豆腐は糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

豆腐は糖質制限ダイエットに向いている?豆腐のカロリーや含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量を始め、糖質制限ダイエット中の豆腐の食べ方や豆腐を使った糖質オフレシピなど分かりやすく解説します。

豆腐とは?豆腐の種類

豆腐とは

豆腐とは、大豆を加工した食品の一つで、水に浸した大豆を砕き煮た汁を布でこすことでできる豆乳を使って、苦汁などを加え固まらせたものをいいます。

豆腐というと日本の代表的な食品の一つですが、その歴史は古く発祥は中国だという説があり、16世紀には既に中国で豆腐が存在していたことが分かる文献があります。

日本で豆腐が登場するのは、奈良時代のことで当初は僧侶などの間で、その後は精進料理の普及に伴って貴族や武家の間に伝わり、室町時代になると全国的に浸透していったとされています。

一般的に庶民の生活に浸透してきたのは江戸時代になってからです。豆腐は、日本の風土や水に合っておりまた、日本人の気質にも合った製法であることから、絶えることなく今日まで広く浸透している食品だといえるでしょう。

そんな歴史深い豆腐ですが、糖質制限ダイエット中に食べても良いのでしょうか?糖質制限ダイエット中の豆腐の食べ方について詳しく解説します。

豆腐の種類

豆腐は、大きく分けて5つの種類があります。

・木綿豆腐
昔ながらの製法で作られた豆腐です。固めの食感と大豆の旨味が凝縮され、冷奴はもちろん、煮物、炒め物にも適しています。

・ソフト豆腐
木綿豆腐を作る際に崩しといって豆腐上に凝固したものを用具を使った崩す工程を行わずに仕上げた豆腐で木綿豆腐よりもやや柔らかく、絹ごし豆腐よりもやや硬めの食感が特徴の豆腐です。

一般的には、ソフト豆腐は「木綿豆腐」の一種として分類されるため、「ソフト豆腐」という名称では見かけませんが、木綿豆腐を購入したものの食感が軟らかく感じたら、ソフト豆腐の可能性があるといえるでしょう。

・おぼろ豆腐(寄せ豆腐)
木綿豆腐を作る際に、型箱に入れる工程を省き、寄せたものを器に盛った状態で製品にしたものをおぼろ豆腐(寄せ豆腐)といいます。

豆腐というと、四角いケースに入れられたものをイメージしますが、おぼろ豆腐はおぼろ月夜のようなもやもやとした感じに似た見た目で食感も木綿豆腐よりも柔らかく、風味も豊かな特徴があります。

冷奴として食べることの多い豆腐です。

・絹ごし豆腐
絹ごし豆腐は、木綿豆腐とは違う製法で作られています。暑い豆乳を凝固剤を入れた穴がなく布を引かない型箱に一気に流し込み、その後、一定時間、静かにおき固めていきます。

絹ごし豆腐という名前の通り、絹のようになめらかできめ細かい食感があるのが特徴です。

冷奴はもちろん、煮物、炒め物にも使えますが木綿豆腐と比べると崩れやすいため、丁寧な調理が必要となります。

・充填豆腐
絹ごし豆腐のような滑らかさがある豆腐で、その製法は、豆乳を一度冷やし、凝固剤と一緒に一丁ずつの容器に注入、密閉後、加熱して凝固させます。

容器に入れてから凝固させるため、殺菌も行うことができ他の豆腐と比べると日持ちするのが特徴です。

豆腐の糖質は?豆腐は糖質制限ダイエット向き?

豆腐のカロリー・糖質・脂質・タンパク質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
木綿豆腐(1丁300g) 216 3.6g 12.6g 19.8g
木綿豆腐(100g) 72 0.4g 4.2g 6.6g
絹ごし豆腐(1丁300g) 168 5.1g 9g 14.7g
絹こし豆腐(100g) 56 2g 3g 4.9g
一般的によく食べられる木綿豆腐と絹豆腐のカロリー、含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量を見てみましょう。

100g当たりのカロリーは木綿豆腐が72kcal、絹ごし豆腐が56kcalとどちらも低カロリーですね。

脂質量は100g当たり木綿豆腐が4.2g、絹ごし豆腐が3gとあまり大差はありません。タンパク質量に関しては木綿豆腐が6.6g、絹ごし豆腐が4.9gと木綿豆腐の方がやや高めとなっています。

気になる糖質量に関しては、100g当たり木綿豆腐が0.4g、絹ごし豆腐が2gとどちらも低糖質ですが、木綿豆腐の豊富が気にならない量であることが分かります。

豆腐は糖質制限ダイエットに向いている食品なの?

