超回復を制する者は筋トレを制す!メカニズムを知り理想のカラダを手に入れよう!

監修者

野島 賢

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー) ISA-CSTP(日本ストレッチング協会認定ストレッチングトレーナーパートナー) JCCAベーシックインストラクター(日本コアコンディショニング協会) JBBF(ジャパンボディビルフィットネス連盟)公認指導員 日本スタビライゼーション協会スタビライゼーション・アドバンサー 国際救命救急協会 CPR+AED

筋トレを始めた頃、しきりに耳にするようになる「超回復」という言葉。なんとなく意味はわかるけれど、実際にどんなものなのかわかっていない人は多いでしょう。筋肉を成長させるために欠かせない超回復とはどんなもので、筋トレにどう取り入れるのがいいのでしょうか?そんな超回復の知識をまとめました。

筋トレは筋繊維を壊し、超回復を起こすのが狙い

筋トレは数多くの種目を通して、筋肉に負荷をかけて筋繊維を壊すのが目的です。つまり、筋トレを行った直後というのは普段よりも筋肉に高いダメージを負った状態なんですね。しかしこの筋肉は、ただ壊されたままではありません。そこから少しずつ時間をかけて修理され回復していきます。

この回復の過程で、筋肉は以前よりも強くなった状態になるんです。この状態を「超回復」と言います。そして次の筋トレは、より強くなった状態の筋肉にダメージを与えることで、次の超回復でさらに筋肉を成長させようというわけです。
筋トレによる破壊と再生のサイクルを上手に回すことで、よりたくましい肉体を手に入れることができるんです。

超回復にかかる日数の目安はどのくらいなのか

では、筋トレによって起こる超回復にはどのくらいの日数がかかるのでしょうか?多くのサイトや本では、「48時間〜72時間」という風に言われていますが、実はこれは厳密に決められているわけではありません。そこには非常に複雑な要素が絡んでいるのです。

例えば、性別や年齢でも大きく超回復は変化します。また、筋肉の部位によっても超回復が起こる期間は変わってきます。例えば太ももの筋肉は72時間〜96時間と言われていますが、腹筋は24時間程度と早いタイミングで超回復が起こるとも言われているのです。そして当然トレーニングの要素でもその期間は変わります。

そのため、超回復は3日〜10日程度の広いスパンで考えるのがオススメです。実際に胸の筋肉を週1日鍛えるだけ、というスパンでも、しっかりと超回復を生かして筋肉を成長させることができます。

超回復を筋トレで生かすコツ「上手な休養」

超回復で大切なのは、筋肉を壊した後に起こる修復を上手に行うことです。そこで大切なのは「休養」なのですが、ここにちょっとしたコツがあります。

休養と聞くと体を動かさない方がいいと思われがちですが、むしろ軽い運動をした方が血液が循環しやすくなり、体内の疲労物質が抜けやすくなります。それによって、超回復をより効果的に起こすことができるのです。

筋トレの効果を上げる「漸進性過負荷の原則」

「漸進性(ぜんしんせい)過負荷の原則」という言葉をご存知ですか?英語では「progressive overload」と書きますが、「漸進」というのは少しずつ前に進むという意味があります。筋トレを通じて壊された筋肉は、同じ負荷に対する耐性がアップします。そのため、同じ負荷をずっと続けるトレーニングはあまり効果がでなくなってしまうんです。

そこで、筋トレの度に少しずつ、負荷を上げるようにします。重りを0.5kg重くするでもいいですし、回数を1回増やすでも構いません。筋トレ初心者では毎回重量を伸ばすことができるので、筋トレをしていて楽しくなりますよ。

超回復と筋肉痛とはほとんど関係ない

筋トレをした翌日、筋肉痛が起こるとなんとなく筋トレがうまくいったと思ったり、超回復がうまく起きていると感じたりしてしまいますが、実は筋肉痛と筋トレの効果、超回復にはあまり関係がないと言われています。

その最大の理由が、「筋肉痛の原因は非常にたくさんある」からです。しかもそのメカニズムも医学的にはちゃんとわかっていないんです。筋肉自体の炎症かもしれないし、もしかしたら靭帯の痛みが原因かもしれません。

そのため、通常はあまり筋肉痛を意識して筋トレをしない方がいいでしょう。筋肉痛について詳しくは『筋肉痛があっても筋トレはするべき?それとも休むべき?』でも紹介していますので、トレーニングの際の参考にしてみて下さい。

筋肉痛のメカニズムと筋肥大のメカニズムについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

試行錯誤しながら筋肉の超回復を試してみよう!

何気なく聞いた超回復ですが、そこには筋肉の非常に興味深いメカニズムが隠れていました。まずは48〜72時間というオーソドックスな超回復の期間を目安にし、筋トレ生活を繰り返すことで自分にとって理想的な超回復のタイミングを試行錯誤してみてください!

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