魚肉ソーセージは糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

魚肉ソーセージは魚のすり身から出来ている為、ダイエットや健康に良い効果があります。しかし、糖質の量が非常に高いので糖質制限ダイエットには不向きです。今回は魚肉ソーセージのダイエット中の食べ方や、栄養素の効果などを解説したいと思います。

魚肉ソーセージの簡単な基礎知識

魚肉ソーセージとは

魚肉ソーセージは、魚のすり身を袋状のプラスチックやビニールなどのケージングに入れて加熱して作る加工食品です。日本では、魚のすり身が全体の50%以上含まれている商品のみに、魚肉ソーセージの表示が許されています。魚のすり身の他には豚脂や調味料、香辛料、結着の為の卵の卵白や化学調味料が加わります。これらの原料がしっかりと混ぜ合わされた後に、高圧消毒と高温消毒が行われます。魚のすり身の成分が15%以下だとソーセージ、15~50%の間だと混合ソーセージと表示されます。加工品であるため、保存期間が非常に長いので、冷蔵庫に入れておけば、小腹が空いた時の間食や、食材切れに困った時に活躍しますね。

普通のソーセージとの違い

まず魚肉ソーセージと普通のソーセージの大きな違いは、肉の種類が違う事です。通常のソーセージは豚のひき肉や場合によっては羊や鹿の肉などの動物の肉が利用されます。そして血を混ぜたり、異なる種類の動物の部位や肉を混ぜる事もあります。

2つ目の違いはケージングです。魚肉ソーセージのケージングは食べる事の出来ないプラスチックやビニールが使われています。食べる前に剥がす必要がありますよね。通常のソーセージは、混ぜ合わせた肉を動物の腸に詰めて乾燥させます。羊の腸でケージングされたソーセージはウィンナーソーセージ、豚の腸でケージングされるとフランクフルト、牛の腸のソーセージがボロニアソーセージと分類されます。ウィンナーソーセージは小さく、フランクフルトソーセージは中くらい、ボロニアソーセージは太く大きいサイズをしています。

魚肉ソーセージのカロリー・糖質・脂質・タンパク質量

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
生ソーセージ(1本20g) 56 0.16g 4.88g 2.8g
生ソーセージ(100g) 279 0.8g 24.4g 14g
ボロニアソーセージ(1本500g) 1255 14.5g 105g 62.5g
ボロニアソーセージ(100g) 251 2.9g 21g 12.5g
魚肉ソーセージ(大1本90g) 145 11.34g 6.48g 10.35g
魚肉ソーセージ(100g) 161 12.6g 7.2g 11.5g
上の表が魚肉ソーセージとボロニアソーセージ、生ソーセージのカロリー量、3大栄養素を示している食品分析です。それぞれの100ℊ当たりの数値を比較してみましょう。魚肉ソーセージのカロリーは161kcalで、生ソーセージの58%、ボロニアソーセージの64%程で、カロリー量が低い事が分かりますね。しかし、魚肉ソーセージの糖質量は生ソーセージの79倍、ボロニアソーセージの4. 3倍の高さです。魚肉ソーセージの糖質量は他のソーセージよりもかなり高い数値が表れていますね。そして魚肉ソーセージの脂質量は7. 2gです。これは生ソーセージとボロニアソーセージの約3割程に抑えられていてます。タンパク質量では、どのソーセージにも大きな開きはありませんが、魚肉ソーセージのタンパク質量はやや低めです。

知っておきたい魚肉ソーセージの栄養素

不飽和脂肪酸であるDHAが含まれている

魚肉ソーセージは魚のすり身から出来ている為、魚の栄養素であるDHA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。不飽和脂肪酸は動物性の脂質である飽和脂肪酸とは異なり、摂取する事で身体に良い効果を期待できます。
魚を食べるのに比べると少量ですが、少しでも良い効果を期待する事は可能です。DHAは血液をサラサラにする効果があり、コレステロール値や血糖値を下げたりするのに役立ちます。血糖値が下がるとGI値が下がり、インスリンの過敏分泌を防げます。これは脂肪の吸収率を抑えたり、脂肪の燃焼率を維持できるので、中性脂肪を減らす事がダイエットに役立つでしょう。もちろん、血液がサラサラになる事で高血圧や動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも効果的です。
また、DHAには脳細胞や神経細胞の活性化を促す効果もあるので、記憶力UPや神経伝達の改善による判断力の向上、アルツハイマー型認知症の予防にもポジティブな働きをします。

魚肉ソーセージには魚のミネラルも!

