いったい筋膜とは何なのか、そして筋膜リリースすることでどんな効果があるのかを解説します。ストレッチの効果を上げる筋膜リリースの方法を、ストレッチと筋膜リリースの違い、筋膜リリースとストレッチを一緒に行うことで、肩こりや腰痛などへの効果的な順番などを学びます。
筋膜という組織は何なのか?|全身タイツのような膜
筋膜リリースや筋膜ストレッチとよく聞くようになりましたが、「筋膜」とはいったい何なのでしょうか?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
「筋膜」とは「筋肉を包む膜」のことです。
さらにはその束がいくつか集まって大きな筋肉となり、その集まった束を包む膜に入ります。これも「筋膜」になります。「筋膜」は全身を包み込んでいるので、いわゆる全身タイツのような感じで理解してもらえればいいのかなと思います。
実際に「筋膜」は足の裏から頭の先まで張り巡らされており、全身のパーツと連動しています。特に背中側を通ることが多いため、背中周りの「筋膜」はしっかりとリリースする必要があります。
筋膜リリースとは?
筋膜リリースや筋膜ストレッチでは、そういった動きを妨げる原因となる場所をほぐして、動きをスムーズにするという効果が得られます。
筋膜リリースとストレッチの違いとは|トリガーポイントと柔軟
筋膜リリースとストレッチは、筋肉を「ほぐす」という意味では同じように感じるのですが、実際はどのような違いがあるのでしょうか?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
違いは、ストレッチ「筋肉自体を伸ばす」筋膜「筋肉が動きやすいようにほぐす」です。
その点、ストレッチでは「筋肉を伸ばす」ということになります。
もっと細かく説明すると、ストレッチは筋膜に包まれた中で、動かせる範囲で筋肉自体を伸ばすことが目的になります。一般的に言われる「柔軟性」が伸ばすということで考えられています。
筋膜はというと、筋肉を包む膜が固まっていると、中にある筋肉は動きにくくなるため、筋肉がしっかりと動かせるように筋膜をほぐすという考え方になります。
ストレッチは筋肉自体を伸ばす、筋膜は筋肉が動きやすいようにほぐす、ということです。
効果の違い
◯ストレッチの効果
・やわらかくなる(柔軟性の向上)
・疲労回復
・血行促進
◯筋膜リリースの効果
・動きやすくなる(可動域の改善)
・関節がスムーズになる(関節位置の改善)
また、順番は「筋膜リリース→ストレッチ」で行うほうが良いでしょう。
ストレッチで筋膜はほぐれないのか?
ストレッチでは筋膜はほぐれないのでしょうか?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
ストレッチだけで筋膜をほぐすのは難しいと思います。
ですので、あくまでもストレッチは筋肉を伸ばすものと考えたほうがいいのかなと思います。
あくまでも「筋膜」と「筋肉」という違う組織を目的としたものなので、筋膜リリースとストレッチは別物として考えるほうがいいですね。
起きている時には特に腰痛はないのに寝起きに腰痛を感じたり、睡眠中に腰痛が原因で目が覚めてしまう事はないでしょうか?原因はいくつかありますが、関節や筋肉に負担がかかる事で起こります。原因を知って、寝起きの腰痛を改善しましょう。
腰痛に効果的な筋膜リリースのやり方
腰痛のある方、もしくは腰痛を予防したいという方の筋膜リリースのやり方をおしえてください。
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
わかりました。腰痛の場合は、先ほども言いましたが「お尻」や「ふくらはぎ」をしっかりとほぐす必要があります。ですので、足裏から順番にほぐしていきましょう。
【1】足裏の筋膜リリース
【2】ふくらはぎの筋膜リリース
ふくらはぎは3つに分解しましょう。足首側と真ん中、そして膝側の3か所です。
◯足首側
1.フォームローラーに片足を乗せる。乗せるポイントはアキレス腱の少し上
2.内側と外側につま先を傾けて、少し斜めでさらにほぐす
◯真ん中、膝側
1.真ん中、膝側も同じように「正面」「内側」「外側」とほぐして、反対の足も同じようにほぐす
【3】太ももの裏の筋膜リリース
【4】お尻の筋膜リリース
お尻が一番重要です。
1.フォームローラーに座り、フォームローラーの後ろ側へ両手をつく
2.お尻を片方だけ乗るように身体を傾ける
肩こりに効果的な筋膜リリースのやり方
次は肩こりに効果的な筋膜リリースをお願いします。
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
わかりました。肩こりは肩甲骨を動かすと良いということを聞いたこともあるかと思います。肩甲骨はもちろん大切ですが、それよりも背骨をしっかりとリリースしましょう。
【1】背中の筋膜リリース
カラダの中でも大きい筋肉である背中も、「腰側」「真ん中」「首側」と分けて行います。背中は広いのでとりあえずコロコロしてみましょう。
【2】肩甲骨周辺の筋膜リリース
肩甲骨周辺から細かくほぐします。肩甲骨の外側をほぐしましょう。
1.わきの下と肩甲骨の間フォームにローラーを乗せる
横向きで腕がフォームローラーより上に出ていると思います。
2.肩甲骨の外側近辺をコロコロする
【3】首の筋膜リリース
最後に首をほぐしましょう。
1.フォームローラーを枕のようにして寝る
頭蓋骨と首の境目にフォームローラーが当たるようにしましょう。
2.首を左右に振る
首まわりの筋膜がほぐれていきます。
3.左右に振ることで痛い場所が出るため、その場所で止まったらその場で「うなずく」
縦にうなずくこと、で縦横と違った筋膜リリースができます。
筋膜リリースをする頻度|毎日やってもいい?
筋膜リリースはどのくらいの間隔で行うのがいいのでしょう?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
筋膜は15分同じ姿勢をしているだけで固まることがわかっています。これが本当であれば基本的には「毎日」筋膜リリースをするべきです。カラダは「癖」によってカラダの状態が変わっていきます。これは日常生活によって影響されるということです。ということは、できるだけ「癖」が定着して癒着しないように、できるだけ毎日ほぐしてほしいなと思います。できれば筋膜リリースをして、動きやすい状態でストレッチを追加で行うといいですね。
毎日だと大変で、なかなか続かなさそうですね。
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
そうなんです。運動は継続が難しいので、できるだけ簡単にしていくことをお勧めします。ですので、筋膜リリースも自分に必要な場所だけでもやることで、カラダの癖を解消しておくといいです。毎日ふくらはぎだけやるでもいいと思うんです。そのうちに日課になっていったり、筋膜リリース後の軽さが病みつきになったりすると思います。そうなればいいですね。
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