産後になかなか体型がもどらない、と密かに悩んでいらっしゃる女性は多くいます。育児も始まるこの大変な時期に無理なくできて、自分に合ったダイエットやエクササイズ方法を紹介します。
産前産後の女性の身体には、何がおきている?
最近出産した友人が、産後なかなか体型が戻らず、お気に入りだった服が着れなくなってしまった、と嘆いていました。
松尾鮎子監修トレーナーからのアドバイス
ヨガセラピスト PHIピラティスインストラクター C.P.Yインストラクター 介護予防運動指導員
それはありますね。残念ながら、筆者も経験しております。笑
体重が戻らなくなってしまうんですか?
松尾鮎子監修トレーナーからのアドバイス
ヨガセラピスト PHIピラティスインストラクター C.P.Yインストラクター 介護予防運動指導員
体重、ということもあるかもしれませんが、体型、姿勢、などが大きく変化、定着していまうことも一つ言えるかと思います。
産後に体型が変わってしまったように感じるのはなぜ?
また、お腹が大きくなると、腹筋群は引き伸ばされ、使いづらくなっていきます。さらに重たくなったお腹にひっぱられ、不安定になっている骨盤は前へと引っ張られていきます。
この骨盤前傾は、産前産後の女性に多くいます。
骨盤が前にたおれるだけで、以前の服が着れなくなってしまうくらい体型が変わってしまうんですか?
骨盤が前傾位にあるとき、このお尻の筋は引き伸ばされしまっています。引き伸ばされたまま固まってしまうと、お尻の筋は働きづらくなっていってしまいます。その状態がお尻が平べったくなってしまった、四角くなってしまった、と感じてしまう原因の一つです。
また、骨盤前傾時の太ももはうち回しとなり、結果内ももは使いづらくなり、外側の筋が張り、強くなってしまいます。そうなると、ひざ下も重心が変化し、外に引っ張られている方はO脚になってしまった、という方もいます。
太ももの骨が骨盤にはまる角度も変化して、大転子という部分がより横の出て、ももがが太くなってしまったように感じる方もいます。
産後ダイエットで注意すること
ダイエットの前に|まずは心身を回復しましょう
普通分娩の方、帝王切開の方、促進剤を使った方、切迫などで入院なさっていた方、出産はそれぞれ個々で色々ですが、女性の身体にとって大仕事であることには変わりません。また、この出産という大仕事を終えた後には、待ったなしの育児がスタートしてしまいます。第二子、第三子ですと、なおさらでしょう。
育児もこの時期には、体力勝負な部分もありますので、産後は休める時にはとにかく心身を休ませください。
この時期に食事を減らしたりするようなダイエットはおすすめできません。出産後は、どうしても赤ちゃんのことに気持ちがいってしまいますが、お母さんにとって良いことが、結局は赤ちゃんにとっても良い、と思いゆっくりと休み、自分のためにしかっりと栄養のある食事をとってください。
目安は一か月とされていますが、普通分娩、帝王切開でも変わってきます。少なくとも、痛みなく日常生活ができるまでは、決して無理をしないでください。
ダイエットで体重を落とすより筋力を取り戻そう
妊娠中にどのように過ごしていたか、にもよりますが、はじめにお伝えしたように、骨盤が前に引っ張られることにより、使いずらくなっている筋肉もたくさんあるからです。この筋達の機能を取り戻していってあげることが、産後の体型改善のカギとなります。
むやみに摂取カロリーを減らして体重を落とすのは禁物ということですね!
松尾鮎子監修トレーナーからのアドバイス
ヨガセラピスト PHIピラティスインストラクター C.P.Yインストラクター 介護予防運動指導員
その通りです!
栄養のあるものをしっかり食べて、身体を温めよう
授乳中はとにかくお腹がすく、という方も多いかと思います。母乳は血液と同じ成分ですので、それこそ栄養バランスのとれた食事が大切ですが、育児に慣れずに、授乳もまだ頻度の多いときに栄養バランスのとれた食事を自分で作り続ける。というのも、なかなか大変な話です。
そんなときは、ザックリとこんな風に置き換えてみては、いかがでしょう。
・コンビニなどの袋菓子(できればこれには栄養と呼ばれるものはほぼないので、やめられたほうがよい)
⇒さつま芋やフルーツなど(とり過ぎにはご注意ください)和菓子(もち米などのとり過ぎはおっぱいが詰まる方もいらっしゃいます。とり過ぎにはご注意ください)
・パン、パスタ、うどんなどの小麦製品⇒お米や玄米、十穀米など
産後の育児はただでさえ大変なので、あくまでもストレスにならない範囲で、できる範囲でです。
好きなものを一度にやめてしまうことは、大変なストレスですが、できれば袋菓子は減らしていけるとよいです。どうしても食べたくなってしまったときには、暖かいお茶などと一緒にいただき、食べ過ぎてしまわないようにしましょう。
松尾鮎子監修トレーナーからのアドバイス
ヨガセラピスト PHIピラティスインストラクター C.P.Yインストラクター 介護予防運動指導員
私はチンして食べるだけの冷凍安納芋、など手間なし、おいしいと思えるものをおやつ感覚で食べていました。
いずれも、ダイエットのために頑張ろう、とするよりも、自分のために栄養のあるものを摂って、不必要なもの、逆に身体に負担をかけるものは入れないようにする、というイメージです。
産後ダイエットにオススメのエクササイズ
家で一人ではなかなかやる気になれない、という方にはこちらがおすすめです。
逆に、家でマイペースにやれたほうが、気楽な方には次のなかから、一番自分にしっくりくるものを、隙間時間に行ってみてください。
使っているところ、効いているところが感じられるものがおすすめです。
お尻の引き締めエクササイズ
2.お尻に力を入れます。この時に、ひざが外向きになればOK。
3.膝が動いていない方は、太ももを外回しにするようにしてみてください。
4.このまま10秒ほどキープします。
膝が痛くなってしまう方は、太もも前側で動かしている可能性がありますので、このエクササイズはおやすみ、または前ももを伸ばしてから、前ももに力が入り過ぎないように試してみましょう。
骨盤前傾改善エクササイズ
2.頭、背中は壁につけ、腰と壁の隙間に手をいれます。
3.このとき、隙間が手のひら一枚分であればOK
4.握りこぶしが入ってしまうかたは、骨盤前傾要注意です。
5.その隙間をつぶすように骨盤を後ろに倒します。このとき、腹筋が使われていて、腰が伸びる感じがあればOK。
これらが楽にできるようになったら、お散歩などで全身運動をおすすめします。赤ちゃんを抱っこして正しいフォームで歩くのはとても難しいので、ベビーカーがおすすめです。
ベビーカーでも歩きやすい道があれば、大股歩きなどを取り入れてみるのも良いです。
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無理なく続けよう
「食べたい物をゆっくり食べる、ゆっくりお風呂に入る、ぐっすりと規則正しく睡眠をとる、疲れたとき、休みたい時に休む」
これらのことはできなくなってしまいます。
また、日中は赤ちゃんと二人でお出かけもできないと、人ともほとんどはなせずに、ストレスが溜まってしまうこともあります。
松尾鮎子監修トレーナーからのアドバイス
ヨガセラピスト PHIピラティスインストラクター C.P.Yインストラクター 介護予防運動指導員
お子さんが大きくなるにつれて、これらのことは、またできるようになりますが、だからこそ、産後の大変な時期は、少しでも自分に優しいもの、快の状態でいられることを見つけて、無理なく継続していくことで、美しい姿勢、体型も取り戻していっていただけたら、と思います。
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