【プロトレーナー解説】腰痛・猫背・反り腰は脊柱起立筋と関係があります。脊柱起立筋ストレッチ&トレーニングで解消する方法を解説!姿勢が悪いとどんな影響があるの?腰痛を改善するためには何をすればいいの?椅子を使ったお手軽な方法まで!
脊柱起立筋とは?構造と役割
仕事を始めてから腰痛が出るようになりました。何か良い対処法はありますか?
金子由美監修トレーナーからのアドバイス
ACSM-EPC 健康運動指導士 PHIピラティスインストラクター マスターストレッチインストラクター
腰痛にはいろいろな原因がありますが、身体をさすったり緩めることで楽に感じるのであれば筋肉のこわばりなども要因かもしれません。そのような場合は、脊柱起立筋のストレッチがおすすめです。
脊柱起立筋ですか?それははどこにあって、どんな役割をするのですか?
金子由美監修トレーナーからのアドバイス
ACSM-EPC 健康運動指導士 PHIピラティスインストラクター マスターストレッチインストラクター
脊柱起立筋とは、背骨の周りについている筋肉です。背中を丸めたり、後ろへ反らせたり捻る動作にも関わっています。
脊柱起立筋の構造とは?
脊柱起立筋とは、骨盤から首にかけて、身体の軸にある筋肉のことです。
脊柱というのは、7個の頸椎・12個の腰椎・5個の腰椎からなっています。
それらを覆うようについているのが脊柱起立筋。脊柱起立筋は、棘筋・最長筋・腸肋筋の3つのグループに分かれます。各グループの中でもさらに細かい筋肉に分かれ、合計9つの筋肉の総称が脊柱起立筋です。
脊柱起立筋の役割とは?
それぞれの椎骨に付き、主に身体の軸として姿勢を維持し、さまざまな動作を行うために働いています。
身体の軸となっている脊柱は横から見ると身体の中心よりも後ろにあり、脊柱起立筋は上体が前に倒れないように身体を支えています。
脊柱起立筋の筋力が低下してしまうと、背中を丸める姿勢、いわゆる猫背の状態になり上半身を支えるために必要以上に力を発揮しなければならなくなります。
また、腹部の筋力低下で腰を反らせた姿勢が癖になっていると、腰回りの筋肉の緊張状態が続き縮まったままになります。
この状態が癖になっている場合、物を持ち上げるとか振り返りなどのちょっとした動作で「イタタ・・・」と痛みを感じる場合もあるでしょう。
悪い姿勢や腰痛の原因は脊柱起立筋にあり!
ちょっとした時間や歩きながら携帯を見ている人が増えています。そのため頭が前に出たり、下に頭が落ちたような人も増えている傾向にあります。
そこで頭の重さを支えようとして首が緊張するのです。そして、首(頸椎)周りの筋肉がパンパンに張ってしまうこともあるでしょう。
無意識な姿勢、日常の癖から起こる姿勢によって身体に何かしらの影響を及ぼしているとしたら・・・
脊柱起立筋と姿勢の関係とは?
自分でも気がつかないうちに猫背になっているようで、友人に指摘されてしまいました。
金子由美監修トレーナーからのアドバイス
ACSM-EPC 健康運動指導士 PHIピラティスインストラクター マスターストレッチインストラクター
自分では気にしていなくても、癖になっていたり身体を支える力が弱くなっていたりすることありますよね。何か対策はしていますか?
たまに鏡を見てチェックしていますが、ふとした時は油断してしまっています。やはり姿勢が悪いと良くないですよね・・・
姿勢が悪いと見た目だけでなく、身体の歪みによる不調を引き起こす可能性もあるのです。
さらに、綺麗な姿勢でいるためにも、骨格アライメントが整っていることが望ましいです。
脊柱起立筋は身体の背面にあり、重力に負けないよう良い姿勢を保ちます。
自分の姿勢をチェックしてみよう!
では、この良い姿勢というのは、そもそもどのような姿勢なのでしょうか。
自分の姿勢はどうなのか気になると思いますので、ここで一度チェックしてみましょう。
<あなたは良い姿勢?チェック方法①>
横から見た姿勢のチェックポイントは、外くるぶし前・膝・大転子・肩(肩峰)・耳が縦のライン状にある状態です。
<あなたは良い姿勢?チェック方法②>
まず、壁に背中を当てて立ちます。この時に、踵・お尻・肩甲骨・頭が壁についていますか?
