デスクワークにあった正しい座り姿勢にするために、悪い姿勢を細かく分析。これを読んで姿勢を矯正し、肩こりや首の不調の改善を目指しましょう。
間違った椅子の高さで座っているあなた、背もたれに頼って脱力した座り方をしているあなた、腰痛予防クッションでも改善できないあなた、必見です!
デスクワークの悪い座り姿勢4パターン
では、逆に負担をかけてしまう、やってはいけない悪い座り姿勢とはどんなものか、ご紹介します。
①近年増加が著しい、「前のめり首」

本来、背骨の首のパート(頚椎)は胸(胸椎)に対して前方に向かって自然な曲線を描いて、胸と頭は縦に直線上に並びます。
しかしながら、近年スマートフォンの普及を機に今までコンピュータを扱わない人までもが椅子に座って長時間目の前の小さなデバイスを夢中になって操作をするようになりました。
首の骨(頚椎)は体重の6〜10%もの重さがあると言われる頭を支えるのみならず、肩や腕なの上肢をも支えると言われています。
その為、首の骨の角度が誤ると、関連する肩、腕、手首などの関節にも強い障害をきたすのです。
実際に子育てに奮闘するママさんが腱鞘炎になった際、手首の治療だけでは中々症状が収まらなかったところ、頚椎の関節を修正した事で一気に回復した例もあります。
デスクワークの方の過半数が座り続けるだけでなく、座った状態でPCや書物など何か机の上のものを相手にするでしょう。焦点が前方に合って、頭が胸より前に出てしまう事は今のデスクワーカーにとって、意識して姿勢を気をつけないと避けられない事でしょう。
②背筋が弱ると起こる「肩甲骨離開」
背中の高いところに左右二つ存在する肩甲骨。
近年肩こりなどの身体の不調を改善するべく、「肩甲骨はがし」などこの骨の名前が注目されるエクササイズや施術も注目されています。
肩甲骨はどの四足動物にもついていますが、どれも運動のキーの骨として大活躍しています。
しかし、人間は文化の発展により椅子に座って脚を使わずに産業を生み出す術を開発し、運動どころか立つ事さえも少なくなりました。
こうなると体幹部の筋肉、とくに背筋の弱化が著しく見みられ、腰を支え守る力や胸を張る為に肩甲骨を良いポジションにキープする力が低下していきます。
肩関節の受け皿となって、肩や腕の動きに対して支点となる肩甲骨は椅子に座り続けて背中が丸くなり、先述の通り首が前に出てしまうと、身体はバランスを取る為に余計に背中を丸めます。
結果的に背筋の弱化や運動不足となって本来のポジションよりも外に開き合って、不安定な働きをしてしまい、上肢の働きは一気に狂ってしまうのです。
背中が丸くなって背筋が弱い、働かないのはとても危ない事です。
③椅子に座り続けると起こる代名詞「骨盤後傾」

そもそも骨盤の存在とは、それが後傾するとはどうゆう事なのか。
骨盤は、腰部に左右対称で存在している3つの異なる骨が各種連結されて、3つずつで左右にできた大きな複合体が背骨の終わり(仙骨)を挟むように構成されています。
人間の骨盤はとても特殊で他の四足動物、特に同類のサルやチンパンジーなどの霊長類でも最も大きな体積を擁しています。その為、直立した時に大きな負荷がかかっても簡単に壊れずに効率よく身体が働いて運動することを可能にしています。
その骨盤が“後傾している”とは、幾つもの骨が連結してお椀のように真ん中がくぼんでいる骨盤というユニットが背中(後ろ)側に向かってコロンと倒れている(傾いている)状態を指しています。
骨盤が後傾すると、バランスを取る為に背骨はそれに伴って後方に向かって大きなカーブを描きます。これが猫背です。
立って歩く際には骨盤は前後傾を左右が互い違いに繰り返します。これで身体全体のバランスを取り、骨盤や股関節は上手に重さを受けています。
しかし、椅子に座ってしまうと骨盤は椅子の座盤に固定されてしまい、背もたれに寄りかかれば骨盤は後傾します。まさに猫背になるための条件が揃ってしまうのです。
④意外と盲点、「足裏無重力状態」
私たち人間は足の裏が地面についている事、そしてそこから離着を繰り返して歩く事を見据えて設計されています。そのため、鳥のように足の裏が地面から浮き続ける事はイレギュラーです。
例えば水泳。運動不足の方が急に水泳をすると、疲れてきた頃に足をつってしまう事が多々あります。外で歩いても走っても大丈夫なのに水の中ではすぐに足をつってしまうのは、いきなり身体に課せた運動強度と共に水の中で浮力が身体に働き、足裏から膝関節や股関節に体重(=重力)が掛からずに、各関節が“無重力状態”になってしまい、筋肉が危険を感じで安全ブレーキがかかってしまうのです。
椅子に長時間椅子に座っている時に足裏がつかずに投げ出してしまうと、下半身に体重が掛からずに無重力状態になります。
これで信号が変わりそうだったり、乗りたい電車が発車しそうだったりでいきなり小走りをした瞬間、緩んだ関節のせいで筋肉が急激に収縮してつってしまうでしょう。
足裏が床に着く高さの椅子にして、なるべく足裏を床から離さないようにしましょう。
デスクワークで正しい座り方をするために
では正しい座り方のために、アイディアをご紹介しましょう。
首の安定感は小まめな運動を!
