「正しい椅子の座り方」とはなんだ!?

1億3千万人が毎日椅子に座る生活になっている現代ですが、その座り方が正しい人はほんと一握り。
椅子に座ることで体の不具合を出さないために、真の「正しい座り方」をご紹介します!

「正しい椅子の座り方」ってなんだ!?

編集部

テレビや雑誌などで日々たくさんの「座り姿勢」を紹介していますが、いつまでも続きますね。

ヒラガコージ 監修トレーナーからアドバイス

柔道整復師/ランニングアドバイザー

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どこの情報も正解ですし、理想的ではありますが、残念ながら実践してみても長く続かなかったり、その座り方が身体に合わなかったりで、みなさん定着していません。これが本質なのかもしれませんね。

皆さんが日々当たり前のように行なっている「椅子に座る」という動作。あまりにも当たり前すぎて、国語の漢字や算数の計算のように学校の授業では教わりませんし、個々がそれぞれの座り方をしています。

健康に関しての情報や知識はインターネットの普及によって手軽に手に入ったり、雑誌等の読者側の情報収集への意識に高まりによって筆者がレベルも底上げされたことで、以前に比べると一般の方の健康情報は豊富になっていると思います。しかしながら、それがごく簡単な情報であったり、逆に質を高めすぎてしまったが故に理想的ではあるものの実用的ではないものも数多くあります。
それが結果的に誤った姿勢矯正がむしろ不良姿勢を引き起こしたり、身体の不具合につながってしまうことも多く、座り方一つで健康を左右すると言っても過言ではありません。

そこで今回、様々な情報と医療的な目線から本当に姿勢が良く、実践的な座り方をご紹介します。

悪い椅子の座り方・猫背になる原因

姿勢の悪い座り方の原因は意外と知られていない?

編集部

姿勢の悪くなる座り方になってしまうのはなぜですか?

ヒラガコージ 監修トレーナーからアドバイス

柔道整復師/ランニングアドバイザー

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姿勢の悪い座り方になってしまうのは大きく2つの要因があるのです。これを確認して見ましょう。

この記事をお読みの方の大多数がデスクワークで日中座りっぱなし。そうでなくとも椅子に座ると姿勢が保ちにくいでしょう。それのは2つの要因があります。

原因①|腰部の筋肉等の強度が不足している

一つ目は背骨を立てておくための腰部の筋肉等の強度が不足している事です。
背骨は首元から24本の小さな骨が縦に連なって積み重なっている体の支柱的存在の骨です。この骨が縦に一本の長い骨ではなく、小さな骨が連なり各骨のつなぎ目が関節となって動きをなしながら滑らかなS字カーブを描く事が必要だからこそのものです。
背骨の役割は様々ありますが、椅子に座って姿勢保持をする際、背骨の腰のブロック、腰椎は安定性(スタビリティ)を担っており、大きな可動性よりもピタッと止まっていることで身体全体の安定性へと繋がっていきます。
そのため、腰椎周辺(肋骨の一番下から骨盤までのあたりの胴回り部分)にある程度の力が入る事ができれば姿勢保持はしやすくなります。これが近年注目されて話題になっている体幹トレーニングやドローイン、ロングブレスダイエットの運動効果が実生活で感じられる要因でしょう。

原因②|体重を椅子で支える骨が間違っている

二つ目は上半身の体重を椅子で支える骨が間違っている事です。
上半身の体重は骨盤で受けて、その骨盤を椅子の座盤に置く事で座るという動作が行われます。
骨盤に体重を乗せて座るのも、骨盤のどの辺に体重を乗せて、座盤に骨盤を乗せるかで座ったときの姿勢が変わってきます。
骨盤とは大きく分けて5つの骨が組み合わさって一つのユニットを形成しているものです。皆さんが普段、椅子に向かって腰を深く座っている際に、先述した腰の筋肉が弱いと、骨盤が後方に転がる(骨盤の後傾状態)となって、後方の尾骨(通称、尾てい骨と呼ばれるところ)に体重が乗ります。この状態では背骨は理想的なS字カーブを描く事が難しく、必然的に悪い姿勢になって各種筋肉や関節に大きな負担を与えることになるのです。

これが姿勢が悪くなってしまう座り方の原因です。このような悪い座り方を続けていると、姿勢が猫背になってしまいます。

悪い姿勢・猫背にならない椅子の座り方とは?

悪姿勢・猫背を作らせない理想的な椅子の座り方とは!?

