【世界チャンピオン解説】ベンチプレスの重量を上げる方法!増えない原因!

監修者

齊藤 敬太

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

【ベンチプレス世界チャンピオン解説】ベンチプレスの重量が増えないのには原因があります。間違ったやり方でトレーニングをしてませんか?ベンチプレスの重量を上げるトレーニング・練習方法、トレーニング前の柔軟ストレッチ、グリップの握り方、サプリメントをご紹介します。

ベンチプレスの重量が上がらない原因とは?

ベンチプレスの重量を上げる方法として、練習量と練習内容を見直してみましょう。

重量が伸びない方に多いのが、「反省や研究に時間を費やし、その先に進まなくなってしまうこと」です。
練習中に、重量が上がらないからといってグリップやフォームを変えたりなどの修正ばかり行っていませんか?1セットごとに大幅に色々と変えてしまうのは逆効果になります。反省点を修正しながら練習をしてしまうと、自分にとってベストな上げ方をしていても、気づかないままになってしまうのです。

質の良い練習内容で極力毎日練習する

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

僕は基本、ベンチプレスを始めたばかりの方には毎日の練習をお勧めしています。

理由としては、ベンチプレスに慣れて頂くため、そして技術の向上が早いためです。

よく「毎日トレーニングするのは良くない」と思いがちですが、それはあくまでも筋トレの話。ベンチプレスは筋肉よりも技術で重量を上げて行くので、毎日練習したほうが良いのです。楽器などもやればやるほど上達して演奏のスピードも速くなっていきますよね。ベンチプレスも、それと一緒なんです。

筋肉を大きくすれば自ずと重量も上がると思っている方が多いのですが、力だけでは限界があります。その限界を技術で補って、重量をあげて行くというわけです。

さらに、技術で重量が上がっていけば自然と筋肉もついてきます。

まず練習頻度と練習内容を考え直してみましょう。

理想は「最低でも週5回の練習」、「反省しながらベンチプレスをやらない」です。常に先に進むための練習を行っていれば、自ずと重量も伸びてきます。
ただ、怪我でどうしても出来ない場合は、悪化させない程度の頻度に変えるのも大事です。

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

今の自分の練習内容を思い出してみましょう。
ベンチプレスを行う際の流れはどんな感じですか?

自分は、ギリギリ5レップできる重量までいき、そのまま5レップを10セットほどやってます。

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

なるほど。では、MAXは月にどれくらいやっていますか?

MAXは月に1〜2回くらいですね。月の終わりにMAXをやったりしてます。でも最近は一定の重量から進まなくて・・・

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

実はそれ、伸びない方によくある練習内容なんです。

中にはその方法が自分にあっていて、重量が伸びる方もいます。しかし、その内容で重量が伸びなくなってしまった方は、改善して行く必要があります。

僕がみなさんにお勧めしているトレーニング方法内容は、

柔軟→アップ→MAX(最大重量)→セット→補助トレーニング→柔軟 です。

下記に解説とともに記載しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ベンチプレスの重量を上げるトレーニング方法①:柔軟

ベンチプレス前も柔軟はしなきゃいけないんですか?

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

柔軟はしっかりとやったほうがいいです!

柔軟性が高まる事によりシャフトが胸に着くまでの距離を短くする事が可能となります。これにより記録更新も望むことができます。

ただし、柔軟のやりすぎもよくありません。
柔軟をやりすぎると関節や筋肉がほぐれすぎてベンチプレスをあげるために最も大切なフォームの維持が出来なくなり、重量が上がらなくなってしまいます。

柔軟は基本的には肩、肩甲骨、腰、股関節の4つの部位を各種30秒を3セット程度行うと効果的です。

お勧めの柔軟4つ

①肩回し
肘を大きく円を描くように、前にクルクル後ろにクルクル
②柔軟ポールを使用
肩甲骨の下。背中の真ん中。腰。肋骨を1本1本離すイメージで。
③肩の柔軟
体に対して腕を90度にして痛みが出ないところでキープ
親指を背骨に沿って真っ直ぐ上に引き上げたところでキープ(棒やタオルを使用)
肩と肩甲骨の距離を離すイメージで。
壁などに手をつき、肘を伸ばして体重を前へ
腕が耳より後ろにくるように
④股関節周りの柔軟
上体を反らしお尻と肩甲骨を近ずけるイメージ(ベンチ台を使うと楽に出来ます)
上半身を地面と垂直に保ち左右に揺らす

ベンチプレスの重量を上げるトレーニング方法②:アップ後にMAX(最大重量)を行う

最大重量でベンチプレスを行うことも重量アップに効果的です。
不慣れな重量でトレーニングを行うくらいでちょうどいいです。

重さに慣れて身体に覚えこませるのが一番です。
ベンチプレスで初めて上げることが出来た重量を繰り返し行うことによって身体がその重量に慣れていき、上がる重量も伸びてくるのです。

このトレーニングのことを、「神経系トレーニング」と言います。
神経系トレーニングとは、筋肉や腱が伸びた時に縮もうとする筋収縮速度を向上させるトレーニングのことを言います。
このトレーニングを取り入れることによって、筋肉や腱の大きさが変わらなくてもバーベルを押す力が強くなり、重量アップに繋がります。

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

最大重量を扱い続けることで脳が誤魔化され、自然と身体がその重量に適応するようになるのです。

MAX(最大重量)で筋トレを行う頻度とは?

