足上げ腹筋で下腹を引っ込める!足上げ腹筋の効果と注意点を解説!

監修者

仙福 太郎

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

下腹を鍛えて、引き締める方法をプロのトレーナーが徹底解説!何故足上げ腹筋で下腹が引き締められるのか?何故足上げ腹筋を行うと腰が痛くなるのか?腰痛を防ぐには?正しく行えば効果抜群、間違うと怪我のリスク大の足上げ腹筋を徹底解説!

下腹を引き締めるには?

足上げ腹筋とは仰向け、またはぶら下がった状態で足を上下させることで下腹部の引き締めを目的としたトレーニングです。では何故足上げ腹筋が下腹部の引き締めに効果的なのでしょうか?

ポッコリお腹の原因は?

学生のときは気にならなかったのに歳を重ねると急にお腹が出てきてしまいました…。これって何でなんでしょうか?

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

多くの方が気になるであろうポッコリお腹ですね。お腹が出てしまう理由は大きく2つあります。

1つは脂肪の蓄積です。お腹の内側には内臓がありますが、外からの衝撃を防いでくれる骨などはありません。内臓を守るために脂肪が蓄積しやすいと言われています。脂肪を減らすには適度な運動と食事が効果的です。

2つ目は姿勢の歪みです。骨盤が前に傾き(骨盤前傾)、肋骨が開いた状態(リブフレア)になると、内臓を外から支える腹筋群の機能が低下し、内臓が前に迫り出てしまいます。運動をしているが、なかなかお腹が引き締まらない方はもしかすると姿勢の歪みが原因かもしれません。この場合は腹筋群(腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋etc…)のトレーニングが必要となります。

これらがポッコリお腹の原因である2つです。足上げ腹筋は腹直筋下部、外・内腹斜筋を始めとした腹部の筋を鍛えてお腹を引き締めるのに効果的なトレーニングです! 続いて足上げ腹筋で働く筋肉について解説します

足上げ腹筋で働く筋肉

足上げ腹筋では主に腹直筋の下部線維をターゲットとします。腹直筋は恥骨(臍の下にある骨部分)から剣状突起(臍の上の骨)と肋骨に付着しています。腹筋は身体の前面を覆っています。そのため内臓が前に迫り出すのを防ぐ役割があります。特に下腹部を鍛えるには仰向けのときに骨盤を床から持ち上げる動きをします。

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

ちなみに腹筋の上部を鍛えるには床から肩甲骨を持ち上げる動きをすると鍛えることができます。

腹筋は身体を丸める動き、反りすぎないようにブレーキをかける役割もあります。そのため足上げ腹筋では足を上げる、下ろす動きをコントロールすることが重要です。この他にも、太ももを引き上げる動きでは腸腰筋・大腿直筋が作用します。足を伸ばした足上げ腹筋の際に、足先に力が入ると大腿に刺激が逃げてしまうため注意が必要です。

そして左右のバランスをとるために内・外腹斜筋が作用します。腹斜筋は肋骨を閉じてポッコリお腹をしまう役割があります。そのためには足を交互に動かすとより強く作用します。また筒状のお腹を周りから支える腹横筋や腰痛予防に必要な横隔膜も刺激されます。この2つは呼吸と密接に関係しているため、動作中は呼吸も意識することが必要となります。

何故腰痛が起こる?

足上げ腹筋をしてみたが、腰が痛くなった経験はありませんか? 足上げ腹筋で腰を痛める原因は大きく2つあります。

<足を上げる動き>
足を上げる動きのときに必要以上に足を上げると腰が丸まりすぎてしまい、腰痛の原因となります。例えば仰向けの足上げ腹筋では足を床と垂直になるところまで上げればオッケーです。それ以上足を頭に近づけると腰が必要以上に丸まりますし、ターゲットとなる下腹部はそれほど刺激されません。

<足を下ろす動き>
基本的には足を上げる動作よりも下ろす動作のほうが負荷が高くなります。下ろすときに負荷に耐えきれず、反り腰となってしまい痛みとなるケースが多いです。これを防ぐには負荷の調節(足を近づける、動作範囲を高い位置で、狭くするなど)を筋力に応じて行う必要があります。
また、普段の姿勢が反り腰の方は、もともと腰が反っているため腰のアーチが過剰になり腰痛になりやすいです。猫背の方も可動域を大きくしすぎると、腰が反りやすくなります。トレーニングを始める前提として、正しい姿勢やある程度の柔軟性(特に脊柱や股関節)が確保されていると怪我のリスクが減り、効果的にトレーニングを進めることができます。

