【筋肥大トレーニング決定版】頻度・回数・負荷全てを解説!

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

筋肥大させるためにはトレーニングの頻度や回数、負荷を適切に設定する必要があります。その基本を抑え、さらにプラスアルファで筋肥大させるための秘訣を解説します。

筋肥大のためのトレーニングとは?

筋肥大トレーニングとは筋肉を大きくするトレーニングのことで、厚い胸板や太い腕や脚を作りたい時に効果的なトレーニングです。

筋トレにおける負荷、頻度、回数はトレーニング効果に影響してくるため、筋肥大を目的としている場合は筋肥大に適したトレーニングメニューを組む必要があります。

筋肥大のメカニズム

筋肉は運動やトレーニングなどで刺激を入れると傷つきます。傷ついた筋肉は栄養と休養を与えることにより、修復されます。このとき筋肉は以前よりも少し太くなって修復されるので、結果的に筋肉が大きくなります。

この現象を超回復と言います。人の体は負荷に慣れようとするので筋トレを行うごとに体はかけた負荷に順応します。このように超回復を繰り返すことで筋肉が太く大きくなり、筋肥大につながるのです。

筋肥大トレーニングに必要なこと

筋肥大を目的とするときには以下の3つのことを意識するようにしましょう。

・頻度
・回数
・負荷

例えば、超回復を繰り返し行なっていくことで筋肉は大きくなりますが、毎回同じ負荷をかけていては体は慣れてしまうので少しずつ上げていく必要があります。まずはこの3つの項目を詳しく解説していきます。

筋肥大のためのトレーニング方法!

頻度

筋肥大を目的としたトレーニングの頻度は週2〜3日を目安に行いましょう。

強度の高いウェイトトレーニング後には筋肉を48~72時間、つまり3日以上休ませる事が超回復を促す為にとても重要です。超回復の際に筋肥大が起こるためです。

しかし、超回復で得た筋肥大も超回復終了後の約94時間後には元の状態に戻ります。これも個人差や筋トレの強度、部位や負荷に対する対応能力などによって変化しますが大体4日程度です。

超回復は環境に適応する為の能力ですが、筋肉大きな負荷が4日間程掛からないと、その順応性は不必要と身体が判断を下すから超回復による筋肥大の効果が失われてしまうのです。効果的に筋肥大を繰り返すにはこの超回復終了後から4日内に更なる筋肉に負荷を掛ける必要があるでしょう。

つまり、筋肥大の為の強度の高いウェイトトレーニングをしたり、約3日間は休息を入れ、その後4日以内に改めて大きな負荷を筋肉に掛けるのです。こうする事で、筋肉に超回復を何度も繰り返させて筋肥大に次ぐ筋肥大を起こして更なるレベルアップを狙えるでしょう。本格的に筋肥大を狙うのであれば、週に2度は各筋肉に大きな負荷を掛ける事が望ましいでしょう。

回数・セット数

回数:8〜12回
ただ回数をこなせばいいというわけではありません。8〜12回が限界の重さで行うことで筋肉に刺激を与えることができます。

セット数:3セット以上
どんなに高負荷でも1セットだけでは十分に筋肉を鍛えることは出来ません。これは筋肉の動員率が関係しており、

・1セット目 30〜50%
・2セット目 50〜70%
・3セット目 70〜90%

このように、セット数を重ねることで筋肉が満遍なく鍛えられていくのです。

回数やセット数は筋量や体力によって異なるので個人差があります。基本的な目安として、8〜12回を3セット以上行うようにしましょう。

負荷

ただ8〜12回の回数をこなせばいいというわけではありません。8〜12回が限界の重さで行うことで筋肉に刺激を与えることができます。

軽い重さを回数をたくさん行う、低負荷高回数でも「力を出し切る」ことができれば高負荷低回数と同じように筋肥大はしますが、この方法では筋持久力が成長するため、筋肥大という観点ではあまり効率的ではありません。

【参考文献】Appl Physiol (1985)「レジスタンスエクササイズの負荷は、若い男性の筋肥大の効果を決める要因にはならない」

インターバル

セット間の「インターバル」も成長ホルモンの分泌を促す為に重要なポイントです。

繰り返し筋肉に大きな負荷を掛ける為には、筋肉の回復は必要で休憩が不可欠です。しかし、各セット間の休憩は長くとりすぎてしまうと、筋肉内の乳酸などの成長ホルモンの分泌を促す物質の濃度が下がってしまいます。

目安として

・超重量の場合でもMAX2分以内
・低重量の場合は30秒~1分以内

にする事で、成長ホルモンの分泌を保つ事ができるでしょう。

筋肥大のための乳酸トレーニング

成長ホルモンには筋肥大を促す大きな効果が期待できます。

成長ホルモンは筋肉の血液中の、乳酸の濃度が高まることによって分泌量が増える特徴があります。乳酸の濃度を高めるには、ただ乳酸の発生を促すだけでなく、乳酸を筋肉に溜め込んだ状態を意図的に作り出し、濃度を上げる必要があるでしょう。

乳酸の生産を促して、血流を遮断する事により乳酸の濃度を上げられる加圧トレーニングは成長ホルモンの分泌を高める為にはとても効果的です。一般的には加圧トレーニングは専門家の補助が推薦されているので、気軽に取り組めるトレーニング法ではありません。

そんな場合には従来の超重量を扱うようなウェイトトレーニングが乳酸の蓄積に適した環境です。
筋肉が強く収縮した状態が続くと、血液の流れが制限されるので、筋肉内の乳酸の濃度を上げて、成長ホルモンの分泌を高める事に繋がるでしょう。

この際のポイントは、反動を使って持ち上げたりせずに、筋肉に負荷を掛ける事です。反動を利用すると、一時的に血液が一気に流れますので乳酸が筋肉内から流出してしまうからです。

筋肥大はすぐには起こらない?

筋トレは超回復を繰り返すことによって筋肉が少しずつ大きくなり、結果的に筋が肥大するということになるのは先ほど解説しました。1回目の筋トレでも超回復はもちろん起こりますが、この時の筋肉は肥大していないのです。

負荷をかけたトレーニングを行うことで、まず最初に変化が見られるのは「筋力」です。
筋力というのは筋肉の収縮によって発揮される力のことであり、筋肥大とは別物です。筋トレ初心者の人が筋トレを一定期間続けていくと、まず始めは神経系の発達が起きます。トレーニングで神経が発達すると、脳へ伝わる情報量が増え、筋肉の使用率が高まるようになります。しかし、この神経系が働いている間は筋肥大が起こりません。

体がトレーニングに慣れてくると、今までバラバラにあった筋繊維が集まり、少しずつ大きな力を出せるようになっていきます。ここから、筋肉が発達するようになり筋肥大が起こっていくのです。

この結論から、筋肥大を目的とするときは神経系の発達を超えなければならないので長期的に筋トレを行う必要があります。トレーニング期間は「最低でも半年」を目安にしましょう。

プロテインを摂取しよう

筋肥大トレーニングのためにはトレーニングだけではありません。プロテインの摂取も必須です。

筋肉はタンパク質(アミノ酸)で構成されているため、プロテイン(タンパク質)は筋トレで傷ついた筋肉の修復に必要不可欠です。特に、筋トレ後の45分間は筋肉のゴールデンタイムと呼ばれ、このタイミングでプロテインを摂取しましょう。

さらに詳しい摂取方法については、以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

筋肥大のためにはこれだけのコツがあります。しっかりルールを守れば必ず大きく逞しい身体を手に入れることができますよ!