腹筋は脂肪を意識して割る!筋トレと食事のポイントを解説!

監修者

田口純平

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

腹筋を割りたい!と誰もが憧れますが、人体の構造上腹筋は白線という腱でもともと割れています。ではなぜあなたの腹筋は割れていないのか?それは他でもない「脂肪」です。その脂肪を意識して人間本来のカッコいい腹筋を手に入れる方法を解説します。

もともと腹筋は割れている

人間の腹筋は独特な構造をしており、白線という腱によって左右上下に分かれています。つまり、誰もがもともと割れた腹筋を持っているのです。

しかし、その腹筋と腹部の皮膚の間には脂肪があり割れた腹筋の露出を邪魔しています。腹部の脂肪が多ければ多いほど割れた腹筋からは遠ざかります。腹筋を割るという表現がよく利用されますが、誰もが割れた腹筋を持っています。正確には割れた腹筋を露出させるという表現が正しいでしょう。

また、腹筋は筋肉ですので、鍛える事で筋肥大し大きく成長します。腹直筋が筋肥大して大きく成長すれば、より腹筋が露出しやすくなります。腹筋は割るのでなく大きくするイメージです。

そしてその腹筋の周りの脂肪をそぎ落とす事が理想の腹筋への鍵になるでしょう。筋肥大の為の腹筋トレーニングは別の機会にお話ししますが、今回は「腹筋を割る」為の脂肪の意識の仕方や賢い減少法、食事のポイントを紹介&解説していきます。

腹筋を割るには皮下脂肪を落とす必要がある!

脂肪は食事によって摂取したエネルギーが、消費したエネルギーを上回る場合に身体に蓄えられます。蓄えられた脂肪は筋肉の上、皮膚の真下に付きます。脂肪が多ければ多いほど、皮膚と筋肉の距離は離れ、筋肉が露出しにくくなります。

そしてその脂肪の量は体脂肪として簡単に計測できます。体脂肪率は体重の何%が脂肪で出来ているのかを示す数値で、低ければ低いほど、筋肉と皮膚の間の脂肪が少ないので、筋肉が目に見え易くなります。要するに、体脂肪率を下げれば筋肉を露出しやすくなるのです。

腹筋に注目すると、男性の場合は約15%女性の場合は20-18%程(バストの大きさも関係する)の体脂肪になると腹筋が身体の表面に現れ始めるでしょう。また、男性は10~12%以下で強靭な腹筋が目に見えるようになり、8%以下でバキバキの腹筋が手に入ります。女性の場合は、約15%以下でかなり本格的な腹筋が手に入ります。

腹筋を割るために有酸素運動を取り入れる

割れた腹筋の上に乗っている脂肪を燃焼させるのに効果的な運動は有酸素運動です。

有酸素運動は脂肪をエネルギー源として利用して燃焼させる事が体脂肪率の低下に直結します。筋肥大を狙った筋トレの直後に有酸素運動を取り入れて、体脂肪を減らす事で腹筋は割れやすくなるでしょう。

基本的には20分間以上有酸素運動を継続することで脂肪が燃焼される割合が高くなります。ジョギングやバイク、水泳などが有酸素運動の良い例です。TRXトレーニングやヨガ(比較的ハードな)などで筋肉に負荷を掛けた筋トレを有酸素運動としても賢く利用する事も可能でしょう。

お腹の脂肪が減らない場合は食事を意識する

前述したように有酸素運動は脂肪燃焼の効果がありますが、効率で考えると非効率です。

そのため、脂肪を減らすために効果的なことは「食事のコントロール」になります。

食事のコントロールと聞くと、「食事を我慢する」と考えがちです。
しかし、いくら理想の身体の為、腹筋を割る為だとしても、人間の3大欲望の1つである「食べる事」を我慢するのは簡単な事ではありません。食べたいものや大好きな食事を我慢するのは精神的に苦痛ですし、ストレスは様々な点でマイナス効果を生み出しかねません。

そこでストレスなく理想の腹筋を手に入れる為のポイントは、炭水化物や脂質、高カロリーな食べ物は朝&昼の間に食べてしまう事です。

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

朝と昼に脂質や高カロリーの食べ物を食べても腹筋を割る事は、可能ですが、日頃トレーニングしている事が前提です。食べすぎには、注意しましょう。

朝や昼に食べたものは、夜に就寝するまでの間に燃焼されやすいからです。食べた物がその日のうちにエネルギー源として使用されれば、体脂肪率は上がりません。

燃焼されなかったエネルギー源(カロリー)が寝ている間に内臓脂肪や筋肉の上の脂肪となって蓄えられるのが、この理論のポイントです。夜は寝る時間に近く、エネルギーの消費量が低下する為、(身体は睡眠に向けて身体的な活動を抑えるべきとされています)夜摂取した食べ物は高い確率で燃焼されずに身体に溜め込まれるからです。

炭水化物や油物は朝と昼を中心に摂取すること、夜は炭水化物、油物は避ける事を意識しましょう。夜に肉類の摂取はお薦めです。筋肉を造る役割であるタンパク質が多く含まれていますので、筋肥大や体づくりにピッタリです。

夜の間に食べた物が脂肪に代わるのを避ける為に、夜は血糖値が上がった状態で寝ることを避けて下さい。その為には食事を就寝の3~4時間前に済ませる事が重要です。

空腹の期間を減らそう!

