肩こりの原因は猫背にあった!猫背解消のストレッチ

監修者

北村 智哉

JATI認定トレーニング指導者

猫背の原因は様々あります。今日は、みなさんが普段からお悩みの肩こりと、姿勢不良の代表格でもある猫背との関係性についてお話ししていきます。そして、それを改善していくストレッチもご紹介していきます。

肩こりの原因は猫背にあった?

皆さんは、普段から姿勢を気をつけていますか?

人から言われて気付いたり、鏡の前に立った時に自分の姿勢に気付いたりと、様々な場面で姿勢を気にする瞬間があると思います。
猫背のままいると肩こりになる原因になります。

肩こりの原因は猫背?

私、肩こりで悩んでいます。。また姿勢が猫背なのですが、肩こりと関係していたりするのでしょうか?

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

そうですね、肩こりと猫背は大きく関係しています。肩こりになってしまう原因が猫背であることが多いです。

肩こりになってしまう姿勢の多くの場合、背中が丸まった状態(猫背)になっていることが要因として挙げられます。
その場合、大きく分けて、この2つが要因としてあります。
①肩(腕や肩甲骨)が前に巻き込んでいる
②背骨の生理的弯曲が崩れており、背中全体が丸まっている

肩こりになる猫背のパターン①|肩が前に巻き込んでいる

肩が前に巻き込んでいる場合、多くの方が細かい手作業やデスクワークといったことを長時間、頻繁に行なっている傾向にあります。
この状態になってしまうと、肩を前に引っ張る筋肉が硬く収縮してしまっている状態だと考えられます。

肩こりになる猫背のパターン②|背骨の生理的弯曲が崩れており、背中全体が丸まっている

背骨というのは、通常真っ直ぐではなく、生理的弯曲という横から見た時にS字を背骨全体で描くように形作られています。
背骨は全部で3つの種類に分けられ、上から「頚椎」「胸椎」「腰椎」となっています。
それぞれ曲がり方も違っており、頚椎と腰椎は反った形になっており、胸椎は丸まった形になっているのですが、これらの生理的弯曲が日常生活の癖や仕事柄などの要因によって全て丸まってしまうのです。

この2つのうち、1つでも身体の変化として外見上に出てしまうと、胸などの前側の筋肉が収縮し、その反対側にある背中の筋肉(背筋群)が常に引っ張られてしまい、張ってきます。
また、肩がすくんだ(肩甲骨が上に引き上げられた)状態にもなってしまい、常に肩に力が入ったような状態になることで、肩こりとなって感じてしまうのです。
中には首の筋肉まで張ってしまう場合もあります。

肩こりを引き起こす猫背の原因とは?

私、確かにこの2つの両方に当てはまります・・・。このような姿勢の変化が起きている場合、どのあたりの筋肉が硬くなっているのですか?

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

もちろん、肩の筋肉が硬くなっているのは当たり前です。硬くなっているというよりも、肩以外で収縮してしまっている筋肉がポイントになります。

骨というのは、筋肉の伸び縮みによって位置が変化します。
先ほどお伝えした、2つの姿勢の崩れの場合、いくつかの筋肉が日常生活の癖などによって収縮してしまっていると考えられます。

猫背の原因①|肩が前に巻き込んでいる場合

この場合、胸の筋肉が硬くなっていると考えられます。
それは大胸筋という筋肉で、胸の真ん中から腕に向かって付着しています。
この筋肉が収縮すると、腕を内に捻りながら腕を前に引っ張ります。
実際に腕を内側へと捻ると、前に出てきます。その時に肩甲骨もそれに合わせて自然と前に引っ張られてしまうので、外見上、肩が前に引っ張られた状態になるのです。
その結果、背中の筋肉が引っ張られてしまい、張ってきてしまうのです。

猫背の原因②|背骨の生理的弯曲が崩れており、背中全体が丸まっている

この場合、複数の筋肉が関与してきます。
それは腹筋群です。
腹筋群は全部で4つあるのですが、その中でも腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋が収縮すると背中を丸めるように姿勢を変化させます。
実際に背中を丸めると、お腹に力が入ると思います。
また同時に、肩甲骨が上に引き上げられ、肩がすくんだような状態にもなります。
すると、肩に筋肉がこれにより、収縮してしまい、結果、肩こりに繋がってしまうのです。

そうなんですね。つまり両方に当てはまる私の姿勢は、胸や腹筋群が収縮してしまっている状態なんですね。

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

そうなんです!これらをストレッチで伸ばしていき、猫背を改善していけば、肩こりの解消につながります。

猫背を改善してくためのストレッチ

では、実際にどのようなストレッチをしていけばいいのでしょうか?

①大胸筋のストレッチ

①肘を曲げて、片腕を壁にかける。
②壁にかけた腕と同じ側の脚を大きく前に出し、前方へと体重をかける。
③その際に、肩甲骨を寄せようとせず、胸を大きく外へ広げるようなイメージを持ちながら、胸の部分を伸ばしていく。
④左右それぞれ20〜30秒を目安にストレッチを行なっていく。

腕の高さによって大胸筋の伸ばす位置を変えることができます。
・大胸筋下部:肩よりも腕の位置を高くする。
・大胸筋中部:肩と腕の位置を同じぐらいの高さにする。
・大胸筋上部:肩よりも腕の位置を低くする(この場合は、肘を曲げるとやりにくいので、肘を伸ばしても構いません。)

おぉ〜、胸がすごく伸びます!

