サプリメントは手軽に栄養を補充することができるため、多くの人が利用しています。特にアメリカのサプリメントは充実しており人気もあります。なぜアメリカでサプリメントが進んできたのか、またアメリカのサプリメントは安全なのか、解説します。
アメリカでサプリメントが充実している理由
日本では、国民全員に健康保険の加入が義務付けられています。そのため、医療を受ける際には保険が適応され、誰もが比較的安価で医療を受けられるような制度になっています。
一方、アメリカではこのような医療保険制度はなく、任意で民間の保険会社などに加入しなければなりません。保険会社によっては、指定している病院でしか治療を受けることができなかったり、保険の適応金額に上限がある場合もあるようです。
さらに、アメリカの医療費は高額であるため保険料も高く、お金がない人は病院へ行くことができないということが起きています。
こうした経済的な理由から、アメリカでは1970年代に、病院へ行く必要がないよう、病気を予防するために「ビタミンショップ」としてサプリメントの専門店が現れ、これをきっかけにアメリカではサプリメントが流通してきました。
サプリメントの規制について
日本とアメリカでは規制の内容が異なるため、アメリカでは承認されていても日本では販売が認められない場合があります。
アメリカでは1994年、DSHEA(ダイエタリーサプリメント教育法)の制定により、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・ハーブなどについて科学的根拠に基づいていれば、FDAへの通知だけでヒトの構造と機能に影響を与える栄養成分の役割説明やメカニズム、健康上のメリットなどを記載することが可能になりました。
その一方で、健康被害のリスクのあるサプリメントに関しては厳しく取り締まっています。
例えば、食欲を減退させる効果がある「エフェドラ」は、副作用に肝硬変を起こすことがわかっており、実際に被害が相次いだことから、エフェドラを含むサプリメントの流通が禁止になりました。
日本では「マオウ」という植物に多く含まれる物質であるエフェドラは、医薬品成分扱いであるため、サプリメントには使用出来ません。
このように、アメリカと日本では規制の内容が異なり、エフェドラに関しては現在は健康被害の観点から製造が禁止になっていますが、アメリカでサプリメントとして製造が許可されているものでも、日本では医薬品扱いのためサプリメントとして販売出来ないということがあります。
【参考文献】
サプリメント購入時の注意点
特に海外のサプリメントとなると、本当に安全かどうか不安があります。また、「国産=安全」という印象を持つ方もいると思われますが、国産だからといって必ずしも安全であるとも言い切れません。
サプリメントを購入する際には「成分名」と「含有量」が正確に記載されているかを確認することをおすすめします。
成分名が抽象的にしか書かれていない場合、効果が有効でなかったり、多種の成分が含まれている場合には、成分同士の相互作用についてしっかりと検討されていないことがあるようです。また、含有量が記載されていなければ、安全かどうかの判断ができないということが言えます。
さらに、上で述べたように、アメリカのサプリメントは日本では医薬品扱いの成分が含まれている可能性もあります。そのためサプリメントの内容をしっかり把握し、副作用のリスクがないかを確認し、ほかの薬との飲み合わせはしないようにしましょう。
【参考文献】
栄養機能食品とも呼ばれるサプリメントは、手軽に栄養摂取できるため多くの利用者がいます。ただし、使い方に注意しないと腎臓などに負担をかけてしまうことがあり、健康被害を受けてしまうことがあります。サプリメントについて正しく理解し、上手に活用しましょう!
安全なサプリメントの選び方
GMPとは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるようにするための製造工程管理基準のことで、厚生労働省によって健康食品の安全と品質の確保のために、取得を推奨されています。
cGMPはFDAによって定められており、このマークがついているものは、製品の安全や有効性が確保されていることを意味します。アメリカでは全てのサプリメントの製造にcGMPの取得が義務付けられており、cGMPが取得できていなければ販売もできません。
日本におけるGMPの取得は任意であり、医薬品のように医薬品医療機器総合機構といった公的な審査はありません。
一方アメリカは法的にcGMPの取得が義務化されており、品質と安全が保証されています。これらの点においては、アメリカのサプリメントの方が安全にも品質にも優れていると言えます。
サプリメントを購入する際には、これらのマークを目印にして選ぶことをおすすめします。
安全にサプリメントを有効活用しよう
DSHEA(ダイエタリーサプリメント教育法)によって製造の規制もしっかりとされているため、品質や安全が保障されていますが、規制の内容は日本とは異なります。日本では食品扱いと認定されていないものがサプリメントに含まれている場合には、副作用の有無に注意しましょう。
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