ダンベルを使った大胸筋の筋トレ!上部・中部・下部に効くやり方とは

監修者

勝俣智之

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

【プロトレーナーによる胸筋へのアプローチ解説!】ダンベルを使用したトレーニングの紹介、ダンベルの効果、負荷と回数を分かりやすく紹介します!

ダンベルが胸筋のトレーニングに効果的な理由とは?

胸筋を鍛えたいのですがダンベルで行うことも有効と聞きました。ダンベルで行う利点というものがあるのでしょうか?

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

胸筋もそうですが、トレーニングはダンベル、バーベル、マシン、自重など様々です。それぞれ利点はありますが、今回はダンベルを使用した利点をお伝えしていきましょう。

①可動域

ダンベルとバーベルベンチプレスの可動域の違い
まずは動かせる範囲が広いという利点があります。これを「可動域」と呼びます。

ダンベルを使用した胸筋のトレーニングは、この可動域が広く実施できるというメリットがあります。

バーベルを使用した胸筋のトレーニング、ベンチプレスと比較してみましょう。

バーを胸部まで下げると、それ以上グリップの位置を下へ下げることはできません。バーは真っ直ぐの鉄の棒ですので特性上仕方のないことですが、より胸筋にストレッチをかけたい方には不向きと言えます。

一方ダンベルの場合は胸部より更に下に下げることができるので、より胸筋にストレッチをかけることができます。

②細かな軌道調整が可能

ダンベルベンチプレスの軌道
ダンベルは片腕ずつ使う種目なので、それぞれ軌道を修正できます。

マシンでは軌道が強制的に一定で調整されてしまうため修正が効きにくくなっています。
また、バーベルはマシンほど一定ではありませんが、バーという特性を考えると自由に動かせるわけではありません。

その点、ダンベルは調整が効きやすくなっています。
例えば肩に違和感や痛みを生じている方がいた場合、ダンベルでは違和感や痛みのでる角度やポジションをずらして実施することが可能です。

一方、ダンベルの使用は軌道の自由が効くぶん、フォームが安定しないというデメリットもあるので注意が必要です。

③バリエーションの多さ

ダンベルを捻る動き
3つ目はバリエーションです。

ダンベルはそれぞれの腕が独立した動きが可能となるため、肩腕ずつ実施できるメリットがあります。ですのでダンベルプレスを右腕、左腕を交互に動かすパターンや、片側のみ連続で行う方法が可能です。

また前述したバーベルのように繋がりがなく、それぞれ独立しているため「捻じる」動きができのも大きな特徴です。
そういった観点から、バリエーションの多さは他のツールと比べ多いと言えます。

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

ダンベル、バーベル、その他自重トレーニングなどそれぞれ特徴があります。目的に合わせて選択していきましょう!

ダンベルで大胸筋を鍛えるトレーニングメニュー7選!

ではここからダンベルを使った胸筋の鍛え方を7つ紹介していきます。

ダンベルプレス

◯鍛えられる筋肉
大胸筋中部、上腕三頭筋(二の腕)

1.フラットベンチにダンベルを持って仰向けになります。
2.腕を天井に垂直に伸ばし(肘はやや曲げます)、ダンベルは平行にします。
3.肘を曲げながら、ダンベルを胸の横に来るまで下げていきます。この時に肘は90°を目安にします。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
肩甲骨を常に寄せておき、常に胸を開いた意識で実施することでより高い効果が期待できます。これはこの後紹介するほぼ全ての種目(プルオーバーを除く)の共通事項となります。

ダンベルフライ

◯鍛えられる筋肉
大胸筋

1.フラットベンチにダンベルを持って仰向けになります。
2.腕を天井に垂直に伸ばし(肘はやや曲げます)、ダンベルは平行にします。
3.肘をやや曲げた状態のまま、腕を横に開くようにダンベルを胸と同じ高さまで下げていきます。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
ダンベルプレスが肘を曲げて行うのに対し、フライは肘の角度が変わりません。
ダンベルプレスは大胸筋の他に上腕三頭筋(二の腕)の筋肉も多く使いますが、ダンベルフライはあまり多く使わないといった違いがあります。

インクラインダンベルプレス

インクラインダンベルプレスのフォーム
◯鍛えられる筋肉
大胸筋上部

1.インクラインベンチにダンベルを持って仰向けになります。
2.腕を天井に垂直に伸ばし(肘はやや曲げます)、ダンベルは平行にします。
3.肘を曲げながら、ダンベルを胸の横に来るまで下げていきます。この時に肘は90°を目安にします。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
応用でダンベルフライで同じようにインクラインにして大胸筋上部を鍛える実施することも可能です。

