ごぼうの糖質は?糖質制限ダイエット中に食べてもよい?

ごぼうは糖質が多いということで糖質制限ダイエット中であれば、食べない方がいいのではという意見もあります。しかし、ごぼうは非常に栄養価が高く、ごぼうの食物繊維が血糖上昇を抑える働きがあります。はたして、ごぼうは糖質制限ダイエットにとってマイナスな食材なのでしょうか?

ごぼうとはどんな食品?

ごぼうとは

ごぼうはキク科ゴボウ属の仲間です。私たちは長く肥った根の部分を食べています、ところで、ごぼうを食用としているのは戦時中、日本が統治していた台湾,韓国、中国東北部で、中国は薬用として漢方薬などに利用されています。
良質なごぼうは重量感があり、真っすぐに伸び、先端に向かって細くなっています。軽かったり、太すぎるごぼうは鮮度が落ち、中心が繊維化、または、空洞化して旨味も減少し、舌触りも悪くなってしまいます。
また、ごぼうは皮に香り、風味があるので、皮を無理に落とすのではなく、包丁の背やタワシなどで土や汚れを落とす程度にしましょう。

ごぼうは食物繊維が豊富

ごぼうの健康効果や栄養効果は非常に大きく、生活習慣病などの予防にもなりえる食品として知られています。
一番、よく知られているのは、食物繊維が豊富ということ。
不溶性食物繊維(リグニン、セルロース)と水溶性食物繊維(イヌリンなど)、両方、含まれています。
不溶性食物繊維とは水に溶けず、腸内で水分を数十倍にも膨らむことで便の量を増やして腸を刺激、蠕動運動を促します。一方の水溶性食物繊維は水の中に溶け込み、ゲル状となり、有害成分などを吸着して便として、体外に排出していきます。

ごぼうには抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富

また、ごぼうは包丁を入れた部位からどんどん、黒ずんでいきますが、この黒ずみの正体はクロロゲンといわれるポリフェノールの仲間です。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、抗老化の効果があります。ごぼうを切った後、水につけますが、つけすぎますと、せっかくのポリフェノールが取れてしまうので、サッと水に浸ける程度にしておきましょう。すぐに油で調理する場合は、油がごぼうからアクが出るのを抑えるため、水に晒す必要はありません。

ごぼうは糖質制限ダイエットに向いている?

ここまでの話であれば、ごぼうはすごく身体に良く、ダイエットにも使えそうと思いますよね。
ところが、ごぼうにはそれなりに糖質がたくさん、含まれています。たくさんといってもスイーツや白ごはん並みに多いわけではないのですが、野菜の中では糖質が多く含まれています。また、野菜の中ではカロリーも高いほうになります。
ごぼうは栄養食品として非常に価値あるだけに、ちょっと、糖質が多いからと食べないというのはとっても勿体ないことだと思います。
そこで、これから、ごぼうの糖質を検討し、糖質制限ダイエット中でもごぼうを食べてもダイエットに差し支えないかどうかを考えてみましょう。
結論を急いで言えば、ごぼうばかり食べるのではなく、他の食材とバランスよく食べるのであれば、糖質制限ダイエット中だからといって、メニューからわざわざ、外す必要はないということです。

ごぼうの糖質は糖質制限ダイエットの邪魔をする?それとも?

ごぼうのカロリー糖質はどのぐらい?

糖質は、炭水化物の中に含まれています。
炭水化物は、糖質と食物繊維を合計したものです。
ごぼう(100g中)
炭水化物     15.4g
食物繊維                 5.7g
糖質       9.7g
カロリー     58.0g

ごぼうと他の野菜との糖質比較

ごぼうは、野菜の中では炭水化物が多いほうになりますが、食物繊維が多いので、糖質の量は驚くほど多くはなりません。ただ、他の野菜と比べると、高くなっています。

【糖質量の比較】
キャベツ<トマト<にんじん<ごぼう<れんこん<西洋かぼちゃ

キャベツの糖質量が3.4g/100gですから、ごぼうの糖質量(9.7g/100g)は、野菜の中では多いほうにはなります。
となると、やはり、糖質制限ダイエット中はごぼうを食べない方がいいのでしょうか?
しかし、そう、決めつけるにはちょっと、早計だと思われます。
それはなぜかと言いますと、 ごぼうの食物繊維が非常に多いというポイントは、とても捨てが難いのです。

食物繊維が多いということは、糖質制限ダイエットでも重要な血糖の調整にとても役に立っているのです。
そこで、次は、食物繊維と血糖値の関係について解説します。

ごぼうの水溶性食物繊維であるイヌリンは、血糖値の上昇を抑制する

糖質制限ダイエットは糖質、脂質、タンパク質という三大栄養素のうち、糖質の摂取量を下げて体重減少を狙います。
糖質が体内に入ると、消化吸収、代謝の過程を経てブドウ糖になります。このブドウ糖が血液の中に入っていくことで血糖は上昇していきます。同時に膵臓からインスリンが出てきてきて、血糖を下げるのですが、このとき、糖質を脂質として蓄積するという役目もあります。これは体重増加につながりますので、糖質制限ダイエットは糖質を制限することで、体重を減らそうとするのです。
体内に入っていく糖質がなければ、血糖は上昇せず、インスリンも出てきませんから、脂肪が蓄積されることはありません。

実は、この血糖上昇を抑制する働きをごぼうの成分の一つであるイヌリンも、携えているのです。
イヌリンは前述しましたように水溶性食物繊維です。
イヌリンが水に溶けてゲル状となり、体内に入ってきた食物を吸着しながら、腸内に送り込みます。そのため、体内に入ってきた食物はイヌリンに邪魔されて、消化吸収を受けにくくなります。従って、しっかりと吸収されるまで時間がかかることになります。
この現象が血糖上昇を抑えたり、上昇するとしても、ゆるやかな上昇でインスリンの出番が減る⇒脂肪蓄積されず⇒体重減少という過程をたどっていきます。
また、最近、ごぼうの成分で注目をあびているアクチゲニンという物質があります。
このアクチゲニンはブドウ糖を筋肉に取り込む働きがあり、血糖値を抑える効果があることがわかっています。

また、ごぼうは硬いですよね。そのため、しっかり噛まなくてはいけません。また、食べるのに時間もかかります。時間をかけて、しっかり噛んでいるうちに満腹中枢が刺激されるので、食べすぎを防ぐことができます。
要するに、ごぼうは糖質が多いといっても、スイーツやごはん、パンのように明らかに糖質制限ダイエットの邪魔をするほど多いわけではありません。
むしろ、血糖上昇を抑える働きも持っているわけです。また、ポリフェノールやカリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
従って、糖質制限ダイエット中であったとしても、普通に食べる分においてはダイエットを妨げるものではないと考えます。
もし、どうしても気になるのであれば、きんぴらごぼうなどのごぼうを使った煮物を作るとき、砂糖やみりんの量を減らしたり、低カロリー甘味料に変えて作るなど調味料を工夫しすることで、少しは解決するのではないでしょうか?