筋トレに最適な時間とは?時間の長さ、インターバル、時間帯を解説!

監修者

千陽 ハーヴェイ

NSCA認定パーソナルトレーナー

筋トレはただ体を動かすだけでなく、様々な「時間」を気にすることでより効率良くトレーニングできます。筋トレを行う時間の長さはどれくらいが目安か?筋トレ中のインターバルの時間は?筋トレを行う時間帯は朝、夜、食前、食後、いつ行うべきか?今回は、こういった筋トレ中に気にしたい「時間」の疑問について解説します。

1度の筋トレ時間はどれくらいかけるのがいいの?

普段自宅やジムで筋トレをする際、どのくらいの時間をかけていますか?

「筋トレの時間」については、ネット上には60分や90分など様々な情報があり、実際にトレーニーにどのくらいの時間をかけてトレーニングをしているのか質問しても人それぞれです。有名なボディビルダーであるアーノルドは、1日に何時間もトレーニングをしていたそうです。

つまり、1回の筋トレにどれくらいの時間をかければいいのかという質問に対し、唯一解はありません。

しかし、忙しいビジネスマンや筋トレ初心者の方は「60〜90分」を目安に行うと良いでしょう。

こう語られる理由は、大きく分けて3つ挙げられます。それは「トレーニングの効率化」「オーバートレーニング」「継続しにくい」です。それぞれの原因について見ていきましょう。

また、筋トレのセットの間には、きちんと休憩時間(インターバル)を取っていますか?インターバルを取っている方でもどれくらいの長さを取っていますか?
適切な長さのインターバルを取ることは筋トレの効果に影響を与えます。
筋トレの目的や内容ごとに、取るべきインターバルの長さの目安があるので、しっかりと知識を抑えた上でトレーニングに励みましょう。

筋トレ時間を60〜90分以内にする理由

理由①「トレーニング効率化」

ジムでよく見かけるのが、トレーニング量の割に休憩時間の長過ぎる人です。

筋肉を効率的に育てたいのであれば、トレーニングのセット間のインターバルを正しく守らないといけません。

セット間のインターバルの目安は、目的別に以下のようにしましょう。
●筋力アップが目的(6レップ以下の高重量トレーニング)の場合は、最低2分間
●筋肥大が目的(8〜10レップの高ー中重量)の場合は、60秒
●持久力が目的(10レップ以上の軽重量)の場合は、30秒〜45秒

6レップというのは、6回ギリギリで行える重さで6回行うという意味です。
このインターバルを守ることが目的通りの筋肉を育てる効率的な方法なのです。

例えば、初心者で大胸筋を大きくしたい(筋肥大が目的)場合、ベンチプレスを10レップで3セット行います。セット間インターバルの時間は60秒です。
もし、筋肥大が目的で高ー中重量を8〜10レップ行っているにもかかわらず、インターバルが30秒程度の短いと、筋肥大の効果が出ない原因にもなります。

筋肥大が目的の場合、ベンチプレス自体を行っている時間を考えても5分程度で終わってしまうのです。

次に他の部位を鍛える際に、「何をやろうかな?」と考えてしまうのは時間のロスです。
そうならないために、トレーニングのプランをあらかじめ立てておくと良いでしょう。

理由②「オーバートレーニング」

初心者に限らず、トレーニングで疲労がたまると正しいフォームを維持することは難しくなってきます。フォームが崩れると怪我の原因にもなるので、適切な負荷・回数を意識しましょう。

また、オーバートレーニングにも注意する必要があります。
何事もやり過ぎは良くなく、筋トレにおいても同じことが言えます。筋トレをやりすぎるとストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、身体がストレスに晒されます。

その他にも、日常的な倦怠感を感じるようになるなど、良くないことが多く生じます。筋トレのやり過ぎには注意してください。

理由③「継続しにくい」

仕事や学生生活などで忙しい毎日を送っている人にとって、定期的にまとまった時間を取って筋トレをするのは慣れるまでになかなかの根気が必要になります。そんな中で一度に2時間も3時間も筋トレをしなくてはならないとなると大変ですよね。

筋トレを行おうと思っても、今から2時間も3時間もトレーニングを行うと考えると、憂鬱な気持ちになり、挫折してしまう原因になります。

筋トレでは、週に一度長い時間をかけて体を鍛えるよりも、一度に30分でもいいので高い頻度で体を鍛える方が重要です。

「継続は力なり」です。
無茶をして自分を追い込むことよりも、継続できるように無理のない範囲で行ってください。

朝?夜?食前?食後?筋トレをするベストな時間とは?

60〜90分の筋トレですが、多くの方が疑問に思うことが「筋トレを行うタイミングは、朝、夜、食事の前、食事の後、どれが適しているのか」ということでしょう。

食事の前か後かでは、食事の前の方が良いです。
その理由は、食後は食べ物の消化に多くのエネルギーを使うため、その時に激しい筋トレをすると内臓などに負担がかかってしまうのです。特に吸収の早い炭水化物を運動の前に摂取すると、インスリンが分泌され血糖値が下がり、パフォーマンス低下にもつながります。

しかし、食事の前といっても空腹状態での筋トレは避けるべきです。体内に十分なエネルギーがないと、自分の「筋肉」を分解してエネルギーにしようとし、せっかく筋トレをしているのに本末転倒です。
そのため、食事の前だとしても前回の食事から時間が空いている場合は、筋トレ前に、バナナなどの手軽に食べられて消化吸収も早い食べ物を食べておくと良いでしょう。

そういった点で、朝起きてすぐは体内のエネルギーが不足している状態ですので、避けた方が良いか、栄養を取った上で筋トレを行いましょう。

夜については、就寝の直前の筋トレは避けるべきです。寝る直前にハードな筋トレを行うと、体が興奮状態になってしまいます。そうすると、適度な疲労感でぐっすり寝られるはずが、逆になかなか寝付けなくなってしまうのです。十分な睡眠も筋トレの効果を出すために必要ですので、夜の筋トレは就寝時間を考慮した時間帯に行うようにしましょう。

以下の記事に食前と食後のトレーニングのメリット・デメリットや、摂るべき栄養素について詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

効率的な時間の使い方で筋トレの効果を最大限引き出そう

筋トレの時間の使い方について、まとめると以下の通りです。

●初心者は60〜90分以内にする
●目的別にセット間のインターバルを適切に用いる
●オーバートレーニングは避ける
●食後の筋トレはデメリットが多い

筋トレの時間について説明しましたが、初心者の方で1番大切なことは「継続できるように無理をしないこと」です。
無理をせず、効率的に筋肉を鍛えるための回答を実践していけば、1回の筋トレにかける時間は必然的に60〜90分以内になるでしょう。

今回説明した内容をぜひ参考にしてください。

千陽 ハーヴェイ監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー

トレーニングの効果を上げるためには、特に初心者の場合、1回に費やす時間よりも、トレーニングを行う頻度をあげた方が効果的です。週に1回2時間のトレーニングするよりも、1回30分間のトレーニングを週4回行った方がトレーニングの効果が得られます。何故かというと、神経系の適応がより促されるからです。すると運動動作の学習が促進され、より高い運動負荷に適応できるように成長していきます。1日15分でも効果がありますので、自分の生活スタイルに合わせて柔軟に運動をスケジュールに組み込んでいくと良いでしょう。継続は力なりです。

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