【プロトレーナー解説】悪阻なども乗り越えて、ついに迎えた臨月。何に注意しながら、また自宅でできることにどんなことがあるのか?筆者もお医者さまから「どんどん動いていいよ」と言われて活動していた所、「それは動きすぎかな」とのご指摘も受けた経験があります。注意点やおすすめの運動について一緒にみていきましょう!
臨月になり「体調が良ければ運動しましょう」と言われる理由は?
臨月に入るとどのくらい運動をする必要があるのか分かりません…
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
初めての妊娠ですと分からないことだらけですよね。臨月の運動について一緒に見ていきましょう。
では、そんな大変なときになぜ運動しましょうと言われるのでしょうか?
急激な体重増加を防ぐため
そこに加えて、後期に入れば、悪阻も落ち着いて食欲が回復している方も多くなってきます。そして、「いつの間にかこんなに増えてしまった!」なんてことにもなってしまいます。(急激な体重増加のリスクについては後半でも触れます。)
妊娠中に限らず、日頃から[食事]と[運動]のバランスに気をつけなければいけません。
お腹で命を育んでいる体は、思っている以上に大きな負担がかかっていますので、尚更気をつけていきたいものです。
体力をつけるため
中には、初期や中期にかけて安静を余儀なくされていた妊婦さんもおられますが、臨月となれば『いつ産まれてきてもいい』という状態になっていますので、出産本番に向けて適度に動いて力をつけていきたいですね。
子宮口を開きやすくさせるため
いざ陣痛が始まっても、なかなか子宮口が開かなくて苦労される方も多いです。陣痛が始まってから産まれるまでの時間が短ければ『安産』とは限らないですが、少なくとも、分娩がスムーズに進む方が母親への負担も少なくて済みます。
股関節を柔軟にする
妊娠中に限らず、むくみ予防や脚やせ対策には、股関節の柔軟性も大きく関わってきます。あぐらのポーズが取れる場合は、しっかり取り入れてみてください。
妊娠中の運動はどのくらいできるのか?運動する際の注意点は?
妊娠中の運動ってどのくらいやっていいんですか?
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
激しい運動はもちろん避けてください。妊娠中は、あまり自覚はないものの、赤ちゃんへ血液・栄養を送るために血流量が増えている状態だからです。
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
筆者の実話ですが・・・
職業柄、安定期に入ってからは(動きたい衝動により)とにかくあちこち動き回って活動的でした。
週二回は電車を乗り継ぎ、時には車を運転してマタニティスイミングに通い、毎日愛犬(コーギー)との散歩をし、休日は釣りに行ったり、真夏の海にも行きました・・その他いろいろ。
自分の感覚としてはなんともなかったのですが、後から先生にちょっと怒られたのは言うまでもありません・・・
こちらも勿論、お医者様から許可を頂いてからになります。
妊娠36週0日になった時に「臨月に入りました」となり、出産予定日である妊娠40週0日に向けて、「もういつ産まれてきてもいい状態にきたから、はい!運動していこう!」となるわけですね。
そこで、張り切りすぎても危険ですので、一体自分の体が妊娠前とどれだけ違う状態にあるのかまず知りましょう。
心拍数が上がる
そんな、通常時より多くの血液を送り出すために心臓の仕事量が増え、その結果、心拍数が上がるというわけです。
「これぐらい平気」と思っていることも、妊娠中ましてや臨月ともなると、大きく状態が違うために、かなりの負担となってしまいます。ドキドキはぁはぁしてきたときは、少しお休みを取りながら脈拍を測るようにしてみてください。
(客観的に、これぐらいの運動なら大丈夫だな・これはちょっときついな と自分で把握していけるようにしましょう。主観だけではどうしても見落としてしまうことが多いので。)
雨の日の外出
大きなお腹になって、足元も見えにくくなっているため、いつのまにか滑りやすいマンホールの蓋の上などを歩いてしまっていたということもあるかもしれませんので、滑りにくい靴を履くなどの対処をきちんと取っていきたいですね。
【プロトレーナー解説】臨月のウォーキングのメリットって?注意点はあるの?なぜ臨月になると動くことを勧められるのでしょう?無事出産を迎えるために是非取り入れたいウォーキングについて詳しく見ていきましょう。
臨月でも安心してできる、おすすめの運動は?
臨月に入ってからのおすすめの運動ってありますか?