デクラインダンベルプレス

デクラインダンベルプレスのフォーム
◯鍛えられる筋肉
大胸筋下部

1.デクラインベンチにダンベルを持って仰向けになります。
2.腕を天井に垂直に伸ばし(肘はやや曲げます)、ダンベルは平行にします。
3.肘を曲げながら、ダンベルを胸の横に来るまで下げていきます。この時に肘は90°を目安にします。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
応用でダンベルフライで同じようにデクラインにして大胸筋上部を鍛える実施することも可能です。

ダンベルプルオーバー

◯鍛えられる筋肉
大胸筋下部

1.フラットベンチにダンベルを持って仰向けになります。ダンベルは1つを両手で持ちます。
2.腕を天井に伸ばし、肘はやや曲げておきます。
3.肘の角度を変えないよう、バンザイをするように頭の上までダンベルを持ち上げます。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
基本的な胸筋の種目は身体に対し横に広げていくような種目が多いですが、こちらは縦方向に対しての手段です。
主に大胸筋下部に対して効果がありますが、背中の筋肉(広背筋)への意識が高くなることもこの種目の特徴です。

ワンハンドダンベルプレス

◯鍛えられる筋肉
大胸筋、体幹

1.フラットベンチに片腕でダンベルを持って仰向けになります。
2.ダンベルを持っている腕を天井に垂直に伸ばし(肘はやや曲げます)、ダンベルは床と平行にします。
3.肘を曲げながら、ダンベルを胸の横に来るまで下げていきます。この時に肘は90°を目安にします。
4.同じ軌道を通しながら持ち上げます。
ダンベルプレスの応用です。
片腕で行うことにより、体幹のバランスと安定性が要求されるメニューです。ダンベルフライで実施することも可能です。

オルタネイトダンベルプレス

◯鍛えられる筋肉
大胸筋、体幹

1.フラットベンチにダンベルを持って仰向けになります。
2.片腕を天井に垂直に伸ばします(肘はやや曲げます)。もう片方の腕は胸の横に肘90°程度に曲げキープしておきます。
3.伸ばしている腕を肘を曲げながら胸の横に肘90°を目安に下ろします。
4.下ろした腕をキープしつつ、もう片方の腕を天井に向けて伸ばしていきます。
5.繰り返します。
左右交互に行うトレーニングです。こちらもアンバランスな姿勢を要求されるため、体幹の安定性が求められます。
こちらもダンベルフライで応用できます。

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

部位によって方法が異なります。今回は7種目紹介しましたが、プレスとフライ、インクライン、デクラインを組み合わせればさらに変化がつけられます。

ひとつの種目を長く続けると効果が薄くなってくるため、そのときは変化が必要です。
身体を慣れさせない工夫が必要です。

胸筋を筋肥大させるための負荷・回数

筋肥大した胸筋

胸筋をトレーニングで大きくしたいのですが何を気をつければ良いですか?

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

筋肥大ということですね。大事なのは負荷(重り)と回数です。それでは説明していきましょう。

筋肥大に必要な回数

筋力トレーニングの目的は主に3つあります。
筋力アップ、持久力アップ、そして筋肥大です。それぞれ方法が異なります。

まずは回数による違いは以下の通りです。

■筋力アップ:3〜6回
■持久力アップ:20〜30回
■筋肥大:8〜12回

研究機関や書籍、考え方の違いにより若干の差はありますが概ね上記の通りです。
それぞれ刺激が入る筋繊維が異なるため、違いで出ています。
この回数になったあたりで限界をむかえる(オールアウト)くらいの重量調整がポイントです。

筋肥大に必要な重量

前述した通り、目的に合わせた設定回数あたりで限界をむかえるくらいの重量が理想です。

◯筋肥大に効果的な重量
1回最大挙上量の65%〜80%くらい

筋肥大であれば1回最大挙上量の65%〜80%ぐらいが概ね8〜12回で限界をむかえるとされています。

もしベンチプレスで100kg挙げられるのであれば、65〜80kg程度といった感じです。

勝俣智之監修トレーナーからのアドバイス

⬛︎所有資格 理学療法士、NSCA-CSCS ⬛︎指導実績 2016/2017 U18野球日本代表合宿サポート、横浜リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師

負荷と回数は非常に重要な課題です。可能な限り設定回数で限界をむかるほどの負荷で行いましょう。