【プロトレーナー解説】悪い姿勢は肩こり、腰痛、頭痛、吐き気など、身体に様々な悪影響を及ぼします。悪い姿勢には猫背や反り腰、左右の肩の高さの違いなど崩れ方は様々です。今回は、その姿勢を改善していくためのストレッチとエクササイズ、そのポイントをご紹介します。
悪い姿勢が引き起こす影響
姿勢の悪さが身体へ引き起こす影響
崩れているといっても、猫背なのか?反り腰なのか、姿勢の変化によって対処方法が変わってきます。
今日は、自宅でも簡単に出来るチェックと、それを改善していくエクササイズとストレッチをご紹介します!
姿勢が悪くなってしまうと、身体にはどんな影響出るのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
人によって様々な影響が出ますが、以下のような主に影響が出てきます。
・肩こり
・腰痛
・膝痛
・偏頭痛
・四十肩
・浮腫み
・外反母趾
・O、X脚
これ以外にも身体の変化として出てくるものもありますし、動き出しが遅くなった、疲れやすくなったなど痛みや違和感ではなく、身体・自律神経の不調という意味でも変化は出てきます。
以前、クライアントの方で、偏頭痛による吐き気、姿勢が悪くなることによる腹痛などが、あるという方もいらっしゃいました。
悪い姿勢とは?
なるほど。では、どのような姿勢が悪いと言われるのでしょうか?私は猫背と自覚もしていますし、周りからもよく指摘されます。。。
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
解剖学上、背骨を横から見た時にS字に弯曲しています。これは元々の形状で、「生理的弯曲(S字カーブ)」といわれています。この弯曲が崩れた状態になると、猫背や反り腰になってしまうので、一般的には、このS字が崩れた状態のことを指すと考えてください。
・頚椎:7個 前弯
・胸椎:12個 後弯
・腰椎:5個 前弯
これらが過剰に反ったり、丸まることで、見た目の姿勢が変わってくるのです。
また正面の姿を鏡でみた時に左右の高さが違う場合、仰向けに寝た時に左右の足の長さが違う場合も姿勢が崩れてしまっている可能性があります。
悪い姿勢のパターン
悪い姿勢①:猫背
では、私のように猫背の場合は、背骨がどのようになっているのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
そのような方の多くの場合は、先ほどご紹介した胸椎の部分が過剰に後弯していることが多いです。
また合わせて、頚椎や腰椎の部分の弯曲がなくなり、真っ直ぐに近くなることもあります。そして、骨盤も後ろに倒れてしまっているかもしれませんよ。
背骨だけじゃなく、骨盤も変化しているんですか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
そうなんです。背骨全体の並びの形状が変わってしまうと、骨盤の位置も必ず変化してきます。これは背骨の土台の位置に骨盤があるためです。
猫背の方は、胸を張ったような姿勢を取ろうとします。
しかし、胸を張ることを意識しすぎると、腰を反らせすぎたり、肩や背中に力が入った姿勢を作りやすくなるデメリットになってしまうので、それには注意しましょう。
姿勢改善するために骨盤矯正などを受けるのはいいのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
それは効果がありますが、どうしても一時的な効果になってしまいます。日常生活に戻ってしまえば、また姿勢は逆戻りになってしますから、もし受けられるならエクササイズやストレッチなどを併用し、身体の癖なども改善していったほうがいいと思います。
悪い姿勢②:反り腰
もし、左右の肩の高さや脚の長さが違う場合は、骨盤の高さ、背骨全体の並びが正面から見た時に真っ直ぐでなく左右に蛇行するように崩れている場合もあります。
猫背の方の場合は、肩こりや首のハリを感じる方が多く、反り腰の場合は、腰や背中のハリを感じる方が多くいらっしゃいます。
また、姿勢が変わってしまえば、骨の並びが変わるので、ボディライン(くびれがなくなる、ポッコリお腹になる、脚の太さが変わるなど)の変化も出てきてしまうこともあります。
ダイエットをして痩せても、ボディラインが崩れて姿勢が悪かったりすると、せっかくのいい見た目が勿体無いですよね。
悪い姿勢③:猫背・反り腰の細かいパターン
少しずつ分かってきました!ちなみに他にも悪い姿勢というのは、あるのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
大きく分けるとこの2つですが、それを細分化したパターンがあります。例えば猫背でも頭が前に出た猫背、お尻が前に出たようなポッコリお腹になりやすい猫背などに分けられます。
反り腰なら、背骨全体が反り上がっているような反り腰や、見た目出っ尻のような反り腰があります。
そうなんですね。なぜ僕も含めて姿勢が悪くなってしまう原因はあるのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
それは、人によって様々です。例えば、椅子の座り方です。お尻を椅子の前の出し、背中を預けると腰が丸まった姿勢になりますよね。これが長期間続けば、この姿勢が形作られ、当たり前になってしまうのです。
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
また片側だけの重い荷物を常に持っていたら、左右の傾きがでてきてしまいやすくなります。つまり、日頃の癖や生活習慣が原因となっていることが多いのです。
あなたは猫背?反り腰?姿勢チェック方法とは?
