【プロトレーナー監修】たくさんの人が悩んでいる「肩こり」ですが、そのメカニズムを皆さんはご存知でしょうか?その辛い肩こりが筋トレで解消できるということは意外と知られていないかも知れません。肩こりを筋トレで解消するメカニズムを解説していきます。
肩こりってなぜ起こるの?
立ち上がることで遠くを見渡して獲物や敵を見つけやすくなり、空いた両手で細かい作業ができるように進化してきました。
しかし、二足歩行は重い頭を非常に不安定な体勢で支える必要があります。ヒトは卓越した視野と器用な手を獲得する代償として、肩こりや腰痛に苦しむことになったのです。
肩こりの原因は、首、肩の筋肉が緊張、硬直し、血流が悪くなることにあります。
その原因はいろいろありますが、長時間の同一体位や無理な姿勢、過度な負荷、気温や湿度差などの直接的なストレスが多いでしょう。
さらには生活習慣や精神的なストレス、筋力の低下なども肩こりの原因であるといわれています。肩こりといっても実際にストレスがかかっている部分は、首から首の付け根、背中あたりの筋肉です。その中でも一番大きな筋肉が「僧帽筋」です。
その他にも「僧帽筋」には姿勢を整える働きもあります。
様々なストレスに影響を受けることで、僧帽筋内には疲労物質が発生します。その結果、僧帽筋が緊張状態になり、硬直し、血流が低下してしまい老廃物等も流れず、肩こりの症状が起こるのです。
僧帽筋と隣接している広背筋へのストレスでも肩こりはおこります。緊張や硬直の度合いは人それぞれの筋肉の大きやなどにより個別差があることから、肩こりの症状も人それぞれなのです。首周辺の痛みだけでなく、頭痛の原因となってしまう場合もあります。
筋力は鍛えなければ低下する?
これは肩の筋肉だけではなく、全身の筋肉で起こる現象であり、基礎代謝の低下や姿勢が崩れる原因であるとも言われています。
基礎代謝が低下するということは全身で消費されるエネルギー量が低下することになり、肥満やメタボリックシンンドロームの原因にもなります。筋力が低下しても、頭部や腕の重さが変わるわけではありませんから、僧帽筋にかかるストレスはどんどん大きくなってしまい、加齢ともに肩こりもおこりやすくなってしまうのです。
こんな「肩こり」には注意して!
人間の関節は様々な筋肉、腱、骨などの組織によって形成されています。そんな関節も加齢に伴い次第に機能が低下してきます。特に肩関節の機能低下に伴う痛みや、関節の炎症などの痛みは肩こりとは違うので、注意が必要です。
また、首の中には多くの神経が通っています。この神経が筋力の低下や軟骨や骨の変形によって圧迫されたり、傷付けられたりすることにより、首や肩に痛み、しびれがおこる場合があります。
さらに、自律神経が乱れることにより、副交感神経と交感神経のバランスが崩れ、筋肉の緊張が強くなり、肩こりの症状が出る場合もあります。
交感神経は筋肉を緊張させ、副交感神経は筋肉を弛緩します。交感神経の働きが自律神経の乱れで強くなると、筋肉が緊張状態になりやすく、大きな筋肉である僧帽筋はその影響を受けやすのです。
病気でもないのに身体の調子が悪い…。動悸、息切れ、慢性的な疲労や頭痛。ストレス社会で生活する現代人が直面する症状。それはもしかしたら自律神経の乱れが原因かもしれません。『自律神経』という言葉はよく耳にするけど知らない。そんな方も多いのでは?謎多き存在、自律神経。その実態を正確に知り、付き合い方を見つけていきましょう。
肩こりに効果的な筋トレとは?
オルタネイト・ショルダープレス
オルタネイト・ショルダープレスは肩の筋肉である三角筋の前〜中部を鍛えることができるトレーニングです。肩から背中の上部が引き締まり、キレイな肩まわりのラインが手に入ります。腰を曲げて行うトレーニングが辛い方にオススメです。
ダンベルシュラッグ
ダンベルを使用したシュラッグはバーベルでは出来ない動かし方があります。「重量」「動かし方」「軌道」「肩甲骨」などダンベルならではの利点が多くあります。さほど難しくなく単純な種目ですが、そのコツやバリエーション等を紹介していきます!
肩の筋トレはダイエット効果も!?
僧帽筋の筋トレは肩こり解消にもなりますが、大きな筋肉をトレーニングするということは、小さな筋肉のトレーニングに比べて消費するエネルギー量も多く、脂肪燃焼やカロリー消費にも効果があります。
また筋肉を鍛えて活性化させることは基礎代謝や新陳代謝を高めることにもつながります。肩こり解消目的ではじめた筋トレがダイエットにも効果があるのです。
直接的にエネルギー消費や代謝を促進することもダイエットになりますが、僧帽筋を鍛えることにより、正しい姿勢を保つこともダイエットにつながります。
正しい姿勢を維持できるということはそれだけで、消費カロリーをアップさせます。また正しい姿勢はシルエットも美しくなり、スタイルも良く見せる効果もあります。
みなさんは「ダイエットのために筋トレをしている」という話をよく聞きませんか?実はそれは大きな勘違いかもしれません!ここでは筋トレとダイエットのそれぞれのメカニズムの解説と、理想のカラダを手に入れる方法をタイプ別でご紹介します。
筋トレで肩こり解消はできる!
ただし、肩こりだと思っても他の疾患である場合もあるため、十分に注意しましょう。
また無理な筋トレは逆に肩こりを強くしてしまう場合もあります。無理なく続けて行うことを目標に、まずは初めてみてください!
中島 健監修トレーナーからのアドバイス
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
記事中では自宅でできる、肩や僧帽筋のトレーニングを紹介しました。肩こりには肩甲骨周りにある背中の筋肉も大きく関与するので、ジムに行かれる方はラットプルダウンやシーテッドロウイングなども行うと、肩こり解消や姿勢の改善に効果的です。
PC、スマホを長時間眺めていることが多い方は、肩や背中、そして首回りの筋肉が凝り固まっています。この状態を放置すると重い肩こりなどにもつながるので、普段からストレッチなどでほぐしていきたいところです。そこで、今回は肩こりを解消するためにオススメの簡単ストレッチを8つ解説します!