パスタの糖質は?角砂糖何個分?糖質制限中も食べてよいおすすめのパスタは?

小麦粉を使ったパスタは糖質制限ダイエットには向きませんが、ポイントを抑えれば食べられます。
糖質制限中にパスタを食べるときの注意点や、確実にダイエットを成功させるためのコツを紹介します。

パスタとは?

パスタとはイタリア生まれの麺の総称

「パスタ」といえばスパゲッティに代表されるような、細長い麺のことをイメージする人が多いのではないでしょうか。
イタリアでパスタというと、粉でつくられた「麺類」の総称のこと。パスタは大きく2種類に分けられ、ロングパスタとショートパスタがあります。
ロングパスタは日本人にも馴染み深い長い麺のことで、スパゲッティやスパゲッティーニ、リングイネやタリアテッレなど。
ショートパスタは短いパスタのことを指し、ペンネやマカロニ、オレキエッテやフジッリなどがあります。
ラザニアや薄くのばした生地の中に具材を詰めたラビオリも、パスタの仲間です。
これらはパスタのほんの一部で、イタリアには600以上ものパスタの種類があるといわれるほど。
生地そのものも小麦粉だけでつくるものや、卵やほうれん草を練り込んだものなど多彩です。
乾麺が一般的ですが、イタリアの家庭では手打ちで麺をつくることもあります。
パスタは日本人にとってのお米のような位置づけで、家庭料理には欠かせない「母の味」でもあるのです。
日本ではパスタというと少しおしゃれな洋風の食べ物というイメージがありますが、スパゲッティというとナポリタンや和風パスタなど日本独自の料理として広まっていますよね。

パスタにはどんな種類がある?カロリーや糖質をほかの麺類と比較

パスタのカロリーや糖質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
パスタ(100g) 149 26.9g 0.9g 5.2g
パスタ(1玉250g) 373 67.25g 2.25g 13g
成分表にもある通り、乾燥した状態のパスタ100gあたりのカロリーは149kcal、糖質がおよそ30gもあります。
レストランで出されるパスタは、コースに組み込まれるものなら乾麺で80~90g、ランチなどメインとして食べるものであれば100~120gが一般的です。
乾麺100gをゆでると一人前250gほどとなり、カロリーが373kcal、糖質が67g以上にまで増えます。
もちろん、麺だけを食べるわけではないので、1食分に摂取するカロリーや糖質はもっと増えるということです。
パスタに含まれる糖質を「見える化」するために角砂糖に置き換えてみると、一食分は麺だけでも22個分もあります。
角砂糖に置き換えると、パスタの糖質がいかに多いのかをイメージしやすいでしょう。

パスタとほかの麺類との比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
うどん(100g) 105 20.8g 0.4g 2.6g
そば(100g) 114 20.6g 0.7g 4.8g
パスタ(100g) 149 26.9g 0.9g 5.2g
ラーメンの麺(100g) 149 27.9g 0.6g 4.9g
そうめん(100g) 127 24.9g 0.4g 3.5g
パスタと、日本で一般的な麺類のカロリーや糖質を比較してみましょう。
茹でた後のうどん・そば・ラーメン・そうめんを比べた結果、一番カロリーが低いのはうどんです。
一般的にはそばが一番カロリーが低くてヘルシーだと思っている人が多いと思いますが、実際にはそばよりもうどんの方が低カロリーだということが分かります。
ただ、そばは血糖値が上がりにくい「低GI値食品」なので、食べ方を間違えなければ必要以上に避ける必要はありません。
ラーメンはイメージの通り、卵を使っているのでカロリーも糖質も高いです。
ラーメンはスープにも大量の塩分と糖質が含まれているので、糖質制限中には避けた方がいいでしょう。

パスタは糖質制限ダイエットには向かない

パスタの調理別のカロリーと糖質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
ミートソースパスタ(1皿393g) 614 83.08g 16.54g 12.85g
ペペロンチーノ(1皿277g) 505 75.04g 14.51g 13.99g
たらこパスタ(1皿346g) 742 67.88g 33.58g 32.19g
ボロネーゼパスタ(1皿571g) 623 78.04g 16.4g 24.57g
明太子クリームパスタ(1皿428g) 638 75.76g 21.53g 26.32g
ジェノベーゼパスタ(1皿311g) 751 68.31g 39.69g 18.61g
カルボナーラ(1皿369g) 779 68.62g 39.49g 26.32g
これまではパスタとほかの麺類のカロリーや糖質をみてきました。
今度はパスタを使った一般的な料理のカロリー・糖質・脂質・たんぱく質量を見てみましょう。
数あるパスタ料理の中で一番低カロリーなものはペペロンチーノです。
材料がにんにく・唐辛子・オリーブオイルのみとシンプルなので、一皿のほとんどが麺のカロリーとなっています。
一番カロリーが高いパスタ料理は、イメージ通りかもしれませんがカルボナーラです。
卵・チーズ・牛乳などが入っており、たんぱく質がとれますがカロリーの高さが気になりますね。
しかし、糖質が一番多いパスタ料理はミートソースという結果に。
ミートソースは玉ねぎやニンジンなどの糖質が多い野菜を使うので、思ったよりも糖質が高くなっています。
カロリーが一番低いペペロンチーノは、糖質においても一番低いですね。
糖質制限中にどうしてもパスタを食べるというのであれば、ペペロンチーノを選ぶとよいでしょう。
パスタは麺自体にカロリーや糖質が多く含まれていますし、組み合わせる味や具材も様々。
アレンジしやすい食材だからこそ、カロリーや糖質もほかの材料と一緒に大量にとってしまいがちです。

