お祭りの屋台で売っているじゃがバターが1人前2個だとしたら、1回食べただけで300kcal近いカロリーをとることになります。
そして、ダイエットの敵ともいえる「糖質」も、カロリーと同じように高めの食品であることがわかります。
じゃがいもにはビタミンやカリウムなど、人間に必須の栄養素がたくさん含まれているのですが、食べ過ぎはカロリーオーバーで太る原因になってしまいます。

じゃがいものカロリーを他食材と比較

じゃがいもと他のいも類とのカロリー比較(100gあたり)

食品 カロリー
じゃがいも 78kcal
里芋 58kcal
長芋 65kcal
さつまいも 131kcal
こちらの表は一般的に食べられているイモ類のカロリーを一覧にしたものです。じゃがいも・里芋・長芋・さつまいもを比べたとき、一番カロリーが多いのはさつまいもです。
さつまいもはそのままでも甘みが強いですし、スイートポテトなどのお菓子にも使われますよね。食物繊維が多いのでダイエットにもいいと言われていますが、量を控えないと太りやすくなるので注意しましょう。
家庭でよく食べられるイモの中では、里芋が一番カロリーが低いイモだということです。煮物には定番で、昔からよく食べられている食材ですね。
里芋の粘り成分「ガラクタン」には生活習慣病の改善や、脂肪を蓄えにくい体質に改善する効果があると期待されています。

じゃがいもの調理方法別のカロリー比較(1人前)

食品 カロリー
肉じゃが(一皿) 170kcal
フライドポテト(Mサイズ) 320kcal
ポテトチップス(一袋60g) 337kcal
ポテトコロッケ(1個) 98kcal
こちらはじゃがいもを使った料理ごとにカロリーを計算したもの。
じゃがいもは栄養面でも味の面でも、油との相性がいいです。フライドポテトは食事のサイドメニューとしても定番ですし、ポテトチップスは子供のおやつやお酒のつまみにぴったりですよね。
当然ながら、おいしいものには糖質や脂質が多く含まれており、ポテトチップスやフライドポテトも例外ではありません。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

油を使って調理したじゃがいもは、栄養を効率よくとれるというメリットがありますが、ダイエット的にはNGです。
ダイエットを最優先させるなら、ヘルシーで他の野菜も一緒に食べられる肉じゃがなどの煮物をおすすめします。

じゃがいもの糖質・脂質・タンパク質量を他の食材と比較

じゃがいもと他のいも類との糖質・脂質・タンパク質量比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
じゃがいも 16.3g 0.1g 1.6g
里芋 10.8g 0.1g 1.5g
長芋 12.9g 0.3g 2.2g
さつまいも 29.7g 0.2g 1.2g
こちらには、じゃがいも・山芋・長芋・さつまいもの糖質・脂質・たんぱく質量をまとめました。
カロリーと同じように、さつまいもの糖質が一番高いことがわかります。イモ類は脂質が低いのが特徴ですが、糖質が多く含まれているので、食べ過ぎには注意しましょう。
ダイエットをしたい場合は糖質をなるべく抑えることが大切なので、イモを食べる場合には山芋や里芋を選んだ方がいいでしょう。

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日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ダイエットをしたい場合は糖質をなるべく抑えることが大切なので、イモを食べる場合には山芋や里芋を選んだ方がいいでしょう。

じゃがいもの調理方法別の糖質・脂質・タンパク質量比較(1人前)

食品 糖質 脂質 タンパク質
肉じゃが(一皿) 19.35g 7.33g 5.28g
フライドポテト(Mサイズ) 43.74g 14.31g 3.92g
ポテトチップス(一袋60g) 32.8g 21.6g 2.8g
ポテトコロッケ(1個) 15.18g 2.94g 2.76g
こちらはじゃがいもを使った料理別に、糖質・脂質・たんぱく質量を比べたものです。
たんぱく質は筋肉や皮膚などの体の組織をつくるのに必須で、ダイエットで不足しがちな栄養素でもあります。たんぱく質が不足すると免疫機能が弱まったり、脂肪を燃焼させるための筋肉が減ったりするので、食事でしっかりと補いましょう。
たんぱく質を多く摂取するには、じゃがいもを使った煮物がおすすめ。カロリーも低く抑えられますし、他の野菜や肉類と一緒に調理することでバランスよく栄養を摂取できます。

じゃがいもの特筆すべき栄養素

ここまでの説明で「じゃがいもはカロリーが高いからダイエットにNG」と思った方も多いかもしれません。しかし、そのイメージだけで「ダイエットだからじゃがいもを食べない」と考えるのは早いでしょう。
ここからは、じゃがいもに含まれる注目するべき栄養素について紹介します。

じゃがいもの栄養素「ビタミンC・ビタミンB」

じゃがいもにはビタミン類が豊富で、とくにビタミンCは注目すべき栄養素のひとつです。
ビタミンCは免疫力や鉄の吸収を高めたり、ストレスに対抗するホルモンを出したり体内酵素の働きを活発にしたりします。

他にも美容にもいいとされており、コラーゲンをつくったりシミ・ソバカスの原因であるメラニン色素がつくられるのを抑える効果も。ただ、人間はビタミンCを体内でつくることができないので、食物から摂取する必要があるのです。

ビタミンCといえば、アセロラ・赤ピーマン・パセリ・ブロッコリーなどに豊富ですが、水に溶けやすく加熱に弱いという性質があります。

つまり、水で洗ったり茹でたり火にかけて調理したりすると、ほとんどのビタミンCは失われてしまうということ。いくらビタミンCが豊富に含まれていても、間違った処理や調理法をすると栄養素は摂取できないのです。

