【プロトレーナー解説】筋膜をマッサージするとどんな効果があるのか?ストレッチやマッサージとの違いってなんなのか?最近何かと話題の「筋膜」について改めて見直してみましょう!
大注目!?筋膜リリースって?
こんにちは!今回は筋膜リリースについてお話を伺いにきました!
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
筋膜ですか、最近よく耳にしますね。
以前テレビ番組でやってたんですが、筋膜をリリースすることが肩こり解消につながるという関係性を取材したくて…
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
なるほど。。ではまず筋膜について少し解説が必要みたいですね(^_^;)
「メディアも大注目!!今まさに大ブームとなっている筋膜リリース!!」
「肩こりの原因は筋膜にあり!!筋膜のシワ、たるみ、癒着が原因のため筋肉をマッサージしても肩こりは治らない!!」
「筋膜はセルフリリースでも簡単に効果を出せる!!痛い箇所にはフォームローラーで筋膜をリリースしよう!!」
…というのがここ数年間で作り上げられた「筋膜」というイメージではないでしょうか。
「筋膜」の捉え方について、どうしても首を傾げずにはいられない点がいくつかあります。
・そもそも「筋膜」とは何なのか?
・肩こりは筋膜だけの問題なのか?
・筋膜をセルフでリリースすることは可能なのか?
今回はこの3つに焦点を当て、解説をしていきたいと思います。
そもそも「筋膜」とは何なのか?
筋肉は筋原繊維と言われる細い繊維状の組織からなります。(パスタでいうところの麺1本が筋原繊維です。わかりやすくパスタで例えてみますね…)
その筋原繊維が数本集まった束を筋繊維と言います。(パスタでいうと1食分の束でしょうか。)
この筋繊維(パスタ1食分)を覆う膜を筋内膜と言います。(1食分のパスタにサランラップを巻いた感じです。)筋内膜はお察しの通り「筋膜」です!
さらにこの筋繊維の束が集まり筋束となります。筋束もまた筋周膜という筋膜に覆われています。(ラップで巻いた1食分のパスタをいくつか集め包装し、○食分として店頭に置いてる状態ですかね。)
さらにさらに、筋束が集まり一つの筋肉となるわけですが、それもまた筋上膜という筋膜に覆われています。(店頭に並んでいるパスタを数個買ってビニール袋に入れている状態ですかね。)
…というように、一言で筋膜と言っても「筋内膜・筋周膜・筋上膜」と種類があるんです。
筋膜ってそんなに複雑なモノだったんですね…
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
ここ数年で話題になってますが…もちろん筋膜はずっと昔から存在していました(^ ^)では本題の肩こりと筋膜についてご説明しますね!
…そうでした!!お願いします!!
肩こりと筋膜の関係とは?
現代型肩こりはマッサージでは治らない?