編集部

デスクワークをする現代人は良い姿勢を取り戻せないんですか!?

ヒラガコージ 監修トレーナーからアドバイス

柔道整復師/ランニングアドバイザー

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座り方を意識して、実際に改善できれば劇的にいい姿勢で座れるようになりますよ!

先述の中で、骨盤の中で上半身の体重を支える場所を後方の尾骨にしてしまうと姿勢が悪くなるとお話ししました。これを改善するために、骨盤を前傾姿勢(前方に傾いた状態)を作ることが必要になります。本来なら、腹筋や背筋の強度によっておへそを前方に突き出して、尾骨(尾てい骨)が椅子の座盤に当たらないような座り方ができれば理想的です。

椅子の座り方の工夫①

『猫背を作らせない、良い座り方を作るためには椅子の工夫をしてみましょう。』

悪い座り方、よくない座り方は骨盤がフラットから後方に傾いていて、それによって尾骨に体重が乗っている状態です。思い切って骨盤が前方方向に傾くように座盤の傾斜を少し前に楽してみましょう。ただ、簡単に椅子の座盤は傾きませんから、簡単な方法として椅子の座盤に畳んだバスタオルやクッションを置きます。そこにお尻を半分だけかけて、理想的な座り方で体重が乗って欲しい坐骨が折り畳んで敷いたタオル(クッション)と座盤の境目辺りに位置するように座ってみましょう。そうすることによって前方方向へ体重が偏移し、上半身の体重が尾骨から坐骨方向へ移行していきます、この時、足の裏が地面にぴったりとついていた方がより体重は前方へ偏移して安定してくるはずです。
この時に身体が前かがみ気味になるため、椅子の背もたれに背中がつかなくとも問題はありませんし、長時間続ける時には深く座って背もたれに背中をつけても体重は前にあることを意識しましょう。

椅子の座り方の工夫②

『不動の時間を短く、こまめに動かしましょう。』

人間のバランスはピタッと止まるのではなく、目に見えないレベルで高速微動していることでバランスを取っています。
小学生が手のひらにホウキを乗せて遊んでいますが、あの要領のように倒れそうになると重心を移動さえて常に真ん中に止まっている「かのように」保っています。
そのため、椅子に座り続けると、バランスを取るセンサーが働かなくなり、身体は全体的に硬くなる傾向へと偏移していきます。
理想なのは15~30分ごとに椅子から立ち上がって、少し歩いたり屈伸など簡単な運動をすることですが、お仕事や作業に集中してしまうと、そんなこまめに立ち上がったりは難しいでしょう。
そこでお尻(骨盤)を前後に転がすように動かし、腰椎(背骨の腰のブロック)までも動かす運動がこまめにできればいいでしょう。これならPCを操作しながらでもできる簡単な体操です。

デスクワーカーに最適!猫背予防&改善の簡単ストレッチ

それでも日々数十時間と椅子に座って仕事をする今の日本人にとってはこまめ運動だけでは完璧な改善にはなりません。そこで長時間椅子に座ってお仕事をされる方向けの猫背予防&改善ストレッチをご紹介いたします。

骨盤を立てやすくする Dog & Cat

椅子に座った際に背骨と骨盤の状態を安定させることが、正しい座り方となって猫背予防や開戦へと繋がります。そこで背骨と骨盤の体操としてオススメなのは四つ這いになって背骨を動かす Dog & Cat というエクササイズです。

●やり方
1.四つん這いになる。
2.首元から骨盤までの背骨を全て同時に丸めたり反らしたりする。
※2を設けた回数分これを繰り返す。
→1日10往復、1~3セット

名前の通り、四つ這いになったら犬や猫のように背骨を大きく滑らかに丸めたり反らしたり動かしていきます。
ポイントは首元からお尻・骨盤まで余すことなく動かすことです。これは個人差によって背骨の動きやすいパートが異なることや、全体的な性差として女性は腰椎が動きやすい特徴などから、意識が少ない状態で背骨を動かすと、一部しか動かないことがあるからです。

良い座り姿勢を保つための腹筋&背筋ストレッチ

背骨がいくら良い角度を作れたとしても、少しでも長くその姿勢を保持しなければ意味がありません。少しでも良い座り姿勢を保持するためには骨盤や背中・背骨、特に腰椎の角度を安定させるために周囲についている腹筋や背筋をコントロールしましょう。

《A:お腹を伸ばし、背中に刺激を入れる「マッケンジー体操」》
●やり方
1.うつ伏せに寝る。
2.床に手をついて、床を押しながら身体を反らすように状態を起こす。
→1日5回を1~3セット

