ゆで卵のカロリーは?ダイエット向き?糖質・脂質・タンパク質量を比較

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ゆで卵は糖質ダイエットに使えるの?ゆで卵のカロリー・糖質・脂質・タンパク質は?気になるコレステロールは大丈夫?ゆで卵は消化に良いって本当?手軽に作れて栄養満点!ゆで卵の糖質、カロリー、栄養素をとことん検証します!

ゆで卵のカロリーはどのくらい?ダイエットに向いているのか?

ゆで卵とは

ニワトリの卵やウズラの卵を殻ごとゆでたのがゆで卵。まさか知らない人はいませんね。
世界にはアヒル、ダチョウ、果てはペンギンまで、様々な鳥類のゆで卵がありますが、日本ではゆで卵と言えば鶏卵ですので、ここではゆで卵=鶏卵としてお話をさせていただきます。

もともと日本人は卵が大好き!消費量は1人当たりほぼ1日1個。これは世界でTOP3に入るレベルです。
食べ方は無限にあるものの、もっともシンプルな卵料理がゆで卵ではないでしょうか。なにしろ鍋と水さえあれば、ものの数分で作れるシンプルレシピです。

栄養価の高さから「完全食」と評される一方で、カロリーやコレステロールが気になる卵。生卵とゆで卵では、これらの数値も変わるのでしょうか?

ゆで卵のカロリー・糖質・脂質・タンパク質は?|黄身と白身の栄養は?

みかんって体に良さそうですよね!みかんはダイエット中におすすめですか?

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ゆで卵に限らず、卵はタンパク質が豊富でとてもおすすめです。

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
ゆで卵(1個60g) 91 0.18g 6g 7.74g
ゆで卵(100g) 151 0.3g 10g 12.9g
日本卵業協会では、殻の付いた状態で58g〜64g未満をMサイズ、
64g〜70g未満をLサイズと規定しています。
ですから通常手に入る卵の可食部分は1個60g前後と考えていいでしょう。

ゆで卵に糖質はほとんど含まれません。そして脂質は黄身にしか含まれません。
ダイエット中に不足しやすいタンパク質は、白身に多く、含有量は黄身の3.5倍です。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ダイエットのためには、卵の黄身を捨て、白身だけ食べるものおすすめです。

ゆで卵でダイエットはできる?カロリーは高い?低い?

カロリーは大きめの卵1個で91kcal。これは生でもゆでても変わりません。ただしゆでると腹持ちが良くなり、咀嚼回数が増えて満腹感が得られるので、ダイエットには生卵よりゆで卵の方が向いています。

91kcalを消費するには体重50kgの人で10分以上のジョギングが必要ですから、ゆで卵は特別低カロリーとは言えません。ただ、コスパの良さや栄養価の高さを考えるとダイエットにはぜひ取り入れたい食品です。
ちなみに一時期、「ゆで卵は摂取するカロリーより消化にかかるカロリーの方が高い(いわゆるマイナスカロリー食材)」との説が飛び交いましたが、残念ながら科学的根拠はありません。

ゆで卵は糖質制限ダイエットに向いているか?

ゆで卵1個に含まれる糖質はわずか0.18g。無いも同然の量ですね。当然、糖質制限ダイエットにはうってつけの食品です。
食後の血糖値の上げやすさを数値化した「GI値」も、生卵、ゆで卵、どちらも30という値です。55以下が低GI食品ですから、ゆで卵は気になる食後血糖値を上げにくい低GI食品です。

卵を使った料理のカロリー・糖質・脂質・タンパク質量を比較

卵を使った料理のカロリー比較

食品 カロリー
ベーコンエッグ(1個102.5g) 276kcal
ハムエッグ(1個84.5g) 152kcal
卵焼き(1個70.5g) 145kcal
スクランブルエッグ(1個81.5) 146kcal
バターやベーコンを使った料理は当然ながら高カロリーです。
反面、ゆでるだけのゆで卵や湯煎するだけのポーチドエッグなら、プラスされるのは調味料くらいで、カロリーは生卵とあまり変わりません。

卵を使った料理の糖質・脂質・タンパク質比較

食品 糖質 脂質 タンパク質
ベーコンエッグ(1個102.5g) 0.63g 24.29g 12.07g
ハムエッグ(1個84.5g) 0.96g 11.08g 10.46g
卵焼き(1個70.5g) 4.64g 10.18g 7.38g
スクランブルエッグ(1個81.5) 1.01g 11.62g 7.92g
卵はもともと糖質が低く、どう料理しても糖質は少な目です。ただし甘く調味した玉子焼きなどは食べすぎに気をつけましょう。
スクランブルエッグはかき混ぜる過程で油分を含んでしまう上、ミルクなどを加えるレシピも多く、脂肪分が増えがちです。
ベーコンエッグのベーコンは、言わずと知れた高カロリー食品。ですが意外にもハムやソーセージに比べて糖質は高くありません。カロリーと脂質を控えたい人はショルダーベーコンを選びましょう。ただし部位がどうあれ、塩分には注意して下さいね。

ダイエットの観点で、卵は何で食べるべき?

