厚揚げの糖質は?糖質制限ダイエット向きか?その他の栄養素も解説

厚揚げの糖質量は非常に低いので、糖質制限ダイエットには利用可能です。しかし、カロリー量が高いので、ダイエット向きの食品ではありません。厚揚は豆腐から出来ている為、大豆の栄養素も含まれているメリットがあります。

厚揚げの簡単な基礎知識

厚揚げとは

厚揚げは豆腐を大きめに切り、油で揚げた食品です。揚げ豆腐とは異なり、表面を180~200高温の油でサッと揚げる事がポイントです。表面のみ油で揚げるので、中の豆腐本来位の旨味を残したまま、表面に食感と香ばしさが加えられます。豆腐の柔らかさと揚げた部分の食感が絶妙ですよね。中は軽く火が通る程度で、揚げられていないため、煮物やおでんの水分を吸収して美味しさを増します。煮物やおでんに種として加えられる他にも、そのまま油揚げを食事の一品として食べる方もいるようです。

厚揚げのカロリー・糖質・脂質・タンパク質量

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
厚揚げ(1枚200g) 300 0.4g 22.6g 21.4g
厚揚げ(100g) 150 0.2g 11.3g 10.7g
上の表が厚揚げ1枚と100gの食品分析です。厚揚げ100gのカロリーは150kcalと高いのですが、糖質量は0. 2gと低い事が分かりますね。脂質量は11. 3gと高い数値が表れています。表面の油が脂質を高めているのは明らかです。そしてタンパク質量は10.7gと高めである事が分かります。

厚揚げと他の食品とのカロリー・糖質・脂質・タンパク質を比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
厚揚げ(100g) 150 0.2g 11.3g 10.7g
高野豆腐(100g) 5.7 3.9g 33.2g 49.4g
木綿豆腐(100g) 72 0.4g 4.2g 6.6g
絹こし豆腐(100g) 56 2g 3g 4.9g
卵豆腐(100g) 79 2g 5g 6.4g
白米ご飯(100g) 168 36.8g 0.3g 2.5g
ここでは厚揚げのカロリー量と3大栄養素の量を詳しく比較したいと思います。厚揚げのカロリー量は150kcalで高野豆腐の26倍、木綿豆腐の約2倍、絹こし豆腐の2.7倍、卵豆腐の1.9倍、白米ご飯とほぼ同量です。厚揚げ100gは厚揚げ半分です。厚揚げを半分食べただけで白米ご飯100g(お茶碗に8割)と殆ど同カロリーです。

カロリーはかなり高い厚揚げですが、糖質量は高野豆腐の約5%、高野豆腐の半分、絹こし豆腐と卵豆腐の10%白米ご飯の0.5%の低さです。しかし油で揚げられているだけあり、脂質量は高くなっています。厚揚げの脂質量11.3gは高野豆腐に比べると約3分の1程度ですが、木綿豆腐の2.7倍、絹こし豆腐の3.8倍、卵豆腐の2.3倍、白米ご飯の38倍の高さです。
タンパク質は超高タンパクである高野豆腐の22%ですが、ほかの豆腐類に比べると比較的高くなっていますね。木綿豆腐の1.6倍、絹こし豆腐の2.2倍、卵豆腐の1.7倍、白米ご飯の4.3倍です。

覚えておきたい厚揚げの栄養素

大豆からは良質なアミノ酸を摂取できる

厚揚げは豆腐を揚げたもので、豆腐は大豆から出来ています。その為、厚揚げからは大豆の栄養素を摂取する事が可能です。大豆は「畑の肉」と呼ばれる事もある程、豊富なタンパク源です。その為、厚揚げを食べる事で、良質なアミノ酸から出来上がっているタンパク質を摂取する事が可能です。タンパク質は異なる種類のアミノ酸から成り立っています。人間の体内では作成することが出来ない必須アミノ酸であるバリンやロイシン、トリプトファン、イソロイシンなども含まれています。バリンはエラスチンと呼ばれるコラーゲンとヒアルロン酸と共に肌の成分を構成している成分の元になります。バリンの摂取は美肌効果や、肌組織の伸縮性を向上させることで肌のハリを良くしたり、たるみ防止にも効果があります。