仙福 太郎監修トレーナーからのアドバイス

JASA-AT、NSCA-CPT、健康運動実践指導者、米国EBFA認定ベアフットRehabスペシャリスト 2017年石川県オープンメンズフィジーク172㎝超級 4位

正しいやり方で腰痛を防いで鍛えましょう!

足上げ腹筋を効果的に行うやり方

足上げ腹筋は方法を間違うと怪我のリスクが高くなりますが、ポイントを押さえれば効果的に下腹部を引き締めることができます。

動作の範囲をコントロールする

基本的に筋トレの際は関節を大きく動かします。しかし、自分が動きをコントロールできない範囲まで動かしてしまうと、怪我に繋がります。足上げ腹筋の際は足を下ろしたときに腰が過剰に反らないようにしましょう。具体的には床と腰が手の平1枚入るくらいをキープしましょう。慣れてきたら少しずつ動作範囲を広くしていきます。また足を闇雲にあげても下腹部に刺激が入らないことが多いです。種目によって、刺激が入る範囲が異なるので注意しましょう。

負荷を調節する

自分の筋力以上に負荷が大きくなると、動作範囲をコントロールしていても腰痛に繋がることがあります。逆に負荷を落として、広い範囲でトレーニングすることもできます。まず負荷を落とすには足と腰の位置を近くにします。足上げ腹筋は膝を伸ばすより、曲げて行ったほうが負荷が低くなります。反対に負荷を高めたい場合は膝を伸ばす、足に重りを挟む等があります。

回数とセット数

基本的には腹筋も他の部位と同様に10回ギリギリできるくらいの負荷で、複数セットをこなします。しかし負荷が大きすぎると腰痛の原因にもなります。慣れていない方は20〜30回できる種目、負荷から始め段階的に負荷を高めていきましょう。

足上げ腹筋のバリエーション

ニートゥチェスト

体育座りで手を身体の後ろにつく。膝を胸に近づける、つま先を遠くに伸ばす動きを繰り返す。足の高さを一定に保ち、膝をしっかり引きつけるのがポイント

レッグレイズ(膝90°)

仰向けになり膝の角度を保ったまま足を上下させる。足と腰の位置が近いので比較的負荷は少なく腰痛になりにくい。

レッグレイズ(膝伸ばして)

仰向けで足を伸ばしたまま上下させる。足は床と垂直になる位置まであげる。足が遠い位置にあるため負荷は高い。腰が反る場合は足を下ろしすぎないこと。また、顎を引いて常にお腹に力を入れておくこと。

ハンギングレッグレイズ(膝曲げて)

懸垂バーにぶら下がり、曲げた膝を胸へ引きつける。身体がふらつかないようコントロールしながら行う。身体のコントロール、握力等が必要な為、上級者向け。

ハンギングレッグレイズ(膝伸ばして)

懸垂バーにぶら下がり、足を伸ばしたまま足を上下させる。筋力がある場合は足を頭の位置まで上げる。難易度は高いが、広範囲で腹筋を鍛えられる。

Vシット

仰向けで足を床と垂直まで持ち上げると同時に、つま先をタッチする。下腹部に加えて上部も鍛えることができる。

これらの種目を片足ずつ(足を交互に上げる)行えば腹斜筋も効果的に鍛えることができますよ。

下腹部を引き締めるために

ここまでをまとめると
・お腹が出てしまう原因は、脂肪の蓄積と姿勢の歪み
・足上げ腹筋では腹直筋の下部や腹斜筋、腸腰筋などが働く
・腰痛の原因は、腰の丸めすぎや反りすぎ
・ポイントは動作の範囲をコントロールし、適切な負荷で行うこと

より効率よくお腹を引き締めるには腹筋だけでなく、適切な食事も重要になってきます。食事と運動のバランスがとれれば効率よくお腹を引き締めることができますよ!

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