パスタは糖質が高いため糖質制限には向かない

パスタを使った料理別にカロリーや糖質を比べてきましたが、糖質制限ダイエットにはパスタは向いていません。
小麦粉を使った食材はそれだけでカロリーや糖質がありますし、炭水化物なのでほかの食材と合わせることでさらに高カロリーで高糖質な料理になってしまうからです。
ただ、パスタはうどんや白米に比べてダイエットにいい面もあります。それはパスタが比較的「GI値」の低い食品だということです。
GI値が低いほど血糖値が上がりにくくなり、インスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌量が減ります。
インスリンが出れば出るほどからだに脂肪が溜まりやすくなるので、血糖値が上がりにくい食品を食べることがダイエットに効果的なのです。
白米のGI値が80、食パンが91、うどんが85、そばが54であるのに対し、パスタのGI値は50と低く、ダイエットに向いています。
かといって糖質制限ダイエット中に一食分をお腹いっぱいに食べてしまえば、糖質やカロリーをとり過ぎて太るので注意しましょう。

糖質制限中にパスタを食べる際の注意点

ダイエット中はうどんやラーメンよりパスタを選ぶべき理由

先ほど麺類のGI値について触れましたが、ダイエット中にうどんやラーメンよりもパスタを選ぶべき理由は他にもあります。
パスタにはうどんやそうめん、ラーメンには含まれていない栄養素が含まれているからです。
食事制限をするダイエットの場合、食べるものが偏ることで栄養が不足しやすくなります。
パスタにはダイエット中に不足しがちなたんぱく質や食物繊維、ビタミンB1やB2、鉄分やナイアシンが含まれています。
また、パスタにはうどんやそうめんに含まれている塩分がないので、むくみにくくなる効果や高血圧などの生活習慣病予防にも。
そのため、うどんやそうめんを食べるよりもパスタを選ぶ方が、ダイエット的にはおすすめです。
しかし、当然ながら一食分をお腹いっぱい食べたり食べ過ぎたりすれば、カロリーや糖質オーバーで太ります。
糖質制限中にパスタをうまく活用するにはいくつか注意点があるので、以下で詳しくみていきましょう。

糖質制限ダイエット中にパスタは1食半人前に抑える

厚生労働省のデータによると、健康な人が1日に摂るべき糖質量は260gまでを目安にします。
厳しい糖質制限の場合、1日に摂取する糖質を40g以下にまで抑えるのが目標です。
白米1杯(約150g)にはおよそ55gの糖質が含まれているので、本気の糖質制限ダイエットの場合は1日にお茶碗一杯のご飯すら食べられません。
さすがにそれは厳しい…ということであれば、はじめは1日の糖質を目安量の半分の130gまでに抑える「ゆる糖質制限」にチャレンジしてみましょう。
ゆる糖質制限ダイエットの場合、1食に食べるパスタの量を半分に抑えれば、ミートソースパスタを食べても糖質は約40g。
パスタは1日に1回までにし、半人前に抑えることを意識するだけで炭水化物を食べられるので、ストレスが溜まりにくいですよね。

「糖質オフパスタ」に切り替える

うどんやラーメンよりパスタがいい、量を減らせばふつうのパスタを食べても大丈夫とはいっても、食べた後に罪悪感が残るのは避けたいですよね。
お腹もいっぱいになり、ストレスなくおいしくダイエットするには、糖質オフのパスタを選ぶのがおすすめです。
日本のある大手食品メーカーでは、一般的なパスタの糖質を50%カットしたパスタを販売しています。
また、ネット通販には、1食あたりの糖質を40g以下になるようにした麺とソースの7食セットなども。
ダイエット面だけでなく、味や添加物を使わないなど、健康面にも気を使って開発された商品がたくさんあります。
このような糖質オフを目的につくられたパスタを選ぶことで、無理に食事量を減らしたり糖質を気にしたりする必要がありません。
使う食材を考えたり糖質を計算したりする手間が省けるので、時短しながらダイエットできますね。

