ごまはとても健康的な食べ物として知られており、1日に大さじ1杯から2杯を摂ることが推奨されています。ただ、ごまは意外にカロリーが高いため、ダイエット中は避けている人もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、ごまの栄養価とそのダイエット効果について解説したいと思います。
ごまってどんな植物ですか?
ゴマ科の多年草
ごまは、ゴマ科ゴマ属の一年草で、アフリカが原産とされていますが、栽培品種としてのごまはインドが発祥の地とされています。紀元前3,500年頃から食用とされており、種をまいてからわずか100日ほどで収穫できるという、とても成長の早い植物です。
アフリカやインドといった酷暑の地で育つことから、高い抗酸化作用を持っています。私たちの身体は酸化によって老化すると考えられているため、ごまはアンチエイジングにも効果的な食品ということなのです。
ごまの種類
黒ごまは南国育ちで、しっかりとした味と風味が特徴です。国産の黒ごまは強い甘みと芳醇な香りがします。金ごまは独特の風味と強い甘みが特徴となっています。
ごまのカロリー・糖質・脂質・タンパク質、栄養価は?
ごまのカロリー・糖質・脂質・タンパク質は?
ちなみに、糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。ゴマ100gに含まれている食物繊維は12.5gなので、100gのごまの糖質は6.5gということになります。
ダイエットを成功させるためには、一日の消費カロリーとバランスを取れるように摂取カロリー量を決めること大切です。そのためには、一日の消費カロリーを把握し、食事制限により摂取カロリー量を決めましょう。本記事では、消費カロリーの計算方法や、摂取カロリーの目安、基礎代謝をあげる方法を解説します。
ごまの栄養価
そして、脂質の含有量が多いので、カロリーも高めとなっています。100gあたりのカロリーで比較すると、ポテトチップスと同程度のカロリーとなっています。ただし、ごま100gあたりの糖質が6.5g程度であるのに対し、ポテトチップス100gの糖質は43g程度となっています。
ゴマに含まれている油分は、おもに不飽和脂肪酸であるリノール酸やオレイン酸です。その他、アルファ・リノレン酸も含まれています。リノール酸は身体を作る際に欠かせない必須脂肪酸でもあります。
ごまに含まれているタンパク質には、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。必須アミノ酸は私たちの体内で賛成できないタイプのアミノ酸であることから、食品から摂取することが重要となります。
ごまには必須アミノ酸の一種であるトリプトファンが多く含まれています。トリプトファンはやセロトニンはナイアシンの前駆体となることから、神経を鎮静化させたり、髪の毛や皮膚を若々しく保ったりするのに効果的だとされています。
また、ごまに多く含まれている必須アミノ酸であるメチオニンには、肝機能を正常に保ったり、血中コレステロール濃度を下げたりする作用があります。
ごまを食べると太る?
ごまを食べて太る可能性は低い
ごまも食品である以上、常識では考えられないほどの量を食べた場合、太る可能性がないわけではありません。インターネット上ではなぜかごまを敵視しているかのような記事があり、「ごまはカロリーが高いからダイエット中は食べない方がいい」などとするものがあります。
その論拠として、「ごまは100gで598kclaにもなり、ポテトチップスと変わらないくらい高カロリーだ」、ということがあげられています。ただ、常識で考えて、ごまを1日に100gも食べるようなことはあまりないでしょう。
それに、ごまはそれ単体でおかずになるようなことがありません。通常、すりおろしたごまをトッピングに用いたり、ほうれん草などと和えたりといった食べられ方をします。そのため、ごまをたくさん食べると言ってもたかが知れています。
仮にごまを100g食べたとしても、その栄養素がすべて腸管から吸収されるわけではありません。なぜなら、ごまは皮で覆われているからです。特に国産のごまは粒が小さく、咀嚼しても噛み砕かれることが少ないため、栄養素が吸収されず、そのまま排出されてしまいます。ポテトチップスを食べるのとはわけが違うのです。
ごまのカロリーが高い理由は不飽和脂肪酸
さらに言うなら、ごまのカロリーが高いと言っても、それは多価不飽和脂肪酸が多く含まれていることに由来します。多価不飽和脂肪酸であるリノール酸やα・リノレン酸には、悪玉コレステロールを減らしたり、人間の細胞膜を作ったりしてくれます。
ダイエット中にはごまを食べない方がいいどころか、むしろ積極的にごまを摂取した方が、ダイエット効果を高めてくれます。ごまを食べたからと言って太るようなことはまずありません。ダイエット中でも安心してごまを食べましょう。
ごまにダイエット効果はある?