<おすすめエクササイズ>
1)首をゆっくり前に傾けます
2)前に倒しきったら、今度は後ろに向かってゆっくり反らします。
→前後10回をできるだけ時間をかけて行いましょう。
肩甲骨を引き寄せる胸郭エクササイズ
この高さの背骨を積極的に動かすためには胸郭と呼ばれる背骨と肋骨からなるパーツを動かしましょう。
<おすすめエクササイズ>
1)一度、背中を思い切り丸めて、強い猫背を作ります。
2)今度は胸を張って肩甲骨同士を近づけるように背筋に力を入れます。この時、首や肩口に力みがあった上で肩甲骨に意識が行き過ぎると肩甲骨が上手に寄れないため、みぞおちを突き出すように胸の低いところを中心にを張って、肩甲骨を寄せてください。
→前後10回をできるだけ時間をかけて行いましょう。
骨盤後傾から脱却するためのクッション&エクササイズ
<骨盤フラットを目指すクッション・アイディア>
1)いつも座っている椅子にバスタオルを適度に折りたたんだもの、またはクッションを半分に折ったものを椅子の座盤の後方にセットします。
2)足の付け根、お尻の低いところを押し込むとゴリゴリと触れる「坐骨」という骨があり、この骨がタオル、またはクッションと椅子の座盤との境目にかかるように座りましょう。
3)後ろが高く前が低い状態で椅子に座るため、前傾斜がついたの中での座り姿勢となって、骨盤が自然と前傾にセットされて背骨が後方に丸くなる「猫背」の状態から解放できます。
<おすすめエクササイズ>
1)骨盤を左右から親指と人差し指で挟みます。
2)おへそを前方に突き出すように動かし、その後猫背を作るように後方に骨盤を倒します。骨盤の前後傾を連続して繰り返して、不動だった骨盤に動きを与えていきます。
3)可動域をできるだけ余すことなく動くように行います。
→前後10回をできるだけ時間をかけて行いましょう。
無重力解消!足首体操
<おすすめエクササイズ>
①足裏がぴったり床につく高さに椅子をセットします。(椅子の高さが変えられる場合は変更を。どうしても足裏が届かないのであれば、台のようなものを用意して脚をそこへ乗せるのが理想的です。)
②お尻や背中の姿勢は変えずにその場で足首だけを動かし、爪先立ちと踵立ちを繰り返します。
→前後10回をできるだけ時間をかけて行いましょう。
※下半身が緩んでいるときは特にふくらはぎの筋肉にストレッチを感じるような「爪先立ち」で下半身の関節が正常に引き締まっていきますので、少し長めにやってあげてもいいでしょう
過渡期を迎えた人類?
しかしながらこの数百年で文化の発展により、私達は椅子に座って身体を使わず、お金という価値あるものを求めて生命の営みを成り立たせるシステムを構築しました。こうなれば、余計に肉体は必要度を下げ、身体機能は低下する一方です。
生物の進化ば目まぐるしく命がけです。時代や環境、天敵の生態系などによって、弱きものは淘汰され、流れに適応できるものだけが子孫を残す事を許されます。
大袈裟ですが、人類がデスクワークのように肉体を使わずに何かを生み出す事が当たり前になれば、それに適応し無駄なものを省いて、身体の形は進化(それとも退化)していくでしょう。
ただ、変化して行くのには莫大な時間が要します。椅子に座って文化的な生活になったのはまだ数百年。恐らく残り数万年は必要になるでしょう。
そんな今を生きる私達は未だ残る自然的な身体に先進的で文化的な生活が目の前に存在し、ミスマッチしてしまっているのかもしれません。
まだまだ自然的な肉体が残るからこそ、今を生きる私達は身体の作りを理解し意識し動物らしく積極的に動かして行かなければ必ず身体的支障をきたしてしまいます。
デスクワークをやめれば簡単な話。それでもそれを避けられないのが現実です。その為にも座り方の意識やそれに伴う問題を解決する方法を身につけてください。
椅子に座ること自体を考える。
「椅子に座る事」の歴史

デスクワークが当たり前になった昨今、やはり悪い姿勢で座る事は体に良くないのですか?
