アーモンドやくるみなどのナッツは、高カロリー&高糖質、高脂質ですがダイエットにピッタリです。ナッツの脂肪は良質で、ビタミンや食物繊維、タンパク質も豊富です。オレイン酸と言う不飽和脂肪酸は脂肪の燃焼を助ける働きもあるので、貴方のダイエットにも是非ナッツを取り入れましょう。
ナッツは糖質制限ダイエットに向きか?
ナッツとは?
ナッツは種実類の英語名で、硬い殻や皮に包まれた食用の実のことを表します。果物の一部として分類されていますが、一般的な果物と比べ、保存期間が非常に長い特徴があります。実や種をそのまま食べる事もできますが、殻や皮を取り除いて乾燥させて食べられる事が殆どです。塩や砂糖などによって味付けされたり、熱を使ってロースト(煎る/蒸す)加工されるナッツもあります。
ナッツの種類
ナッツは大きく堅果、核果、種子の3つのグループに分類することが可能です。
●堅果
堅果は非常に硬い殻に覆われている特徴があり、栗やヘーゼルナッツがこの硬果に属します。
●核果
核果は一般的なフルーツの様に果実の中心に1つの核があり、その中に種のあるものを指します。アーモンドやくるみが核果の良い例です。
●種子
種子はカシューナッツなどの様に殻や皮に覆われていないナッツの事で、そのまま食べられる物が殆どです。
ちなみに、ピーナッツは豆類ですので、正式にはナッツ類には含まれません。
ナッツは糖質制限ダイエットに向いている?
ナッツは高カロリーで糖質量&脂質量も高い傾向にあります。しかし、ナッツのタンパク質は良質で、ビタミン、食物繊維が豊富に含まれています。後ほど詳しく解説しますが、ナッツ類に含まれるオレイン酸と呼ばれる不飽和脂肪酸は、ダイエット時に体内で大活躍します。ナッツのカロリーは高くても、ナッツは大量に食べる食品ではありません。ご飯100gは直ぐに食べられますが、ナッツ100gはかなりのボリュームです。その為、ナッツの摂取は少量が基本ですので、ナッツを食べたから太る、ダイエットの妨げになる事はないので心配いらないでしょう。ちなみにナッツは1食25g程度が基本です。
ナッツ類のカロリー・糖質・脂質・タンパク質比較
ナッツ類のカロリー比較(100gあたり)
食品 |
カロリー |
カシューナッツ(100g) |
576kcal |
ヘーゼルナッツ(100g) |
684kcal |
マカダミアナッツ(100g) |
720kcal |
ピスタチオ(100g) |
615kcal |
ピーナッツ(100g) |
562kcal |
くるみ(100g) |
674kcal |
アーモンド(100g) |
598kcal |
上の表がナッツの種類別カロリーの一覧です。マカダミアナッツのカロリーが一番高くなっています。そしてヘーゼルナッツやくるみのカロリー量も高いことから、先ほど紹介した堅果、殻や皮に包まれているナッツ類のカロリーが他の種類のナッツよりも高い事が分かります。正確にはナッツ類には属さないピーナッツのカロリー量が一番低いことからも、どのナッツ類もかなりの高カロリーである事が伺えます。ご飯一膳(160g)で269kcalですので、ナッツのカロリーの高さは明確です。
ナッツ類の糖質・脂質・タンパク質量比較(100gあたり)
食品 |
糖質 |
脂質 |
タンパク質 |
カシューナッツ(100g) |
20g |
47.6g |
19.8g |
ヘーゼルナッツ(100g) |
6.5g |
69.3g |
13.6g |
マカダミアナッツ(100g) |
6g |
76.7g |
8.3g |
ピスタチオ(100g) |
11.7g |
56.1g |
17.4g |
ピーナッツ(100g) |
11.4g |
47.5g |
25.4g |
くるみ(100g) |
4.2g |
68.8g |
14.6g |
アーモンド(100g) |
9.3g |
54.2g |
18.6g |
ここではナッツの食品分析を比較したいと思います。
上の一覧から分かるように、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、くるみは糖質量はかなり低いメリットはありますが、脂質量が高く、タンパク質量が高くはありません。
反対に、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーナッツとアーモンドは糖質量が高く、脂質量が比較的抑えられている特徴があります。この4種類のナッツはタンパク質も豊富に含んでいるので、身体作りにもお勧めです。中でもアーモンドは糖質量、脂質量が低く、高タンパクですので一番バランス良く、ダイエット中の摂取にはピッタリです。
ナッツの特筆すべき栄養素・ダイエット効果
ナッツのオレイン酸は不飽和脂肪酸、脂肪燃焼率UPに効果的!