おなかの空いた状態はダイエットにも体づくりにも逆効果です。今でもダイエットは空腹と戦うものという間違った勘違いをしている方がいるようですが、しっかりと正しく食べる事が体脂肪を減らして腹筋を割る為にも重要です。

まず、空腹状態だと、筋肉に栄養素が行き渡っていないケースが殆どで、筋肉分解が起こりやすくなります。せっかくトレーニングを重ねて付けた筋肉がエネルギー源として分解されて消費されてしまうのです。

この筋肉分解は体づくりの天敵と言っても加減ではなく、如何に筋肉分解を抑えるかという大きなテーマにぶつかります。筋肉分解を防ぐための簡単な方法が、「空腹状態を減らす」ことなのです。

空腹時には、食べたものの吸収率と脂肪転換率が高まっているので、空腹時の食事は脂肪として身体に蓄えられやすく、体脂肪が高まりやすくなってしまうでしょう。

また、人間には生き延びる為のすべとして、食料が手に入らなくなった際に、より長い間生き延びられるようにする機能が自然と備わっています。消費するカロリーを抑えて、「省エネ」にする事で身体からエネルギーが出ていくことを抑えます。

空腹時にはこの本能的メカニズムである「省エネモード」に入るため、カロリーの燃焼率が悪くなり、脂肪が燃焼されにくくなるだけでなく、脂肪が付きやすい身体に変化してしまうでしょう。体脂肪率を下げる為には、空腹を避けて正しく食べる事も重要です。

食べる順番を決めよう!

体脂肪と血糖値の関係性を一緒に考えていきましょう。
炭水化物や脂質を摂取すると、血液内のエネルギー源であるブドウ糖の濃度が急激に上昇します。これは血糖値は爆発的な上昇を意味します。

では、血糖値が急激に上昇するとどうなるでしょうか?
身体は血糖値を一定に保とうとする懸命に働きます。インスリンと言うホルモンが分泌され、血液内の糖質をエネルギー源として筋肉内に取り込むだけでなく、脂肪としても身体中に溜め込み始めます。そうしないと、急激な血糖値の上昇を抑えられないためです。

これが炭水化物や脂質の摂取が筋肉にエネルギーを与えるだけでなく、脂肪としてまで蓄えられる理由です。食事をする際にこのメカニズムを知っていれば、血糖値が急激に上昇することを抑えれば、脂肪転換率を抑えられる事が頭に入りやすいでしょう。

血糖値を徐々に上げる事で、脂肪転換を最低限に抑えながらの食事が可能になります。血糖値を抑える為の食事の順番は以下の様になります。
汁物➡サラダ➡タンパク源➡炭水化物➡(油物)➡デザート

腹筋を割るために|まずは2週間試してみよう!

上に紹介したような高タンパク、低脂肪、低炭水化物が中心の食事にシフトして、食べる順序やタイミングを工夫し始めると、貴方の身体にも徐々に身体に変化が感じられるようになるはずです。

まずは2週間、騙されたと思って試してみて下さい。筋肉が付きやすく、脂肪の燃焼率が高まって、コンディションが確実に向上します。何となく身体が軽いので、気分も良く、より良いトレーニングや毎日の生活を送れるはずです。

何事もはじめの内は意識的に行う必要がありますが、慣れてしまえば習慣となり、全く苦にならないでしょう。貴方の身体と筋肉に良い習慣を身に付ける事は大きな収穫になるに違いありません。

腹筋を割る為の脂肪コントロールと食事の際のポイントまとめ

●本来、誰もが割れた腹筋を持っている、その上に脂肪が乗って腹筋の形が露出しにくいだけ。
●腹筋を割る為には体脂肪率を落とす事が重要(男性15%、女性20%以下)
●脂肪の燃焼には食事のコントロールが効果的
●空腹は体脂肪低下、筋肉を付ける天敵。筋肉分解を招き、脂肪転換率を高める&「省エネモード」によりカロリー消費が減少する
●食べる順番を考える(血糖値の急激な上昇を抑える)
●2週間試して効果を時間する、身体と筋肉に良い習慣を身に付ける

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

継続する事が、何よりも重要です。今の生活スタイルで腹筋が割れないと思っている方は、何か1つでも変えてみてください。年齢問わず、絶対にカラダは変化します。

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