加圧トレーニングとは？正しいやり方や頻度、ウェアやベルトの使い方も解説

筋肉中の血液循環に圧力をかけることで筋肉から出る血液を含む管、つまり静脈が圧迫されます。静脈が圧迫されるということは、筋トレの代謝物である水素イオンや乳酸が貯留します。乳酸や水素イオンは筋肉にとっての疲労物質です。つまり、この2つは筋トレなどの運動をした直後に生じる即発性筋痛という筋肉痛の原因物質となります。

即発性筋痛は運動直後に生じる筋肉痛のことですが、加圧をすることで乳酸や水素イオンが貯留して通常より早く即発性筋痛が生じます。そして、これが刺激となって成長ホルモンの分泌が活性化されます。大量の乳酸や水素が貯留するということは身体にとって「害」であると脳が感知します。つまり脳を騙して、筋肉にダメージを負っていると勘違いさせます。結果、筋肉の修復を促す成長ホルモンが筋肉のダメージを修復するために分泌が活性化されます。

成長ホルモンは筋肉の修復を促す働きを持ちますが、機能はそれだけではないです。表皮細胞の代謝を活性化させたり、毛根の細胞を活性化されるといった働きをします。この働きがあることで、シワの解消や頭髪量の増加が促されます。

加圧トレーニングは筋肉をつけるのは勿論、年を重ねるとともに出てくる悩みを解消してくれる効果も持つのです。

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初めて加圧トレーニングを始める方は加圧マシン購入時と同様に、加圧トレーニングの専門指導者と一緒にトレーニングを始めることをオススメします。勿論普通の筋トレもやり方次第、身体が傷つく原因となります。

しかし、加圧トレーニングは傷つくならともかく、下手をすれば生命の危機を脅かす因子となってしまいます。せっかくトレーニングを始めるのであれば、安全に、より効果を得るために専門資格者の元でトレーニングを始めましょう。加圧トレーニングといっても何をするのかが想像できない方もいると思います。加圧トレーニングのやり方を簡単に説明していきます。

一般的な筋トレと加圧トレーニングの違いをザックリ説明すると、加圧マシンをつけているか否かなのです。加圧トレーニングの内容は筋トレとほとんど変わりません。しかし、筋トレと違って、水素イオンや乳酸が貯留して即発性筋痛が早い段階で現れるため、内容に大差がなくてもトレーニング方法が異なります。

筋トレ初心者が急に高負荷筋トレを始めても、慣れていない関係で身体がかえって傷ついてしまうように、加圧トレーニングも最初から一気に負荷をかけることができないのです。大切なのは徐々に負荷をかけていくことです。また、乳酸は低負荷、高回数で産生が促されると言われています。

頻度

そして、加圧トレーニングを行う頻度は週3回が理想です。加圧トレーニングの場合は危険性などを考慮してジムで行うことをオススメしますが、自身のスケジュール的に週3通えない方は、1〜2回/週でも効果は期待できます。また、このトレーニング方法だと一般的な筋トレ比較して一度にかかる負荷が高いため、短時間でトレーニングは済みます。上肢と下肢それぞれ10〜15分/回でも十分な効果を得ることができます。

加圧トレーニングで仕様するベルトですが、筋肉の付け根に圧力をかけれれば何でもいいというわけではありません。加圧トレーニング専用のベルトを使用する必要があります。

このトレーニングは腕の付け根か脚の付け根のどちらかを加圧するため、ベルトも腕と脚用の2種類があります。両方とも形状や大きさなどが異なっているため、腕と脚の両方をトレーニングする場合は必ず2種類揃えてください。

専用ベルト（加圧機器）も豊富な種類が市場に出回っています。脈波をモニタリングしながら加圧設定を変えられるものや、圧力を自動で少しずつ上げるウォーミングアップ機能が搭載されているもの、ベルトの伸縮性が優れているものやポータブルなものなど、性能はそれぞれです。勿論性能が良ければ、良いほど値段も高いです。トレーニングにかけられる予算やご自身の体格などを検討した上で加圧機器を購入することをオススメします。

しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。高ければ高いほど性能がいいと前述にありますが、インターネットで加圧機器を購入する前は必ずその商品が認可されているものか否か・正規資格所有者が講習を行うのかを調べましょう。

加圧トレーニング機器・専用ベルトは、安全の為に正規資格者からの講習を受けて購入する事になっています。間違っても、インターネットでの購入はしないようにしてください。

実は、加圧トレーニングと並行して有酸素運動を行うと脂肪燃焼の効果が高まると言われています。その理由を解説します。

加圧トレーニングは成長ホルモンの分泌が活発化する効果があると前記でも述べました。分泌される成長ホルモンは脂肪組織に作用します。その主な役割は脂肪の代謝を促進し、過度に脂肪が貯蓄しないように機能しています。一方で、有酸素運動も脂肪を燃焼する効果を持ちます。有酸素運動の脂肪燃焼メカニズムは以下の通りです。