ごまにはミネラルが豊富
ごまにはマグネシウムや鉄、カルシウムといったミネラルがたくさん含まれています。マグネシウムには糖質を代謝する働きがあることから、ダイエットをするときには絶対に摂った方がよい栄養素となっています。
カルシウムは骨を丈夫にし、鉄は貧血の予防につながります。ダイエット中はどうしても栄養素が不足しがちなので、高い栄養価を誇るごまを摂取して、不足しがちな栄養素を補ってあげることが重要なのです。
美容に効果のあるセレニウムが豊富
また、ごまは美容面でも高い効果を発揮してくれます。ごまにはセレニウム(セレン)というミネラルが含まれていますが、セレニウムには高い抗酸化作用があります。
植物が成長するためには二酸化炭素と水、そして日光が必要です。特に、ごまは酷暑の環境下で育つため、有害な紫外線をたくさん浴びてしまいます。そこで、ごまは抗酸化作用のあるセレニウムをその身に産生するのです。
鉄が酸化すると錆びるように、私たちの身体も酸化することで老化します。ゴマに含まれているセレニウムは、ごまを食べた私たちにも抗酸化という恩恵を与えてくれるのです。
食物繊維が豊富
あと、ごまには食物繊維が豊富に含まれています。ごま100gあたりにつき、不溶性食物繊維が10g、水溶性食物繊維が2.5g含まれています。不溶性食物繊維も水溶性食物繊維もダイエットを効果的におこなう際、強い味方となってくれます。
不溶性食物繊維は消化酵素によって溶かされることがなく、消化管内の水分を吸収して膨張しながら、ゆっくりと胃から腸へ進んでいきます。不溶性食物繊維が胃で膨張すると満腹感を得やすくなり、結果として食事全体の量を減らすことができます。
不溶性食物繊維が腸管内で膨張すると、腸管を刺激して便意を促します。また、ごまには多くの油分が含まれています。そのため、便をつるっと出すことが期待でき、便秘の解消に効果的です。
水溶性食物繊維には、腸内細菌のエサとなって、腸内環境を整える働きがあります。また、腸管内の糖質を吸収して、腸管への糖質の吸収を妨げます。そのため、脂肪が付着しにくくなるのです。
ごまを食べてダイエットするときのコツ
料理にうまく活用する
ごまを食べてダイエットをするときのコツとしては、料理にうまく活用するということがあげられます。ごまをそのままバリバリ食べる人はあまりいないと思いますが、ちょっとした工夫で料理がおいしくなり、しかも栄養価が高くなります。
ごまをすりつぶす
ごまの栄養素を効率的に吸収するためには、ごまをすりつぶして摂取することが重要です。ごまは皮で覆われているため、そのまま食べてしまうと栄養素のほとんどは吸収されずに体外へと排出されることとなります。
カロリーに惑わされない
ダイエットをするときにはついついカロリーに注目しがちですが、カロリーだけで食事をコントロールするのは危険です。そもそも、食品のカロリーという概念自体があやふやなものです。
カロリー理論は今から100年以上も昔、1883年にマックス・ルブナーというドイツ人医師によって提唱されました。その計算式は、「(食品を空中で燃焼させるのに必要な熱量)-(食品を食べたあとの排泄物を燃焼するのに必要な熱量)」というものです。
この計算式は現代でもおおむねそのまま用いられていますが、疑問点がいくつかあります。まず、空気中の燃焼を体内での代謝とは全く異なる現象です。人間の体温は上がってもせいぜい40度であり、体内で燃焼がおこって、食べたものが代謝されるわけではないのです。
また、私たちの排泄物の半分以上は、腸内細菌で構成されています。つまり、カロリーの計算式はそもそもが論理破たんしているのです。そのため、カロリーはあくまでも目安程度に考えた方がよいでしょう。
ごまダイエットにおススメのレシピ
ほうれん草のごま和え
また、ほうれん草を食べるときに問題となる成分に「シュウ酸」がありますが、これも、ごまに含まれているカルシウムが解決してくれます。他にも、ほうれん草には鉄やマンガン、カリウムなどが多く含まれているので、すりおろしたごまと一緒に食べることで、高い健康効果を得られます。