魚肉ソーセージには様々なミネラルやビタミン類も含まれています。その殆どが魚から来ているのですが、カリウム、亜鉛、銅、鉄分などが含まれています。鉄分は赤血球を構成しているヘモグロビンに必要不可欠で、血液を作り出すのに役立ちます。鉄分は現代の食事で不足しやすく、不足すると貧血やうつ病の原因になりかねません。赤血球と血液の量が少なくなると、筋肉細胞に酸素を運ぶ働きが低下します。すると当然ですが、運動能力も低下します。しっかりと鉄分を摂取する事で、息切れしずらくなり、より大きな負荷を長い間、身体に掛けられるようになるでしょう。他には骨や歯の強化やストレスに効くカルシウムとマグネシウムも魚肉ソーセージには含まれていますよ。

魚肉ソーセージには様々なビタミンや食物繊維も!

ビタミンB群は8種類あるのですが、魚はこの8種類全てを兼ね備えているので、魚肉ソーセージからも全てのビタミンB2群を摂取する事が可能です。
血管を膨張させて血流を良くする効果があるビタミンB3(ナイアシン)は、筋肉細胞への酸素や栄養素の供給率を高めます。また、神経系の働きを促進する働きもあるので判断スピードが上がります。この2つのビタミンB3の効果は、多くのスポーツや運動のパフォーマンスUPに直結します。運動やスポーツをより楽しめるでしょうし、楽しく取り組むことが更なるモチベーションになるのではないでしょうか?
カルシウムを効率よく吸収する為に不可欠なビタミンDや強力な抗酸化物質であるビタミンEも魚肉ソーセージには含まれています。ビタミンEは、エネルギーを生み出す過程で作り出されるフリーラジカルと呼ばれ、細胞を酸化を促す電子から細胞を守ります。DNA細胞などの酸化がフリーラジカルによって進むと老化が進むだけでなく、発がんのリスクも高まってしまいます。ビタミンEの摂取は健康管理にもアンチエイジングの為にも大切です。
また、魚のすり身の食物繊維も魚肉ソーセージには含まれていますので、デトックス効果やGI値を下げることでインスリンの分泌を抑えて脂肪の燃焼も促します。

魚肉ソーセージは糖質制限ダイエットには不向き

糖質制限中の魚肉ソーセージはNG

先ほどの食品分析の比較から、他のソーセージと比べると、魚肉ソーセージの糖質量がずば抜けて高い事が分かりますよね。糖質制限ダイエットとは、糖質の摂取量を可能な限りカットしながら行うダイエット方法です。ですので、糖質の量が高い魚肉ソーセージは糖質制限ダイエットには向いていません。カロリー量や脂質量が高くても、魚肉ソーセージよりも生ソーセージやボロニアソーセージの方が糖質制限ダイエットには適していると言えるでしょう。生ソーセージもしくはボロニアソーセージの糖質の量は低めでも、カロリーや脂質の量が高いので、運動や筋トレを通してのカロリー消費は必要ですよ。

魚肉ソーセージではなく、魚を食べよう!

魚肉ソーセージは魚のすり身から出来ているので、魚の栄養素である、不飽和脂肪酸のDHAを含んでいたり、良質のアミノ酸からなるタンパク質を有していたりします。しかし、魚肉ソーセージは加工食品で、実際の魚の切り身は全体の50%~60%程度です。他はダイエットには良くない豚脂だったり、身体に良くない添加物や着色料、保存料です。ダイエット中の食事として摂取するにはあまり効果的ではありません。しっかりとダイエットを成功させたいのであれば、魚肉ソーセージはではなく、魚その物を食べる様に心がけましょう。魚肉ソーセージにはダイエット中に摂取したくない成分も40%~50%程摂取してしまいます。

魚肉ソーセージはいつ食べる?

