私たちは生きている上で呼吸が欠かせません。しかし、走っている時に呼吸の方法が分からず、リズムが乱れて息苦しく感じていませんか?ここでは、効果的なランニングのための呼吸方法について紹介します。
ランニング時の呼吸について
これには正解も間違いもありません。しかし、ランニングでは酸素を十分に体内に巡らせるためには鼻で息を吸うことが推奨されています。一方で、息を吐く時は鼻・口は関係ありませんが、息を吐くタイミングやリズムが有効的なランニングを継続する上で大切となります。
下記では息を吸う時なぜ鼻が良いとされているか、そのメリットとデメリットや呼吸方法について紹介します。
ランニング時の呼吸は吸う時は鼻から?口から?
①吸った空気に含まれている細菌やホコリ等のゴミが鼻毛でキャッチされる
②鼻を通過する空気が温められる
③鼻を通過する空気が加湿される
つまり、鼻には空気を浄化・加温・加湿する機能があるのです。
①の機能は病気の予防になり、②と③があることで体温と近い温度の空気を体内に取り込むことで、より酸素が肺胞から血管内に取り込みやすい環境をつくます。それに加えて鼻から息を吸った時に生じる圧の関係が肺胞を十分に膨らましてより多くの空気を取り込むことにも繋がります。
次に口から息を吸う時のデメリットについて紹介します。口は鼻と比較して浄化・加温・加湿の機能が劣っていることから次のデメリットが身体に生じます。
①病原体、ホコリなどの細菌が体内に侵入しやすい
②加温・加湿機能が劣っていることから喉が乾燥しやすい
③肺の換気能力と運動能力が低下する
③は口呼吸をする時の姿勢が深く関わっています。口呼吸は口をあけることによって喉が狭くなります。これを解消するためには、首を伸ばして頭を前に突き出し、背中を丸めて胸を抱え込むような姿勢をとらなければなりません。しかし、この姿勢は胸郭の広がりを妨げることで③に繋がります。
つまり、より多くの酸素体内に巡らせるためには鼻から息を吸うことが効果的なのです。鼻から息を吸うことを意識しましょう。
まずは息を吐くことから!
思いっきり息を吐くことで最大酸素摂取量(VO2MAX)を最も大きくできるのです。まだ肺胞に空気が残っている状態だと、次に入ってくる空気量がその分少なくなります。
また、元々残っている空気の酸素は既に血管内に取り込まれていることから、その空気は体内に存在していても無意味なものになります。よって、一度息を思いっきり吐ききった上で息をすることが大切です。そして、ランニング中も息を吐く時は思いっきり吐くことが大切です。
胸式呼吸より腹式呼吸
①腹式呼吸は肺の奥まで空気を取り込める
②胸式呼吸は胸や方の筋肉も使うため、疲れやすい原因になる
③人によって胸式呼吸はランニング中に生じる側腹の痛みの原因になり、腹式呼吸はその痛みを軽減する
①〜③の理由で腹式呼吸がランニングに適しています。しかし、腹式呼吸は意識的に行わない限りできません。特に女性は胸式呼吸をしている割合が多いと言われているため難しいです。
腹式呼吸の練習を重ねたり、日々の生活で腹式呼吸を意識しましょう。そこで腹式呼吸の練習方法について簡単に紹介します。
①横になって、手を軽くお腹に当てる
②お腹を膨らませるように意識して鼻から息を吸う
③お腹を凹ませるように意識して鼻あるいは口から息を吐く
①〜③を空いている時間に練習をして、腹式呼吸の癖を身につけましょう。更に呼吸運動能力を高めたい場合はピラティス運動も効果的だと言われています。ピラティス運動はインナーマッスルを伸展させることで呼吸能力を高められます。
ランニング中の呼吸はリズミカルに
ランニング中は呼吸のリズムが掴めず、呼吸が乱れがちになってしまいます。実は呼吸を一定に保つためには、ランニングの運動強度に合わせて呼吸のリズムを変えることが良いと言われています。この運動強度はランニングの速度を求めるためにも使われます。
①運動強度50~60%(運動初心者)
50~60%の場合は、3:3法をオススメします。3:3法とは、3歩かけて息を吸って、また3歩かけて息を吐くことです。この方法は沢山空気を取り込むために適しています。運動初心者の方は、最初から強度なランニングを行うと体力的に限界があり、呼吸方法の獲得も未熟なため体に負担の少ない3:3法をオススメします。
②運動強度60~70%(健康増進)、70~85%(持久力向上)
60~70%、あるいは70~85%と上がる場合は、運動初心者よりランニングの速度も上がって必要とする酸素も増えます。そのためには2:2法が適切です。2:2法は2歩かけて息を吸って、2歩かけて息を吐くことです。50~60%と設定している方で3:3法では息苦しいと感じる場合は2:2法にリズムを切り替えても良いです。
③運動強度85%~(レース体力向上)
ランニングがハードになってその分酸素を多く体中に運搬する必要がある時は2:1法(2歩かけて息を吸って、1歩で息を吐く)またはその逆の1:2法をオススメします。
正しい呼吸法はより良いランニングのため!
鼻から息を吸う、腹式呼吸を普段の生活から取り入れる、運動強度に合わせた呼吸リズムを心がけることの3つを意識しながらランニングをしていきましょう。
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