①有酸素運動を行うことで活動エネルギーが必要な状態になる
②脳が脂肪分解をしてエネルギーを得るように命令を出し、脂肪を分解する「リパーゼ」という酵素が活性化される
③脂肪が分解されて、グリセロールと遊離脂肪酸となり血液中に放出される
④放出された脂肪酸は筋肉でエネルギーとして利用される

①〜④が有酸素運動によって、脂肪が燃焼されるメカニズムです。そして、成長ホルモンも脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する働きを持つため、相乗効果によって脂肪燃焼効果が促進されるのです。加圧トレーニング後に成長ホルモンが分泌されるピーク時間は、トレーニング終了15分後だと言われています。そして、成長ホルモンによって脂肪が分解され始まるのはトレーニングの約2時間後です。そのため、加圧トレーニングを実施した後に有酸素運動を行うと絶大な効果を得られます。

しかし、順番には注意しましょう。加圧トレーニングの前に有酸素運動を行うと、運動によって脂肪の分解が先に進んで成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。また、有酸素運動は加圧トレーニングと比較して疲労感が大きいため、加圧トレーニング前に行うと疲れの原因となってトレーニングに集中できないことにも繋がります。

ある程度ジムでの加圧トレーニングに慣れて加圧ベルトも持っている場合、ご自宅でもトレーニングをやりたくなるはずです。しかし、加圧トレーニングは専門知識を有する必要があります。そのため、ご自宅で安易にトレーニングを行うことは危険でもあります。

前述にもありますが、加圧トレーニングは血栓を形成してしまったり、その他に貧血症状の発症や四肢への血流が不十分なことによって手脚の痺れといった症状を呈する可能性もあります。手脚の違和感、痺れや貧血症状が発症した場合はただちに加圧トレーニングを中止しましょう。中止する際はベルトの圧を一気に逃がすと、停滞していた血流が一気に解放されることで心臓に大きな負荷が掛かります。これを予防するためには、ベルトの圧を一気に逃がすのではなく、徐々に圧を低くして最終的にベルトを外しましょう。

その他に、ご自宅でトレーニングを開始する場合は次のことを守りましょう。

まず、ご自宅で行われる際は正規資格者と定期的に相談しましょう。圧力は人によって適した圧力があると共に、正規資格者が一緒だからこそかけられる圧とそうでないものがあります。そのため、加圧トレーニングの専門知識を有する正規資格者に相談した上でご自宅でのトレーニングを始めましょう。

次に、圧だけでなく指定されたトレーニング時間は遵守しましょう。加圧トレーニングは血管をほとんど遮断することと同じなため効果を得られる反面、血栓形成・貧血・手脚の痺れといった危険性を伴います。人間は30分以上血管路を遮断されると組織の壊死が徐々に進行すると言われています。トレーナーから時間の指定が無い場合はトレーニング時間を片腕/脚10〜15分にしましょう。

加圧ベルト以外に、着用することである程度の圧がかかる「加圧ウェア・シャツ」があります。「加圧シャツを着るだけで、筋肉がつく」など、悪質な宣伝が多く見られますが、加圧シャツと加圧トレーニングで得られる効果は全く異なります。

加圧ベルトによるトレーニングは、特定部位の血流を遮断することで成長ホルモンの分泌を促すことを目的としたトレーニングです。
一方で加圧シャツはベルトと違って、血流を遮断するほどの圧がかからないように設計されているため、ベルトの様に成長ホルモンの分泌を促して筋肉をつける効果は期待出来ません。
しかし、加圧シャツが全く効果を持たないわけではありません。

加圧シャツを着用すると、ある程度の圧が上半身にかかっていることでポッコリとしたお腹を凹ませることができます。シャツで腹圧をかけることによって、内臓下垂を起こしている場合はその矯正にもなります。
腹部以外に背部にも圧をかけているため、猫背など簡易的な姿勢矯正用具としても使用することができます。

加圧シャツは血流を完全に遮断させないため、基本的には四六時中着用しても害は少なくありません。しかし、シャツをフル活用するためには着用時間を工夫することをオススメします。

まずは、つい食べすぎてしまって食事の減量を目指している方は食事中に着用することで腹部に圧がかかり、摂取できる食事量も減ります。次に、姿勢矯正を狙っている方であればデスクワークや対人時に使用すると正しい姿勢を維持できることができます。

加圧ベルトと同様に、加圧シャツもご自身の目的や用途に合わせて着用をしましょう。

加圧トレーニングは筋肉の血流を一時的に制限することで、成長ホルモンの分泌を活性化する効果を持ちます。しかし、加圧ベルトを正しく利用しなければ健康被害を及ぼす可能性があります。トレーニングの効果を最大限に得るためには、つかい方が大切です。

まずは、必ず加圧トレーニングの専門知識を有する正規資格者の指導の元で加圧ベルトを選択してトレーニングを一緒に行いましょう。
次に、かける圧は規定された圧を遵守しましょう。加圧トレーニングはあくまでも血流を一時的に制限することでその効果を発揮します。長時間圧をかけることで、健康被害を及ぼします。

最後に、加圧トレーニングは正規資格者と一緒に行うことがベストですが、ご自宅でされる場合は必ず正規資格者と相談した上で始めましょう。

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