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
一番手軽なのは、やはり「ウォーキング」ですね。ですが、気候に大きく影響を受けますので、夏場の散歩は気をつけたいところです。
筆者も通っていましたが、マタニティスイミング・マタニティヨガ・マタニティビクスなど、妊婦さん向けのレッスンが様々あります。
それぞれが、きちんと安全を考慮して作られたものですので、お近くで体験できる施設があれば、是非足を運んでみてください。
なかなかそういう所へは行けないなという場合も勿論ありますので、手軽にできる運動としてもう一つ、骨盤回しをおすすめします。
ゆっくりゆっくりやります。どっち回しからでも大丈夫ですので、心地よいと感じる範囲でゆっくり大きく回してみます。
骨盤周りの筋肉の柔軟性を上げて、赤ちゃんが通りやすくしてあげるための準備と思っていきましょう。
あとは、お医者さまからも言われると思いますが、階段の上り下りです。
ただし、このときの姿勢にも注意点があります。
上るときに「あーきつい」と、感じると、ついつい前かがみになってしまいがちです。そうすると、大きなお腹でその姿勢になってしまうと、股関節への負担もさらに高まり、鼠蹊部への圧迫状態も高まります。背中をすっと起こして上っていく(必要なら手すりを持って)という風に意識してみてください。
室内でできる運動にはどんなものがある?
足首を回す
「運動」と聞くと「頑張るもの」という印象ですが、「頑張らない運動」というものがあるのをご存知ですか?そんな運動が臨月にはもってこいです!
足首をゆっくり丁寧に回してください。手首も一緒に。
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
本当にゆっくりと!です。
困ったときに、すぐには整骨院などには行けない・・それならば!この「手首・足首回し」が本当に素晴らしいんです。
体は繋がっています。辛い腰の部分だけに囚われず、身体は繋がっていますので、他の誰かに頼らずに自分自身で簡単に行えるセルフケアを知っていただきたいです。
仰向けになって、足を椅子などに乗せて、深い呼吸を続けながらしばらく休む
リンパの流れは心臓に向かう一方通行になりますので、脚を心臓より高い位置に上げておくことがまず一つですが、そのまま何もしないとリンパの流れを促せません。
リンパは筋肉の動きによって流れますので、今お伝えした体勢が整えば、足首を動かしていきましょう。(つま先を向こう側へ押して、足の甲側をしっかり伸ばす&つま先を手前に引いて、ふくらはぎをしっかり伸ばす)
足指じゃんけん・タオルギャザー
しかし、臨月という大きなお腹の状態ですと、足の指を触ろうと思ってもなかなかできません。そのために、椅子に座りながらもできる、足指じゃんけんやタオルギャザーがオススメです。
足の指で、グー・チョキ・パーをしたり、フェイスタオルを置いて足指でタオルを手繰り寄せるという、よくリハビリにも使われるものですが、こういったプチ運動を取り入れていただくのもいいですね。
スクワット
足は肩幅ぐらいにして、つま先と膝は斜め外向きにして、背中を壁につけながらゆっくりしゃがんでいきます。この降り方で行けば、股関節周りの柔軟性アップも狙える動作になりますので、無理なくゆっくり深い呼吸を続けながら行ってください。
臨月のスクワットの効果については以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。
【プロトレーナー解説】赤ちゃんがいつ産まれてもおかしくない臨月。スクワットは安産になぜ効果的なのか?体を動かすのが億劫になる臨月でも、意識して動かすことのメリットはたくさん。そんなスクワットの効果や、安全なやり方を見ていきましょう。
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
ここまでで、いくつか運動の例を挙げてきましたが、きちんとお医者さまとご相談の上、進めてくださいね!
ご家族のサポートにも頼りながら、無理のないペースで取り組んでください。
最後にお伝えしたいこと
が、出産においては何が起きるか本当にわかりません。
齋藤麻由監修トレーナーからのアドバイス
日本フットセラピスト協会認定フット・ハンド・ヘッドセラピスト/タイ厚生省認可タイマッサージ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト
筆者自身、予定日の5日前に破水したことから病院に行き、いよいよだ・・と分娩への心構えしていたものの、待っていたのは、心構えできていないことでした。
体調は本当に良かったのですが、病院に行ってしばらくすると、わずかに陣痛も始まっていたのですが、その時点での血圧がものすごく上がっていました。
最後の最後に重度の妊娠高血圧症という診断を受け、母体と赤ちゃんの安全を最優先に考え、本陣痛を迎える前に緊急帝王切開を行うということになり、心の準備が整わぬまま、手術を迎えました。
これから出産を迎えられる皆様にお伝えしたいのは、出産のスタイルに強くこだわらないで欲しいということです。
10ヶ月もの間、お腹の中で大切に命を守って来られたお母さん。それだけでも大仕事です。
お母さんと赤ちゃんの命を大事にして、母子共に健康で・笑顔でお腹の赤ちゃんと対面されますように!心からお祈りしております!
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