昔は肉体労働などで大きな筋肉を使うことで肩こりが起きていたのに対し、現代型肩こりはスマホやパソコンなどの可動域の少ない細かな作業が長時間続くことで、深層部の筋肉や筋膜が歪み肩こりを引き起こす。
昔は表層の筋肉のためマッサージでも解消できていたが、現代型肩こりは深層部の筋肉や筋膜の歪みによるためマッサージではなかなか治らない。
テレビなのでシンプルに解説されているのか…何なのか…。正直なところ、メカニズムが端的過ぎてよくわかりませんでした。
そこで現代型肩こり改善のためのセルフ筋膜リリースが紹介されていましたが、きっとみなさんも心のどこかで「ん?」と思ったのではないでしょうか。
「紹介されているセルフ筋膜リリースは、普通のストレッチとどう違うのか?」と。
筋膜ストレッチ、筋膜体操、筋膜リリース、筋膜剥がしなどなど…これらは「筋上膜」に対してリリースや剥がすなどの表現が使われているのですが…
結論から言うと筋膜ストレッチや筋膜体操と謳っているモノは、筋肉をストレッチしていることと何ら変わりありません。筋膜リリースや筋膜剥がしなどは筋肉に対してマッサージをしているに過ぎないんです。
要するに昔だろうが、現代だろうが、肩こりに対して行っているアプローチは何ら変わりないのです。
「筋膜」と言う普段聞きなれない言葉が魔法の言葉となり、一人歩きした結果、いつもやっていたストレッチに「筋膜」という冠がついただけでなんだか目新しいモノに感じている。それだけのことなんです。
でも実際に「肩こりをマッサージで緩めても治らない」という経験をされた方もいると思います。それは「筋膜が〜」ではなく、肩こりという「現象」にしかアプローチをしていないからに過ぎません。
肩こりが起こる原因
・背中の筋肉が弱いせいで…
・臀部の柔軟性がないことで…
・視力が低いせいで…
・胃の調子が悪いせいで…
・血流のせいで…
などなど。原因はそれぞれでも最終的には肩甲骨が挙上外転(肩がすくみ内巻きになっているような状態)する事で「肩こり」となります。
結果が同じ「肩こり」でも、それぞれの原因に対処していかなければ筋膜リリースだろうとマッサージだろうとストレッチだろうと…根本的な改善はありません。原因に対するアプローチこそが、肩こりをはじめとする腰痛や膝痛などの機能改善には重要であり、原因を探ることがパーソナルトレーナーや治療家の腕の見せ所だと思います。
確かに…。原因にアプローチしないと根本的な改善にはならないわけですね。
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
そういうことです。それを「筋膜」という都合のいい言葉に置き換えているサービスは…いかがなものかとですね^^;
ふむふむ。。
肩甲骨の可動域と肩こりには深い関係があります。まずは肩甲骨の機能を知ること。そして上半身を中心とした肩甲骨周囲筋のストレッチを行い、肩甲骨の可動域を広げることで、肩こり解消を行いましょう。また、普段の姿勢に気を付けるようになることで、肩こりになりにくい体を作っていきましょう。
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筋膜をセルフでマッサージ(リリース)するやり方とは?
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
それでは最後に、筋膜をセルフでリリースできるのか?やり方についてお話しします。
お願いします!!
筋膜はセルフで緩むのか?
結論から言えば…出来ます!ですがそれはなんら目新しいモノでもなく、皆さんが普段されているストレッチでも筋肉とともに筋膜は伸びています。これを「筋膜のみをセルフで緩めることが出来るか?」と言うと…それはほぼ不可能だと思います。専門知識がない人が筋膜の感覚を掴むことは不可能に近い話です。
筋膜リリースにはフォームローラー?
「筋膜はセルフでリリースしても簡単に効果を出すことができる!!」と謳うその後には、大抵の場合「フォームローラー」という筒状のツールが出てきます。
ですがそれはあくまでも筋肉が緩んだ結果です。筋膜のみをフォームローラーでコロコロとしただけで緩めるなんて到底不可能です。「筋膜リリースのための特殊なツール」として宣伝しているのは…単純にビジネスでしかないわけですね。
と言うように、最近流行りの筋膜アプローチですが、あなたが普段から行なっているストレッチとなんら変わりないことはご理解いただけましでしょうか。
どうしても「筋膜のみを緩めたい」人はセルフでは出来ないため、鍼灸院で鍼を打つか、専門機関にて生理食塩水を注入するなどの方法もあります。…が、そこまで筋膜のみに頼る必要は果たしてあるのでしょうか…?
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
正しいモノ・そうでないモノ、良くも悪くも情報で溢れる世の中だからこそ、サービスを受ける側も提供する側も「人の身体に流行りは無い」という姿勢だけは忘れずにいたいですね。。
【プロトレーナー監修】「筋肉痛の解消にストレッチが効果的である」。これは長年信じられてきた迷信です。筋肉痛にストレッチを行っても痛みの軽減を促進してはくれません。正しい向き合い方を知るために筋肉痛のメカニズム、そして対処方法を解説します。