運動や筋トレによって筋肉に負荷がかかると、筋肉分解と呼ばれる作用が著しく起こります。これは、エネルギー源の量が低下した際などに、筋肉細胞を分解してエネルギー源として利用する身体の仕組みです。この筋肉分解は筋肉が燃焼されてしまうので、筋肉量が減り、体作りやダイエットの妨げになります。大豆には必須アミノであるロイシンも含まれていて、ロイシンにはこの筋肉分解を抑える働きがあります。通常は歳を取ると筋肉量が落ちますよね。この加齢による筋肉量の低下をサルコペニアと呼ぶのですが、ロイシンにはサルコペニアの防止や遅延にも効果がある事が明らかになっています。

また、イソロイシンと呼ばれる必須アミノ酸も含まれています。セロトニンと呼ばれる物質が脳内で増えると、疲労を感じやすくなります。イソロイシンにはこのセロトニンの濃度を抑制する働きがあるので、疲労を感じにくくする効果があります。

更にイソロイシンは血液中の糖質を筋肉に貯蓄する工程をサポートする働きもあります。これは、血糖値を下げることに直結します。血糖値を下げることによって、インスリンの分泌を抑制する事が可能になるので、糖尿病の予防や防止にも効果があります。

これら3つの必修アミノ酸はBCAA(Branched Chain Amino Acidsの略)と呼ばれるサプリメントの原料で、近年アスリートや健康志向の方々に注目されています。体内では作り出せないBCAAをサプリメントを摂取する事は、運動やトレーニングの効率やパフォーマンスの向上や疲労回復、コンディショニングに大きな効果をもたらします。もちろん、サプリメントに比べると少量ですが、大豆から出来ている厚揚げを食べる事で必修アミノ酸は、貴方の体作りをサポートしてくれるでしょう。

意外にも厚揚げは豊富なミネラル源とビタミン

厚揚げには鉄分、カルシウムとマグネシウムなどのミネラルが含まれています。鉄分は赤血球の中にあるヘモグロビンの構築に必要不可欠で、血液を作り出す働きがあります。血液の作成は貧血の予防や防止だけでなく、酸素の供給率を高めることで運動能力の向上も促します。自然と大きな負荷により長い間耐えられるようになるので、運動中の消費カロリーも無理なく引き上げられるでしょう。
カルシウムとマグネシウムは歯や骨、爪や髪の毛の強化を促してくれます。骨粗鬆症の予防はもちろん、骨を丈夫にする事は筋肉の成長を促す事にも繋がるので、筋肉量の増加による基礎代謝の改善効果も期待できるでしょう。基礎代謝が高まると、何もしていない間でも消費されるカロリーが増えますので、効率よくダイエットに取り組めますよ。基礎代謝を上げる事が太りにくく、痩せやすい体系へシフトを可能にします。

厚揚げにはビタミンB6も含まれています。ビタミンB6にはアミノ酸の代謝を助ける働きがあり、エネルギーの生産や筋肉や血管の強化にポジティブな働きをします。他にも神経伝達やDNAの作成を助ける働きもあります。

厚揚げは糖質制限ダイエットに向いているの?

厚揚げはダイエット向きではないけど、糖質制限ダイエットには利用可能

先ほど厚揚げの食品分析を見て分かったように、厚揚げの糖質はかなり低い数値です。糖質の摂取量をカットして食事をコントロールすると言う点では、厚揚げは糖質ダイエットに向いているでしょう。しかし、カロリー量は非常に高く、脂質も含まれています。その為、摂取カロリー量と脂質量が増大してしまいます。摂取するカロリー量と脂質量を最低限に減らす事はダイエットの基本でもあります。厚揚げは糖質量の摂取を抑えられるので、糖質ダイエットには利用できますが、高カロリーですので運動や筋トレをしっかりと行い、消費カロリーを増やすことが大切です。もし、消費カロリーを増やす事が難しいのであれば、他の食事からのカロリーを軽減すると良いでしょう。

ダイエット中に最適な厚揚げの食べ方

厚揚げは糖質量が非常に低く、タンパク質を有している良い点がありますが、高カロリーで脂質を有しているデメリットもあります。このポイントを頭に入れてから食べる方法を工夫すると、上手く厚揚げの良さを引き出しながらも、厚揚げのデメリットを小さくできるはずです。