豆腐に含まれる糖質量は、100g当たりで見ると木綿豆腐が0.4g、絹ごし豆腐が2gと低糖質となりますので糖質制限ダイエット中でも安心して食べられる食品だといえるでしょう。
目安の量としては、一丁当たりが300g程ありますので1/3丁程で上記の量だといえます。しかし、仮に一丁食べてしまってもそこまで糖質は上がりませんので糖質制限ダイエットには向いている食品となります。

豆腐の特筆すべき栄養素・ダイエット効果

「リノール酸」の働きでコレステロール値を安定させる

豆腐の原料となる大豆に含まれる脂質には「リノール酸」が多く含まれています。リノール酸は、不飽和脂肪酸の一種でコレステロールを含まないことに上、血管に付着しているコレステロールを除去する作用のある善玉コレステロールを増加させる働きがあります。

ダイエットを必要とされている方の中には、血中コレステロール値が基準値よりも高い方が少なくなく、豆腐を食べることでリノール酸を摂取すると血中コレステロールを安定させるよう働きますので体の中から健康的にダイエットすることができます。

「レシチン」の働きで脂肪代謝を促す

豆腐の原料となる大豆には、レシチンという成分が豊富に含まれています。
レシチンには、体内に入った脂質の蓄積を防ぐ効果と脂肪の代謝機能を高める働きがあります。

そのため、レシチンが豊富に含まれた大豆を原料として作られている豆腐を食べることで無理なくレシチンを摂り入れることができ、ダイエット効果を期待することができるのです。

「βコングリシニン」によって内臓脂肪を減らす

なかなか燃焼させるのが難しいといわれる内臓脂肪ですが、豆腐の原料となる大豆には「βコングリシニン」という成分が含まれており、このβコングリシニンを摂ることで、内臓脂肪を減少させることができます。

また、肝臓に脂肪がつく肝脂肪にもβコングリシニンは有効とされており、豆腐を食べることで内臓脂肪を減少させ健康へと導いてくれるのです。

「サポニン」の働きで便秘を解消

豆腐の原料となる大豆には、「サポニン」という成分が豊富に含まれています。サポニンには、血管に付着した脂肪を取り除く効果やアンチエイジング効果、そして、ダイエットの大敵となる便秘を解消する効果があります。

ダイエット中は、食事内容の改善によって便秘を起こしてしまう方も少なくありませんが、サポニンは、腸を刺激することで便通を良くする効果があることからダイエット中に起こりやすくダイエットの妨げにもなり得る便秘を解消することができます。

「イソフラボン」の働きで女性特有のトラブルを改善

豆腐の原料となる大豆には、「イソフラボン」という成分が豊富に含まれています。イソフラボンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンと似た性質を持っており、女性がイソフラボンを摂ることで月経トラブルや更年期障害の症状を緩和するよう働きます。

また、更年期頃、女性ホルモンの減少によって起こりやすくなる骨粗鬆症や高血圧、高コレステロールなどの予防、改善も期待することができ、女性特有の様々なトラブルを改善へと導いてくれます。

ダイエット中に不足しがちな「カルシウム」を補給

ダイエット中に不足しがちな成分の一つに「カルシウム」が挙げられますが、豆腐の原料となる大豆にはこのカルシウムが豊富に含まれています。

カルシウムというと、乳製品に多く含まれる成分で大豆に含まれる量は乳製品と比べると少なくなってしまいますが、食生活の中から無理なくカルシウム補給をサポートする役割は十分にあるといえます。

糖質制限ダイエット中の豆腐の食べ方・食べる量

豆腐は、糖質の含有量が少ないため、糖質制限ダイエット中でも食べることのできる食材です。
また、水分が多く含まれる上、タンパク質が多く含まれていることから食べごたえがあるのもダイエット中には嬉しい点だといえるでしょう。

糖質制限ダイエット中に豆腐を食べる場合、一度に食べる目安としては100~200g程にすると良いでしょう。
糖質制限ダイエット中は、炭水化物の含有量が多い主食を抜く、もしくは、最低限にしますが、炭水化物を食べないことで物足りなさを感じる方も少なくありません。

このような方の場合、ごはんやパン、麺類といった炭水化物主体の主食をタンパク質主体となる豆腐に置き換えることで、物足りなさを感じることなく糖質の摂り過ぎを防ぐことができますのでおすすめです。