ナッツにはオレイン酸と言う種類の不飽和脂肪酸が非常に高い割合で含まれています。
不飽和脂肪酸にはナッツ類に含まれる一価不飽和脂肪酸と、魚介類に多い多価不飽和脂肪酸の2種類に分類する事が可能です。オレイン酸からなる一価不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす働きがあります。これによって血液をサラサラにして血圧を抑えてくれます。動脈硬化などの生活習慣病の予防はもちろん、脂肪吸収率の低下、脂肪燃焼率の向上に効果的です。ナッツの脂質は質が高く、体内の脂肪を減らしてくれますので、ダイエットにメリットがあります。
ナッツの不溶性食物繊維はお腹を膨らませる!整腸作用も!
ナッツに含まれている食物繊維は不溶性食物繊維という、水に溶けない性質を持っています。この不溶性食物繊維は体内で水分を吸収して膨張するので、胃袋の中で大きなスペースを必要とします。その為、ナッツを食べるとお腹が膨らみ、満腹感を感じやすくなるでしょう。この食物繊維の性質は食事の量を軽減させるのに役立ちますし、ナッツの食べ過ぎにも役立つでしょう。
また、食物繊維は腸内環境を整えてくれるので、便秘解消や下痢解消にも効果的です。
強力な抗酸化物質のビタミンEでパワフルなアンチエイジング
アーモンドやくるみなどのナッツにはトコフェロールと言うビタミンEが非常に豊富に含まれています。ビタミンEはかなり強力な抗酸化物質で、体内の細胞の酸化の防止、酸化している細胞の還元(酸化した細胞を元の状態へ戻す)に大きな効果があります。体内の細胞は酸化する事で老化します。体内の細胞の酸化を防ぎ、既に酸化してしまった細胞を還元する事で各細胞の機能が高まり、活性化が期待できます。この細胞の酸化防止、還元を促す働きは身体を若々しく保つアンチエイジングに繋がります。美肌効果や抜け毛防止、免疫力UPや性機能の改善、ホルモン分泌量の上昇などが起こります。ホルモンの分泌量が上がり、ホルモンバランスが整うと、筋肉量を増やしたり、脂肪の燃焼率を高めたりなどのメリットも現れます。より深い眠りに就ける様になるので、心身のコンディション改善にも効用があります。
またビタミンEにはAGEsと言う物質を減少させる働きもあります。このAGEsはシワやたるみ、血管の老化の原因でもあるので、この物質を減らす事は更にアンチエイジング効果を高めてくれます。
様々なビタミンB群の栄養素も!
ナッツにはビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB6、パトテン酸やナイアシンと言ったビタミンB群が豊富に含まれてます。ナッツの種類によって、その量は微妙に変化しますが、どのナッツを食べてもビタミンB群の補給が可能です。どのビタミンB群の栄養素も、水に溶けて炭水化物や脂肪をエネルギーに変換する過程を手助けする働きがあります。しっかりとビタミンB群を摂取する事で、エネルギー転換率を高められるので、脂肪の燃焼がより効率良く行われる様になるでしょう。
まず、カシューナッツやピスタチオに豊富なビタミンB1は、チアミンとも呼ばれていて、神経伝達をスムーズに行えるような働きもあります。そして、特にヘーゼルナッツやくるみ等に多く含まれているビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、脂肪と糖質の代謝に利用されます。他にも赤血球の形成や皮膚&爪の正常化、目の充血の改善などにも役立ちます。アーモンドに多く含まれているナイアシンは、消化系や神経系に働きかける事で、下痢や皮膚炎、口内炎に効果的です。また、ピスタチオに豊富なビタミンB6は、女性ホルモンのバランスを整える働きがあります。肌荒れや月経の際のストレス減少に役立ちますよ。
アルギニンの成長ホルモンでパワーアップ&脂肪燃焼
アーモンド等のナッツ類には少量ながらアルギニンも含まれています。アルギニンは成長期に伸長を伸ばす役割がありますが、大人になってからも幾つもの効用が存在します。まずアルギニンには血管を拡張させる効果があり、栄養素を全身に行き渡るように促してくれます。これによって全身の隅々の細胞が活性化するので、運動能力が向上するだけでなく、消費カロリーを引き上げる事が可能です。また、成長ホルモンの分泌を促すことで、筋力アップ、脂肪燃焼率の向上、回復力の改善などの効果も期待できます。
ダイエット中のナッツの食べ方
ナッツ類は「ロカボ」な食事に最適、「ロカボ」とは?