MAX重量はベンチプレスを行うとき毎回やるんでしょうか?

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

ズバリ!YESです。毎回MAXを上げてMAXの平均値を上げましょう。

しかし、間違ってはいけないのは「生涯のMAXではなく、その日のMAXを上げる事」です。
生涯MAXが100kgだからと言って、毎回その重量が上がるとは限りません。身体のコンディションによって2.5kg〜10kg落ちるのは当たり前なのです。

無理に自身のMAX重量でベンチプレスをやろうとすると怪我の原因になるので注意しましょう。

ベンチプレスの重量を上げるトレーニング方法③:MAX(最大重量)後にセットを取り入れる

ベンチプレスの重量を上げるには、扱う重量の順番にコツがあります。

それは、

①最初にMAX重量を行う
②その後、通常のベンチプレスのトレーニングセットを行う

ことになります。

MAXより先にセットを行ってしまうと、セットで体力を使ってしまいMAXが上がらなくなります。MAXを行なった後、セットに入るようにしましょう。

また、セットは「MAXをあげるためのベンチプレスの練習」なので、重量にこだわる必要はありません。
重たい重量でセットを行うと技術ではなく筋力であげようと身体が動いてしまうので、「ベンチプレスの練習」ではなく「筋トレ」になってしまいます。これでは筋力はつきますが技術が上がっていきません。重たい重量でセットをこなしたからといってMAXに反映はされないのです。

では技術を上げるためのセットの重量はどれくらいにすればいいのでしょうか。解説していきます。

セットの重量の目安とは?

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

セットは大体、MAXの70〜80%くらいの重量で行うのがベストです。

このくらいの重量だとフォームも乱れずにセットを行う事ができます。セットを行う際に重要なのは必ず最後までフォームを崩さないようにすることです。

そうする事で重量に負けずに耐えておく力もつきますし、機械的な動きを行うことによってメリハリのある動きをする事ができ、さらに跳ね返しなどの瞬発にもプラスになってきます。

何度も言いますが「セットはあくまでもベンチプレスの重量を伸ばすための練習」です。
筋力UPは補助トレーニングで補って行きましょう。

知っているとさらにベンチプレスの重量が伸びる豆知識!

練習内容の改善にプラスし、これも出来るとさらに重量がアップするコツをお教えします。

グリップのコツ|バーベルは握りこまずに挟み込むイメージで

まず前提として、小さい筋肉より大きい筋肉の方が高重量が上がります。
重量が伸びない方にありがちなグリップが、バーベルをそのまま強く握り込んでしまうことです。
握り込んだグリップにしてしまうと身体が勝手に三角筋を使おうとします。

しかし、三角筋よりも大胸筋の方が大きい筋肉ですので、このままだと高重量を扱うことが難しくなります。
まずはグリップを握りこまず、手に乗せたバーベルを指で挟み込むようにしましょう。そうすることによってより大胸筋を使うことができます。

実は、グリップで一番大事なのは握り方よりも、どの位置でシャフト(重量)を受けるかです。
※重量は尺骨で受けるのが理想です。
ではその感覚を掴むために、以下の2つのプッシュアップをやってみましょう。

①橈骨(親指側)で数回プッシュアップ

②尺骨(小指側)で数回プッシュアップ
どうでしょうか?②の尺骨側の方が力強くプッシュアップが出来たと思います。
その位置でシャフト(重量)を受けてベンチプレス を行うのが一番力強く上がります。

グリップも意識してあげることによって、記録更新に大きく役立ちます!

サプリメントについて

記録更新に役立つサプリメントをご紹介します。

①クレアチン
クレアチンは瞬発力が上がる事で有名なサプリです。記録更新を狙っている時や大会前に飲むと効果的です。
ちなみに僕のオススメは「マッスルプロダクション」の「クレアチンバイオアスリート(10倍濃縮タイプ)」です。

②BCAA
BCAAには色々な効果がありますが、中でも回復にとても役立ちます。
身体が回復する事によって高頻度、高強度の練習が可能になり、結果、質の良い練習ができるので記録更新に繋がります。

齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス

BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン

如何だったでしょうか。
練習方法は個人差がありますが、お悩み中の方はぜひ参考にしていただけますと幸いです。