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

次に、腹筋群を伸ばしていきましょう。まずは、腹直筋をメインで伸ばしていきます。

②腹直筋のストレッチ

①うつ伏せに寝て、手を胸の横に腕立て伏せを行うように置く。
②そこから手で床を押しながら身体を反り挙げる。(もし、この動作で腰の反りが辛い場合は、肘つきでも構いません。)
②身体を反り挙げた際に、首元からお臍の下までを上下に引き延ばすことを意識する。
④20〜30秒を目安に伸ばしていく。

じんわり伸びるのが分かります。これは初めての経験です。

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

次は外腹斜筋と内腹斜筋を伸ばしていきますね。

①胡座の状態で座ります。
②片側の腕を支えにし、横に向かって身体を倒していきます。
③もう片方の腕を上に向かって挙げながら、挙げた腕と同じ側の脇腹を上に向かって引き延ばすようにストレッチをしていく。
④左右それぞれ20〜30秒を目安に、両側を伸ばしていく。

これも伸びます・・・今まで伸ばしてこなかったので、どこよりも強烈に感じます!

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

無理はせずに、痛気持ちいところで呼吸をゆっくり行いながら、ストレッチは伸ばしてくださいね!無理して伸ばしてしまうと、そこの筋肉を傷つけてしまう恐れがありますので。

もし、可能ならストレッチは毎日行なって欲しいのですが、無理であれば1日1箇所のストレッチでも構いませんので、お風呂上がりなどの身体が温まっている時に行なって頂くと、筋肉が伸ばしやすい状態ですので、そのタイミングを見計らって行なってみてください。

ストレッチ以外でも気をつける3つのポイント

ストレッチのアドバイスありがとうございます。ストレッチが大事なことは分かりましたが、それ以外で大切なことはありますか?

北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス

JATI認定トレーニング指導者

そうですね。普段の姿勢の意識や動くことを意識していくことも大事ですね!

先ほどお伝えしたストレッチは大事ですので、しっかり行なって欲しいです。
しかし、それだけでは改善するには足りませんから、猫背を改善してくために普段の生活の中で気をつけていくこともいくつかお伝えしますね。

<日常生活の中で気をつける3つのポイント>
①座っている時に背中を丸めないように意識する。
②デスクワークなど長時間行う場合は、途中で休憩をとり、少し身体を動かすようにする。
③歩いている時や立っている時は、お腹を締めるように力を入れていく。

①座っている時に背中を丸めないように意識する

普段、座ってデスクワークをしていると、どうしても背中を丸めたような姿勢を作りやすくなります。
ストレッチを毎日行うようにしても、普段の姿勢がそのままでは効果を出すことが難しくなってきます。
そのようにならないために、まず座っている時に背筋を伸ばすように意識をして仕事をしてみてください。
その時に一緒に骨盤を立てるように座ると、より効果的です。
ずっとそれを意識することは難しいですが、崩れているのを自分で気付いた時は、またそこからでいいので、姿勢を整えてみてください。
また、少し大きな呼吸をすると、肩の力も抜けるので、肩がすくむのを防いでくれます。
このように行なっていくことで、少しずつですが、普段の姿勢も変わり、猫背や肩こりが改善されやすくなってきます。

②デスクワークなど長時間行う場合は、休憩をとり、少し身体を動かすようにする

デスクワークを長時間行うと、座る際に意識して整えた姿勢も崩れてきてしまいます。
また、長時間座っていると、身体全体が緊張してしまい、どうしても筋肉が硬くなってしまいやすくなります。
そのようになってきてしまうと、その日の夜にストレッチをしても、なかなか伸びなかったり、筋肉が伸縮できるような状態に戻すことが難しくなってきます。
それを予防していくためには、仕事中に5分でもいいので、軽く身体を動かしていくことが大事になってきます。
例えば、「立って肩を大きく前後に回す」や「上半身を捻ったり、前後に大きく倒す」など多くの関節を動かしていくことで、筋肉を伸縮させるようにし、筋肉が硬くなっていくのを防ぎます。
目安としては、できれば2時間に1回ぐらいは行うようにしていくといいです。
もし、立って行うのが無理ならば、座ったままでも構いません。

③歩いている時や立っている時は、お腹を360°の方向から締めるように力を入れていく

ここまでは座っている時をメインにお伝えしましたが、立っている時や歩いている時も同じくらい大切です。
立っている時や歩いている時に、お腹を締め付けるような力が抜けてしまうと、どうしても姿勢が崩れてしまいます。
お腹の力が抜けている人はかなり多く、私のクライアントの方の多くが、パーソナルトレーニングを受けらる前は、このような状態でした。
その状態が継続されてしまうと、姿勢が崩れ、肩こりになりやすくなってしまいます。
その結果、それが猫背へと繋がってしまうかもしれません。
では、そのようにならないためにも、お腹を360°の方向から締めるように力を入れていくことが大事なのですが、どのようにしていけばいいのでしょうか?
それは、立っている時に深呼吸をするようにして、お腹を締めていきます。
エレベターを待っている時や信号待ちの時など、深呼吸をし、その時にお腹を締め付け、息を吐き切ります。
ちょっとした時間でもいいので、これを意識していくことが大事なのです。
そして、それを歩いている時も意識していくことで、より姿勢を崩しにくくすることに繋がっていき、肩こりや猫背改善にも繋がります。

まとめ

いかがでしょうか?猫背と肩こりの関係性と改善方法は分かりましたか?
今回はストレッチを中心にみなさんにお伝えしていきました。
よく、肩こりになると肩や背中を中心にストレッチをされる方がいらっしゃいます。
しかし、今回お伝えした内容を考えていくと、背中や肩のストレッチでは上手く改善されず、それよりも腹筋や胸といった、あまり関係なさそうな箇所をストレッチしていくことが、実は猫背や肩こりの改善に繋がっていくのです。
早速、今日のお風呂上がりからストレッチを実践してみてください。
また、明日からでもいいので、先ほどお伝えした日常生活内で気をつけるポイントを意識して過ごしてみてください。