ダイエットでリバウンドする原因とは?リバウンドを防ぐ方法、鍵は腸内細菌

監修者

神尾健太

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

【プロトレーナー解説】今回のダイエットは絶対にリバウンドをしない!と望む人が必ず押さえておきたいリバウンドの原因とそのメカニズムを徹底解明。過去のダイエットでリバウンドを繰り返してきた人が実践すべき2つの重要なポイントをご紹介します。

リバウンドする原因とは?

せっかく筋トレも食事制限も頑張って痩せたのに、いつの間にか体重が元に...

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

リバウンドの兆候ですね。リバウンドしてしまうとせっかくの努力も水の泡ですよね。そして戻すのも難しい。。

はい...。リバウンドをする原因っていったい何なんですか?

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

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まずはそのメカニズムを理解することが重要ですね。これから解説していきましょう!

リバウンドのメカニズムを知るために原始時代へタイムスリップ

私たち人類は、いや人類のみならず、全ての生命に共通する目的は“生存”と“繁殖”です。いきなり何を言ってるんだ?と思うかもしれませんが、リバウンドのメカニズムには生命としての在り方がものすごく密接に関わっているんです。

なぜ私はリバウンドをするのか?この質問に対して最も簡単にお答えするなら、生きるために太古の昔から備わっているメカニズムだから!と言えるんです。

例えばあなたが、裕福で食べる物が溢れかえる現代ではなく、生きるために毎日狩りに出かけ、食料を必死に確保しなければならなかった原始時代にタイムスリップしたと想像してみてください。もし原始時代のような過酷な環境で、体重が減っていく状況とはどんな状況が考えられるでしょうか?

もちろん原始時代のスーパーモデルがダイエットに励んでいたとは考えにくいので、何かしらの影響で食料が不足していると考えるのが自然ですよね。そして何か対策を練らなければ餓死してしまう危険性もあります。そこで私たちの祖先は、かつては素晴らしい、しかし現代のダイエット実践者にとってはありがたくない方法で、体重が激減していく事態に対処するメカニズムを獲得してきたのです。

体重が減り出した時の身体の3つの緊急対応策

では、体重が減り出した時に、石器時代の人類たちが獲得してきた緊急の対応策とはいったいどういったものなのでしょうか?
もちろん対応策の指令を出すのは脳。私たちの脳は、体重が減ると以下の3つの指令を出すのです。

1.基礎代謝を落として対応せよ!

2.食べ物をもっと探しに行きなさい!

3.体力(消費カロリー)はなるべく温存しなさい!

この脳の指令を私が翻訳すると、知らず知らずのうちに太りやすい体になり、食欲が旺盛になって甘いモノや脂っこい物が無性に食べたくなり、ダルさや倦怠感を感じることになるわけです。これらはどれもリバウンドの期間やダイエット中の停滞期に感じる反応ではないでしょうか?

要するに、過去には生きるために役立った身体のメカニズムが、食べ物に溢れかえった現代ではリバウンドの原因として機能しているわけなんです。

リバウンドしない為の2つの戦略とは?

えー!そうだったんですね。私がリバウンドする理由は原始時代の名残りで、過去には役に立ったメカニズムだったんですね。

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

その通りなんです。そうやって私たちは進化を繰り返してきたんです。

じゃ、メカニズムは理解できたけれど、、ダイエットをリバウンドせずに成功させる方法だってもちろんあるんですよね?

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

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はい!ではこれからリバウンドのリスクを最小限に抑える戦略をお伝えしていきますね。

戦略①-脳に気付かれないようにゆっくりと

まずお伝えしたいのが、体重を減らすスピードを早くし過ぎないことが重要です。あまりにも極端にかつ急激に体重が減り始めると、「これは大ごとだぞ!」と脳が焦り出すので、先ほど説明したリバウンドのメカニズムがアクセル全開で働き始めてしまいます。

このことは次の研究によっても証明されています。

慎重な条件設定により実施された対照臨床試験では、約6週間の集中的なダイエットで10%以上の減量をすると、体が以前蓄積していた脂肪の量を回復しようとするので、その分だけエネルギー消費量や代謝量が減少することが確認されている。
昔からある通り、“急がば回れ”はダイエット成功の為の格言でもあるのです。ダイエットを始める時には期間や目的をきちんと検討し、短期間にコミットする必要がない場合は、脳に気付かれないようにゆっくり、でも着実に進めていく方が得策ということですね。

戦略②-腸内の細菌たちに気を配ろう

次に注目したいのが私たちの腸内に棲みつく何兆もの細菌たち。ここ最近の研究によってその重要性が様々な領域で確認されています。そして、今回のテーマであるリバウンドにも腸内細菌が深く影響を及ぼしていることがわかっているのです。

ではここでも、2013年に発表された研究の結果をご紹介したいと思います。

一日の総摂取カロリーを1200キロカロリー以下に抑え、そのうちに占めるタンパク質の割合を35%とする高タンパクな食事を続けた実験では、全ての人に一定のダイエット効果が見られた。しかし、腸内細菌の種類が少ない人は、種類が多い人に比べて体重が減った幅が少なかった。そしてそういった腸内細菌の種類の少ない人は、以前の体重に戻るのも最も早かった。

要するに、腸内細菌の多様性が低い人は、痩せにくくてリバウンドしやすいということ。
この衝撃の事実を知らずにダイエットを始めることは、ひらがなもわからないまま漢字を習い始めるの同じくらい無謀なのではないでしょうか?

