【筋トレ呼吸法】効果を感じられないときこそ呼吸を意識しよう!

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

筋トレ時に無意識に呼吸が止まってしまう・呼吸のタイミングがわからない・そもそもなぜ呼吸を意識するのかという疑問に対して詳しく理由や方法、効果を解説していきます。

筋肉の収縮と呼吸の関係

筋トレを行う際に、間違った呼吸法をしている方や、呼吸自体をしていない方が意外と多いようです。正しい呼吸法を身につけるだけで、筋トレの効果は大きくアップするため、ぜひマスターしましょう。

まずは、筋肉がどの状態の時に息を吸い、どの状態の時に息を吐けば筋トレの効果がアップするのかということを見ていきましょう。

・負荷を持ち上げる時は息を吐く
・負荷を降ろす時は息を吸う
基本的にはこの2パターンだと思ってください。 例えば、腹筋をしている際、上体を起こすときは腹筋が収縮します。この時は息を吐きます。逆に、上体を床に下ろす時、腹筋は伸長します。この時は息を吸うのです。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

この呼吸がバラバラになってしまうと最大限の力の発揮が難しくなってしまいます。

呼吸を意識する理由と効果

では、なぜ呼吸を意識することで最大限の力の発揮が出来るのでしょうか。
これは交感神経が働くことで、脳が興奮するため最大限の力の発揮がしやすくなります。呼吸と脳の関係から説明出来ます。
呼吸では、呼気・吸気でそれぞれ自律神経の交感神経・副交感神経が交互に働きます。

・呼気(息を吐く):交感神経優位
・吸気(息を吸う):副交感神経優位

交感神経が働くことで、脳が興奮するため最大限の力の発揮がしやすくなります。そのため、負荷を持ち上げる際に呼気を意識することでより重い負荷を持ち上げられるようになるのです。

さらに、息を吐く際に声を出すことでより脳が興奮し、重いものが持ち上げられるようになります。(シャウト効果)ご高齢の方が立ち上がる際に「よっこいしょ」と無意識に言ってしまうのは、この効果を無意識に行なっているのかもしれませんね。

また、正しい呼吸を意識することで体幹が安定し、力の発揮がしやすくなります。

筋トレ時の呼吸のポイント

では具体的に呼吸法のポイントを具体例に沿って説明していきます。

筋トレ時の呼吸のポイント

1. 長く強く呼吸する
短く切るような呼吸では十分に効果を生み出せません。
なるべく長く・強く呼吸することで腹筋に力が入り、体幹が安定し力の発揮がしやすくなります。深呼吸をするように意識しましょう。

2. 呼吸のタイミングを意識する
呼吸のタイミングがズレてしまうと、効果が発揮しづらくなります。
・負荷を持ち上げる時は息を吐く
・負荷を戻す時は息を吸う

以上のタイミングで、吸う・吐くを意識してみましょう。

また、具体例はこのようになっています。

■腕立て伏せの場合

1. 息を吸いながらゆっくりと身体を降ろす
2. 息を吐きながら手で床を押し、元の位置に身体を戻す

■スクワットの場合

1. 息を吸いながら ゆっくりと腰を落としていく
2. 息を吐きながら身体を元の位置に戻す

無呼吸の筋トレは危険

呼吸を意識することで力の発揮が行いやすくなる理由はわかりました!
でも、息を止めて筋トレする方が力が出しやすかった気がするのですが…

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

その通りです。息を止める方が呼吸を意識するよりも、交換神経が優位となり力の発揮はしやすくなります。しかし、危険も伴います。

息を止めることで血圧が激しく上昇し、脳に酸素が行き渡らなくなり、失神してしまう危険性があります。また、動脈硬化などがある場合、血圧上昇によって血栓が脳内へ飛び、脳出血などの危険性が伴います。そのため、高血圧の方やご高齢の方は特に注意が必要となります。

また、筋トレ後にめまいや体調不良がある方は、過負荷となっているため無意識に呼吸が止まっている可能性が高いと考えられます。そのため、呼吸が意識出来るようにウェイトを軽くしたり、回数を少なくするなどの負荷設定をし直す必要があります。

呼吸法のまとめ

・呼吸を意識することで脳の興奮・体幹の安定性によって力が入りやすくなる
・呼吸を意識することで、急激な血圧上昇やめまいを予防出来る
・無意識に呼吸が止まっている場合は負荷設定をし直す
・負荷を持ちあげる時は、息を吐く
・負荷をゆっくりと降ろす時は、息を吸う

以上のポイントを意識しながら効率的に、安全に筋トレを行い、目標達成に向けてコツコツとトレーニングをしていきましょう。