猫背・反り腰の姿勢チェック方法
それは、女性にとっても嫌ですね・・・。ちなみに自分が猫背なのか、反り腰なのかなど姿勢の崩れをチェックする方法はあるのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
1番分かりやすいのは、自分が仰向けで床の上に寝た時に腰と床の間に隙間が出来ますよね?そこに手を入れられない、仰向けで寝ると顎が上がって首が辛いという感覚があると猫背。逆にと床の間に隙間が空きすぎて、手が余裕を持って出し入れできる状態の場合は、反り腰といえます。
このチェックで手が少し圧迫を受けながら動かせれば、大きく姿勢は崩れていないと考えられます。
私、全然手が入らないし、顎も上がって、首が辛いです!
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
チェック通りになりましたね。
その他の姿勢チェック方法
もし、短い方があれば、立った時にそちら側に重心が乗りやすく、先ほどお伝えした通り姿勢がそちら側に傾いていたり、背骨が正面から見た時に蛇行している可能性もあります。
横から見た時は、真っ直ぐ立った時に
耳たぶ−肩−大転子(お尻の横の骨の出っ張り)−膝関節中央−外踝
が縦一直線上に並ぶといいといわれています。
普段、上半身のストレッチをお風呂上がりにしているのですが、猫背を改善させていくには、どうすればいいのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
確かにストレッチを行うことは、とてもいいと思います。しかし、そのストレッチで猫背を作り出している箇所を伸ばせているのかがポイントです。またエクササイズをしていくことで、より猫背は改善して生きやすくなります。
猫背の改善方法〜エクササイズ〜
では、どのようなエクササイズをすればいいのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
今回のように猫背を改善していくには、背骨を反らせる運動が必要になってきます。私がおすすめする運動は、次の2種目です。
キャット&ドッグ
<やり方>
①四つん這いの状態になり、背骨を反らせたり、丸めたりする。
※反らせる場合:顎〜おへそ下
丸める場合 :首の後ろ〜尾骨を引き延ばすようにする。
②運動中は肘を曲げないように注意する。
背中のエクササイズ
背中全体の筋肉を使っていき、背骨を反らせるエクササイズです。
<やり方>
①うつ伏せに寝た状態になり、手をお尻の横に広げ、掌が床やマットに当たるように置きます。
③その際に、股関節を床やマットに押し付けつつ、左右のお尻の中間にある仙骨から背骨を反らせるように挙げることを意識します。
(イメージは骨盤から挙げる感じです。)
猫背の改善方法〜ストレッチ〜
エクササイズは分かりました!ストレッチは、どのようなものを行えばいいでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
ストレッチの場合は、どこを伸ばしていくかがポイントになりますが、私は「背伸び」と「胸」を伸ばしてあげてください。
えっ?背伸びですか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
はい。そうです!
背伸び
これにより、猫背で丸まった姿勢を上に引き延ばす意識を持つようにしていきます。
胸のストレッチ
今までやっていたストレッチと違って、しっかり肩が後ろに引っ張られて肩が下がっていきますね。
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
無理に肩を後ろに引かなくても、下に下げるイメージを持ちながら行うことで、十分に胸の筋肉が伸びていきますからね!
反り腰の改善方法〜呼吸法〜
今のことを元に考えると、もし反り腰だったら腹筋をすればいいのでしょうか?
北村 智哉監修トレーナーからのアドバイス
JATI認定トレーニング指導者
確かに腹筋をしていけば腰は反りにくくなってきます。でも、身体を起こす腹筋よりもお腹を360°の方向から締め付ける力をつけていかないといけません。
そのように考えると身体を起こす腹筋ではなく、私は腹式呼吸をおすすめします。
腹式呼吸のポイント
②鼻から大きく息を吸い、口から息を吐きます。
先ほど背伸びのストレッチをご紹介しましたが、そちらも合わせて、ぜひ行なってみてください。
もし、左右で脚の長さなど違う場合には、この背伸びを片側(足が短くなっている方を脇腹や脇背)だけ仰向けの状態になって行うことをおすすめします。
まとめ
日常生活の些細な癖や動き方などから、姿勢は崩れていきやすくなります。
その姿勢の変化に気づき、それに合わせてエクササイズやストレッチをしていくことで、徐々に改善されます。
また、日常生活を送っている中でも姿勢の変化に意識をしていくことで、姿勢を崩していかないポイントにもなっていきます。
ちょっとした瞬間だけでも構いませんので、姿勢の変化を意識してみてください。
そして、エクササイズやストレッチをご自宅などでぜひ試してみてください。
【プロトレーナー解説】首と肩こりの原因を解説!首・肩こりのチェック方法と解消方法をお伝えします。
ストレッチや筋膜リリース、そして首・肩こりにならないための姿勢を覚えましょう!
「歩くと腰が痛い方」の原因を専門家が徹底解説!その原因の多くは、腰にはない!?
実際の臨床の現場で最も多い原因と腰痛にならないための対策、正しい歩き方、正しい腰のケア方法をお伝えします。