魚肉ソーセージはダイエットに最適な食品ではありません。しかし、魚のすり身や豚脂が原料であるため、タンパク質を含んでいます。決してダイエットの為に自ら選んで食べるべき食品ではありませんが、スナック菓子やスイーツを食べるのに比べるとかなりましです。カロリーや糖質量、脂質量が非常に高く、添加物や着色料の塊であるスナック菓子やスイーツを食べるのであれば、魚肉ソーセージに置き換えると良いでしょう。

他にも、お酒のおつまみとして利用するのも悪くありません。お酒のおつまみは塩分の量がかなり高く、高カロリー&高糖質である場合が殆どです。このようなおつまみを食べるよりは、魚肉ソーセージの方が栄養素が高く、カロリー量や糖質量も低く抑えられるでしょう。

魚肉ソーセージを食べる際の注意点や選び方のコツ

添加物や着色料、保存料に気を付けよう!

魚肉ソーセージは加工品で、添加物や着色料、保存料が加えられています。これらの成分は身体にマイナスの働きをする物質が多く、身体に良くありません。
添加物や着色料、保存料は天然の物質でないことが多く、肝臓が毒であると判断して、身体の外へ排出しようとします。少量の摂取は全く問題ありませんが、肝臓には負担が掛かります。もし継続してこれらの物質を摂取した場合、肝臓が処理できる量を上回り、身体に蓄積されてしまうでしょう。蓄積された添加物や着色料などは発がんの可能性を高めたり、うつ病などの病気を引き起こす恐れもあるので注意したいですね。

魚肉ソーセージの塩分にも注意しよう!

魚肉ソーセージのナトリウムの量は高いので、簡単に塩分の取りすぎになってしまいます。魚肉ソーセージ100gには810㎎のナトリウム(塩分)が含まれています。これは一日の成人の摂取量の54%に当たります。通常の食事でも塩分を摂取しますので、魚肉ソーセージを100g食べると、その日の塩分は摂取量を超えてしまうので、かなり高い確率で塩分を過敏に摂取してしますでしょう。塩分の摂取量が多いと、血圧が上がり、血管を傷つけてしまったり、頭痛、心臓病などのリスクが高まってしまいます。

また、多くの塩分が体内に取り込まれると、全身細胞が塩分を吸収します。すると、細胞は塩分濃度を調整する為に水分を取り込みます。水分を取り込んだ細胞は膨張します。この細胞による水分の吸収が「むくみ」の原因です。
さらに、体内の塩分濃度が高いと、塩分濃度の調整の為に消化液の分泌も盛んになります。消化液の分泌量が増えるのは、消化の効率を上げてくれるので良い事なのですが、食欲の増大にも繋がてしまいます。すると、食べる量が自然と増えるようになるので、ダイエットの妨げになりかねません。

魚肉ソーセージの製品選び

スーパー等で魚肉ソーセージを購入する際には、幾つかの選択肢があるはずです。ダイエットになるべく良い商品を選ぶ事で、無駄なカロリーや糖質の摂取を控えられるでしょう。また、魚肉ソーセージから得られるDHAや良質なアミノ酸からなるタンパク質の摂取量を最大限引き出せるはずです。その為にも、魚のすり身の割合が高い商品を選びましょう。また、製造日と賞味期限を確認して、その間の期間が短い商品を優先しましょう。これは保存料を調べる際に有効で、魚肉ソーセージに限らず、様々な加工食品の購入の際に使えるコツです。保存料の量が少ない商品は、比較的に添加物や着色料が控えめであるとも言えるでしょう。多少値段は高くなってしまうかもしれませんが、ダイエットを効率的に取り組めるようにする為なら価値はあるのではないでしょうか。