背中・背骨を反らすことで、普段椅子に座ると縮みやすい腹筋を伸ばすとともに、本来姿勢保持、そして猫背の方の姿勢改善に必要な背筋に刺激を入れることのできるマッケンジー体操。腰痛の方にも効果のあるこの体操はオススメです。
注意点は、背骨を反る姿勢を取った際に背中や腰に痛みを覚える方は肘をついた形に代用したり、無理をせずに行ってください。また、背骨を反った状態を作る際、腹筋に力が入らずいると、必要以上に腰が反れてしまい、怪我の要因になることもあります。必ず呼吸(特に反るときは息を吐く)を忘れずに、お腹に少し力を入れながら反らしてあげると安全です。

《B:姿勢保持に必要な「サイド腹筋」エクササイズ》
●やり方
1.仰向けに寝る。
2.左右の手を後頭部に当てて、頭と背中(肩甲骨くらいまで)を床から離すまで起き上がる。
3.起き上がった状態で身体を横に傾ける。
※1度の起き上がりで左右片方ずつが理想的。一度に左右連続には行わないほうがいいでしょう。
→1日10回 2セット

いくら良い状態で座れたとしても、それが保持できなければすぐに負担のかかる座り方に変化してしまいます。これでは何の意味もありません。
できる限り良い姿勢を保つために、先述の通り姿勢を保ちやすい工夫をする一方、運動不足等による筋力低下で姿勢保持が難しくなっているのも問題です。激しい運動は必要なく、ご紹介している通りご自宅で簡単にできるエクササイズを繰り返すだけで必要な筋肉は必ず身に付いていきます。
ポイントは正面の腹筋(腹直筋)を鍛えるわけではなく、側面の腹筋(腹斜筋)を鍛えることです。これも前のストレッチのところでご紹介した通り、正面の腹筋は悪い座り姿勢では十分使えていて、むしろこれが活躍しすぎてしまうのも悪い座り姿勢を作る要因です。
そこで腹部全体を形態保持するためには現代の日常生活動作で活躍しにくい側面の腹筋を鍛えることが大切です。

《C:股関節をフリーにする腸腰筋ストレッチ》
●やり方
1.立位で左右の足を前後に大きく開く。
2.前足に体重を乗せるように上体を真下へ落とし、後ろ足の股関節を伸ばしていく。
※重心が真ん中よりも後ろにあると、ストレッチを感じられません。また、腰を落とした時に上半身が前の方に倒れていてもストレッチは感じられにくいですのでご注意を。
→1日5回を1~3セット

股関節に付いている筋肉は本来、足をダイナミックに動かすことで少ない動力の中で長い時間や距離の歩行動作を可能にしています。しかしながら椅子に座る姿勢では確実に股関節の曲げ伸ばしが不足します。
股関節の筋肉の長さは体の中でもトップクラスで、長い筋肉が背骨-骨盤-太ももの関係性を調整しており、この筋肉の動きや伸縮性が不足してしまうと、3つのパートがバラバラに働いてしまうのです。これも悪い姿勢へと変化させてしまう要因ですし、のちにこれが腰痛などの症状を引き起こしてしまうこともあります。

座り姿勢のマスターは現代人にとって必須条件

以上が猫背になりやすい座り方やその対処方でした。いかかでしたでしょうか。
私たち人間は本来動物として身体を動かさなければなりません。しかしながら私たち現代人は1970年代の高度経済成長期より椅子に座って仕事をすることが当たり前となりました。1日のほとんど身体を止めて、さらには椅子に座って生活をしています。そしてスポーツジムやファンスポーツなど、自ら時間とお金を費やして身体を動かす“環境”を求めるようになりました。

厳しい言い方になりますが、椅子に座り続ける事は身体目線で考えると、体力を失い、筋力を失い、骨格や姿勢までもを失います。その分、科学と知識の発展をした今この時代を生きる私たち現代人は、意識をしたり身体を壊さないような工夫したりが必要です。
幸いにもその工夫も小さなもので大きな変化を生みます。ご紹介した通り座盤にタオルやクッションを置くだけでも、作業中に身体を少し動かすだけでも全く違う未来が待っています。

ジムに通わなくとも、仕事帰りにランニングをしなくとも、あなたの身体が変わるチャンスはあります。毎日120%でお勤めに励んでらっしゃる皆さま、ご紹介したことに是非チャレンジしてみてくださいね。

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