ヒラガコージ監修トレーナーからのアドバイス
柔道整復師/ランニングアドバイザー

残念ながら身体にとって座る事自体がストレスとなるため、悪い姿勢で座る事は間違いなく身体に負担をかけます。
まずは椅子に座ることから考えてみましょう!
日本の歴史はご存知の通り「畳文化」で男性の一般的な座り方は「あぐら」です。ただ、戦国時代になると、戦の際に武将が戦の指揮をとったり、戦術を練る際に「床几(しゃうぎ)」というパイプ椅子と同じような形での折り畳めるものに腰をかけ、その後は時代劇によく出てくる茶店の軒先にある長椅子などが出始めていきます。
ただ、どれも1日中ずっと座り続けるわけでは無く、あくまで一時的だったとされています。椅子の文化はあっても、座る時間の違いこそ先人達と現代人との大きな違いでしょう。
1時間座ると、寿命は22分縮む?
それほどまでに座り続ける事で身体への大きな負担となります。そんな状況の中で座り姿勢が悪くなれば、余計に身体へ負担は大きくなり、体調不良のリスクはさらに高まるのです。
椅子に座って仕事をする事から避けられなくなっている今を生きる私たちは少しでもその怪我のリスクを軽減するべく、悪い姿勢を理解し、出来るだけ負担の少ない“良い”姿勢を取れるように意識しましょう。
デスクワーク中の姿勢リセット・部位別エクササイズ
正しい座り方だけでなく、同じ姿勢を中断して体を動かすことも大切です。目的に合わせて次の記事を参考にしてください。
- 在宅勤務中にできる5分運動
- スマホ首対策エクササイズ
- 長時間座った後の股関節ストレッチ
- パソコン作業の手首・前腕ストレッチ
- デスクワークの休憩頻度と1分運動
- 座りっぱなしの脚のむくみ対策運動
- 仕事終わりの全身リセット
- 目の疲れと首・肩を休める方法
- 椅子でできる胸椎回旋ストレッチ
- デスクワークの骨盤リセット
仕事環境・移動中の姿勢リセット
- Web会議前の1分姿勢リセット
- ノートパソコン作業の姿勢改善
- マウス操作の肩こり対策
- デスクワークの足冷え対策運動
- 座りっぱなしのお尻の痛み対策
- デスクワークの呼吸リセット
- 通勤電車でできるストレッチ
- 新幹線の座りっぱなし対策運動
- スタンディングデスクの疲れ対策
- 昼休み10分ウォーキング
仕事道具・出張・移動時の姿勢対策
- デュアルモニター作業の姿勢
- キーボード作業の手首痛対策
- タイピングの手・指疲れ対策
- オフィスチェアの高さ調整
- デスク用フットレストの使い方
- ポモドーロ休憩の5分運動
- 長電話の首・肩疲れ対策
- 出張ホテルの10分運動
- 飛行機の座りっぱなし対策
- 長時間運転の5分休憩運動
椅子・モバイル機器・通勤用品の姿勢対策
- ランバーサポートの正しい使い方
- オフィスチェアの座面奥行き調整
- デスクワークの脚組み対策
- ソファでPC作業する姿勢
- ベッドでPC作業する注意点
- カフェでPC作業する姿勢
- フリーアドレス席の姿勢調整
- タブレット作業の姿勢改善
- 仕事バッグの肩こり対策
- 通勤リュックの背負い方
入力機器・共有環境・通勤後の姿勢対策
- 書類を見ながらPC作業する姿勢
- テンキー操作の肩・手首疲れ対策
- トラックパッドの手首痛対策
- 縦型マウスの正しい使い方
- ヘッドレストの正しい調整
- 会議室の椅子で疲れない座り方
- コワーキングスペースの姿勢対策
- モニターアームの高さ調整
- 長時間の筆記による手の疲れ対策
- 自転車通勤後の姿勢リセット
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