睡眠は筋トレの成果を出すために必須!【トレーナー解説】

頑張って筋トレをしているのに、見合った成果が出ないと悩んでいる人は多いものです。原因は「睡眠」かもしれません。筋トレの成果を出すためには睡眠の確保が必須です。睡眠不足は筋トレにさまざまな悪影響を及ぼします。また、筋トレのやりすぎは寝れない原因につながるので注意しましょう。

睡眠不足が筋トレに及ぼす3つの悪影響

筋トレ後の睡眠不足や睡眠が不十分な状態での筋トレは、トレーニングの成果に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、睡眠不足で筋トレを行うのは非常に危険なので、避けるようにしましょう。睡眠不足が筋トレに及ぼす悪影響は以下の3つです。

筋肉を発達させる成長ホルモンが十分に分泌されなくなる

筋トレ後の睡眠が不足していたり、深い睡眠が十分にとれていなかったりすると、トレーニングの成果が十分に出ない可能性があります。

これには成長ホルモンが密接に関係しています。成長ホルモンは、脳が出した指令を受けて下垂体から分泌されるホルモンです。

筋肉の発達や臓器で行われる代謝を促す働きがあり、もっとも多く分泌されるのは睡眠中です。そのため、睡眠不足だと成長ホルモンが十分に分泌されず、筋肉の成長や回復を妨げる可能性があるのです。

睡眠時間が十分でも、深い睡眠(ノンレム睡眠)をしっかりとれていないと、成長ホルモンが十分に分泌されない場合があります。

成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されますが、分泌量はノンレム睡眠時がもっとも多くなります。そのため、ノンレム睡眠をしっかりとれていないと、成長ホルモンの分泌量が不足し、筋トレの成果が出にくくなるのです。

筋肉を分解するホルモンである「コンチゾール」の分泌が増える

睡眠不足は筋肉の発達や回復を妨げるだけではありません。筋肉を分解する「コルチゾール」というホルモンの分泌を増やす原因にもなります。

コンチゾールはストレスに反応して分泌されるホルモンで、睡眠不足にともなうストレスによっても分泌を促してしまうのです。

睡眠不足での筋トレはフォームの乱れやアクシデントを起こす!

人間は脳から各器官を動かすための信号を出しており、筋トレ中にも筋肉に指令を下しています。しかし、寝不足だと脳が疲労しているため、出る信号が弱くなる場合があります。

そうなると、フォームの乱れや思わぬアクシデントを起こす可能性があるので、トレーニングの効率が悪くなるだけでなく非常に危険です。

睡眠不足での筋トレは、トレーニングの成果が出にくくなり、危険性もあるので避けるようにしてください。

筋トレと睡眠の関係|昼寝の活用方法

脳が疲労している状態では集中力が下がり、トレーニング効率も低下してしまいます。

また、筋トレを続けていると自律神経に疲れがたまり、それが筋肉の疲労として感じられるようになるため、思うようなトレーニングができない原因にもなります。

そんなときに効果的なのが「昼寝」です。昼寝をして脳をリフレッシュさせれば、低下した集中力を回復させることができます。

短時間の睡眠でも、脳や自律神経の疲れをとる効果は十分にあります。

昼寝の時間は15~20分程度に抑える

昼寝の時間は15~20分程度に抑えるようにしてください。これ以上の昼寝は脳が休眠状態になり、起きても脳が目覚めにくくなってしまいます。

寝る姿勢は何でも良い!しっかりと休めることが重要

昼寝の姿勢はデスク上で寝ても、ベッドで横になってもどちらでも構いません。要はしっかり短時間で急速が取れ、脳の目覚めがよくなる時間寝れば良いのです。ただし、横になって眠る場合の睡眠時間に注意してください。しっかり起きれる時間内であれば横になっても問題ありません。

体質によりますが、一般的には座り心地の良いソファーや椅子などに座った状態で昼寝をするのが理想的です。

その際は、足を上げて寝るのがおすすめ。下半身の血行が促進されることにより、疲労物質や老廃物が蓄積されにくくなるので、足の疲れをとる効果があります。

昼寝前にコーヒーや緑茶などを飲んでおくと目覚めすっきり!

