骨盤の矯正のポイントは、締めるのではなく自由にさせること

骨盤とは、全身運動の力の源。
そこが機能していないということは、湯沸かし器を設置し忘れた真冬のお風呂みたいなものです。

骨盤の矯正というと骨盤の歪みを正したり、骨盤を締めたりして、弱々しく歪んだものを固めて安定させるような印象を持っている方が多いようです。

まず歪みが起こる理由には、自由に動くはずだった骨盤がどこかでストップさせられているから融通がきかなくなっている状況が挙げられます。日々の複雑な動きの中で、骨盤が複雑な動きについていけずに腰痛やひざ痛、肩こりなどの不調を感じたりするのです。

言い方を変えるならば、歪んでいる骨盤というのは、固くなっていて歪みきれていない。歪み方が中途半端な状態です。歪み切れるほど柔らかい骨盤ならば、よく動いてはその反動で元の位置にも戻ります。ところが歪みきれてなくて中途半端な状態で止まっている骨盤は、他の骨格とのチームワークが乱れて負担を大きくして、 痛みなどを引き起こしたりパフォーマンスを低下させるのです。

編集部

なるほど、骨盤の歪みは大切なんですね。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT

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歪みという言葉が抵抗感を煽るので、違う言葉に置き換えると「変幻自在」なんてどうでしょうか?

都会に住んでいると足場がアスファルトで埋め尽くされて、舗装された道路ばかりです。そんな地球に住む私たちなら、歪むな!真っ直ぐの姿勢でいろ!というのが適当なのですが、もともと地球には起伏があって、デコボコの地面を裸足で歩いていた地球人には左右の歪みや上下左右前後に変幻自在な動きが必要だったのです。

ジャングルに住むライオンやシマウマなどの動きには躍動感やうねり感がありますが、まさにあれが歪みだとか変幻自在を表すものです。動物園のそれとは別物です。

うねることができない固まった筋肉と、うねることができる緩やかで柔軟な筋肉では、緩やかで柔軟な筋肉の方が血流を確保でき神経伝達も妨げるものがなくダイエット効果も上がります。

またうねることができる筋肉は筋紡錘という筋肉の中のセンサーが活発に作用するため姿勢のバランス調整能力を高めます。姿勢を固めた動きではなく緩やかなバランスで保てると、各組織にストレスを起こさず、腰痛などのリスクを軽減します。骨盤の自由度を高めることはいい影響を盛りだくさんであなたの元に運んでくれるということになります。骨盤を変幻自在にすることを、今回の骨盤の矯正のテーマとしたいと思います。

ストレッチポールを使った骨盤矯正のやり方

骨盤を変幻自在に機能させるスイッチが、「股関節を尖らせたり畳んだりすること」にあります。
股関節がしっかりと動くと深く畳めるし、その分裏側は尖ったりします。この往復の動きの深さが体のバランスを自由にコントロールしてくれます。

まず「コマネチの部分」を深くたためることが、股関節と骨盤の変幻自在の入り口です。

股関節を使うときにそんなところは当たり前に使っていそうなものですが、現実はそこが円滑に畳むことができないことが多いです。スマホをいじっている人や、パソコンと向き合っている人は、多くの時間をコマネチの畳み込みが浅くなっています。
この関節の動きが習慣化していると、歩くときもそのほかの動きでも骨盤が円滑に動くことができません。

理想は、股関節を深く畳んでしっかりと広げての繰り返しが伸縮性を持って自由に動けると良いです。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT

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コマネチを深くたたむということで、私はこれを「深コマネチ(ふかごまねち)」と呼んだりしています。

股関節が浅いとき、背中は丸まり、肩甲骨がだらしなく広がって落ちます。
逆に深コマネチを使えているときは、背骨のアーチが生きていて、肩甲骨が寄ります。あとは、ヒップの筋肉がストレッチされてお尻にハリが生まれます。

この動きは体の中の相反する力であって弦の張力が生じる一つの仕組みです。ですから股関節を深くたたむためには、背骨のアーチと肩甲骨の寄せの動きとのセットで考えることがエクササイズをシンプルにします。

股関節の動き改善エクササイズ① 尖らせて座って転がす

尻の頂点(坐骨)をストレッチポールの上に乗せて座ります。
出来るだけ尻の頂点を尖らせるように座ると股関節が深く畳まれます。ついでにバンザイのポーズで腕を上げておくと、気持ちが明るくなると思います。