ダイエットを意識してみると、卵は単独で食べるより料理の材料に使われることでカロリーが上がるのが難点です。しかも、よりによって高カロリー・高糖質の主食やスイーツに使われるパターンが目立ちます。
卵が欠かせない料理には、親子丼などの丼物や、お好み焼きなどの粉物に、カルボナーラやプリンなど、ダイエットに向かないメニューが目白押し。お手軽な卵かけごはん一つをとっても、カロリーは茶碗一杯で356kcal。その7割は米のカロリーです。

ダイエットを成功させたいなら、卵はできるだけアレンジせずに、自然に近い状態で食べましょう。ゆで卵、目玉焼き、巣ごもり卵などの他、卵スープやかきたま汁も安心して食べられます。

ゆで卵の特筆すべき栄養素

卵は「完全食」と呼ばれる食品群の1つです。完全食とは豊富な栄養をバランスよく含む食品のこと。納豆、バナナ、牛乳など、それ1つで多種多様な栄養が摂れる食品を言います。
栄養が「豊富」なのであって「完璧」ではない点に注意が必要ですが、どれも広範囲の栄養を効率よく摂れるハイスペックな食品です。卵の場合、食物繊維とビタミンCをのぞいたほとんどの栄養素が含まれています。

豊富なタンパク質と高いアミノ酸含有率

ゆで卵の魅力の1つは何といっても良質なタンパク質。良質なタンパク質とは、タンパク質を構成する各種アミノ酸のバランスがいいタンパク質のことです。
たとえば「アミノ酸スコア」という言葉を知っていますか?

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の内、体内で合成できない(つまり食物から摂らなければならない)アミノ酸は9種類。この9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。
必須アミノ酸は1種類でも欠けたり不足したりすると十分に活用されません。
このバランスを数値化したのがアミノ酸スコア。
数値が高ければ高いほど含有バランスがいいということです。
ゆで卵のアミノ酸スコアは上限の100。必須アミノ酸を全種類摂取できる食品ということです。

一方「プロテインスコア」という評価法もあります。

こちらは食品に含まれる必須アミノ酸の利用効率を見るものです。アミノ酸スコアの場合、100以上の数値はすべて切り捨てられて100になりますが、プロテインスコアは最大値が100ですから、たとえば牛肉の場合、アミノ酸スコアは100でもプロテインスコアは85にとどまっています。
ゆで卵はこのプロテインスコアも上限の100という数少ない食品のひとつです。

卵の栄養ってそんなにすごかったのですね。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

ダイエットに限らず、普段の食生活、またトレーニングの効果を出すためにも卵はとても重要な食材です。実際にアスリートやボディビルダーの方でも卵をたくさん食べています。

普段意識して摂取することがない有効成分の数々

この他にもゆで卵には健康維持に役立つ成分がいっぱいです。
・脳の機能を高める「コリン」。脳組織を活性化してアルツハイマーの予防効果が期待できます。
・細菌を溶かす酵素の「リゾチーム」。風邪の原因菌も撃退できるので風邪薬にも配合されています。
・目の健康を維持する「ルテイン」。白内障や加齢黄斑変性症などの眼病を予防します。
・アルコールの分解を促進する「メチオニン」。体内に入ったアルコールが肝臓で分解される時に必要な成分です。
いかがですか?聞いたこともない成分名も多かったのではないでしょうか。
それだけ卵には多種多様な栄養素がつまっているということです。

ゆで卵のおすすめの食べ方

足りない栄養素を補給する方法を選ぼう

卵に食物繊維とビタミンCが欠けていることはすでにお話しました。

つまりゆで卵ばかりを食べていると、便秘になったり腸内環境が悪化したりする可能性があるということです。
またビタミンCが不足すると歯茎の出血や体のむくみ、疲労感などが起こります。

健康のために、あるいはダイエットのために、ゆで卵を活用しようと思っている人は、この不足分をおぎなうために、野菜やフルーツを意識的に摂取する必要があります。

おすすめは、食物繊維もビタミンCも両方豊富なパプリカ、じゃがいも、キャベツなどと組み合わせる方法です。これらをホットサラダやスープにして、スライスや角切りのゆで卵をトッピングすれば、いろどりも栄養バランスも一気に整います。お味噌汁や煮物にも、気軽にゆで卵を投入してみましょう。ゆで卵に別途調味料を付けて食べるより、味をしみこませて食べる方が塩分や糖質は抑えられる傾向にあります。