また、豆腐は味が淡白なため、様々な味付けに合う食材の一つです。豆腐本来の味を楽しむだけでなく、味付けや調理法を変えることで飽きずに続けることができるでしょう。
更に、豆腐に含まれる水分を抜くことで歯ごたえを良くして食べごたえをアップさせることもできますので糖質制限ダイエット中の主食変わりとして優秀な働きを見せてくれるのも魅力です。

糖質制限ダイエット中におすすめの豆腐レシピ

糖質制限ダイエット中でも美味しく食べられるおすすめの豆腐レシピを紹介します。

糖質制限中でも安心して食べられる!豆腐納豆チャーハン風

<材料(1人前)>
・木綿豆腐 200g
・納豆 1パック
・たまご 1個
・青ネギ 適量
・とろけるチーズ 50g
・ラカントS(人工甘味料) 少々
・ごま油 大さじ2
★醤油 大さじ1
★黒酢
★ラカント 適量

<作り方>
1.木綿豆腐を水切りしておきます(※1)
2.★の材料を全て混ぜ合わせポン酢を作ります。この分量ですと酸味が強くなりますので水で好みの濃さに調整して下さい
3.青ネギをカットします
4.ボウルに全ての材料を入れて混ぜ合わせます
5.熱したフライパンにごま油を入れて、ボウルに混ぜた材料を数回に分けて入れながら炒めていきます
6.全体に火が通ったら完成です

ごはんの代わりに木綿豆腐を使うことで、糖質をグンと下げたチャーハン風を味わうことができます。
また、納豆を入れることで糖質の吸収を緩やかにする効果のある食物繊維を豊富に摂ることができますのでおすすめです。

豆腐で代用!食欲そそるキーマカレー

<材料(1人前)>
・ひき肉 150g
・玉ねぎ 1/2個
・オリーブオイル 大さじ1
★にんにくチューブ 2cm
★カレー粉 小さじ2
★ケチャップ 大さじ1
★しょう油 大さじ1
・木綿豆腐 200g

<作り方>
1.木綿豆腐を水切りします(※1)
2.水切りした豆腐をフライパンに入れ、水分がなくなるまで乾煎りします
3.玉ねぎをみじん切りにします
4.フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎを加えて炒めます
5.玉ねぎが透明になってきたらひき肉を入れ炒めます
6.ひき肉に火が通ったら★の調味料を入れ炒めます
7.乾煎りした豆腐とカレーをお皿に盛って完成です

ごはんの代わりに木綿豆腐を使うことで糖質を下げるだけでなく、豆腐を乾煎りして水分を飛ばすことで更にカレーに合い、食べごたえも出ますのでおすすめです。

※1 豆腐の水切りは様々な方法がありますが、手軽でおすすめの方法を一つ紹介します。
豆腐のパックの隅に一か所切り込みを入れ、切り込みを下にした状態でボウルにパックごと入れて冷蔵庫で保存します。
1時間~数時間後には、豆腐自らの重みで豆腐の水分が抜けボウルにたまり、水切り豆腐の完成です。
洗い物も最低限で切り込みを入れるだけなので、手軽なのも良いですね。

糖質制限ダイエット中に豆腐を食べる際の注意点

糖質制限ダイエット中でも、低糖質なため食べることのできる豆腐ですが、食べ過ぎは健康を害してしまう可能性がありますので注意が必要です。

豆腐を食べ過ぎると具体的にどのような症状が起こりやすいのか?以下をご覧下さい。

下痢

豆腐を作る工程で凝固剤として使われる「苦汁」は、摂り過ぎることで塩化マグネシウムの摂り過ぎにつながり下痢を起こしやすくなってしまいます。

貧血

豆腐には鉄分が含まれていますが、豆腐に含まれる鉄分は非ヘム鉄といって体内に吸収されにくい種類の鉄分となります。そのため、肉類などの動物性タンパク質を控え豆腐ばかりを食べていると、鉄分が不足しやすくなり貧血を起こしてしまう可能性があるのです。

ホルモンバランスの乱れ

豆腐の原料となる大豆に多く含まれるイソフラボンは、適度に摂る分には有益に働きますが摂り過ぎてしまうと女性の場合は、生理周期を乱す、卵巣機能の低下といった症状が、男性の場合は、精子の数の減少や筋肉がつきにくくなるといった症状が起こる可能性があります。

あくまでもイソフラボンを摂り過ぎが続くことで起こり得る症状ですが、注意が必要です。

このように、豆腐は適度に摂る分には、健康にもダイエットにも有効な食品ですが食べ過ぎてしまうと体調トラブルを起こしてしまう可能性があります。

目安として1日の摂取量は100~200g程にしておくと良いでしょう。