尻が尖り、股関節が深く畳まれている状況のままストレッチポールを転がしましょう。尻を尖らせることと股関節が畳まれていることを保ったままで転がせる範囲で動かします。

繰り返していると、股関節付け根辺りが畳まれる緊張感などが感じられます。

そして、片方の脚を後方へ開いて、片方の座骨を尖らせて転がします。歩きの動きに近いポジションで、より実用的です。後方に伸ばした脚と同じ側の腕を高く上げて、股関節の揺れと上半身の動きを連動してストレッチを掛けます。
特に後方に伸ばした脚の骨盤と脇腹を剥がすように意識すると、胴体と骨盤の間の動きに水門が開通したような自由度が増します。

終わった後に立ち上がって脚を回してみると、股関節が軽く動くのがわかると思います。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT

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ポイントは、骨盤を深く畳むことで支点を作った状態での変幻自在を目指すところです。

股関節の動き改善エクササイズ② 尻のエクボを深くして転がす

股関節というとコマネチで摩る部分を想像しやすいですが、股関節の骨は球体ということもあり、お尻のエクボの部分も股関節です。

エクボの部分にポールを置いて、ランニングをしているような前後開脚をしたような格好で転がします。

例えば右のお尻のエクボをポールに当て、右ひじを床に置いて、左脚を広く開き、上半身を仰向けにします。右の尻のエクボを深くしたまま、左肘を上に伸ばします。左脚から左腕までのCカーブが深くできると、全身にストレッチを掛けることができます。そこで転がせると、ランニング時の動きに近い状態で骨盤を働かせて、その力を全身へと波及させることになります。

実はこのエクボが深くできない人は非常に多くて、これができないと普段の歩きや走りで体の重心を下がることができず、浮ついた弾力性のない動きになります。
弾力性のない動きが全身への衝撃を増やし、腰や膝や肩のどこかに痛みなどの形で現れます。

股関節のコマネチ側は開脚などでも意識するし、股関節といえばコマネチあたりを摩る人がほとんどなので印象が強めなのですが、股関節の球体の性質上、その裏側にあるエクボの動きも同じぐらい重要な部分です。

これも後方に伸ばした脚の骨盤と脇腹に剥がすような意識を入れてあげると骨盤の上部に自由度を作ることができます。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

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このエクササイズでお尻のエクボ魔になってください。

ストレッチポールを担いで使うエクササイズ

ストレッチポールを持ってコマネチを深くするスクワット

ストレッチポールといえば寝転がって転がすイメージばかりを持っている人も多いかもしれません。

次はそうではないエクササイズを一つご紹介します。ポール後ろ抱えスクワットです。

本来のポールの使い方からは逸脱しているような気がしないでもないですが、ポールは自宅でも扱うことができる貴重なツールなのでこんな使い方で役立てる幅を増やしてもらえると嬉しいです。
股関節を深く畳む動きを引き出すのに優れたエクササイズです。

肩幅より少し広めのスタンスで立ち、普通にスクワットをするのですが、背中にポールを置いて腕で巻き込むようにして抱えます。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

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ポールの太さを利用して強制的に胸を突き出し、肘を尖らせることがポイントです。

肘を尖らせるためには、肩甲骨を寄せることが必要になり、肩甲骨を寄せると背中のアーチがより明確になり、上半身全体に弦の張りが通ります。

いよいよ上半身のその緊張感を保ったままスクワット開始です。
上半身の尖った姿勢が保てたまま股関節を深く畳むことを意識して下げれば出来上がり。最も下まで降りたところで、股関節を深く畳み、膝を尖らせ、尻を尖らせ、胸元を突き出し、背中のアーチを保ち、肩甲骨を寄せ、肘を尖らせ、顎を引きながら前を見据えます。上半身の背中のアーチや肘を尖らせる動きが、体の連動の仕組みで股関節を深く畳ませてくれます。

全身が稲光のような形を作り、メリハリがあればグッドです。そこから上半身のハリを生かしたまま上がります。

ポールのお陰で上半身が決まっている分、脚の動きが制限されて、ある程度良い動きしかできません。稲光動作を利用して、伸縮の柔らかさを増していき、全身との連動で骨盤の自由度を上げていきます。

横手貞尚 よこてさだひさ 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT

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股関節を動かすことの重要性がお分かりいただけたでしょうか?ストレッチポールには様々な使い方がありますが、今回紹介したエクササイズをぜひ実践し、骨盤がしっかり動く状態にしましょう。

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