猫背の人は頭がつかず前に出ている、肩甲骨の下しかついていないことが考えられます。
また、チェックポイントはついているけれど腰と壁の間に手のひら1枚分より隙間が空いているのであれば反り腰と言えるでしょう。
姿勢・腰痛改善の脊柱起立筋ストレッチ&トレーニング9選
脊柱起立筋ストレッチ・トレーニングで姿勢・腰痛を改善できる?
私は頭が少し壁から離れていました。やはり猫背なのだなと思います。これは改善したいです!
金子由美監修トレーナーからのアドバイス
ACSM-EPC 健康運動指導士 PHIピラティスインストラクター マスターストレッチインストラクター
チェックしてみると自分の姿勢がどうなのかがわかりますね。猫背の人は、脊柱起立筋の中でも首(頸椎)や肩甲骨と背骨の間の筋肉がこわばって肩こりを感じている人もいらっしゃると思います。
たしかに肩こりがひどいです。これも脊柱起立筋のストレッチで解消できると嬉しいです。
姿勢のチェックで身体の癖がわかれば、あとは改善をするためのストレッチから始めてみましょう。筋肉のこわばりをなくし、体幹を中心にトレーニングを始められれば安定した身体が手に入るはずです。
1.姿勢チェック
2.筋肉のこわばりを取り除くストレッチ
3.良い姿勢を保つためのトレーニング
の順番で、先ほど姿勢チェックについて紹介しましたので次に脊柱起立筋のストレッチとトレーニングをご紹介します。
まずは脊柱起立筋のストレッチを全体、そして下部・中部・上部に分けて行ってみてください。
じんわりと伸びを感じたら、20秒くらい保持するとこわばりが取れてすっきりします。
そのあとは姿勢を良い位置に保つための体幹トレーニングをすることで、身体を支える筋力が身につきます。
脊柱起立筋ストレッチ(全体)
《背中全体のストレッチ》
四つ這いになり、頭からお尻までを丸めます。
この時、肩の下に手首、股関節の下に膝がくるようにします。
首が緊張しないようにしながら行いましょう。
脊柱起立筋ストレッチ(下部)
《腰周辺のストレッチ》
仰向けになり右脚曲げて持ち上げます。
その脚を左側に倒し身体を捻ります。
この時、右の肩は床から離れないようにします。
(反対側も同様におこないましょう)
脊柱起立筋ストレッチ(中部)
《肩甲骨周辺から腰のストレッチ》
座った状態で両膝を曲げて脚を開きます。
その間に両腕の手のひらを上に向けたまま床に置き、上体を脱力させます。
脊柱起立筋ストレッチ(上部)
《首周辺のストレッチ》
背すじを伸ばしたまま、頭を抱えるようにします。
手で押しすぎないように注意してしましょう。
椅子を利用したストレッチ
《1.背中伸ばし》
椅子の背もたれに手を肩幅よりやや広めにして乗せます。
頭を腕の間に入れるように、背中を伸ばしましょう。
椅子に座り、右脚を左脚にかけます。
右手は背もたれ、左手は右脚にそえてゆっくりと上体を捻ります。
この時、胸・肩・首の順番で捻るようにしましょう。
(反対側も同様におこないます)
姿勢改善のためのトレーニング
《1.プランク(肘つき)》
腕を肩幅にし、肩の下に肘がくるようにします。
足指を立てて頭から踵までが一直線になるようにセットします。
お尻が挙がったり、お腹が落ちたりしないよう注意をして30秒(余裕があれば60秒)キープします。
肩の下に肘がくるようにします。
頭から踵まで一直線になるようにセットします。
肩に力が入りすぎないよう、下の脇腹で支えるようにして30秒キープします。
仰向けになり、両膝を立てます。
脇を締めたまま肘を曲げ、床を押して胸を持ち上げます。
この時、首に力が入らないように気をつけながら20秒キープします。
ストレッチをすると気持ちいし、トレーニングもやってみようかと思います。
金子由美監修トレーナーからのアドバイス
ACSM-EPC 健康運動指導士 PHIピラティスインストラクター マスターストレッチインストラクター
今回ご紹介したストレッチは、手軽にできるものを選びました。
少しの時間でも続けていくことで効果が高まります。