昼寝前にコーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含むものを飲んでおくと、すっきりと目覚められます。

カフェイン摂取後15~20分くらい経つと、血中濃度が増加して覚醒効果を発揮します。

そのため、昼寝前にコーヒーや緑茶を飲んでおけば、ちょうど起きるころに覚醒効果が現れるので、すっきりと目覚められるというわけです。

昼寝後は怪我をしやすい状態!筋トレ前に入念なウォームアップを

睡眠中は筋肉が硬くなりやすいため、寝起きは怪我をしやすい状態にあります。

ウォームアップを入念に行い、しっかりと筋肉をほぐしてからトレーニングに入るようにしてください。

筋トレのやりすぎは寝れない原因につながる!

筋トレを頑張りすぎると寝れない原因につながるので注意しましょう。過剰な運動量や大きすぎる負荷は、オーバーワーク(トレーニングのやりすぎ)になります。

オーバーワークは筋肉の発達が遅れたり、怪我を誘発したりする可能性があるため、気をつけなければいけません。

それだけでなく、筋トレのやりすぎは寝れない原因にもつながります。筋トレを行うと交感神経が刺激され、眠りや寝つきを良くしてくれる副交感神経を鈍らせます。

ハードな筋トレは、交感神経が活発になることにより体も興奮状態になるため、さらに寝れなくなってしまうというわけです。

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筋トレと睡眠の関係|良い睡眠の環境を整える

睡眠は大きく分けて、浅い眠りの「レム睡眠」、深い眠りである「ノンレム睡眠」の2つに分類されます。

入眠するとまずノンレム睡眠に入り、その後レム睡眠に移行。90~120分を1セットとして4~5回、このサイクルを繰り返します。

ノンレム睡眠の中でも、とくに深い眠りが「徐波睡眠」です。ノンレム睡眠は、睡眠の深さによって4段階のステージがあり、ステージ3と4が徐波睡眠にあたります。

入眠後30分から1時間ほどで徐波睡眠に入り、このときに成長ホルモンの分泌がもっとも多くなります。

分泌された成長ホルモンがアミノ酸の取り込みを促し、タンパク質への合成を促進させることで筋肉が成長しやすくなる仕組みです。

ゆえに、筋トレの成果を出すためには、スムーズな入眠と熟睡できる環境を整える必要があるのです。

筋トレの成果を出すには7時間半の睡眠が理想

ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返す時間は90~120分。睡眠時間を1セット90分周期で考えるのはこのためです。

睡眠中に体や脳の疲れをとったり、記憶を整理したりするのですが、脳の疲労回復や記憶の整理だけなら4セット(6時間)でも十分。

しかし、体の疲れをしっかりとって筋肉を成長させるには、5セット(7時間半)の睡眠を確保したいところです。

現実的に難しい人もいるかもしれませんが、筋トレの成果を出すために、十分な睡眠時間の確保を心掛けましょう。

筋トレの成果を出すには睡眠が必須!昼寝と十分な睡眠で効果的に

睡眠不足だと成長ホルモンが十分に分泌されず、筋肉を分解するコンチゾールの分泌が増えるため、筋トレの成果が出にくくなります。

睡眠不足によるフォームの乱れからも成果が出にくくなり、アクシデントを起こす危険性もあります。

また、脳が疲れている状態では効率が悪くなるため、15~20分程度の昼寝をしてから行うようにしましょう。

成長ホルモンは徐波睡眠中にもっとも多く分泌されるため、スムーズな入眠と熟睡できる環境が必要。筋トレのやりすぎは寝れない原因につながるので注意してください。

体の疲れをしっかりとって筋肉を成長させるには7時間半の睡眠が理想です。筋トレの成果を出すために十分な睡眠を確保しましょう。

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