高カロリーな食品は朝もしくは昼の内に摂取して、その日の内にエネルギー源として使用させるのが、脂肪を蓄えないようにするコツです。厚揚げも朝もしくは昼の内に食べるように心掛けましょう。すると、油揚げから摂取したカロリーを夜眠りに就くまでに消費できるので、身体に脂肪となって蓄えられることを避けられます。

そして、糖質量が低い厚揚げは、血糖値を引き上げる事がありませんので、GI値を高める事はありません。一日のエネルギー源として糖質の摂取が推薦されている朝に、お米や食パンなどの炭水化物と一緒に摂取すると、炭水化物のみを摂取した場合に比べると、全体のGI値が下がります。食事のGI値が下がると、インスリンの分泌量が減り、分泌スピードも穏やかになります。すると、脂肪の燃焼を抑制する働きや脂肪を体内にため込む働きを抑制できるでしょう。朝の空腹時は、特にGI値が急上昇しやすいので、炭水化物を食べる際に厚揚げを加えることで、GI値の急上昇を防げるでしょうまた、朝忙しい際にも、厚揚げからしっかりとタンパク質を摂取できるので、筋肉分解を抑えたり、筋肉のサポートや修復にも効果が期待できます。

厚揚げよりダイエットに良い食品は何?

ダイエットには厚揚げよりも高野豆腐が適しています。先ほどの食品分析の表をもう一度ご覧ください。高野豆腐が超低カロリーであることが分かります。そして、高野豆腐は非常に豊富なタンパク源です。タンパク源は筋肉の成長と回復に必要不可欠です。トレーニングや運動と共に高野豆腐からタンパク質を摂取する事で、筋肉量を増やすことが出来れば、基礎代謝が改善されるでしょう。すると、脂肪の燃焼率が高まり、効率よくダイエットに取り組めるようになるはずです。高野豆腐はとても食べやすく、準備も簡単ですので、手間を掛けずに身体作りをサポートしてくれます。脂質も含まれていますが、高野豆腐の脂質は良質で体に良い多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が80%を占めています。身体に害になりかねない動物性油である飽和脂肪酸の様に摂取量を気にする必要はりません。

ダイエット中に厚揚げを食べる時の注意点 

厚揚げの選び方

レストランや居酒屋ではその場で調理された厚揚げが食べられますが、家で煮物をする際や、そのまま食べる様には、自宅で豆腐を揚げて厚揚げを準備するのではなく、出来上がった厚揚げを購入する方が多いのではないでしょうか。

厚揚げはもともと豆腐で、生豆腐に保存料や添加物を加えて長持ちするように調整された後に高温で揚げられています。スーパー等で購入を考える際には、保存料や添加物の少ない商品を選ぶようにして下さい。また、ダイエット中には油のコーティングの量小さければ小さい程良いと言えるでしょう。外側の揚げられたコーティングの面積が小さくなるように、なるべく大きな厚揚げを選んで下さい。もし可能であれば、豆腐を揚げる際の油の質も調べてチェックできれば完璧です。ダイエット中に無駄なカロリーや脂質の摂取を減らして、より高タンパクな厚揚げを探し出すことが出来るはずです。

ダイエット向けの厚揚げのレシピ

お酒のおつまみに!肉&野菜入り厚揚げ

一口サイズに切った厚揚げの真ん中に切り目を入れましょう。その中に調理済みのひき肉や野菜を入れましょう。簡単にお酒のおつまみが準備できます。ひき肉を調理する際は、塩などの調味料に量は控えめにしましょう。野菜は生でも良いですよ。野菜の食物繊維や肉のタンパク質などの栄養価も摂取も一緒に可能です。特にお酒を飲む方は、高カロリーで糖質量の高いお酒のおつまみを控る事はダイエットを長期的に取り組むために重要です。糖質量が少なく高タンパクなこのメニューは、ヘルシーでダイエットをサポートしなてくれるでしょう。もしその上にチーズを載せれば、チーズのタンパク質などの栄養価も同時に摂取できますしより美味しく出来上がるでしょう。

お酒に合う、美味しくて低糖質、高タンパクなレシピのバリエーションを多く持っていれば、楽しくダイエットに取り組む事が出来るでしょう。厚揚げの上にシソを敷いてその上に納豆を載せてみたり、大根おろしを載せてみたり、工夫をしてみると良いでしょう。 厚揚げは様々な食材と相性が良いので、色々と試してみては如何ですか?