グルテンフリー「大豆粉パスタ」に切り替える

ダイエットを目的とした「グルテンフリー」が一部では流行していますが、グルテンフリーは糖質を抑えるにはぴったりです。
中にはこんにゃく麺もありますが、良質なたんぱく質がとれる大豆麺はとくにおすすめ。
たんぱく質は免疫力を高めたり肌の健康状態を保ったり、筋肉やからだの組織をつくったりするために欠かせない栄養素です。
また、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、女性は積極的にとることをおすすめします。
糖質をコントロールしながらからだにとって重要な栄養素をとれるため、健康的にダイエットしたい!という方には役に立つはずです。

イタリア流!糖質を抑えるパスタ料理のレシピ

簡単でおいしい!パスタを使ったダイエットレシピ

ここでは、糖質オフパスタや低糖質な麺が手に入らない!という人に向けて、スーパーで買える一般的なパスタを使った低カロリーで低糖質なレシピを紹介します。
オイルやにんにくを使わないイタリア流の簡単パスタは、ペペロンチーノよりも低糖質です。

「パルミジャーノパスタ」のレシピとつくり方

材料は以下の5つです。パスタの種類、チーズとオリーブオイルがポイントですが、分量を計算してつくるよりも自分の味覚に合わせるのがイタリア流。
パスタはスパゲッティよりも、幅広のリングイネかタリアテッレを選ぶことがポイントです。シンプルがゆえに材料選びによって味が変わりますよ。
スーパーなどに売られている粉チーズでもいいですが、熟成が進んだパルミジャーノを選ぶと味が格段にアップします。

・パスタ(幅が広いタイプの麺)
・エクストラヴァージンオリーブオイル
・パルミジャーノ・レッジャーノ(粉)
・塩
・粗挽き黒胡椒

つくり方も至ってシンプルです。
たっぷりのお湯を沸かし、ちょうどいいなと感じる塩分でパスタを適量茹でます。(糖質制限中であれば40~60g)
ゆで時間はパッケージを参考に、好みの固さに茹であげましょう。
茹で上がったら、パスタをザルにあげて湯切りします。ここでのポイントは、茹で汁を切りすぎないこと。
茹で汁を切りすぎるとパサパサで食べづらくなりますが、茹で汁が残りすぎてもベチャッとなるので好みの加減を見つけましょう。
軽く温めておいたボウルにパスタを入れ、エクストラヴァージンオリーブオイルを2回し入れて、しっかりと混ぜます。
お皿に盛り、好みの量のパルミジャーノチーズと黒胡椒をかけて完成です。
自分の好みで塩コショウを足したりオリーブオイルをかけたり、チーズをかけたりしながら食べます。

糖質制限ダイエット中でもチーズは食べて大丈夫です。だからといって食べ過ぎはカロリーオーバーになり、太ってしまうので気をつけましょう。

糖質制限ダイエットで太る理由は?結果を出す方法と注意点

糖質制限ダイエット中に太る原因はカロリーのとり過ぎかも

基本的には、糖質制限ダイエット中にパスタを食べることはおすすめできません。
しかし、どうしても食べたい!我慢できない!とストレスを抱えてしまうよりは、量や調理法に気をつけた上で食べましょう。
糖質制限ダイエットは糖質に気をつければ食事の量を減らす必要はないので、無理なく続けられて結果が出やすいというメリットがあります。
しかし、中には糖質制限ダイエットをして逆に太ってしまった、という意見も。
その場合は知らず知らずの内に糖質をとっていたか、カロリーオーバーであるかのどちらかが理由であることが多いです。
例えば、ハンバーグや魚肉ソーセージには小麦粉などのつなぎが入っており、想像よりも糖質を多く含んでいます。
また、糖質を完ぺきにコントロールしても、1日に5,000kcalもとっていたら痩せられません。
原因がこの2つの内どちらでもないのであれば病気が疑われるので、早めに医師に相談しましょう。

糖質制限ダイエットで痩せるために大切なポイント

糖質制限ダイエットは食事の量を減らして摂取カロリーを制限する一般的なダイエット法とは違い、食べられる食品が豊富です。
ダイエットの敵だというイメージが強いバターやマヨネーズ、肉を食べられるので満足度が高く、挫折しにくいですよね。
しかし、知らず知らずの内にカロリーや糖質を摂りすぎていた!ということもあるので、糖質制限ダイエット中には自分の食の好みに合わせて、食べてもいい食品と食べてはいけない食品を把握しておきましょう。
「これがどのくらいの糖質があるか分からない」「すごく糖質の高いものだったらどうしよう」と思いながら食べると罪悪感が生まれますし、せっかくの食事を楽しめません。
食事を楽しんでダイエットを無理なく成功させるためにも、食品の糖質やカロリーをなんとなくでいいので知っておくといいですね。