リバウンドを繰り返すと痩せにくくなる理由

ここまでの内容を理解すると、ダイエットにまつわるよく聞く疑問の1つ、リバウンドを繰り返すと痩せにくくなる理由についても納得できるようになります。

確かに、リバウンドと減量を繰り返していると、最終的に元の体重よりも重くなるという事実は認められています。

その理由の一つは、一回目のリバウンド時に体重が減り出した時の対応策をスムーズに行えるように脳が学習していることが考えられるでしょう。また、そもそもリバウンドする人はリバウンドしやすく痩せにくい腸内環境だったと言えることもできるのです。

したがって、脳はリバウンドには好ましくない方法を学び、腸内細菌たちはダイエットを相変わらず手伝ってはくれないので、リバウンドと減量の負のスパイラルがますます強化されてしまうわけですね。

ダイエットを始める前に整えておきたい腸内環境

なるほど。リバウンドしないでダイエットするには賢い戦略が必要ってことですね!?

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その通りです!ターゲットは筋肉や脂肪ではなく、“脳”と“腸”なんです。

では、減量のスピードを出し過ぎないのはわかりましたが、腸内細菌の種類を豊富にするにはどうすればいいんですか?

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いい質問ですね。早速その方法を教えていきます!!

食事制限ではなく食事制御

私たちの体と同様、腸内細菌たちも、私たちが食べたものでできています。なので、毎日口の中に入れる物には細心の注意を払う必要があるというのは容易に想像がつきますよね。特に、超加工食品が世の中を埋め尽くす現代では、その重要性は増すばかりでしょう。何も意識しなければ、私たちが食べる物はごく限られた範囲に絞られてしまいます。

そこでまず始めに意識したい大前提の条件が、多種多様な本物の食材を選択するように心がけるということです。特に不足しがちな、野菜、豆類、果物、藻類、魚介類は積極的にメニューに取り入れましょう。そうすることで、腸内細菌の種類も豊富に、しかもいい者(善玉)の細菌が増えてダイエット成功を手助けしてくれるはずです。

そして、その為には自分の食事は自分でコントロールできる環境を作ることが必要かもしれません。場合によっては周りの人(母親、奥さん、会社の人など)の協力も必要な場合もあるでしょう。
また、○○ダイエットに執着し過ぎて、食べる物の種類が同じものばかりになってしまっては本末転倒ですので要注意。

間欠性断食ダイエット法のすゝめ

次にご紹介したいのが断食です。断食と聞くと大げさに思われるかもしれませんが大丈夫。ここで紹介するのは誰にでも挑戦できて、しかも研究によって効果が証明されているものです。

2015年に、腸内細菌に最も有益な食事パターンを調査したところ、断食をしているグループが最も成績が良く、多様性が大幅に向上していることがわかったのです。

そこで是非挑戦してみてもらいたいのが、“間欠性断食ダイエット”という方法です。やり方は簡単で、1週間のうちどこか2日間、1日の総摂取カロリーを500キロカロリー以下に抑えるだけ。

この方法の魅力的なところは、その他の5日間は通常通り食べていいところです。今日1日だけなら何とか頑張れそうな気がしてこないですか?もちろん、500キロカロリーが厳しすぎれば少し増やしても構わないですし、週1日にしてみてもいいでしょう。

何よりも重要なのは、まずはトライしてみて、その後自分で試行錯誤を重ねることです。腸内環境の変化は早ければ2週間くらいであらわれるとも言われています。しかし定着するにはある程度の期間が必要なので、気負わず長い目で継続するという意思を持って行うことが不可欠です。

身体を活発に動かそう

最後にオススメしたいのが運動です。ダイエットを成功させる、あるいはリバウンドをしない為には当たり前だと思われるかもしれませんが、ここで注目したいのは腸内環境と運動の関係性です。

結論から言えば、身体を普段から活発に動かしてる人の方がそうでない人よりも腸内細菌の種類が豊富であることがわかっているのです。

この場合、運動の方法ややり方は何でもいいでしょう。とにかく自分の身体を活発に動かす習慣をつけることが、リバウンドをしない身体づくりには有効なのです。

リバウンドしないでダイエットを成功させるために

食事制御に断食法、それと運動することで腸内環境を整え、自分の身体をリバウンドをしない環境にしていけばいいってことですね!

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

はい、その通りです。しかし最後に、ダイエットしていくにあたってどうしても知っておいてもらいたいことがあるのでもう少しお付き合いください!

私たちは一人ひとり違います。骨格や筋肉、性格や考え方も、そして何かの刺激に対する身体の反応も。何かを食べたり食べなかったりした時の体内での反応の仕方は、おそらく全員違うはずです。

例えば、食欲を司るレプチンやグレリン、幸福感を司るドーパミンなどのホルモン応答の仕方や、消化したものを脂肪として蓄えるのか、熱として発散するのかをなどの身体の調整(ホメオスタシス)の仕方などが挙げられるでしょう。このことから、あの人には有効でも私には効果がないダイエット法はこの世にはいあっぱいあると認識しておくべきなのです。

“全ての人を痩せさせることができるたった一つのダイエット法などこの世に存在しない”

今や肥満は世界的に蔓延していて、日本もこの先さらに増えていくことが予想されます。しかしそんな中でも3分の1の人は太ることなく、健康的な身体を維持しています。あなたのダイエットを、リバウンドしないで長期的に成功させる方法は必ず存在します。

その為には、自分にしかわからない生の感覚や反応、本能にしっかりと耳を傾け、自分で試行錯誤していくしかありません。その試行錯誤に必要な材料は何でも提供していくつもりです。

神尾健太監修トレーナーからのアドバイス

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正しい知識を得て、適切な戦略の元に、自律してダイエットに取り組んでいきましょう!!