ゆで卵から摂取できる栄養素は、いくら種類が豊富と言っても1日の必要量を満たしているわけではありません。ビタミンDは1日分の8割近く、ビタミンB2とビタミンB12は4割近くをカバーしていますが、あとはだいたい2割ほど、マグネシウムに至っては、一応含まれてはいるものの1日の所要量の4%にすぎません。海藻類などマグネシウムの豊富な食品を別途食べる必要があります。
完全食という評価を過信せず、ゆで卵以外の食品もバランスよく食べましょう。

味付卵にしてしまおう

ただのゆで卵に飽きてきたら、味付卵にしてみましょう。わざわざ煮込む必要はなく、殻をむいたゆで卵を1晩調味液に漬けるだけ。漬け汁としてはめんつゆがポピュラーですが、ちょっと糖質が気になるかもしれません。

ただ、汁をごくごく飲むわけではないので、卵にしみこむ程度の量なら問題ないでしょう。めんつゆに半量の酢を混ぜると日持ちが良くなりますし、コンソメスープに漬けこむのも目先が変わり、アレンジの幅も広がります。

また殻が付いたままのゆで卵を水500ccに対し塩100g程度の塩水に1晩漬けると、殻付きなのに中身は塩味のゆで卵のできあがりです。

ゆで加減で言うと、中が半熟の味付卵はとてもおいしいものですが、卵は火の通り方で消化率が変わります。消化にかかる時間は温泉卵で1時間半、固ゆで卵で2時間半から3時間と言われますから、しっかりゆでた方が空腹を感じにくく、間食防止につながります。

生卵よりゆで卵の方がタンパク質の吸収率が高い

生卵とゆで卵の数値上のタンパク質量はほぼ同じですが、身体に吸収される率が違うのをご存知でしょうか。
卵を生のままで食べると、タンパク質の吸収率は50〜60%前後ですが、ゆで卵にして食べると90%と約30〜40ほど吸収率が高いことがわかっています。
ダイエットや筋トレをしている方にとって、タンパク質は非常に重要な栄養素ですので、もし卵を食べるなら生卵ではなくゆで卵して食べるようにしましょう。
プロのボディビルダーが生卵を大量に食べるシーンを見たことがあると思いますが、あれは料理の手間を省くために生で食べているだけでそれ以外の面ではゆで卵ではなく生卵を食べるメリットが特にありません。

でも、ボディビルダーの人が生卵を大量に食べるシーンを見たことがありますよ?

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

あれは料理の手間を省くために生で食べているだけです。それ以外の面ではゆで卵ではなく生卵を食べるメリットは特にありません。

ゆで卵で太ってしまう理由・健康上の問題

コレステロールの心配は?

卵と聞くとコレステロールの心配をする人がいます。けれどもこのイメージは過去のものです。近年では食事から摂取されるコレステロールは血中のコレステロール濃度にほとんど影響しないと考えられています。

というのも、コレステロールは体内で(正しくは肝臓で)合成されています。食事からの摂取量が増えれば合成量が減り、食事からの摂取量が減れば合成量が増えるというメカニズムで一定に保たれていることがわかってきたのです。しかも体内で作られるコレステロールは全体の7割から8割を占め、食事からの摂取量はごくわずかです。

ゆで卵に含まれるコレステロールは100g当たり420g、1個当たりなら240g前後です。いくら、たらこなどの魚卵とならび、非常に含有量が高い食品であることは事実です。たとえばアメリカでは農務省が1日の摂取量300g以下を推奨していますから、それで言うと1日1個卵を食べたら他のものは食べられないくらいのレベルです。
ただ、卵を食べるのをやめたところで、足りなければ体内での合成量が増えるだけの話ですから、医者の指導でも無い限り、1日数個を毎日食べても問題ないという考え方が最近は主流です。

ここで忘れてはいけないのは、コレステロールは完全な悪者ではないという点です。とかく敵視されがちですが、実は不足するとホルモンの分泌量が低下したり、細胞膜がもろくなって免疫力が低下するなど様々な弊害をまねきます。神経質に避ける必要はありません。

調味料に注意
ダイエッターにとってゆで卵は心強い味方です。ただし調味料や油分に気をつけないと糖質やカロリーが跳ね上がってしまいます。マヨネーズやタルタルソースを付けて食べる人も多いようですが、これらは少量でも高カロリー、しかも原料に卵を含んでいます。ダイエットの基本はバランスのいい食生活。偏りを避ける意味でも、付ける量はほどほどにしておきましょう。