日本人の食卓に欠かすことのできない納豆。健康に良い食品のイメージが強い納豆ですが、糖質制限ダイエットには向いているのでしょうか。納豆1パックの糖質・カロリーはどのぐらい?納豆に含まれている栄養素、ダイエットへ効果的な食べ方などをご紹介します。
納豆とは?納豆のカロリー、糖質、脂質、タンパク質を他の食品と比較
納豆とは
納豆とは、大豆を納豆菌によって発酵させて作った、日本の伝統的な発酵食品です。ねばねばとした糸を引くのが特徴で、独特の匂いと風味があります。製造工程は、まず大豆を水洗いし、小石やごみを取り除きます。18時間ほど水に漬けて、倍くらいの大きさの粒にします。圧力なべで80分ほど煮込んで、指で簡単につぶせるぐらいの柔らかさにします。煮豆が熱いうちに納豆菌をかけて、全体にいきわたるようによくかき混ぜます。発酵させて、糸を引くようになったら納豆の完成です。11世紀の書物ですでに納豆の存在が確認されており、その歴史はとても長いです。古くから人々に親しまれ、日本の食卓には欠かせない存在となっています。納豆は、「畑の肉」と呼ばれるほど豊富な栄養を含んでおり、健康食品としても重宝されています。
納豆の種類
「塩辛納豆」は、大豆や小麦と麹菌を一緒に塩水に漬けて作られます。別名「寺納豆」とも呼ばれており、こちらは糸を引きません。出来上がりまでに数カ月から1年と、長い時間を要します。塩味と旨味が調和し、独特の風味を楽しむことができます。
納豆の粒の大きさも色々なものがあり、大きく分けると大粒、中粒、小粒、ひきわりの4種類があります。
大粒納豆は、直径約8㎜の大きな粒で、食べ応えがあります。粘りは少なめで、歯ごたえがあります。大豆が大きい分、芯の方には大豆本来の甘みがあり、素材の味をそのまま楽しむことができます。ご飯にかけて食べるよりは、おかずとしてそのまま食べたり納豆汁として食べることが多いです。昭和40年代ごろまではこの大粒納豆が主流でした。
中粒納豆は、直径約7.3㎜の粒です。ごはんにかけて食べる際にバランスが良いサイズです。
小粒納豆は、直径約5.5㎜ほどの粒で、現代では一番ポピュラーなサイズです。子供でも食べやすいサイズで、強い粘りがあります。冷蔵庫や冷凍技術が普及した戦後から一気に広まりました。
ひきわり納豆は、通常の納豆と違い、大豆を細かく砕いてから発酵させます。そのため、風味や栄養面も通常の納豆とは少し違います。砕いてから発酵させる分発酵スピードが早く、独特の風味があります。ごはんにかけて食べたり、あえ物、ソースとして使用されることもあります。粒が細かいので離乳食としても使用できます。主に秋田県で好まれています。
納豆のカロリー、糖質、脂質、タンパク質
納豆のカロリーは、1パック50gあたりで100kcalです。糖質量は2.7g、脂質量は5g、タンパク質量は8.25gとなっています。
100gあたりだと、カロリーは200kcal、糖質量は5.4g、脂質量は10g、タンパク質量は16.5gです。
大豆を主原料としているため、糖質量は少なめです。「畑の肉」と称されるほどなので、タンパク質量は多めとなっています。
同じ大豆製品の豆腐と比較してみると、豆腐の100gあたりのカロリーは55kcal、糖質量は0.5g、脂質量は3g、タンパク質量は4.9gです。
カロリー、糖質、脂質、タンパク質すべてにおいて納豆の方が上回りますが、納豆にはそれだけダイエットに必要な栄養素もたくさん含まれています。
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納豆の栄養素や成分および期待される効果
ナットウキナーゼ
納豆には、納豆独自の栄養素である「ナットウキナーゼ」が豊富に含まれています。ナットウキナーゼは、納豆菌によってつくられる酵素の一つです。
血液をサラサラにする効果があり、血栓を予防したり、血栓を溶かす酵素を活性化します。動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など、命に関わる血管系の病気を予防します。また、エコノミー症候群の予防にも有効です。
植物性タンパク質
納豆の主原料である大豆には、植物性のタンパク質が豊富に含まれています。お肉や魚に含まれるタンパク質とは違い、植物性タンパク質がほとんど脂質が含まれていないためダイエット中に最適な栄養素です。タンパク質はダイエットには欠かすことのできない重要な栄養素で、筋肉や髪の毛、皮膚、爪などを健康に保つ働きがあります。タンパク質が不足すると、髪がぱさぱさになったり、肌や爪がボロボロになったり悪影響が出るので、しっかりと摂取する必要があります。
レシチン
レシチンとは、約13%のコリンを含むリン脂質の一種で、細胞膜の主成分になります。
コレステロールをあまり含まず、血液をサラサラにする作用があります。レシチンには脂溶性の物質を溶かす乳化作用があり、血液中のコレステロールを溶かして血流をスムーズにしてくれます。体から余分なコレステロールを排出し、動脈硬化などの血液トラブルを予防することができます。
代謝を良くしたり、脂肪を燃焼させる効果もあり、ダイエットの強い味方となる栄養素です。
サポニン
大豆に含まれているサポニンには、身体に脂肪が溜まるのを防いで肥満を防止してくれる働きがあります。
血中の悪玉コレステロールを下げる効果もあります。動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑えてくれ、生活習慣病の予防にもなります。
基礎代謝や免疫力をアップしてくれるなど、健康維持のためにとても重要な役割を果たします。
イソフラボン
大豆には、ポリフェノールの一種である大豆イソフラボンが豊富に含まれています。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと同じような働きをすることで有名で、女性の健康と美容に大きな効果をもたらします。
また、男性のアンチエイジングにも効果的です。エストロゲンという成分の分泌を促進し、イライラや不安、頭痛といった更年期障害の症状を改善する効果もあります。
コレステロールを下げて体脂肪を減らす働きもあるので、ダイエットに効果的です。
ビタミンB2
大豆にもともと豊富に含まれているビタミンB2ですが、納豆菌により発酵させて納豆にすることでその量は約2~4倍になります。
ビタミンB2は水溶性ビタミンの一種で、タンパク質の合成に関わります。細胞の再生や皮膚、髪、爪などをつくり、全身の成長と維持を助ける働きがあります。また、粘膜を保護し、目や舌、唇を健康に保ちます。「美容ビタミン」と呼ばれるほど美容効果が高く、肌や髪を美しくしてくれます。
納豆は糖質制限ダイエット向き?食べ方のコツ
納豆は糖質制限ダイエット向き?