その点、じゃがいもに含まれるビタミンCはデンプンに覆われていて、水に溶けにくく加熱にも強いという特徴があります。
じゃがいもは、人間に必須の栄養素を効率よくとり入れられる食材のひとつなのです。

じゃがいものデンプン「難消化性でんぷん」が整腸作用に

ダイエットにじゃがいもはNGでは?と思った人に注目してもらいたいのが、じゃがいもに含まれる「難消化性でんぷん」という成分です。
難消化性でんぷんは炭水化物の一種ではありますが、食物繊維と同じような働きをしてくれます。
大腸で善玉菌のエサになってくれるので、腸内環境を改善することができます。腸内環境が改善されればお通じがよくなるので、ダイエットを助けてくれます。腸内環境が改善されれば、肌荒れなどのトラブルも改善されます。
また、血糖値の急上昇を抑えて脂肪をためにくい体に変えたり、脂肪の吸収を抑えて燃焼しやすくしたりする効果も。
この難消化性でんぷんの効果を考えると、ダイエットしている人は一口もじゃがいもを食べていはいけないとは言い切れません。
しかし、糖質を考えるとダイエットに向いている食品ではないといえます。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

この難消化性でんぷんの効果を考えると、ダイエットしている人は一口もじゃがいもを食べていはいけないとは言い切れません。
しかし、糖質を考えるとダイエットに向いている食品ではないといえます。

じゃがいものおすすめ調理方法・レシピ

以上で説明したように、じゃがいもは食べ方や量を間違えなければダイエット中でも食べられるということが分かります。
では具体的にどのように調理すれば、じゃがいもの栄養素を余すことなくとり入れられるでしょうか。おすすめの調理法やレシピを紹介します。

じゃがいもの栄養素を失わない調理法

先ほども述べた通り、じゃがいもにはビタミン類が豊富ですが水や加熱に弱いという性質があります。調理法を間違ってしまうと、せっかくの栄養素が逃げてしまうのです。

じゃがいもを調理する際には、揚げる・煮る・蒸す・焼くという調理法が一般的。

しかし、これらの方法で長時間加熱してしまうと、じゃがいもの栄養素は消えてしまいます。

一番のおすすめは、皮ごと電子レンジで加熱することです。

ラップに包んで加熱すれば、そのままじゃがバターにしてもいいですし、カレーや煮物などに加えてもいいですね。
じゃがいもの栄養素を逃さないためには、皮ごと調理してビタミンCの流出を防ぐこと、調理時間をなるべく短くすることが大切です。

ダイエットにおすすめのじゃがいも料理レシピ

じゃがいもをダイエットのために食べる際は、食前に1個食べるのがおすすめです。じゃがいものカロリーはお米の約半分ですし、食前に食べることで満腹中枢を刺激し、食事の量を減らせます。
そして、ダイエットにおすすめなのが、じゃがいものポタージュです。皮ごと調理し、煮汁ごとスープに使えば栄養素をムダなく摂取できますし、食前に飲めば満腹感が得られます。

〈じゃがいものポタージュ 4人前〉
・じゃがいも  3個
・玉ねぎ   大きめ半分
・水     食材の頭くらいまでの量
・牛乳    300ml
・生クリーム  100ml
・スープの元  少々(小さじ1程度)
・バター
・塩コショウ
・パセリのみじん切り

〈つくり方〉
①じゃがいもは皮付きのまま電子レンジで3~5分、柔らかくなるまで加熱
②なべにバターを熱し、薄切りにした玉ねぎを炒める
③玉ねぎが透明になってしんなりしたら、加熱した皮付きのじゃがいもを入れる
④食材の頭まで水を入れ、塩で軽く下味、スープの元を入れる
⑤5分ほど煮込んで味をなじませ、食材をすべてミキサーにかける
⑥すべてなべに戻し、牛乳を加えてひと煮立ちさせる
⑦食べる前に生クリームと塩コショウで味を整え、さっと温める
⑧お皿に盛り、パセリをふって食べる

じゃがいもでダイエットの注意点、健康上に問題、太ってしまう理由

じゃがいもは栄養素が豊富で健康によいので摂取すべき食材ですが、ダイエットに向いてる食品ではありません。しかし、ダイエットに向いていなからといって一口も食べてはいけない!ということではありません。目安は1日に1個ほどにし、「食べたくても食べられない」というストレスを避けることがおすすめです。

じゃがいもは食べ過ぎると糖尿病のリスクが高まる

ただ、じゃがいもが健康にいいとはいえ、食べ過ぎると健康を害することもあります。
アメリカの研究チームの調査によると、じゃがいもを毎日食べている人は週に1回の人に比べて、糖尿病や高血圧のリスクが高いという結果が発表されています。
そして調理法が「揚げ」の場合、さらに10%以上も健康を害するという結果に。

じゃがいもは食べ過ぎると太る

じゃがいもは人間に必須の栄養素が豊富だと説明してきましたが、やはり食べ過ぎると太る原因になります。お米の半分のカロリーとはいえ、糖質が豊富です。
そして油と相性が良いことでカロリーが上がりやすく、ついつい食べすぎてしまうことも多くなります。
じゃがいもは決してダイエットに向いている食材ではありませんが、腸内環境を整えてお通じがよくなったり美肌になったり、健康にいい面も持っています。
無理に制限せず、どうしても食べたくなったら1日1個まで。ダイエット中にイモ類を食べたくなったら、山芋や里芋の方がおすすめです。
毎日じゃがいもでは栄養が偏りますし、飽きてしまいますよね。1日1食はじゃがいもを主食としたら、ほかにお米やそばなどをバランスよく食べるなど、工夫するとよいでしょう。