「ロカボ」とは、「Low Carbohydrate、(低糖質)」の略である造語です。低糖質の食事を推薦していて、ダイエット志向の現代人に受け入れられています。「Low Carbohydrate」である事がポイントで、「No carbohydrate」ではない為、適正量の糖質摂取が許されています。極端な食事制限や、糖質を一切摂取しない糖質ダイエットに異を唱えていて、楽しく工夫しながら取り組めます。何を、どのタイミングで、どのように食べるか考え、頭を使って工夫する事で、「糖質を食べながら行う糖質制限ダイエット」とも言い換えられるでしょう。食べられない事から来る心理的なストレスを無くし、不必要に空腹になる事も軽減できるので、食事を楽しみながらダイエットに取り組めます。無理なく継続できるので、ダイエットの成功率をかなり高められるでしょう。
そんな「ロカボ」ダイエットにナッツ類はピッタリな食材です。ナッツは糖質を含んでいますが、良質なタンパク質やビタミンE、ビタミンB, 食物繊維などの豊富な栄養素が補給ができます。貴方もナッツを食べながら「ロカボ」ダイエットで楽しく取り組んでみてはどうでしょうか?
ナッツは皮ごと食べよう!
ナッツの抗酸化物質であるビタミンEは、表面の殻や薄皮に多く含まれています。硬い殻に覆われているヘーゼルナッツなどの堅果のナッツは、殻ごと食べるのは困難ですが、アーモンドやくるみあどの核果、カシューナッツなどの種子は皮ごと食べましょう。より多くのビタミンEを摂取できるので、アンチエイジング効果を高められますよ!皮にはポリフェノールも含まれているので、内臓脂肪の燃焼、視力回復などの効果も期待できます。
ナッツはいつ、どう食べる?
ナッツは食事前の間食に利用するのがお勧めです。先ほど紹介した通り、ナッツの不溶性食物繊維はお腹を膨らませる効果があります。ランチや夕食前に少量を口にするだけで、食事の量を軽減できるでしょう。食後には満腹感を感じられるので、ストレスを感じにくく、長期的に継続できるはずです。ナッツには様々な種類があるので、毎回違った種類のナッツを用意すれば飽きにくく、楽しみながらダイエットできるでしょう。
他にもナッツを小さく砕いてサラダに加えたり、ミキサーで粉々にしてソースに利用する、スムージーに加えるなどの摂取方法もお勧めですよ。
ナッツで太ってしまう理由
ナッツの食べ過ぎには要注意!!
ナッツは高カロリーな食材です。その為、食べ過ぎは肥満の原因になり、ダイエットの敵になりかねません。
また、不溶性食物繊維は必要以上に摂取すると胃に負担を掛ける場合があります。特に胃や腸が弱い方は、食べ過ぎるとお腹に違和感を感じる事があるので気を付けましょう。また、胃に大きな負担が掛かり過ぎると、消化スピードが遅くなり、エネルギー源の脂肪への転換率も高まるので要注意です。
塩分摂取を控える
アーモンドやくるみ、ピーナッツなどのナッツは加工や味付けがされている商品が非常に沢山あります。塩味のナッツには非常に多くの塩分が含まれていて、ダイエット向きではありません。塩分の過敏摂取はコレステロール値や血糖値の上昇を促し、体内に脂肪が蓄えられやすくなってしまいます。
せっかく素晴らしい食品を食べるのに、不要な塩分まで摂取してしまうのは残念ですよね。無塩、無添加商品を選ぶことで、ナッツの栄養素を取りながらも不要な塩分等の摂取を控えるよう心掛けて下さい。