納豆は糖質が低いので、糖質制限ダイエット中にもおすすめの食品です。食べすぎには注意が必要ですが、適度な量を守って食べればとても効果的にダイエットすることができます。
納豆は栄養価が高く、先ほどご紹介した通り健康にも様々な効果があるので積極的に食生活に取り入れましょう。
ここでは、納豆を食べて効果的にダイエットするためのコツをご紹介します。
加熱せずに食べる
納豆に含まれている栄養素、ナットウキナーゼは70度以上に加熱すると消滅してしまいます。せっかくの栄養素を無駄にせずしっかり摂取するために、納豆は加熱せずにそのまま食べるようにしましょう。
キムチと混ぜて食べる
キムチにはカプサイシンという成分が豊富に含まれており、脂肪を燃焼する効果があります。
キムチの乳酸菌と納豆の納豆菌を一緒に摂取することによって、相乗効果が生まれ腸内環境が整えられます。体内の循環が良くなり、代謝が良くなるのでダイエット効果が高まります。
しかしカプサイシンには食欲を促進させる効果もあるので、食べ過ぎないように量には気を付けましょう。
オリーブオイルを混ぜて食べる
オリーブオイルを混ぜて食べるのも、ダイエットに効果的です。
オリーブオイルは、腸で吸収されにくいため、便を柔らかくし便通を良くする働きがあります。便秘は、お腹がポッコリするだけでなく肌荒れや腹痛、痔などの体調不良の原因にもなります。
納豆とオリーブオイルを一緒に摂取することによって腸内環境を良くして便秘を解消できます。
大根おろしと組み合わせて食べる
大根おろしと組み合わせて食べるのもおすすめです。
大根おろしには食物繊維が豊富に含まれており、納豆と一緒に食べることで少量でも満足することができます。長時間にわたり満腹感が持続するので、無駄な間食を防ぎ、辛い空腹を感じることなくダイエットすることができます。
食物繊維は便通を良くして便秘の解消にも効果があるので、腸内環境も整います。
夜に食べるのがおすすめ
納豆といえば朝食のイメージがありますが、おすすめのタイミングは夜に食べることです。
ナットウキナーゼは、夜に活発に働きます。食べてから10時間~12時間働いてくれるので、夕食に納豆を食べると寝ている間にナットウキナーゼが働き、血流を良くしてくれます。
血流が良くなることで、肌や髪に効率的に栄養が届き、美容効果も高まります。
また、納豆に含まれているアルギニンは、成長ホルモンの分泌を促してくれる働きがあります。人間は眠りについてから2時間~3時間で「お肌のゴールデンタイム」と呼ばれる時間に入り、成長ホルモンを分泌します。その時間にアルギニンが作用して分泌をさらに促進するので、美肌にとても効果的なのです。
糖質制限ダイエットにおすすめの納豆の食べ方
納豆ささみ
・ささみ 5本
・マスタード 小さじ2杯
・料理酒 大さじ1杯
・白だし 小さじ2杯
・ごま油 小さじ2杯
・納豆 1パック
・ネギ 適量
【作り方】
1.ささみの筋を取り除きます。フォークの間に筋を通したら、布巾などでつかみ一気に引っ張ると簡単に取れます。
2.ささみを耐熱容器に入れて、水をひたひたに入れます。更に料理酒を加え、ふんわりとラップをします。
3.600Wで4分ほど、ささみ全体に熱が通るまで加熱します。
4.お湯を捨てて、粗熱を取ります。冷めたら手で食べやすい大きさに割いていきます。
5.ささみをボールに入れて、その中にマスタード、白だし、ごま油を加えて全体をよく混ぜます。
6.納豆を加えて、軽く混ぜます。
7.上から小口切りにしたネギを軽く散らして出来上がりです。